プロローグ
微睡みの中、少しだけ意識が浮上した。
それは全てを白で塗りぶしたかのような真っ白な空間、自分という存在以外の全てが拒絶されているような虚無の空間。
そんな空間に、俺はいた。
前後左右自分が逆さを向いているのかも分からない、意識だけがなんとなく浮いているような感覚。
それは異常事態だと言ってもいいはずなのに、感情は騒ぎ立てることもなく、ただひたすら待っていた。
(……待って……いた?)
どうしてそんな風に思ってしまったのか分からない。
このような状態になる前の記憶もあまり定かではなく、意識が微睡んでいるせいか記憶を思い出すことすらままならない。
思い出すことに意識を傾けようとすると、微睡みの中に引きずり込まれるような感覚を覚えて、とりあえず思い出すことを諦めた。
<自分は
それさえ理解できていれば、全ては問題ないかのような不思議な気持ちになった。
それ自体には何か突っかかりを覚えるものの、何も出来ないということに変わりはなく、違和感を覚えながらも意識を保たせる。
時間の概念すらないような空間に幾ばくか留まっていると、唐突に微睡みの中へと引きずり込む力が増したように感じた。
異世界で培った精神力でなんとか意識を保たせようとするも、そもそも記憶すら思い出すことがままならない、そんな薄氷の上でバランスを取っていた状態だ。
抵抗も虚しく徐々に意識が遠くなっていく。
最後の抵抗に本気で力を入れると少しだけ意識が再び浮上し――――
――――諦めが悪いとでも言うかのように強引に引っ張られ、ぷつりと意識が途絶えた。
★☆★☆★☆★☆★☆
壁に隔たれているような、遠くの方でなにか喋っているような、そんな声が聞こえた気がした。
しかし重だるい感覚は抜けることもなく、声も鮮明ではないので誰が何を言っているのか理解できない。
「――――、――――」
「――――、――――!」
耳を傾けて聞こえるように努力しても、脳が言葉の認識を拒否しているかのように言っている内容の理解ができない。
諦めてそのまま意識を再び放りだそうとした時、――――つい先ほどの空間のことが脳裏を過ぎった。
一気に意識を浮上させガタリと躍ね起きる。
そうしてキョロキョロと辺りを見渡していると、クスクス笑うかのような静かな笑い声が周りから聞こえてきた。
「遠藤くーん、授業中に居眠りですか?」
「浩介、何やってんだよ……」
……懐かしい授業の風景だった。
隔離教室と呼ばれるようになったあの教室の場所ではなく、時折普通の高校生とは思えないような鋭い空気を垣間見せることもなく、今の今を謳歌し多少の不満はあれど“普通の”生活を送っている。
そんな昔見た教室で、遠藤浩介は目覚めたのだった。
みんな大好きアビスゲート卿の逆行です。
支離滅裂だったり、言葉が間違ってたり、設定が間違っていたら、お手数ですが教えてください。
改行の仕方が変なのは仕様という事で諦めて下さい(それ以外書けないだけとも言う)