赤龍帝ストラトス(仮)   作:超人類DX

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閑話かな。

前半はイチャイチャやってて後半は――――まぁうん。





龍帝の力に呼応せし者達

 仕事をする振りをして適当に力を抜き、給与だけを上手い具合にがめるのが私の仕事のやり方。

 なので篠ノ之束の捕獲等という任務についても本当の所はやる気なんて無いし、一応直属の上司であるオータムとスコールには適当な報告をして誤魔化している。

 

 それよりも問題なのは、私自身の寿命についてどう克服するかだ。

 しかも元士郎の様に長い寿命だけでは無く、老化の速度もそれ相応に遅くする必要もある訳で。

 

 そうでなければ私一人が元士郎を残して老人になって先立ってしまったら元士郎が独りぼっちになってしまう。

 それだけはなんとしてでも避けなければならない。

 

 

 それに先日の事もある。

 一瞬の事で何処でかまでは解らなかったが、確かに感じた強大な力。

 一国、世界――いや、更にそれをも越えた地球(ほし)クラスの武力が必要とさえ思える計り知れない力の奔流。

 

 私は元士郎により鍛えられたお陰で周囲からの気配をある程度察知できる様にはなれたが、全力化となった元士郎と同等――いやもしかしたら更にその上を行く力だった。

 元士郎もあの力には勿論気づいている。

 

 

 ………問題はその力を感じた元士郎の顔がこれまでに無いくらい驚愕に染まっていた事だったけど。

 

 

「篠ノ之束の妹の学年は近々学校外に出て宿泊学習というものをするらしい。

篠ノ之束は実に妹想いらしいからな、偶然妹の誕生日と宿泊学習の日程が一致してる事を考えると、妹に会いに姿を現すかもしれない」

 

『そうか……』

 

 

 私と元士郎はチームを組んでる体であるオータムとスコールにより常に監視されている。

 なので元士郎は一定の条件が無いと本気の修行が出来ないが、そういった監視を逃れる小細工はとっくに出来ている。

 

 例えば今もそうだけど、元士郎がソーナ・シトリーとかいう悪魔にかつて遣えていた時に覚えさせられた人避けの障壁結界。

 世界でただ一人元士郎だけが使える人智では辿り着けない技術により奴等の監視を完全に断てる。

 

 これにより私と元士郎は本気の鍛練をできるのだけど、今日の鍛練は少しだけ違った。

 何が違うかと云うと、元士郎が始めから鎧を纏っていて、大波の荒れた海岸にて海に向かってひたすらその力を放っている。

 

 

『……………』

 

 

 その力は端から見ればその姿と同じく禍々しさを感じるのかもしれない。

 漆黒に染まった狼の鎧の節々から漏れる赤黒い炎は海の水を蒸発させ、その手に持つ剣は振れば天を切り裂き、地を割る。

 

 そして―――

 

 

       牙皇降臨

 

 

 剣を天に掲げ、円を描く様に回して出現した光円の黒い光を浴びた元士郎の姿は禍々しい龍となり、海を破壊する。

 この場所が無人島で人の気配がしないので安心だが、龍そのものとなった元士郎の口から放たれたあの力はまさに世界を破壊できる力である事は間違いない。

 元士郎の奥義のひとつ牙皇降臨……この力をもしISを纏った誰かが喰らったら塵ひとつ残らず消滅するだろう。現に修行場に使っていた無人島が核攻撃でも受けた様に奥義の余波で消滅してしまった。

 

 無人島に向けて放った訳ではないのにも拘わらずだ。

 

 

「…………ふぅ」

 

 

 龍から狼へと戻り、更にその鎧が解除されて元士郎の姿へと戻る。

 どうやら先日感じた力により触発されたのか、溜め込んでいた自分の力をどこかに放出したかったらしく、久々に元士郎の奥義を見れた私は割りと嬉しかったりする。

 

 

「篠ノ之束がどうしたんだっけ?」

 

「近々その妹が通ってるIS学園で宿泊学習が行われ、更には誕生日も重なっている。

調査によれば彼女はかなり妹を大切にしているらしいから、もしかすればその場に出現するかもしれない」

 

「そうか。その博士とやらは興味ないけど、そろそろスコールとオータムに怪しまれるから接触する体は作るか」

 

「別に逃げられてしまっても良いし、取り敢えず姿を発見して捕まえようとはしたという感じにね……ふふ」

 

 

 鎧が解除されると同時に細身に戻った剣を黒鞘に収めながら話す元士郎に私も少し笑みを溢しながら頷く。

 お金を吸い上げるためにあんな陰気な組織に身を置いてるのだけど、そろそろ適当にでっちあげた調査報告だけではスコールとオータムが怪しむし、ここいらで少しだけ篠ノ之束を捕まえる体のアクションをしてお金をもっと吸い上げようと思う。

 

 どうせあの組織を運営してるお金なんて良いものではないしね。

 

 

「帰るか。溜め込んでいた力を吐き出すつもりが無人島を消し飛ばしてしまった……」

 

「これでまた新しい場所を探さないといけないな。

結構大変なんだよね探すの……」

 

「悪い……」

 

「いや、久々に奥義を見せて貰ったし、気にする事は無いよ元士郎」

 

 

 そんな組織の事よりも気になるのはあの強大な力についてだ。

 一瞬の事過ぎて元士郎も何処にその力の源があったのかはわからないらしいが、どうやら全く知らない力という訳ではない事はすでに顔に描いてあるから私でもわかる。

 

 恐らく奥義の慣らしをしていたのもその力に触発されたからだと思うし……。

 

 

「元士郎、あの力は一体何だったんだろう?」

 

「……。あの力を感じた時、俺はある男の事を思い出した。けどそれはありえない」

 

「ある男? ある男というのはまさか……」

 

「俺が友達になりそびれた奴……」

 

 

 今回拠点にしているビジネスホテルに戻った私と元士郎は其々シャワーを浴びて鍛練の汗を流した後、正直味気ない食事を終えて昨日感じた力についてを思いきって振ってみると、元士郎は自嘲した様に笑って友になり損ねてしまった男についてを語った。

 

 

「兵藤一誠だったか? お前の元主の女だけでは無く色んな女を囲っていた男を殺そうとしていた……」

 

「アイツは両親の仇討ちといってたがな。何度かアイツとは元主に内緒で会って話をしたり、アイツは神滅具を宿していて少しだけ見せて貰った事があった。

………その時覚えていたのと昨日感じた力が似ていた」

 

「それは……」

 

「けどありえない。第一俺がこうしてこの世界に居る事自体が奇跡とも言えるんだ。アイツまで居るわけが……だとしたらアイツは元の世界で死んだ事になる……あの男とそれに狂った女達によって……そんな事は考えたくない」

 

 

 黒鞘の剣を抱えながら願う様に呟く元士郎に私は何て言って良いのかわからずに言葉が詰まる。

 元士郎は向こう……つまり元士郎が元々生きた世界で殺された事により、原因はわからないけどこの世界に来た。

 

 そして造られた私を発見し、本人曰く『ただの気まぐれ』で連れ出してくれた。

 こんな事を思うべきではないのかもしれないけど、元士郎がこの世界に来て、出会えた事は嬉しい。

 そうでなければ私は今頃――――いや、仮定の話を考えても仕方ないからよそう。

 

 

「今は考えるのはよそう、どちらにせよ一瞬しか感じられなかったし時間はたくさんあるしね」

 

「あぁ、そうだな、今は仕事について考えないといけないよな」

 

 

 少しだけ笑った元士郎が抱えた黒鞘の剣手放し、そのまましまう。

 この行動の意味は過去の事を考えるのを止めたという意味。

 

 

「暗い事を考えても仕方ない。もしかしたら兵藤一誠がお前の仇もとってくれたかもしれない。元主も目を醒ましたかもしれないぞ? 今頃お前に謝りたいと思ってたり……」

 

 

 そこですかさず元気付ける為に色々と言ってみるが、言ってる途中で言わなければ良かったと後悔してしまう。

 

 

「アイツに関してはそう思うことにするけど、別に元主についてはな……。

ていうか、俺にそんな話をしながら不安そうな顔するならわざわざしなくても良いだろうに……」

 

「だ、だって好きだったんだろ? その元主が……」

 

 

 元士郎は元主……ソーナ・シトリーに惚れて眷属になったというのは知ってる。

 そしてその女と仲間達と寝た男に言われて見捨てられた事も。

 

 

「まぁ、好きだったことは否定しないな」

 

「そう……か。ま、まぁしょうがないよなこればかりは! 私がとやかく言えた事じゃないもの! は、はははー……」

 

 

 知ってるからこそ胸が痛い。

 もしも目を醒ましたソーナ・シトリーが居たとして、戻ってきてくれと頼んでそれを了承した元士郎を止める権利なんて私には無いし、考えるだけでも……あぁ。

 

 

「つってもそれはガキの頃の話だからな。

それに元主――会長って俺は呼んでたけど、どうであれ皆はあの男に惚れたんだっつー話だしそれで終わりだよ。

それに俺を笑いながら殺す事に荷担した女だぜ? 百年の恋も覚めるっつーの」

 

「それはわかってるんだけど……」

 

「心配しなくてもお前が俺から離れたがるまでは何処にも行くことは無い。………どうせ他に行く宛も無いし」

 

 

 優しくも大きな手が一々不安になってしまう私の頭に触れる。

 私を暗闇から連れ出してくれた時の様な大きな手……。

 

 

「お前が付いて来てくれて助かってる。それだけは本気で言えるから変な心配はするなマドカ」

 

「うん……!」

 

 

 やっぱり思う。この笑った顔、暖かい手……ソーナ・シトリーと会った事無いけど、バカな女だと私は思う。

 

 

「まずは篠ノ之束だ。

適当に発見した証拠写真でも撮って奴等に送れば良いし気楽にいこうぜ」

 

 

 そしてありがとうと同時に言える。

 私に元士郎と出会わせてくれた事に……。

 

 

「そろそろ寝るか、あ、このビジネスホテルって狭いからベッドがひとつだし、お前使えよ、俺は適当に床で――」

 

「一緒で良いだろ?」

 

「………………少しくらい恥じらい持てよ? ましてやお前……年齢的にオッサンだぜ俺は?」

 

「それは関係ないね私には。第一見た目の容姿は私と二つか三つしか変わらないし」

 

 

 本当に心から感謝するよソーナ・シトリー

 

 

 

 

 一瞬弱気になったマドカだけど、基本的にその包容力は変わらずだ。

 といっても元士郎にのみだけど。

 

 

「よしよし……ふふ……」

 

 

 渋る元士郎を寝かせ、自分も同じベッドに入る。

 そして頭を撫でながら胸で抱き締める。

 年齢にそぐわないその母性愛はIS学園で教師をやってる千冬とは正反対だった。

 

 

「ソーナ・シトリーに比べたら胸も色々と足りてないだろうけど、そこは我慢してくれ」

 

「いやそもそもこんな事された事無いし俺」

 

「そう、それなら私だけって事だね?」

 

「まぁ……うん」

 

 

 この先も無いだろうよ……と内心思いながら抱かれる元士郎はふと気付く。

 

 

「……? お前、変な事言って悪いけど胸少し大きくなったか?」

 

 

 息苦しくない程度にマドカの胸に顔を埋めた状態の元士郎が、その柔らかに気づいて思わず聞いてしまう。

 するとマドカは特に気分を害した様子も無く、寧ろ嬉しそうな声色を聞かせる。

 

 

「最近ISスーツを着ても胸の辺りがキツくなったんだ。

まあ、姉さんも中々あるみたいだし、私だってそれに近い大きさにはなる筈さ…………多分」

 

「ふーん……」

 

「胸だけじゃなく、他の所だってちゃんと女の身体になっている。

…………子供だって産めるんだ」

 

「おー……」

 

「何時か組織からおさらばした時は……なんてな?」

 

 

 後は寿命の問題だけ。その問題さえなんとかなれば……と内心決意を新たにしながら優しく頭を撫でるマドカは元士郎に顔を上げる様に言うと……。

 

 

「お、お前今っ……!?」

 

「私の元士郎に対する気持ち。

ソーナ・シトリーよりも強く、そして絶対に元士郎を独りにはしない誓い」

 

 

 数秒の重なりを経て頬を淡く染めたマドカの優しい微笑みに暫し元士郎は固まる中、額を重ねたマドカは紡ぐ。

 

 

「大好きだよ元士郎……」

 

 

 優しく包む込む様に……。

 

 

「お、俺は……」

「無理に答えなくても良いよ。これは私が勝手に言ってる事だから。

でも覚えておいて欲しい、元士郎が例えどんな存在でも、自分でどう思ってようと私にとっては最高の英雄(ヒーロー)だから……」

 

 

 

 

 

 

 篠ノ之束は一誠という男が本気で嫌いだ。

 叶う事ならこの世から消してやりたいし、織斑姉弟の記憶からも消してやりたかった。

 

 けれど天才である束をも理解できない程に一誠という男の持つ力は人のそれを遥かに超越し、自分が開発したISが玩具に成り下がる程の理不尽さがあった。

 

 だから余計に束は屈折するし、二度に渡って戦いを挑んで負けたせいか、精神的にも相当歪んでしまった。

 

 どれくらい歪んでしまったかというと、憎い男の腕の肉を食いちぎり、その一部を自分の身に移植して理不尽な力の一部を得て男に追い付こうとする程度に。

 

 

「いくら寝なくても肌は荒れないし、眠くもならない。

それどころか頭は物凄く冴える――――細胞片だけでこれなんて変態も良いとこだよホント」

 

 

 一誠の肉片を腕に移植し、拒絶反応も無いまま身体的強化を無事に果たしてしまった束のこの日は――いやこの日も絶好調らしく、移植前の数十倍は増した速度で自身が今全力で手入れをしている新型ISの強化に没頭しており、そのモデルは赤龍帝の鎧の形そのものだった。

 

 

「時間と共にエネルギーを倍加させる

箒ちゃんの誕生日に送る紅椿にも一部搭載させてみるのも悪くないけど、元ネタ知ったら箒ちゃんは絶対に怒るよねー……」

 

 

 性格やその他を除けば容姿等は間違いなく優れている束のIS開発。

 どうやら妹の箒の誕生日に送る予定の新型ISの機能について少し迷ってる様だ。

 

 

「でもこれを搭載し、箒ちゃんが使いこなせればきっといっくんも箒ちゃんを認める筈……」

 

 

 妹の悩みを知る姉心なのか、どうやら少しの迷いの末にその機能を搭載する決意を固めた様だが、その前に別の端末を起動させた束はモニターに映り出すそれを睨みつけるように見据える。

 

 

 

「……へへ、かんちゃんとたっちゃんとちーちゃんにはちゃんと後でお礼を言わないとな―――――――――――そうだろドライグ?」

 

 

 

 モニターに映るのは、親友の劣化コピーを仕込まれて豹変した少女を助けようと笑みを浮かべて見据えてる忌々しい男の姿。

 

 

「………」

 

 

 これまで監視を続けてる内に知っていた事だが、明らかに格下の子供にヘコヘコする姿を束は心底気に入らないといった目で睨む様に暫く眺め続ける。

 

 

『頑張ってイッセーさーん!! 頑張ったら私の勝負下着を見せちゃいますよー!!』

 

『あ、あんな大声で言わんでも良いのに、たっちゃんったら……』

 

 

 そして映像を巻き戻し、暗部の小娘が明らかに懐いてる以上の眼差しでひっつくのを然り気無く避けようとしててもやっぱりひっつかれて苦笑いするその顔をイラッとしながら見つめる。

 

 

『イッセーさん、私も当日は小娘ごときに負けずチアガール――いや、メイドのコスプレをして応援しようと思います。あ、口調も変えましょう、イッセーさんの事は暫くご主人様と……』

 

『いやいやいやいや! そんな対抗意識燃やさなくても普通にしてて!? 俺多方面の方々にぶち殺されるし!』

 

「………………………………………」

 

 

 更に巻き戻し、挙げ句の果てには親友がコスプレをするというくらい入れ込んでる姿を見て殺意が沸く。

 

 

「あんな子供にヘコヘコして、暗部の子にスケベな格好させて、挙げ句ちーちゃんにもセクハラかまして……どこまでも腹立つなぁ……!」

 

 

 思わず操作端末を握りつぶしてしまいそうな程の怒りに支配されそうになった束。

 

 

「時期が来るまでと思ってたけど我慢できない。やっぱりぶっ飛ばしてやる」

 

 

 その怒りそのままに椅子をなぎ倒す勢いで立ち上がった束は動き出す。

 目的地は勿論――

 

 

 

 

「ええっと……この前振りだね?」

 

「相変わらずむかつく顔してて安心したよ」

 

「あ、はい……ごめんなさい」

 

 

 憎き男の下だ。

 

 

「わざわざお前の携帯をハックして人目の無い所に呼び出した理由はわかるよね?」

 

「えーっと……もしかして俺とデート―――では無いよな?」

 

 

 一誠一人を学園の外に呼び出した束は、普段から殆ど人の寄り付かない森林エリアにて向かい合い、冗談を噛まそうとする憎き男を睨みつける。

 

 

「私にあんなセクハラ噛ました男の言う台詞は流石だね? わかってて言ってるんだから尚の事だよ」

 

「ぅ……い、いやアレはホントごめんというさ……本当にすいません」

 

「この事ちーちゃんにバラしたら何て言うのかな~?」

 

「いっ!? そ、それだけは勘弁してください! た、只でさえ師匠の事でちょっと機嫌悪いのに……」

 

 

 篠ノ之束は兵藤一誠が大嫌いだ。

 親友と、その弟という束にとっては妹と同じくらい大事な存在の心の拠り所として頼りにされているのが。

 自分と妹を引き上げられずに、かといって見捨てずに常に申し訳なさそうに謝り続けるその態度が。

 

 

「どうしよっかな~?」

 

「じ、事故だって言い訳なんてしない……た、頼むからあの時の事はここだけの話に……」

 

 

 その気になれば脅すなり口封じなりなんなりできるのに、ひたすら頭を下げるその姿が束は大嫌いだ。

 

 

「四つん這いになれ」

 

「へ?」

 

「だから四つん這いになれよ?」

 

「そ、それはなにゆえ?」

 

「タダでここだけの話にしてやるとでも思ってるの? 私はアンタが嫌いなんだよ?」

 

「けど何で四つん這いに――」

 

「早くやれ!!」

 

「は、はいっ!!」

 

 

 何度も叩き潰してやろうとした。

 でもその度に挫折を味合わされた。

 屈辱だった……その度に頭から離れなかったし、今だって気づけばずっとこの気に入らない男の事で頭がいっぱいだ。

 

 

「な、なりました……けど、一体俺は何をされるの? 果てしなく不安が……」

 

「何って決まってるじゃん。はい」

 

 

 地に叩きつけて見下したい。悔しそうに自分を見る姿が見たい……屈服させてやりたい。

 

 

「あは……♪ 無様だね? これじゃあお馬さんだ?」

 

「えっとね、正直言うとキミだからなのか割りと悪くない気がしちゃうかも……」

 

「うわ最低……この変態」

 

「お、おげ……!? は、ハートに刺さる……」

 

「変態、変態、へーんたい♪ あはははは!!」

 

 

 束は一誠を要するに支配してやりたいという願望を持ってしまった。

 良い歳した大人の男女が夜の学園の森林エリアでやらかしてるとかはどうでも良くて、とにかく束は一誠を思い通りにしたかった。

 それがやがてエスカレートしていくことになっても……。

 

 

「あ、あのー……俺は何時までこの格好なの?」

 

「私が飽きるまで……ぁ……ん……」

 

「そ、そっすか……あの……時折何でエロイ声出すの?」

 

「う、うるさい……黙って馬になっててよ……はぁ……はぁ……♪」

「あ、あのー束ちゃま?」

 

「な、なぁに……?」

 

「こ、心なしか俺の背中がかなり湿っぽいんですけど……」

 

「た、ただの汗だもん……はぁはぁ……」

 

「…………」

 

 

 束はとにかく一誠が大嫌いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん……? あれ、ゆめ……?」

 

 

 まあ、夢オチなのだが。

 

 

「チッ、せっかく地下に誘導して拘束して、あのド変態の性欲の身代わりになってちーちゃんを守ったのに夢オチなんて最悪。

しかも――

 

 

 

 

 

 

―――――――――うぅ、アイツのせいでまたびしょびしょだよぉ……ばか、ばかぁ、一誠のへんたい……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「へっきし!!」

 

「どうしたんだおっちゃん?」

 

「ずずっ……いや、誰かが噂でもしてるのか? それか初めて名前で呼んでくれた人がどこかに居る……のか?」

 

「なんじゃそら?」

 

「いやな、昨日の晩に見た夢で仲直り出来た束ちゃまと海辺でデートしてる夢を見たんだよな」

「はぁ?」

 

「まぁ、本当の意味での夢物語だけどね……ハァ」

 

 

 

 閑話・天災の屈折した想い。

 

終わり

 




補足

マドカさんがしっかりしまくりで、着々と養われフラグが立ちまくるのですが、やはりマドカさん的にはソーナを色々と意識してる様子。

まあ、その心配は杞憂ですけど。


その2
牙皇降臨。

効果……相手は死ぬ。

元ネタ画像ググればお察し可能。クソース!


その3
夢でお馬さんプレイしてる位アレがアレにアレた事になってる束さん。

最近の彼女の悩みは下着の替えが大量になったとか……。



その4
次回以降は感想でやる気が上がり次第
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