赤龍帝ストラトス(仮)   作:超人類DX

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場面がクソ飛びます。

そして……なんかポンコツっぽく


憎さ余って……

 今まで数々の宿主を見てきたが、今の宿主程奇妙でブッ飛んだ人生を送っちゃいないだろうと俺は思う。

 そしてこれ程までに昇華して見せたという意味でも……。

 

 

『おっと? お楽しみだったかゴミクズ共が。まったく、吐き気のする連中だよ』

 

『教育上宜しくないという奴だな。

なぁ白いのよ? お前の宿主もソイツに堕ちるとは、宿命同士として俺は悲しいぞ?』

 

『お、お前、まだ生きて……!』

 

『まだ生きて? あぁ、生きてるぜ、ほーれ、両足もちゃんとあるんだぜ? 幽霊なんかじゃねーぞ? くくく』

 

 

 よく人間共は『復讐は何も生まない』と言う。

 そして復讐はネガティブな印象として伝えられている。

 だがしかし、只のガキだった男が家族を目の前で殺され、自分も殺されかけ、ゴミを食いながらも生き永らえたとしたら、その理由は最早復讐しか無い。

 

 

『しっかし何だろうねぇ? 俺も人並みに女の子大好きだが、素っ裸の女を前にしてもこれ程萎えるとは思わなかったなぁ? なんつーかアレだよな、余程の変態じゃなければ犬に欲情なんかしねーじゃんって感じ? 人間じゃない他種族雌だからかねー? どうよドライグさん?』

 

『さてな、だがその気持ちは物凄くわかる』

 

 

 悪魔も、堕天使も、天使も、神も妖怪も、何もかもが一誠から全てを奪った男に与する事で、一誠はその全てを敵と認識し、人間の限界を遥かに……それこそ世の神共を超越する力を手にした理由は只一つ、手当たり次第他方の種族の雌共を食い散らかしてるカスに地獄を見せる為……。

 

 

『な、何で……俺のチート能力が……!?』

 

『おいおい、自分でチートとか言ってるぜコイツ? あいたたた、痛い痛いよぉ! ドライグさぁん、ここに頭怪我した人が居るよぉ!』

 

『元からだろ。他人から与えられただけの力頼りのカスなぞ』

 

 

 一度挑み、敗け、死を覚悟した先に行き着いた世界でのガキ二人との出会いと日々により更なる進化を遂げた宿主……いや、一誠はもはや他人から与えられた力をも踏み潰せる程の領域へ――歴代共が束になろうとも踏み潰せる進化を果たした。

 

 そしてこの俺も一誠と共に進化を果たした事で、何度も殺しあった宿敵の上へと昇った。

 

 

 

『界帝拳……40倍!!!!』

 

 

 自惚れじゃなく、遊んでばかりのカス共ではどう足掻いても一誠には勝てない。いや、かすり傷すら負わせられない。

 

 

『ドーラーゴーンー………』

 

『ま、待てわかった! お前の親を蘇らせてやる!だから俺の――』

 

 

 挙げ句命乞い……。

 まったく、救いようの無いカスだったし、そんなふざけた話をされて一誠が喜ぶとでも? 寧ろ逆効果だゴミ共。

 

 

『波ァァァァァッーーーーー!!!!!!』

 

 

 俺の力を更に昇華させ、真っ赤な闘気を燃え上がらせる様に纏った一誠の砲撃が、命乞いをしたカスと、それに群がる多くの雌共ごと破壊した。

 何でも一誠の親父と昔見ていたアニメのキャラが使ってた技だとか何とからしいが、それを再現する等一々努力の方向性を間違っている気がしてならないが、奴等に地獄を見せられるのであるなら何でも良い。

 現に奴を取り巻いていた雌共は塵となって消滅したし、一応は借り物でも力のあるカスは全身の皮膚がドロドロに溶けた無惨な姿になってるのだからな。

 

 

『おーおー、気色悪い空気もこれで換気できるってもんだ。

無駄金使って建てたご立派なお城も消えて良い景色になるしねぇ?』

 

『グムガギィォォォォ!!!?!?』

 

『あー? なぁに言ってんのか全然わからねーな? 俺人間で日本人だからさぁ? 日本語で頼むわー?』

 

 

 それでも生きてて意識もハッキリしているのは、この男の借り物の力が影響しているのか……いや、一誠が意図的にそうさせたというべきか。

 地獄を見せる為に磨いた力加減は存分に発揮されて何よりだ。

 

 

『あっちゃー……味方が居ないと何も出来ない訳かお前は? なっさけねーなオイ? ええ?』

 

『グゥェェェェ!?!?』

 

 

 人と形容するのも困難な姿となってるカスの傷口を持っていた果物ナイフでグリグリと刺しながら嗤う一誠。

 獣の苦しむ様な叫び声をカスが出しても一誠は加減をしない……地獄を見せる為に。

 

 

『痛いか? 痛いよなぁ? 痛いようにしてんだからよ? だがな、理不尽にテメー都合で奪われた父さんと母さんはテメーの感じてる痛みの比じゃないぜ? なぁ………なぁっ!!!!!』

 

『ひ、ヒギェェェェ!!?』

 

 

 借り物で得た作り物の容姿は既に無くなり、熱で皮膚が溶けて無惨な姿で何度も果物ナイフで死なない程度に刺しつつ、親の話をした所で憎悪を見せる一誠。

 自分の事よりも両親の命を奪った事が、一誠の復讐の動機故に、溜め込んでいた憎悪は計り知れない。

 

 

『テメーは言ったよなぁ? 主人公になる為に俺が邪魔だとか何とかよ? そんな意味わかんねークソ理由で父さんと母さんまで巻き沿いにしやがって……殺しだけじゃ足りねぇぞボケが!!』

 

 

 血飛沫が辺りに散らされようと、どれだけ苦しみにもがこうと、一誠の憎悪の前では全てが無価値とばかりにカスの身は死にたくても死ねないまま、何度も刺される。

 

 

『あぁ、一つ言ってやるよ。俺に壊された存在は何があろうとも直らない。

そして、俺に意図して殺された魂はこの世に留まり続け、永遠に誰にも気付かれないまま漂い続ける。

転生神とやらが例え気付いて蘇生しようとも……お前はこの先永遠に蘇生された度にその姿へと強制的に戻り、死に続ける。

楽しみだよ、そんな面倒な事になったテメーを果たして転生の神とやらは甲斐甲斐しく面倒を見るのかな? くくく……くげげげ!』

 

 

 一誠は言っていた。

 自分自身ならある程度今なら折り合いが付けられる。

 だけど、親の命をドブに捨てる様に扱った報いだけは絶対に受けさせる……と。

 だからこそ一誠は普段なら決して行わない、思い付く限りの残虐な方法でカスをなぶり殺しにした。

 

 そしてカスに与した全ての存在から敵意を向けられ、居場所を放棄した一誠は――

 

 

 

 

 

「ポップコーンうめー」

 

「一夏の一回戦の相手は、この前転校して来た中国の人なんだ……」

 

「何分持つかしらね? というか結局彼は彼女の事を全然知らないみたいだったですけど」

 

「気になってあの女の子に聞いてみたんだけどさ、どうも俺が二人の前から消えた直後辺りに出会ったらしいんだわ。

んで、色々あってイチ坊に助けられたとか何とかで遠くから見たり、色々探ったりしたんだと」

 

「え、それってつまり一夏とは直接……」

 

「んーっと、緊張して話が出来ないから、代わりに遠くからじーっと見てただけっぽい」

 

「要するにそれってストーカーなんじゃ……」

 

「まー……あの子可愛らしいから良いんじゃねーの? あ、ポップコーンいる?」

 

「「いる」」

 

 

 今復讐の念から解放され、割りと穏やかに生きている。

 この日も、更なる進化の要因となったガキ二人の片割れが成長した姿を見ながら、呑気に気紛れで教え込んだ小娘二匹と菓子なんか食ってる。

 

 俺としては退屈と感じる日々だが、決して嫌では無い……。

 

 

『おい一誠、この敷地の外から何か来るのを感じるのだが……』

 

「んぁ? あぁ……」

 

 

 後は俺と一誠で何処まで進化出来るか。

 それが俺達の新たな生き甲斐なのだから。

 

 

 

 

 

 本日クラス代表戦に出場していた凰鈴音は、一回戦の一夏と試合をしているのだが、ほぼ一方的にやられていた。

 

 

「うぅ……全然当たらない」

 

「………」

 

 

 こちらの手数は全部通用せず、切り札もそよ風だとばかりに押し返され、挙げ句一夏自身は対戦相手の自分じゃなく、先程から親の仇とばかりに観客席の一部を睨んでいる。

 

 その視線の先は、この学園に二人目となる男性操縦者が水色の髪を持つ少女を横にポップコーン食いながら座ってたりするのだが、一夏が睨んでるのはその男では無く、その隣に我が物顔で座る少女二人だった。

 故に本来ならとっくに黙らせてる鈴音は運良く攻撃されずにまだ生きてる訳だが、正直な所、早く終わらせてあげた方が鈴音にとって良かったのかもしれない。

 

 

「…………」

 

「こ、こっちを見なさい!!」

 

 

 鈴音が乗る専用機の武装が一夏目掛けて火を吹く。

 

 

「チッ、あの女共……千冬姉が居ない事を良いことに……」

 

 

 だがその火力も一夏が観客席の睨みながら、小さな虫を追い払うかの様に軽く手を振ることで掻き消されてしまう。

 しかもセシリアの時と同じく、完全マニュアル操作で姿勢制御AIすら切って地に足をつけたままというのだから、鈴音からしたら理不尽な強さを知ってても理不尽だった。

 

 というか、全く相手にされないのが悲しくて仕方なかった。

 

 

「何でよ! 何で私を見ないのよ!!」

 

 

 凰鈴音が一夏と出会ったのは、小学五年時だった。

 当時はまだ日本語が儘ならず、苛めの対象となって辛い日々を送ったりもしていたのだが、そこに現れたヒーロー……つまり一夏がその苛めっ子達から鈴音を助ける―――つもりはゼロで、只単に『邪魔だったから』という理由で黙らせたのが始まりだった。

 

 勿論当時は一誠に黙って居なくなられたのもあって相当にヤサグレてしまってたのもあり、鈴音を助けた自覚だって無く、もっといえば助けた際に鈴音が視界にすら入らなかった。

 

 故に少し前の転校時に彼女から話し掛けられても一夏は全く――鈴音の存在すら記憶に無く、そのせいで色々と鈴音は荒れたりもしたのだが、それでも一夏は全く……それこそセシリアよりも相手にしなかった。

 

 

「私の甲龍がこんな……」

 

 

 と、いうのもだ。実のところ鈴音自身にも割りと問題があったりする。

 それは、鈴音が当時の一夏にお礼を言おうにも緊張して前にすら出れず、結局柱の影からジーっと……ジーーーーーーーっと眺めていただけだったからなのだ。

 

 なので一夏が全然記憶に無いと言ったのもある程度納得できるものであるし、流石にそれを聞いた一誠もフォローのしようが無く、今に至るという訳である。

 

 

「………………。あのアマ、おっちゃんに触ってんじゃねーよ……殺すぞ……」

 

 

 そして一夏はそんな鈴音を最初から今までまるで関心を寄せる事も無く、片手間に相手をしながらアリーナの観客席で一誠の傍らに座る泥棒猫二匹をどう処理しようかの方に全力を傾けており、さっきから半べそになって攻撃してくる鈴音はどうでも良かった。

 

 

「こっちを、見てよ!!」

 

 

 鈴音の専用機の持つ武装、龍砲が何発も一夏に向かって彼女の心の叫びと共に放たれても、軽い調子で片手で掻き消されるの繰り返し。

 それを他の場所から見ていた箒は微妙な気持ちになり、セシリアはうっとりした眼差しを向けてたりするのだが、それをも一夏にしてみればどうだって良いものであり、全ては一誠の傍らを勝手に占拠してる簪と楯無をどう消してやろうかという考えだけだった。

 

 

 だがしかし、そんなある意味ほのぼのとした時間は唐突に終わりを迎える事となる。

 

 

『Boost!!』

 

 

 何処かで聞いた事がある者はある電子音と共にアリーナのど真ん中に放たれたレーザーによって……。

 

 

「な、こ、今度は何なのよ!?」

 

「……あ?」

 

 

 巨大な爆撃音に、当初意識を逸らしていた一夏も、砂煙があがる箇所をしかめっ面で睨むが、徐々に煙が晴れたその場所に佇むそれを見て、一夏の顔は驚愕に染まる。

 

 

「…………!」

 

「な、なによコイツ……IS……?」

 

 

 戸惑う鈴音の声はやはり耳に入らないまま、一夏はただ驚いた様にこの騒ぎを起こしたそれを見ていた。

 そして何度も確認するかの様に、それと観客席で目を丸くしている一誠を見て、目の前に現れたこれが一誠じゃないことを確認する。

 

 何故なのか? それは、砂煙が風と共に晴れた時に見えた襲撃者らしきISの全貌が、一夏、アリーナ司令室から見ていた千冬、観客席での楯無、簪――そして一誠と一誠に宿るドライグのよく知った姿であったからだ。

 

 

「テメー……誰だ……! 何故おっちゃんの……!」

 

「…………」

 

 

 全身を覆う真っ赤な鎧を思わせるフォルム。

 それだけなら何の事だかわからないし、もっと言えばそう言うデザインだと言われたらそれまででしか無い。

 だが一夏は、千冬は、楯無は、簪は――――そして何よりも一誠とドライグはアリーナのど真ん中で悠然と佇む赤き鎧に包まれている人の形をしたそれを知っていた。

 

 

『おい、一誠……』

 

「いつの間にかファンでも出来たのか俺には?」

 

 

 この世界では近しい人にしか知らない筈の力……赤龍帝の力をある程度解放する事でその身に纏える鎧。

 

 

「何で、おっちゃんの赤龍帝の鎧とそっくりなんだテメェェェッ!!!」

 

 

 禁手化・赤龍帝の鎧。

 真っ赤な鱗を思わせる装甲に、深緑の宝石を思わせる球体が胸を中心に鎧の節々に埋め込まれているそれは、一誠の持つ象徴である姿とほぼ同じISは、知る者には驚愕を、慕う者には怒りを与えるに十分だったのだ。

 

 

「い、一夏!?」

 

 

 突如襲撃してきた所属不明のISにより、自分を含めてアリーナの観客席に座っていた生徒達はパニックとなり、教師の指示により避難勧告まで出された。

 故に鈴音も教師の指示に従ってピットに戻ろうとしたのだが、一体何がそこまで感情を爆発させたのか……一夏が急に怒りの形相で、不気味な程に静かに佇む真っ赤な全身装甲のISに突撃したのだ。

 

 

「テメーは誰だクソが!!!」

 

「………」

 

 

 感情をこれほどに爆発させる一夏を見るのは初めてにも等しい鈴音は、放たれる巨大な殺意と重圧に足がすくんで動けなくなってしまったまま、全力で殴りかかる姿を呆然と眺め――

 

 

「………」

 

「っ!?」

 

「……え!?」

 

 

 ほぼ音速、ほぼマックス、ほぼ即死級の一撃だろう一夏の拳が簡単に――それこそ鈴音が今さっきまで一夏自身にもされていたのと同じ様に軽く叩かれてしまい、一夏の理不尽クラスの力を知る鈴音も、一夏自身も思わずといったように目を見開く。

 

 

「テメッ!!」

 

 

 だがそこは一夏。すぐに体勢を切り替え、全身を使った裏拳でパクリISの顔面を叩き割らんと放つが……。

 

 

『キミと闘いに来たんじゃない……』

 

「……あ?」

 

 

 その裏拳は虚しく空を切り、全身装甲のISの視線は真っ直ぐ――そう、一誠へと向けられていた。

 

 

『みーつけた……』

 

 

 そして機械で加工されたものの、女性っぽい口調で一誠に向けてそう声を聞かせた全身装甲のISは――

 

 

『あ、はははははは!!!!!』

 

 

 真っ直ぐ……加減無しでポップコーンをむしゃむしゃしていた一誠に向かって突っ込んでいった。

 

 

「たっちゃん、かんちゃん……一夏を頼む」

 

 

 そして一誠もなにかを察した様にポップコーンの入った紙製のコップをその場に置くと、少々困惑する楯無と簪に一夏を抑えて欲しいと頼み――

 

 

「ご指名だ。受けてやろうじゃねーか……行くぜドライグ!!」

 

 

 左腕に久々なる相棒の一部を纏い……楽しそうに嗤った。

 

 

 

 

 

 近くで見ると尚むかつく。

 それはあの時から変わってないし、今も同じで安心する。

 

 

「あ、あのパクリ野郎!」

 

「落ち着いて一夏、一誠おじさんが『自分に任せて一切手出ししないで』って言ってたよ?」

 

「っ!?」

 

「流石に一誠さん関連だと物分かりが良いわね一夏君。

取り敢えず他の生徒は皆避難したし、私達は見てるだけよ……ですよね織斑先生?」

 

「……………」

 

 

 いっくんに慕われて、ちーちゃんに見つめられて、挙げ句あんなガキ二匹に与えて……。

 

 

『Boost!!』

 

 

 ホント、気にくわないよお前は……!!

 

 

「っと……へへ、あからさま過ぎてすぐ誰だか分かったぜ? ふふん、束ちゃまって呼んだら怒る?」

 

『殴る……!』

 

 

 私にはちーちゃんやいっくんみたいな才能は無い。

 だからそこに引きずり込んだコイツが嫌い。

 

 そして出来る事はこの男の持つ別方向の再現で、最後に会った時に見せられた鎧の力をISとする事。

 

 生憎無人AIじゃ話にならないので、こうして私が直接出張ったけど……。

 

 

「ねぇ、もし俺が勝ったら顔見せてよ? 予想しなくても絶対に美人だろうしね?」

 

『うるさい! お前に見せてやる顔なんて無い!!!』

 

『赤帝・Boostモード』

 

 

 また私は遊ばれている。この男に。

 私が必死になって殴ろうとしてるのに、この男はへらへら笑いながら顔を見せろなんてほざいてる。

 

 これが嫌いなんだ。どれだけ頑張っても埋められない差を持つのが――

 

 

「おいおい、ISでそこまでドライグの一部を再現するなんて、束ちゃまは紛れもなく天才だぜ」

 

『くっ……!』

 

 

 大嫌い……!

 

 

『その余裕こいてるのが嫌いなんだよ!!』

 

 

 時間と共に機体の力を上げる。それが私の現状再現できる力であり、赤帝の基本能力。

 だけどそれを持ってしてもこの男はあの時みたいに鎧すら使わずに私を翻弄する。

 

 

「嫌いか……キミと妹ちゃんに言われると毎回凹んじゃうんだぜ? 俺はキミみたいな子大好きだし」

 

『っ!? だ、黙れ!! 虫酸が走るんだよ!』

 

 

 その上平然と舐めた事を……。

 あぁ、憎い!!!

 

 

『嫌い……大嫌い……! その余裕顔を歪ませて、動けなくなるくらい叩き潰して、私しか知らない場所に閉じ込めていっくんとちーちゃんに会えなくしてやりたい……! やりたい!!』

 

「っとと……」

 

 

 渾身で放った拳がやっとあの男の頬を掠め、わずかに顔つきを変えさせてやった。

 この調子なら殴り飛ばすのも――あ……

 

 

『シールドエネルギー残量0 赤帝、強制解除します』

 

「………あ」

 

 

 8度目の増幅で限界なのを忘れていた私を覆っていた装甲が塵となって消える。

 

 

「危ねぇ!」

 

 

 ほんの少しだけ掴めそうだった手が虚を掴み、そのまま重力に従って私の身体は地へと落ちようとし、最悪な事に私の姿をコイツに見られたばかりじゃなく……。

 

 

「お、おいおい……こんな上空から落ちたらやばいだろうに、無茶するなキミ……も……?」

 

 

 反射的に落ちる私を掴んだ……と託つけてこの変態は……。

 

 

「せ、セクハラで訴えてやる……!」

 

「ち、違うって! これは本気の本気でわざとじゃないから!」

 

「うるさい、誰にもさわられた事無いのに、お前なんかに……お前なんかにぃぃぃ!!」

 

「いでででで!?!? あ、暴れるなよ! まだ上空1000メートルくらいなんだぞ!?」

 

「うるさい!! うるさいうるさいうるさいっ! 変態! スケベ! 卑怯者!! 託つけて人のおっぱい鷲掴みにするなんて最低!! ちーちゃんに言いつけてやる!! 無理矢理犯されたって言ってやる! それが嫌なら今すぐちーちゃんといっくんの前から去って私に飼われろ!!」

 

「か、飼われろって……俺は犬かよ……」

 

「犬より下に決まってんじゃん、お前みたいな変態性欲野郎は。

ちーちゃんに飽きたらず、あんな小娘まで手を出してる時点でね。だからお前は暗くて何もない空間に閉じ込めて、私が飼って見張らないとダメなんだよ……」

 

「だ、ダメって……」

「嫌で嫌でしょうがないけど、ちーちゃんが襲われるくらいなら私が身代わりになるしかないでしょ? お前なんかとは嫌だけど」

 

「…………目が怖いんだけど」

 

 

 胸までつかまれ、ベタベタと全身まさぐられて……。

 コイツはどこまで私を汚せば良いんだ……。

 ちーちゃんにまでこの魔の手が伸びる前にやっぱり私が身代わりになるしか……。

 

 

「憎い……アンタが憎い……。

ムカつくんだよお前……私の知らない領域から見下して……」

 

「いや……それはごめ――痛っ……!?」

 

 

 腕に本気で噛みつかされ、流れる血を飲まされるこの屈辱も……。

 

 

「んく、んっ……んんっ……!」

 

「あ、あの篠ノ之のお嬢さん?」

 

「はむ……ちゅ……んっ……ん……ふみゅ……」

 

「……。めっちゃ血吸われてるんだけど……どうしたら良いの? そろそろ地面なんだけど……」

 

『俺が知るか。この小娘……お前を憎み過ぎて変な方向にイッちまったのではないか? 血を飲んで発情してるし……』

 

「…………。スゲー、俺の血にそんな力が……!」

 

 

 忘れない。絶対に……。

 

 

「死んじゃえ……えへ……えへへ、お前なんか大嫌い……はぁ……はぅ……ぅ……」

 

「ど、どうしよ……色々とこの子エロいしこのままちーちゃんに見せたら何か言われそうな……」

 

『まあ、お約束な勘違いは覚悟するんだな』

 

 

終わり




補足

憎すぎて逆におかしくなってる。

ちゃんと殺意もあるし、嫌い感情もある。

あるけど……行きすぎて色々とリバースしてる感じ。

その2

その感情のお陰で技術力がやばい方向に進化してる皮肉。
直接会って尚も返り討ちで憎さ爆発で噛みつき攻撃したら血が出たんで、なんかチューチューしたらハァハァしたのも大嫌いだから仕方ない。
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