Fate kaleid moon プリズマ☆サツキ   作:創作魔文書鷹剣

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解き放たれし◾️◾️の力、例え自らの半身と言えるほど長い時を共に過ごしても、所詮は人の手に余る力。


ep13力と恐怖

〜さつきside〜

 

「どういうことですの?敵はいないし、カードもない・・・もぬけの殻というやつですわね。」

 

一同は次なるカードを回収しに郊外の森の鏡面界にやって来た。ところが、カードも英霊も見当たらずただ森が広がっているだけだった。

 

「場所を間違えたとか・・・?」

 

「まさか・・・それはないわ。もともと鏡面界は単なる世界の境界・・・空間的に存在しない場所なの、それがこうして存在している以上必ずカードがあるはずだわ。」

 

 

空間的に存在しない場所を作るなど、本来なら不可能と言わざるを得ない。しかし人の世の常識が通じないのが魔術の世界。どんな屁理屈も優れた魔術師なら現実のものにできるのだ。

 

「とりあえず歩いて探すしかないのかな・・・」

 

「こんな森の中、歩き回っても見つからないと思うけど・・・」

 

『んーむ、なんとも地味な・・・もっとこう魔法少女らしく、ド派手に魔力砲ぶっ放しまくって一面焦土に変えるみたいなリリカルな探索法をですね。』

 

「それは探索じゃなくて破壊だよ・・・」

 

相変わらずルビーの魔法少女観はよくわからないが、とりあえずその探索法が間違いなことは誰もがわかった。

 

「・・・・・・ん?気のせいかな・・・?今、何か動いたような・・・?」

 

さつきが言い終わると同時に、木の陰から何かがイリヤ目掛けて飛んできた。

 

「あぅッ・・・!」

 

「イリヤ!」

 

『大丈夫、物理保護が利きました!薄皮一枚です!』

 

イリヤはギリギリのところで助かり、戦闘不能は免れた。しかし、依然イリヤの脳内は恐怖が支配していた。

 

「敵の位置は不明・・・方陣を組むわ!全方位を警戒!」

 

「不意打ちとはナメた真似をしてくれますわね!」

 

密集しての全方位警戒、死角をなくしてどんな角度からの攻撃にも対処できる陣形。けど、結果としてそれは、無意味に終わる。

 

『敵を視認!総数50以上‼︎』

 

「嘘でしょう・・・⁉︎完全に包囲されてますわ!」

 

「なんてインチキ・・・!軍勢だなんて聞いてないわよ‼︎」

 

凛は聞いてないと言うが、歴史に名を残した英霊が分裂しないという確証は当然のごとく無い。

 

(まずい・・・敵が多すぎる!わたし1人じゃ相手仕切れない・・・)

 

さつきの脳内は依然として冷静だった。これ以上の恐怖と絶望を知っているからか、根が前向きだからか、こんな状況でも未だに頭は満足に働いていた。

 

「立ち止まらないで!的にされる!包囲を突破するわ‼︎火力を一点集中‼︎イリヤ‼︎美遊‼︎さつき‼︎」

 

「「 はい! 」」

 

イリヤだけ返事がない。後ろに振り返ると、イリヤはその場に座り込んでいた。

 

「か・・・からだが・・・うごかない・・・っ!」

 

『魔力循環に淀みが・・・⁉︎物理保護が維持できません!』

 

イリヤの魔力が上手く回らない。理由は簡単、最初にイリヤ目掛けて飛んできた刃には毒が塗られていた。魔力とは即ち生命力に他ならない、毒で生命力が揺らいだイリヤに魔力を回す術は無い。そして、イリヤの周囲は飛んできた刃が囲っていた。

 

〜イリヤside〜

 

まるで、王手をかけられた駒みたいだなーとか思った。

 

リンさんの判断は冷静で的確だったし、今回の敵だって前のに比べたら、決して強くはないはずなのに・・・ただ一つ、最初の一手で遅れをとった。

 

たったそれだけのことで死んじゃうの・・・?

 

どうすれば・・・どうすれば良かったのかな?

 

あれ?そういえばルビーがなんか言ってなかったっけ?

 

『ド派手に魔力砲ぶっ放しまくって一面焦土に・・・』

 

そっか、それなら簡単だ。

 

今度は、ちゃんと覚えていた。

 

突如、イリヤを中心に魔力の爆発が発生した。周囲にいた敵は全滅、巨大なクレーターが爆発の威力を物語り、その中心にイリヤは立っていた。

 

「わたしが・・・やったの・・・?」

 

「イリヤスフィール・・・」

 

「ミユさん・・・!リンさん・・・ルヴィアさん・・・さつきさん・・・」

 

そして、ようやく全てを思い出した。

 

「イリヤスフィール・・・」

 

「なん・・・なの?どうして、わたしがこんなこと・・・敵も・・・ミユたちまで巻き込んで・・・もう・・・もう・・・もう嫌‼︎」

 

イリヤは鏡面界から離界し、元の世界へ逃げ帰った。強化された身体能力で森を駆け抜け、必死の思いで走っていた。

 

『イリヤさん、落ち着いてください!』

 

「もう嫌!帰る・・・帰るの!」

 

イリヤの脳内を支配しているのは、圧倒的な恐怖に他ならない。人は恐怖に支配されると、まともな思考もままならない。

 

(わたしは普通の人間なのに・・・ステッキに騙されてちょっと魔法少女をやっただけ・・・なのに、そのはずなのに、まるでわたしがわたしじゃなくなるような感覚・・・)

 

「帰らなきゃ・・・帰らなきゃ・・・速く、家に帰らなきゃ・・・速く、もっと速く‼︎」

 

その瞬間、イリヤは上空に転移していた。ルビーでさえも驚く距離の転移、並みの魔術師には到底不可能な荒技にルビーは驚愕した。そして、イリヤは家にたどり着いた。




前回イリヤと美遊が仲良くなるイベントを書き忘れたので、今作では独自のタイミングで同じイベントを挟みます。

もし今後、私が何か作品を書くとしたら、読みたいのは?(詳細は活動報告に記載)

  • 遠野志貴×サイコホモ弓塚さつき
  • ○○の主役は我々だ! in FGO
  • ○○の主役は我々だ! in ドルフロ
  • ペルソナシリーズ オリジナル作品
  • 弓塚さつき、異世界転生で最強になる
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