Fate kaleid moon プリズマ☆サツキ   作:創作魔文書鷹剣

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最後の夜を前に、彼女らは思い悩む。それは、決して認めたくはない/死にたくはないから。


ep14最後の前に

〜イリヤside〜

 

「イリヤさん、もうそろそろ時間ですよ。」

 

「はーい、あれお兄ちゃんは?」

 

「今日は弓道部の朝練だそうです。」

 

「先行っちゃったかー・・・」

イリヤはいつも通りに振舞っているが、内心では複雑な感情が荒れ狂っている。昨晩の出来事で心は疲弊し、どこかで助けを求めていた。

 

「イリヤさん・・・その・・・1人で大丈夫ですか?」

 

セラの心配ももっともである。昨夜、玄関で物音がしたと思ったらイリヤが倒れていたのだ。まともな神経の持ち主なら、この状況で心配しないはずはない。

 

「何言ってるのセラ?大丈夫だよ、行ってきまーす。」

 

〜さつきside〜

 

(ルヴィアさんは今夜でカード回収を終わらせるって言ってた・・・そうしたら、みんなともお別れかな・・・今度こそ、美咲町に帰らなくちゃ・・・)

 

さつきはルヴィアの屋敷で、1人物思いにふけていた。元々自分は巻き込まれただけ、カード回収も自分が関わる必要はないし、これ以降はいる必要もないだろう。そうなれば、なんとかして美咲町に戻らなくてはならない。

 

(美咲町には帰りたいけど・・・そのためには、みんなとお別れしなきゃ・・・)

 

誰にも打ち明けられず1人で迷っている内に、最後の戦いは近づいて来ている。

 

〜イリヤside〜

 

「なんか空気悪いね・・・」

 

イリヤと美遊の間には、そう形容せざるを得ないような独特な空気感が出来ていた。

 

「ミユキチのやろー、そろそろデレ期かと思ったらまたツンに戻りやがって・・・もつれか⁉︎もつれた痴情がただれてるのか⁉︎」

 

(・・・実際はケンカでも何でもなく、合わせる顔がないだけなんだよね・・・)

 

鏡面界から逃げ帰ってから、とても美遊に合わせる顔はない。自分の力が怖くなって逃げたくせに、いつも通りになんかしていい筈がない。

 

『いいんじゃないですか別にー。そもそもカード回収は凛さんとルヴィアさんに課せられた任務ですし、あんな血生臭い泥仕事は魔法少女のやることじゃありません!あれを怖いと思うのは当然でしょう。』

 

「怖い・・・か・・・そういえば、ミユさんとさつきさんは怖くないのかな・・・」

 

〜その後〜

 

「昨夜は急に逃げ出したと思えば、それはなに?」

 

「辞表です・・・」

 

「退魔法少女願」と書かれた辞表が何故か竹の先端に挟まっているが、凛はとくにツッコミを入れずにそれを受け取った。

 

「ま・・・こうなると思ってたけどね。」

 

「その、最初は正直・・・興味本位だったの、でも・・・考えが甘かったってわかった。」

 

魔法少女なんて言っても、実際やってる事は命がけの戦い。昨日になってようやく理解した。イリヤは2回も死にかけている。今頃になって、美遊の言葉が突き刺さっている。イリヤには、戦う覚悟も理由もなかったのだ。

 

「ひとつだけ、確認したいことがあるんだけど・・・昨夜のアレは、自分の意思で起こしたの?」

 

イリヤの脳裏にあの爆発が蘇る。自分が自分じゃなくなるようなあの感覚、魔術の世界とは何の関わりもない一般人には耐え難いものである。

 

「そんなはず・・・!だ、だって・・・わたしは普通の人間だもん・・・!あんな・・・あんなのわたしじゃない!」

 

「(本当の理由はそれか・・・)わかったわ、辞表を受理する。小学生に戦いの代理をしてもらうなんて無理があったのよね・・・もう十分でしょルビー?お遊びはお終い、マスター登録を戻しなさい!」

 

『やなこってす。わたしのマスターはわたしが決めます!』

 

ルビーはこんな妄言を吐いているが、どう考えても理由は凛の攻撃が引き伸ばしたり叩きつけたりとショボいからである。あんな方法じゃ、ナメられるのも無理はない。

 

「カード回収が済んだら、わたしもルビーも倫敦に戻るわ。それで終わり、もうイリヤには関わりのないことよ。・・・正式な契約なんてしてないけど、一応言っておくわ。イリヤスフィール、あなたとの奴隷(サーヴァント)契約を解除する。・・・おつかれさま、もうあなたは戦わなくていい。今日までのことは忘れて生きなさい。」

 

それは、契約の鎖を解く言葉。これで、2人は他人同士になった。自分で望んだにもかかわらず、胸が痛い。

 

〜さつきside〜

 

「サツキ、カード回収は今夜で終わりにしますわ。」

 

「最後かぁ・・・」

 

これで最後。その言葉の意味はわかっている。今日でこの屋敷での生活は終わり、その後は美咲町に帰らなきゃいけない。自分は本来ここにはいないはずなのだ。

 

「わかってますわね?カード回収が済んだら、私はすぐに倫敦に戻りますわ。その後はもうあなたは自由にしてもらって構いませんわ。ただ・・・最後に聞かせてもらいますわ。あなた、一体何者なんですの?」

 

「・・・・・・」

 

さつきの返答は、沈黙だった。とても打ち明けられる内容ではないし、打ち明けたら今度こそ死ぬだろう。みんなには悪いが、さつきにとって命がけで守るべき秘密なのだ。

 

「まあ、いいですわ。そんなに話しづらい内容なら、自分の方から全て打ち明けてくれるのを待ちますわ。」

 

ルヴィアも中々に(無自覚ではあるが)外道である。「打ち明けてくれるのを待つ」なんて言いながら、さつきの知り合いと思われる人物を探させているのだから。

 

そして、再び夜は来る。しかし、それもまだ始まりに過ぎない。




書いてるうちにルヴィアが外道になってしまった。マジ申し訳。

もし今後、私が何か作品を書くとしたら、読みたいのは?(詳細は活動報告に記載)

  • 遠野志貴×サイコホモ弓塚さつき
  • ○○の主役は我々だ! in FGO
  • ○○の主役は我々だ! in ドルフロ
  • ペルソナシリーズ オリジナル作品
  • 弓塚さつき、異世界転生で最強になる
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