Fate kaleid moon プリズマ☆サツキ 作:創作魔文書鷹剣
《イリヤside》
現在、イリヤは学校で友達とお喋りを楽しんでいる。といっても、別に雑談がしたいわけではない。普通の雑談も交えつつ、最近話題になっている「オカルト的な噂」を聞きたいのだ。昨日、この噂に秘められた真実を知ったイリヤは早速美遊と一緒に情報収集に乗り出した。先ずはイリヤの友達に新しい噂が出回ってないかを聞き出し、何か有力な情報を掴んだら今度はそれについてもっと詳しく知ってる人を探す。この繰り返しだ。
「結構噂聞けたけど、やっぱり嘘っぽいのばっかりだね。」
「でも今まで聞けなかった噂もある、新しい動きが起きてる。」
『どのみち進展のあるなしは夜中担当の2人頼みですかねー。』
『さつき様とオルタ様方でも進展が無かったら、手詰まりです。』
今はイリヤが集めた情報を美遊と共有している。流石に一昼夜で新しい噂はそれほど増えず、新しい噂も嘘くさいモノばかりだ。何も進展が無いと嘆くべきか、まだ猶予期間がある証拠と喜ぶべきか。
「で、結局タタリってのがでたら噂も変わるのかな?」
『タタリの出現が近づけば、町中で死徒が発生します。それが噂となったところで、とっくに時間はありませんが。』
タタリほどの存在となれば神秘の側の世界では幾らか有名だし、ルビーとサファイアが知っているのは当然だ。こんなナリでも魔法使いに作られた訳だし。
『気になるのは、屋根の上を飛びまわってた人物・・・今回の聞き込みの結果その人物が男性だと分かったわけですが。』
「オルタさんじゃないってこと?じゃあ、お兄ちゃんと似てる名前の『コトミネシロウ』って人なのかな。さつきさんが話してたし。」
『やっぱり『何でもあり』ってのは厳しいですねー、何が起きるかなんて予測不可能ですし。』
若干の進展はあれど、夜間組の2人を頼るほかない。
《さつきside》
時刻は遡って深夜、まだイリヤ達が学校で聞き込みをする前である。早速こちらも行動しようと夜の見回り兼、死徒が発生していたら討伐と場所の記録をする。発生場所に何らかの法則性があればタタリの出現地点を割り出せ、いざという時の対応も早くなるわけだ。
「正直、収穫があるとは思えないけど・・・今は藁でも釣り糸でもすがるしかないのよね。ホントは無視したいけど。」
「でも、放っておくのはダメだよね・・・。危ないし。」
こちらも結局収穫があるかは運頼み。元々情報収集はイリヤ達の担当なうえに、こっちは人に会うことさえないのだ。それで有力な情報が手に入るはずがない。
「せめて先輩がいたら何か話せるかもなんだけど・・・そう都合良く会えないよね。」
「先輩も正直信用ならないわよ、一応私達も死徒だし。アンタその辺忘れてない?」
「うぐっ・・・」
図星だった。最近メイドばかりやってたせいで自分が死徒だってことを忘れかけている。そんな大事なコト忘れる?
「あれ・・・?あそこに誰かいない?」
さつきが指をさした先、電柱の根本で酔っ払ったサラリーマンのように転がっている女性(もしくは男性?)がいる。見るからに関わっちゃいけなそうだ。
「無視しなさい。」
「・・・そうだね。」
「ええッ!?ちょ、ちょっと待って!!」
まさか無視されるとは思っていなかったのか、女性(?)は急に飛び起きて2人を呼び止めた。さっきまで歩道に転がってた割にやたら素早い。
「・・・何よ。」
「えっと・・・この写真に写ってる人知らない?つい最近まで一緒だったんだけどはぐれちゃって・・・」
「あれ・・・?この人前に合わなかった?」
女性(?)が見せてきた写真には1人の女性が写っていた。以前公園でブランコに揺られていたあの女性だ。明らかに面倒くさいオーラを放っていたあの女性だ。
「この人、数日前にあっちの公園で見ましたよ。」
「本当か!?待ってろシオン!今見つけ出してやるからな〜ッ!!」
風のように去って行った。結局さつきは置いてけぼりにされてしまう運命なのか・・・顔が(◯ ◽︎ ◯)みたいになってる。この顔で放課後☆路地裏同盟を思い出した方はいますか?似てません?
「アンタが指した方、例の公園と反対なんだけど?」
「あっ・・・」
やっちまった。先程の男女性は探してる相手がいない可能性が高い方を延々と探し続け、下手したらずっと会えないかもしれん。奇跡が起きる可能性を信じよう。
「それより私達は死徒探しよ。まぁ、今夜はいないみたいだけど。」
「もしかして先輩がいるのかな?まだこの町にいるかもだし。」
本来の役割も果たせぬまま、2人は夜明け近くまで巡回を続けた。
《12時間ぐらい経過・・・》
現在、ルヴィア邸では各々の活動を終えた面々が集合している。イリヤ達は集めた情報の共有、さつき達は昨晩出会った男女性の話に加え死徒の発生が確認できなかったことを話した。
「死徒が発見できなかったってのは、多分私達の知り合いが原因。聖堂教会ってとこの人で町中の死徒を狩り尽くしてるのかも。後、よくわかんない男女性が1人。こっちは正直関係ない。」
「学校で聞いた噂話は今までと変化してた。屋根の上を飛び回ってたのは男の人らしいし、多分『コトミネシロウ』って人が関係してると思う。」
結局、1日かけて得られた情報はほんの僅かだ。たったこれだけの情報では何も出来やしない。厳しい結果に一同は項垂れ、これから先どうしたものかと頭を悩ませた。
「家主のわたくしを差し置いて、何をしてるんですの?」
部屋の扉が開き、ルヴィアが現れた。どうやら自分に内緒で密会が開かれていたのが気に食わないらしく、話を続けるのなら自分もまぜろと言いたげだ。
( ( ( (忘れてた・・・) ) ) )
完全に忘れられていた。前日にここにいる4人と2本が結束して役割分担を始めたせいで、その場で名前が出て来なかったルヴィア(ついでに凛も)は全員の頭から存在が抜け落ちていた。因みにルビーは存在を覚えていたが、黙ってた方が面白そうだからと黙っていた。
「実は・・・」
さつきが切り出し、ことの次第を話した。とりあえず手詰まりな現状を鑑みれば、新たな協力者が必要なのは火を見るよりも明らか。ならばルヴィアの協力を仰ぎ、頭数を増やすべきだ。
「死徒27祖13位タタリ・・・それがこの町にいると?だったら・・・何でもっと早く言わないんですのーーーーーッ!!早く言ってくれれば既に協力してますわ!!」
「ルヴィアさん・・・!」
「仮にタタリの襲来を退けたとなれば、聖堂教会から莫大な報酬が出るはずですわ!これはあの田舎レッドが聞きつける前に事を済ませなければですわ!」
「ルヴィアさん・・・」
やっぱり、誘うべきじゃなかったかもしれない。
サンタクロースになって、さっちんに遠野くんをプレゼントしたい。そんな人生。いや鷹生。