Fate kaleid moon プリズマ☆サツキ   作:創作魔文書鷹剣

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 だんだん訳がわからん方向に話が進んでいく。


ep37さっちんのターン

《さつきside》

 

 寂しい風が夜の街を吹き抜ける。今夜は新月、嫌な予感しかしない。昔から月は人の心を狂わせてきたが、今日の夜は誰も狂ってほしくない・・・最初から狂ってる奴以外は。

 

「やっぱり此処にいるんですね。」

 

「何ですか・・・?もう貴女に話すことはありませんよ?」

 

 橋の下、ちょうど上から見ると死角になる場所にシエルはいた。その姿を見つけたさつきは声を掛けずにいられなかった。足元にはさっきまで死徒だったと思われる肉片が幾つか転がっており、シエルの背中は悲壮感に満ちていた。

 

「1つだけ教えてください。『言峰士郎』って人、知ってますか?」

 

「はい・・・恐らくはタタリが生み出した『ifの存在』でしょう。」

 

 予想通りの返事、やはり彼女はタタリについて調べ尽くしている。でなければこれ程ハッキリとは言えないだろう。

 

「私たち、その人と会いたいんです。協力を得られればきっとタタリだって・・・」

 

「その程度でどうにかなる存在ではないんです。タタリは死徒27祖第13位に位置する怪物・・・小手先の努力は全て無力です。貴女も今のうちに逃げたほうがいいでしょう・・・」

 

「お願いです!私たちと一緒に来てください!!」

 

 その言葉は心からの願いであり、さつきが望んだシエルとの対話である。今のシエルには一種の諦めがあり、同時に自らの罪に相応しい罰を求める慚愧の念があった。・・・この世界に生きていた「弓塚さつき」の命を奪い、愛しい人の心を抉った罪・・・。彼女はタタリによる破滅に身を任せ、自分が滅びることで罪を償う気でいる。その結末はあまりにも残酷で、到底さつきが納得できるはずがない

 

「何度言っても聞かないんでしょうけどね・・・例え私が手を貸したところで、何もできないのが現実です。」

 

「先輩、その言峰士郎って人を味方にできればまだ勝ち目はあります!イリヤちゃんと美遊ちゃんも頑張ってます!それでも・・・先輩の力が必要なんです!!」

 

「・・・例え私たちが手を取り合ったところでタタリの前では無力、全員ですぐに逃げてください。」

 

 どれほど言葉を投げかけても彼女の心は動かない。死徒27祖にさえ通用する切り札(直死)たる「彼」もおらず、虚無となった彼女に強大な力を有する化け物と戦うことはできない。

 

「・・・ああ、やっと見つけた。」

 

「オルタ!」

 

「私にも考えがあるの、アンタこの前会った2人覚えてる?公園にいた奴と電柱の根本にいた奴、アイツら多分魔術師か何かよ。アイツらも巻き込んで暴れれば多少は事態も動くでしょ?そもそもタタリにまつわる騒動が起きてからアイツらが出てきた時点で関係あること確定みたいなモンだし。」

 

「・・・確か、聖堂教会とアトラス院から1人ずつ派遣されてきたはずです。恐らくその2人で確定でしょう。その2人と協力を結べば多少の戦力にはなるでしょうが、それでもどうにかなるかどうか・・・」

 

 オルタが言い出したアイデアはとんでもないものだった。シエルと言の士郎を引き入れるだけでは足りないのなら、今度はほとんど接点も面識も無い相手と交渉して仲間になってもらおうと考えだしたのだ。

 

「ていうか、この際イリヤ経由であの赤いのも巻き込みましょ。どの道いつか関わってくるだろうし。」

 

「赤いのって・・・ちゃんと名前覚えてるの?」

 

「当たり前でしょ?」

 

「・・・ふふっ。」

 

 ちょっと気の抜けた掛け合いに思わずシエルの口元が緩んだ。本当に弓塚さつきという人はどの世界でも変わらず、隣にいるオルタも根底はさつきと同じなんだろう。同じようで少し違う2人の天然漫談がシエルの心に響く。

 

「・・・わかりました。本当に貴女は分からず屋ですね。そのアトラス院と聖堂教会からきた2人に接触できないか試してみます、特に聖堂教会の方はおよその検討はついていますし。向こうもタタリへの対抗を目的としているなら話し合いの余地はあるでしょう。」

 

「先輩・・・ありがとうございます!!」

 

(やっぱり先輩ってお人好しよね・・・そこが良いとこだけど。)

 

 ついにシエルが動いた。これならばタタリが相手でも少しはやり返せるかもしれないし、更に残る2人の協力を得られればより大きな力になるだろう。後残っている問題は言峰士郎をどうやって引き込むかだが、それに関してはイリヤ達の朗報を待つ他ない。

 

「聖堂教会から来た人物ですが、『リーズバイフェ・ストリンドヴァリ』という人でしょう。彼女も優秀な戦力ですし、引き込めれば充分な成果でしょう。そしてもう1人ですが・・・恐らくは『シオン・エルトナム・アトラシア』ではないかと。どちらもタタリとは因縁がありますし、出現を察知している可能性はあるかと。」

 

(派手な名前・・・)

 

「アンタ、今全然関係ないこと考えてたでしょ。」

 

「うぐっ・・・」

 

 完全に図星だった。勿論ちゃんとシエルの話は聞いていたが、その中に出てくる名前に気を取られた瞬間に当てられてしまった。ちなみにオルタ曰く、「顔に出やすいからわかりやすい」とのこと。

 

「どちらも交渉次第では味方にできるかもですが、問題は貴女方2人が死徒であること。私が交渉を進めれば粗方解決する問題ですが、その後で貴女方と会わせれば余計な衝突を招くでしょう。」

 

「つまり私とコイツはセットで別行動ってこと。これならいけるでしょ。」

 

「ええと・・・イリヤちゃん達のチームも含めて3チームになるんだね。それぞれが別行動して、タタリ探して、味方も増やしてだから・・・忙しくなるね。」

 

「当たり前でしょ、ホラ行くわよ。」

 

 もう少しだけ、後少しだけ、時間が必要だ。




 さっちんの知能指数が下がってる気がする。
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