Fate kaleid moon プリズマ☆サツキ   作:創作魔文書鷹剣

40 / 53
ep50までにメルブラ編は終わらせたい。


ep40厄災

《さつきside》

 

 決行の日は近い。まだ作戦らしい作戦も無いが、それでもなんとか勝たなくてはならない。今回の敗北はイコール町1つの崩壊を意味する。例え勝機が無かろうとも挑まなければならないが、せめて協力者は集めねばならない。これもその一環だ。

 

「先輩、あの2人を引き入れる話どうなりました?」

 

「進展は未だ僅かです・・・片方は同じ聖堂教会の人間ですから、会えればまず協力を得られるでしょう。問題はもう1人ですが・・・恐らく、こちらも『見つける』ことが難関でしょう。」

 

「やっぱり見つけるのが難しいって訳ね・・・ロクにあてがある訳じゃないしね。」

 

 オルタの発言のとおり、今さつき達を悩ませているのは「協力してくれるかもしれない相手の居場所」だった。例え強力な助っ人がいたところで、その助っ人がどこにいるのか分からないのでは意味が無い。今も手分けして町中を捜索しているのだが、結局居場所の手掛かりになる情報は得られず仕舞いだ。

 

「・・・そういえばあの人、あの電柱の根本にいた人だけど、誰か探してたみたいだよね・・・多分その人がそうなんじゃないかな?」

 

「まぁ、仮にそうだとしても居場所は分かんないけどね。人を探してるなら町中探し回っててもおかしくないし。」

 

「しかし貴重な戦力です。捜索は続けますので、貴女方も探しておいてください。」

 

「わかってるって・・・」

 

 小さな呟きは夜の町に消えていき、水面下に潜む脅威の存在と探すべき相手の行方に頭を抱える。人の気配が消えた町並みに強大な存在が隠れているのかと思うと夜も眠れず、今もこうして協力者探しに奔走しているわけだ。

 

「でも・・・最近急に死徒の数減りましたよね?何で減ってるんですか?タタリが出現しそうならもっと沢山出てもおかしくないのに・・・」

 

「考えられる可能性は2つ、1つは事態が本来とは異なる方向に向かっている可能性。もう1つは・・・タタリの出現が目の前まで迫っている可能性。本体がもうすぐ出現しそうならば、奴が呼び寄せる死徒の数が減っているのも頷けます・・・もう雑魚を暴れさせる必要もないのですから。」

 

「ありえるわ・・・奴に理性があるならだけど。」

 

 どれだけ言葉を交わせど、現状は何も変わりはしない。協力者となりうる存在の居場所は不明、敵がいつどこに現れるかも不明・・・あまりにも情報が少なすぎる。

 

「・・・で?盗み聞きは趣味悪くない?そこにいるんでしょ?」

 

 オルタが声をかけた方向、建物の陰から何者かが現れる。その姿を見て、あの時にブランコで揺れていた人だとさつきは確信した。あの独特なファッションを見間違える筈はない。

 

「いえ・・・盗み聞きがしたかった訳ではありません。ただ、私の友人らしき人物が話題になっていたようなので話をと思っていただけです。」

 

「貴女は・・・シオン・エルトナム・アトラシアですね。アトラス院から送られてきた錬金術師。」

 

「ええ、そのとおりです。」

 

 シオンと呼ばれた女性は静かに答え、3人を一瞥して口を開く。

 

「・・・私の友人 リーズバイフェ・ストリンドヴァリについて話していたようですが、何か居場所の心あたりでも?」

 

「あったらとっくに探してるっての・・・そこの鈍臭いのが間違えて全然関係無い場所に誘導したせいでね。」

 

「うぐ・・・」

 

 どうしてこうも痛いところばかり突いてくるのか・・・と1人思う。実際さつきがやらかしたのが悪いから言い返せないが、オルタはそうとう口喧嘩が得意なんだろう。あれだけ口が達者なら言い負けやしないだろうし。

 

「アンタの事、探してたらしいわよ。今やどこにいるか分からず仕舞いだけどね。」

 

「手掛かりさえありません。完全に手詰まりです。」

 

「もしかしたらそっちが知ってるかなー、なんて・・・」

 

「・・・居場所は知りませんが、彼女の思考なら読めます。どうせ単純なので。」

 

 シオンの言葉には相応の自信と、深い悲しみがあった。自分の相方が単純だとダイレクトに言っており、本当は言いたくないのに言わざるを得ない現実に悩まされているようだ。どうやら彼女は苦労人ポジションらしい。

 

「・・・で?どこにその単純な人がいるのよ?」

 

「どうせ山の中や川の中にいるでしょう。そんな所にはいないと分かる筈なのに、切羽詰まって奇行に奔るのがオチです・・・」

 

「私もついて行きますよ、頼みたい事もありますし・・・」

 

「では探しがてら話しましょう。」

 

 シオンとシエルの2人が街の陰に消えていき、後に残ったさつきとオルタは手が空いてしまった。ついて行こうにも例のリーズなんたらを見つけた瞬間に襲われたりしたら全てが水の泡だし、そんな事になれば皆に顔向けできない。それだけは嫌だとついて行きたい自分を抑えていたが、変わりにできる事も特に無いのが現状だ。

 

「なんでアイツは私達を見逃したのか、『アトラス院の人間であり、死徒討伐とは無関係だから』なんて簡単な理由じゃないのは確かよ。」

 

「なんで、かぁ・・・考えてもわからない気がするんだけど・・・」

 

「そうやって思考停止してるといつか痛い目に合うわよ、嫌ならちゃんと考えて。」

 

 しかし圧倒的に考察材料が不足している。そもそも死徒討伐が仕事な聖堂教会の人間がここに来るのは分かる。だが、アトラス院の錬金術師が来る理由は皆無に等しい。そもそもアトラス院とは「最強である物を作る」という理由で世界を滅ぼせる兵器を7つも作る奇人変人の集まりであり、そこに属する者の大半が院内に引きこもって「地球の危機」を回避する方法を日夜研究しているような場所だ。そんな所から送り込まれて来た輩が、ただのいい人で終わるはずがない。絶対に裏がある。

 

「問題は、何で自ら此処に来る必要があったのか。わざわざ引きこもり生活を脱してまで来る理由があるはずよ。」

 

「そんな事言われてもなぁ・・・」

 

 もしかしたら先輩は分かっているんじゃあ、あの人が何のために此処に来ているかを・・・

 




 早く原作に戻りたい・・・原作がある方が楽だ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。