Fate kaleid moon プリズマ☆サツキ   作:創作魔文書鷹剣

5 / 53
ようやく歯車が揃った。役者は踊り狂い、黒子は動かず、ただ運命の糧となる。抗うには、吸血鬼と■■。両者の本質が必要だ。


ep5誰ですか?

〜イリヤside〜

 

「な、なんかすっごいハデな人まで出てきたんだけど!」

 

『相変わらず肺活量の大きい人ですねー。』

 

(ううん、それよりも。あの子が持ってるのって、どー見ても・・・)

 

「ここしかないというタイミングで如何にしても必殺の一撃を入れるか・・・その一瞬の判断こそが勝負を分けるのですわ。だというのに、相手の宝具に恐れをなして逃げまどうなど笑止千万‼︎とんだ道化ですわね遠坂凛‼︎」

 

突如鏡面界に出没した謎の少女と謎の金髪縦ロール。さっきから高笑いを続けて凛を煽ってるが、ぶっちゃけ何もしてないのにどうしてあんな態度がとれるんだろうか?

 

「やっかましぃーッ‼︎」

 

「ホウッ!?」

 

いきなり始まった2人の大喧嘩に、更に置き去りにされた感が加速したさつきはもはや喋る気にもなれなかった。

 

『つい昨日わたしたちに見限られたというのに、成長しませんねーこの人たちは。』

 

「ル、ルビー!なんか地面が割れて・・・うわっ空も!?」

 

『あらー、カードを取り除いたので鏡面界が閉じようとしてるみたいですね。さっさとしないとまずいですよ。凛さん、ルヴィアさん。脱出しますよー。聞いてますかー?』

 

「サファイア。」

 

『はい、マスター。半径6メートルで反射路形成、通常界へ戻ります。』

 

サファイアと呼ばれたルビー似のステッキは、イリヤとルビーがやった時以上の大きさの反射路を創り、通常界へと5人(あとステッキ2本)を戻した。

 

『ふう、ひとまず一戦目は終了ですね。』

 

「も、戻ってきたの?フェンスも元通りになってる・・・」

 

「ち・・・!この私が攻めきれないとは・・・生意気にも攻撃の精度が上がってきてますわね貴女!」

 

「単純なタックルがいつまでも通用するとは思わないことね。来るとわかってれば対応策はある!」

 

『そこの魔術師のお2人、肉体言語で語り合わないでください。』

 

「仲が悪い・・・ってレベルじゃないね、コレ。」

 

『いつもこんな感じですよ。』

 

「で、そっちの子はなに?ほら、アンタもこっそり逃げ出さない。」

 

完全に事態が飲み込めず、変なことになる前に逃げようとしたさつきだったが、凛に見つかってコッテリと事情聴取する羽目になった。

 

〜さつきside〜

 

「えっと・・・弓塚さつきです。今は、そこら辺の路地裏で暮らしてます・・・」

 

「そこら辺の路地裏って、それホームレスじゃない!アンタ家出中なの!?何してんのよ‼︎」

 

『凛さんは分かってませんねー。年頃の女の子の家出なんて反抗期か思春期故の行動ですよ。』

 

(さっきから子供向けのおもちゃが尋問して来るんだけど、あれなんだろう。)

 

「よく見たら貴女の服ボロボロになってますわ!私の所に来なさい!貴女に淑女の嗜みを教えますわ‼︎」

 

「え、あのちょっと!誰か助けてー!」

 

何故かさつきを連れて帰ってしまったルヴィアを見送り、すっかりルヴィアといっしょにいた女の子のことが頭から抜けていた。

 

〜イリヤside〜

 

(せめて名前くらいは聞いておけば良かったかな。)

 

「ったくあのバカは。カード回収を勝負と履き違えているわ。」

 

「嵐みたいな人だったね、あの人さつきさんって人を連れて行って何する気なんだろう。」

 

「とりあえずさつきってのも合わせて対抗馬ってとこかしら。」

 

『結局あの2人は何者かわからないままですねー。ルヴィアさんと一緒にいた子はサファイアちゃんの新しいマスターさんですし、気になります・・・どうしましたイリヤさん?』

 

「あの子、わたしと同じくらいの歳だったよね。パターンでいくとこれってさ。」

 

翌日、イリヤの考えたパターンは見事に的中した。

 

「美遊・エーデルフェルトです。」

 

「はーいみんな仲良くしてあげてねー」

 

(うん。やっぱこうなるよね。)

 

(成る程、転校生展開ですか。なんともベタですねー)

 

出会ったライバル魔法少女が転校生だったりするのは魔法少女モノの運命なので避けようがない。それはそれとして、苗字が完全に貴族のソレなのだが。

 

「席は窓際の1番後ろね、イリヤちゃんの後ろのとこ。」

 

何の因果か、2人の魔法少女が縦に並んでしまった。席を指定した担任教師の藤村大河は、恐らく野生の勘でこんな現象を引き起こしたのだろう。

 

(な、なんか見られてる!?このプレッシャーはなに!?)

 

(メンチで負けてはいけませんよイリヤさん!)

 

休み時間になると、やはり転校生への洗礼か、周囲には自然と人だかりができる。

 

『さっそく囲まれてますねー。』

 

「いろいろ聞きたいことはあるけど、これじゃムリだね。」

 

『では、代わりにわたしがお話を伺います。』

 

『あらあら、サファイアちゃんも来てたんですねー。』

 

(ちょ、ちょっと見つかっちゃうよ!)

 

(とりあえず、窓際に行きましょうか。)

 

そして、2本のカレイドステッキが小学生とトークするというカオスがひっそりと繰り広げられた。

 

『紹介がまだでしたよね。こちら、わたしのマスターのイリヤさんです。』

 

『サファイアと申します。姉がお世話になっております。』

 

「ステッキって2本あったんだね。」

 

『ええ、わたしとサファイアちゃんは同時に造られた姉妹なんですよー。魔力を無制限に供給し、マスターの空想を元に現実に奇跡を具現化させる。それがわたしたちカレイドステッキの機能です。2日前まではルヴィア様と凛さんにお仕えしていたのですが、故あって・・・』

 

「あの子に乗り換えた訳ね。」

 

『でも、美遊さんも大したものですねー。初めてなのにいきなり宝具を使うなんて。』

 

「宝具・・・?

 

『説明していないのですか姉さん?』

 

『そういえば、カード周りの詳しいことはまだでしたね。1度に説明しても混乱させるかと思いまして。そうですねー。無事初戦も切り抜けましたし、お話していきましょうか。以前凛さんに見せてもらったクラスカードですが、覚えていますか?』

 

「うん。なんかすごく危険な力を持ってるカードなんでしょ?」

 

『はい。そのカードはなんの前触れもなく突如、この冬木市に出現したんです。異常な魔力(オド)の歪みを観測した協会は調査を開始、魔術協会は2枚のカードを回収し、分析しましたが、製作者不明で用途も不明。構造解析もうまくいきませんでした。ただひとつわかったのは、このカードは実在した英雄の力を引き出せるらしいということ。』

 

イリヤは知らないが、魔術協会が構造解析すらもうまくいかないという事実は、現存する魔術師では、構造がわからない程の代物を誰かが造ったという事だ。

 

『なんらかの偉業を成し遂げて、英雄と認められた者は死後に《英霊の座》と呼ばれる高次の場所へと迎えられます。そうして英霊と成った者はそれぞれが力の肖像たる武装を持っています。通常の武具を超えた奇跡を成す強力な兵器、それが《宝具》です。わたしたちはカードを介することによって英霊の座へとアクセスし、英霊の持つ宝具の力を一瞬だけ具現化することができるんですよ。昨夜、美遊さんが敵を仕留めたのが、それです。刺し穿つ死棘の槍(ゲイボルグ)放てば必ず心臓を穿つという必殺の槍です。どうもカード1枚に対し、英霊1人が対応しているようで・・・って、ちゃんと付いて来てますかイリヤさん!もうちょっと続きますよ!』

 

「だっ、大丈夫!7割くらいは理解してるよたぶん。」

 

『それでは続けます。もうおわかりかもしれませんが、昨夜戦って敵もまた、カードの力によって引き出された英霊の力の1部なのです。』

 

『とはいえ、どうやら本来の姿から変質してる上に理性もなくしてるみたいですけどねー。』

 

『英霊はカードを包むように実体化しており、英霊を倒さねばカードを回収できません。アーチャーとランサーは協会が派遣した魔術師たちによって打倒されたのですが、ライダーについてはそうはいきませんでした。彼女には魔術がまったく効かなかったのです。恐らくは対魔力Bランク以上、《魔術を無効化する》という概念的な守りを持っていたようです。

 

『そこで白羽の矢が立ったのが、わたしたちだったってわけですねー。魔術に頼らない純粋な魔力射出の攻撃なら効きますから。』

 

『それでいろいろあって、凛さんとルヴィアさんがマスターになったわけですが、まぁその後はゴニョゴニョあって今に至ると。』

 

「最後すっごい尻すぼみな解説だね。」

 

『協会はカードの反応を全部で7つ感知しました。残りは4枚です。わたしたちも全力でサポートしますので、美遊様と協力してのカード回収に、どうかご協力ください。』

 

「うん。イマイチ自信はないけど、頑張ってみるよ。」

 

自信がないのは本当だが、イリヤはこの状況を半ばアニメやゲームと同じだと楽観視していた。当然ルビー達もそれをわかってはいるが、相手が小学生である以上、あまり強く出にくいのがネックだった。このくらいの歳ならありがちな事だし。

 

『そういえばサファイアちゃん。昨日境界面で会ったさつきさんという方。あの後どうなりましたか?』

 

『さつき様なら、今頃ルヴィアさんのお宅にいますよ。ただ、どうもあの人おかしいんですよ。やたらに陽の光を避けたりとか・・・』

 

「サファイア、あまり外に出ないで。」

 

「いっ!?」

 

『申し訳ありませんマスター。イリヤ様にご挨拶をと思いまして。』

 

「誰かに見られたら面倒。学校では、カバンの中にいて。」

 

それだけ言うと、イリヤには声もかけずに去っていった。

 

「なんか・・・声かけづらい雰囲気?」

 

「うーん。なかなか、気難しい人みたい。」

 

「・・・何してんのみんな?」

 

何故か教室のドアの横で縦に重なるクラスメイト。彼女らが言うには、みんなでいろいろ質問しようとしたが、何も答えてくれず、しまいには「少しうるさいね」とあしらわれる始末。

 

「ああいうクールキャラは今までクラスにいなかったな!ちょっと新鮮!」

 

「苗字とかすごいしお嬢様系?」

 

「とりあえず美人さんだよねー。」

 

「あれが噂のツンデレなのか!?実物初めて見たぜ!」

 

「ああいうのに限って1度落とせば尽くしてくれるのよ。」

 

「頑張ってフラグ探そうかー。」

 

謎の方向性に頑張りだしたクラスメイトを他所に、イリヤ達は若干の憐れみを見せながら、自分達のクラスがいかに平和で個性的かを再確認した。




そういえば、前回せっかくさっちんの戦闘シーンがあったのにさっちんの強さについて言及しなかったので、今のうちに言及します。どうせなら、わかりやすいFGO風に。

弓塚さつき

筋力B+ 耐久C 敏捷C 魔力C 幸運E

スキル
怪力(B) 魔物、魔獣のみが持つとされる攻撃特性。

吸血(C) 弓塚さつきは吸血鬼であるために、常に吸血衝動に悩まされる。

?????(ー) いずれ得る力。

死徒であるために、人が作った宝具と神が人のために作った宝具が効かない。

もし今後、私が何か作品を書くとしたら、読みたいのは?(詳細は活動報告に記載)

  • 遠野志貴×サイコホモ弓塚さつき
  • ○○の主役は我々だ! in FGO
  • ○○の主役は我々だ! in ドルフロ
  • ペルソナシリーズ オリジナル作品
  • 弓塚さつき、異世界転生で最強になる
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。