東方masquerade   作:リョウタロス

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今回は前々回鎖に連れてかれた紀斗の話です、いつもよりは短いです

それでは本編です、どうぞ!


第四十三幕 神喰狼の食事

最上階 支部長室

 

支部長室の床に一部空いている穴、そこに部屋の奥の方で座っている暗道の手のひらの上の魔法陣から出た鎖が穴から下の階へと伸びかなりの速さで引き上げられている

 

「ぐっ!?」

 

鎖の先には紀斗が縛られ床より上に引き上げられたと同時に床の穴は塞がり紀斗は床に叩きつけられる

 

「やあ、手荒な招待で申し訳ないね海堂君」

「てめえ、暗道!」

 

暗道は薄く見下すような笑みを浮かべ紀斗は縛られたまま暗道を睨みつける

 

「覚えていてくれて嬉しいよ、まあ、そういきりたたずにこいつらの相手をしてくれないか?」

 

部屋の奥から出てきたのはワイズマンを筆頭としたウィザード本編や映画に出てきた人型、巨大なタイプを合わせた全てのファントム達総勢35体だった

 

「君から以前絞り出させてもらったファントム達だ。今となっては私の言うことを聞くだけの人形だがね」

 

そう言いながら暗道は紀斗を縛っていた鎖を解く

 

「…鎖を解くなんてどういうつもりだ」

「なに、抵抗できない君をただ嬲るのも面白みに欠けると思ったのでね。ちょっとしたサービスだよ」

「ならこの鎖を解いたこと後悔させてやるよクソ野郎」

 

『ドライバー オン プリーズ』

『シャバドゥビタッチヘンシーン シャバドゥビタッチヘンシーン』

 

紀斗は立ち上がると腰にウィザードライバーを出現させ左手にインフィニティーウィザードリングを付けウィザードライバーにかざす

 

『イーンフィニティー!プリーズ』

『ヒースイフードー!ボーザバビュードゴーン!』

「ここでお前を倒す、絶対にだ!」

「ふふふ、やってみるといい。さあ行けお前達!」

『………』

 

紀斗はウィザード インフィニティースタイルに変身しアックスカリバーを構え暗道はファントム達を突撃させる

 

「ふっ!らあ!」

 

紀斗はアックスカリバー アックスモードで高速移動をしながら人型ファントム達をすれ違い様に斬りつけていく

ファントム達は斬りつけられても一言の声も発さずまるで生ける屍を相手にしているような感じだ

 

「ったく!こんな人形にされてるんじゃ敵ながら同情するぜ!」

『チョーイイネ!サンダー サイコー』

 

紀斗は右手のサンダーウィザードリングをかざすと緑色の魔法陣が現れそこから雷撃が飛び出しファントム達に襲いかかる

 

『グレイプニル カモン』

「おっと、危ない危ない。せっかくの魔力を塵にかえしてもらっては困りますよ」

 

暗道は右手のリングを自分の腰のパームオーサー(白い魔法使いドライバーの縁部分が銀色)にかざすと暗道の目の前に魔法陣が現れそこからさっきと同じ鎖が何本も現れフェニックス以外の人型ファントム達を引き寄せ雷撃はフェニックスだけに決まりフェニックスは爆発するがすぐに復活する

 

「…復活するフェニックスだけは見殺しか、反吐の出る戦わせ方だな」

「なに、私は効率重視なだけさ。それにしても、ふむ、やはり普通の奴ら程度では時間稼ぎでやられてしまうのが目に見えてしまうな。仕方ない、フェニックス、海堂君を足止めしていろ」

 

そう言うと暗道は姿を暗い銀色の狼型のファントム、フェンリルへと変え引き寄せたファントムの中から1体、ミノタウロスをグレイプニルで縛り自分の目の前に運ぶ

 

「何する気だ!」

「……」

「くそ!邪魔だ!」

 

紀斗は暗道の行動を阻止しようとするがフェニックスが立ち塞がり妨害する

 

「それでは、いただきます」

「ッ!?」

 

グシャッゴキッバキッグチュ ゴクンッ

 

暗道は口を人を簡単に丸呑み出来るくらいまで開くとグレイプニルを操りそのままミノタウロスを頭から食べた

紀斗はその光景を驚愕の目で見て一瞬言葉を失う

 

「ふむ、牛系はどうも角が喉の奥に引っかかってしょうがないな今度からは先に角を折ってから呑むか」

「てめえ、オーガと同じような食って能力を得るタイプのファントムだったのか…」

「確かに私とオーガはたまに大食いで競い合うような仲ではあったが、私とあいつの能力は少し違うな。むしろ私の能力の方が劣化版だと言っていい。まずあいつは死んだファントムでも魂ごと喰らうが私は相手の肉体が無ければ喰らえない、それに私が喰らって得られるのは魔力のみ。あいつのように能力までは得られない」

「それにしちゃあ随分とファントムを喰うのにこだわるじゃねえか」

「なに、私はただ喰らった相手の魔力分自分の魔力の最大値を上げられるだけだがね。さ、私は食事の続きをするとしよう」

「させるか!」

『ジ・オリジン プリーズ』

「フェニックス」

 

再び他のファントムを喰らおうとする暗道に向かって紀斗はエクスプロージョンによる爆発を放つがフェニックスが盾となり暗道へのダメージが防がれフェニックスはまた死亡し復活する

 

紀斗が何度も暗道の食事を邪魔しようとするがフェニックスが邪魔をしそれを突破してもグレイプニルが邪魔で暗道のところまで届かない、バインドやディフェンドで邪魔をするがすぐに破られブリザードで氷漬けにしてもグレイプニルでフェニックスを殺されすぐに復活し力を入れ過ぎたり威力が強過ぎて斬殺刺殺焼殺圧殺撲殺銃殺殴殺蹴殺様々な方法でフェニックスを殺してしまった、しかもフェニックスの復活するスピードもどんどん速くなっていて最早一瞬で復活するほどまでになっている

そしてそのまま暗道の食事は続けられ

 

「ふう、これでフェニックス以外は喰えたな」

 

ついにフェニックス以外の全てのファントムが暗道に喰われ暗道、フェンリルの魔力が目に見えて上がっているのがわかる

 

「後はそのフェニックスだけだな、いい具合に何度も殺してくれたおかげで魔力も中々高まっているようだ」

 

フェンリルはフェニックスを見て舌なめずりをするとグレイプニルを伸ばしてくる

 

「クソ!」

『バインド プリーズ』

 

紀斗はバインドでグレイプニルを縛るが一瞬しか持たずバインドは壊される、アックスカリバーで斬りつけるがまったく壊れずグレイプニルのうちの一本が紀斗の攻撃をくぐり抜けフェニックスの身体に巻きついた

 

「しまっ!?」

「さあ、メインディッシュだ」

 

フェンリルは自分の目の前にまでフェニックスを運ぶと自分を中心にグレイプニルでドーム状のシェルターを作る

 

「閉じこもるんじゃねえ!」

『ハァイタッーチ!シャイニングストライク!』

「出て、こいやぁ!」

『キ・ラ・キ・ラ! キ・ラ・キ・ラァ!』

 

紀斗はアックスカリバーのハンドオーサーをタッチしアックスカリバーを巨大化させ飛び上がりドラゴンシャイニングをグレイプニルのシェルターにくらわせる

 

「ぐっ!堅ぇッ…」

 

しかしグレイプニルのシェルターはアックスカリバーの刃をまったく通さず火花が散るだけだった

シェルターの中からはフェニックスを喰らう音だけが響きもう一度ドラゴンシャイニングを放とうとした瞬間グレイプニルのシェルターが解け中からフェンリルが出てくる、しかしその姿は先ほどより禍々しい姿となり両肩にはショルダーファングのような刃もある

 

「待たせたね、君が何度も殺してくれたおかげであのフェニックスの味はかなり美味しかったよ」

(最悪だな、逃げるにしてもフォールのリングはいくらやってもエラー、あのグレイプニルの硬さはかなりのものだ…)

「やってくれるぜ、クソ狼が…」

 

フェンリルの薄笑いの言葉に今の状況の悪さは理解する紀斗は苦虫を噛み潰したような顔でフェンリルを睨む

 

「これでようやく、準備は整った…」

「準備だと?」

「その通り、私の力を更に上げる為の準備がね」

『ドライバーオン カモン』

 

フェンリルは両手にリングをはめると右手のリングを腰のハンドオーサーにかざすと低い地獄の亡者のような音声と共に白い魔法使いドライバーに酷似したベルトが現れる

 

「まさか!」

「君からいただいたベルトを基に作りあげさせたものだよ、変身」

『モルフ カモン』

 

フェンリルの目の前にフェンリルと同じ色の魔方陣が現れその魔方陣がフェンリルを通り過ぎるとフェンリルの姿は変わりヘルムの上部分は狼のようでそこから下は白金の原石を模したゴツゴツとした顔に目元まで二本の線が入った顔、身体の服装は白い魔法使いの姿に似ているがマントは前には来ないで後ろにたなびいている

 

「仮面ライダー ウォーロック、さあ、世界を喰らい尽くしてやろう」

 




ついにラスボスが変身しました仮面ライダーウォーロック
名前の元ネタはwarlock、魔術師という意味の単語です
次回はウィザード インフィニティーvsウォーロック、どんなリングや力を持っているかは楽しみにしててください!

それでは次回もお楽しみに!

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