俺に結婚式描写はキツ過ぎました、年齢=彼女いない歴の俺にはキツ過ぎる話でしたよ…
とりあえず今回は生暖かい目で読んでください
そんなわけで本編です、どうぞ
宴の日から数日が経ち結婚式 当日
俺が永琳に告白した翌日には文々。新聞で俺と永琳が結婚するという記事がデカデカと書かれ幻想郷中に知れ渡ってしまい招待状を送る手間は省けたがその記事には俺の告白の言葉まで書いてあったので罰ゲームとして久しぶりの笑いのツボを押してやった
知れ渡った後は大変だった、人里の人達からは祝いの言葉をかけられると同時に場所やどんな形式でやるのかを聞かれ終いにはもう永琳とはヤったのか?と聞く奴まで現れる始末でその質問をしてきた馬鹿には文と同じ末路を味合わせてやった
その後紫さんの仕業だろうがいきなり依姫と豊姫が永遠亭に乗りこんできて自分達に一言も無しに結婚とはどういうことだ、と説教された。永琳が宥めてくれたおかげでなんとか怒りを抑えてはくれたがその代わり永琳と仕方ないから俺のも衣装などは自分達で用意すると言いこちらとしてもそれは助かるためお願いした
そして今はその用意された服を博麗神社でちょくちょく一緒に飲んでいる菅二郎のおっさんに着させてもらっている、もちろん永琳とは別の部屋だ
「中々様になるじゃねえか、紀斗。馬子にも衣装ってやつだな!」
「馬子ねえ、まあバイクにならよく乗ってるけど」
「なんかこういう風に見てると息子でも見てるような気分だな」
「とんだ世話焼きな父親持っちまったもんだな俺も」
「はははははっ!言ってくれるじゃねえかこの野郎!」
俺の衣装は和風の結婚式ではポピュラーな黒紋付袴だが流石は月の代物、手触りや色などが普通の物とは圧倒的に違う一級品を超えた出来の代物だ、永琳の衣装はまだ見れていないがあちらも相当な物なんだろう。…それを着た永琳があまりに綺麗すぎて鼻血を出さないか心配だ
外は人里で親しくなった人達や妖怪達、助っ人組に兎の大群で博麗神社が今までにない賑わいを見せていた、人里の人達も仮面ライダーである俺や博麗の巫女である霊夢、少なくとも人間の味方をしてくれる魔理沙、妖夢、聖、神子達がいるから妖怪がいても気にせず来てくれたのだろう。まあ妖怪でもミスティアを筆頭に結婚式なのに何故か屋台を出してる奴までいるし今のところ問題はないだろう、結婚式を祭りか何かだと勘違いしてないか甚だ不安だが…
……早苗は、来てないみたいだな。当然か、わざわざ自分を振った男の結婚式になんて来るわけないよな…
「紀斗さん、そろそろ時間になりますからこちらに来てください」
「ああ、わかった」
俺は豊姫に呼ばれ部屋を出ると一緒に永琳の控え室の前まで行きノックする
「永琳、入るぞ」
「ええ、いいわよ」
俺は許可をとり襖を開けるとそこには女神がいた…
「」
「紀斗?どうしたの?」
「ハッ!悪い、永琳が綺麗すぎて見惚れてた」
「ふふっ、ありがと。そう言ってもらえると化粧してもらった甲斐があるわ」
永琳は純白の白無垢姿でいつもは三つ編みにしている髪はほどき顔には元々の美貌を引き立たせるように薄く化粧がしてある、その姿はまさに俺にとっては女神と同じで本当に彼女が自分と結婚してくれるのだと思うと嬉しくて涙が出そうだ
「それじゃあ行こうか」
「ええ、そうね」
俺達は並んで立つと豊姫が目の前に博麗神社の鳥居の目の前に繋げ俺と永琳は同時にそこへ入る
『さあ!新郎新婦の登場です!拍手でお迎えくださーい!』
文の司会の声と共に俺と永琳は博麗神社の鳥居の前に出ると神社の目の前まで続くレッドカーペットの周りで皆が拍手や激励で迎えてくれた
「おめでとー!」「幸せになれよー!」「そんな美人な嫁さんもらえて羨ましいぞー!」「末長く爆発しやがれ!」
「いいなー、あんないい人と一緒になれて」「憧れちゃうわよねー」
「お師匠様、すごい綺麗で嬉しそうですね」「そうね、やっと私達以外にも心の拠り所を見つけたんだものね。主として喜ばしいわ」「これからは桃色空間の発生する時間が更に増えそうだね」
俺と永琳はそんな激励を背にレッドカーペットを歩いていき神父役である霊夢の目の前で止まる
「誓いの言葉…海堂 紀斗、貴方はここにいる八意 永琳を病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も妻として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」
「誓います」
「八意 永琳、貴方はここにいる海堂 紀斗を病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も夫として愛し、敬い、慈しむことを誓いますか?」
「誓います」
「それでは指輪の交換を」
霊夢に言われ俺は永琳の左手に指輪をはめ永琳は俺の左手に指輪をはめた
「では誓いのキスを」
俺は永琳へと身体を向け俺と永琳は向かい合うと永琳と見つめ合い言葉を交わす
「永琳、愛してるぞ」
「私もよ、紀斗」
俺と永琳は言葉を交わし終わると同時に顔を近づけ誓いの口づけをし先程よりも盛大な拍手が湧き上がった
そしてそのまま流れは宴会へと移り来てくれた皆の手元に酒の入った盃がまわされる
「皆、俺と永琳の結婚式に来てくれて本当にありがとう!乾杯!」
『乾杯!』
俺の言葉と共に皆一斉に盃を上げ中の酒を飲みほす
「は〜、やっぱり慣れないことするもんじゃないわね。いつもより畏まってやったせいか肩がこっちゃったわよ」
「霊夢があんな礼儀正しくやったのなんていつぶりだろうな、ほんと珍しいもんが見れたぜ」
「うっさいわね、まずうちの神社に人が来なさすぎるのが悪いのよ。だからもっと人を呼ぶためにあんたもお賽銭よこしなさい」
「相変わらず横暴すぎる理論だぜ…」
ようやく肩の力を抜くことができた霊夢を魔理沙はからかうがいつも通りの賽銭要求に苦笑いする
「1番天音!歌いまーす!」
「演奏は!」
「私達プリズムリバー三姉妹に!」
「任せてよ!」
「その次私ねー!」
「3番目は私です!」
「おいおい、歌うのが本職のボーカロイドの俺を忘れるなよ」
天音はどこからかマイクを持ってきて歌い始めそれに便乗するようにミスティアと響子、カイトもマイクの順番待ちをしプリズムリバー三姉妹がバックバンドを務める
「さあさあ、主役なんだから紀斗ももっと飲んで飲んで!」
「まだまだいけるはずだろう?」
「うぅ、お前ら…少しは手加減してくれ…」
そして主役である俺は勇儀と萃香の鬼コンビに早くも酔いつぶされそうになっていた
「お前らなあ、ヒック、普通の人間の俺が、ヒック、鬼の酒なんてそう何杯も飲めるわけヒック、ないらろぉ…」
「はっはっは!もう呂律も回らなくなってきてるなんて、まだまだだねえ」
「紀斗、いいから少し休んでなさい。ほらあなた達はこれ以上紀斗に飲ませないの」
「わりい…えーりん」
酔って顔を真っ赤にした俺は水を一杯飲ませてもらうと頭の角隠しを取った永琳に膝枕してもらい酔いを覚まそうとする
「ちぇー、なら他に誰かいい飲み相手はいないかね?」
「ならあの帝って奴はどうだい?酒も強そうだし」
「そうだね、それじゃさっそく行くとしようか!」
そう言うと2人はさっさと帝の方へ走っていき周りにいた他の人達も空気を読んでくれたのか各々別の場所へ行きこの場が俺と永琳の2人っきりになった
「紀斗、大丈夫?いくら今日の主役が私達だからといってすすめられた酒を断るわけにはいかないといっても限度があるわよ」
「ああ、でもこうやって久しぶりに永琳の膝枕を堪能できるから役得ではあるけどな」
「もう、紀斗ったら」
永琳は頬を薄く赤に染め愛おしそうに俺の顔を見つめながら俺の頭を撫でてくれ、俺は永琳の薄く赤に染まった顔を優しく撫でどちらからともなく口づけを交わす
そのまま数十分くらい過ごすと俺は永琳に手洗いに行ってくると言い博麗神社の裏の林の目の前まで行くと1番近くの木に背を預け腕を組む
「来てくれるとは思ってなかったぞ、“早苗”」
「…気づいてたんですね、紀斗さん」
近くの木の陰から早苗の声が聞こえるが俺も振り返らず早苗も木の影から出てこようとはしない
俺達はそのまま顔を合わせないまま会話を続ける
「さっきチラッと林の方にお前の姿が見えたからな。あとは気配を頼りに来ただけだ」
「流石ですね、気配もなるべく消してたんですが」
「気配を消しても自然の中じゃ他の気配の中にぽっかりと穴があいた風になるからな。こういうところで隠れるな
ら気配は消すんじゃなく周りと同化させることだ」
「やっぱり敵いませんね…。少し様子を見てそのまま帰るつもりだったんですけど」
早苗の声には少しの後ろめたさみたいなものが感じられ暗い感じがする
「それで、なんで来てくれたんだ?普通数日前に自分を振った奴の結婚式になんて来ないだろう」
「普通はそうですよね…。でも私はまだ少し諦めきれていない自分の心に決着をつけたかったんです。いつまでも恋に溺れて紀斗さんや諏訪子様達に迷惑かけたくなくて、それで今日の幸せそうな2人を見れば踏ん切りがつくと思って来てみたんです」
「そうか…、で、どうだった?」
出来ればもう恋なんていう酒の酔いが覚めていてくれてればいいが、普通無理だろうな…
「…正直、永琳さんが羨ましくて嫉妬心も少し出ちゃいましたけど紀斗さんの幸せそうな顔を見たらそれも吹き飛んじゃいました。私が入る隙間なんてないほどにお2人共ラブラブなんですから」
「悪かったな、見せつけちまって。まあでも…お前は強いよ、早苗」
「そんな、紀斗さんの方が私なんかより全然強いじゃないですか。戦いも、心も…」
「いや、俺の心は弱いさ。俺はきっと好きな人に振られたら仲間やダチに励まされたりしてもいつまでもそのことをひきずって立ち直れないだろうな。でも早苗はこうやって前へ進もうとしてる、俺なんかよりずっと強い証拠だ」
「でもあのムネモシュネの鎖にヒビをいれるくらいの精神力を持ってるじゃ「それは俺自身が護るべき人を傷つけようとしたからだ。俺は護るべき人や仲間がいたからここまでやれた。俺は、1人じゃ何もできない貧弱野郎だよ」
「……」
「こんな俺でもここまでやれたんだ。早苗、お前なら俺なんかよりもっといい人を見つけられるさ」
これは俺の本心だ、幻想郷にいる皆は実力もそうだが精神も強い。それに比べて俺はまだまだ未熟だしな
「なんで…」
「ん?」
「なんでそうやって自分を過小評価するんですか紀斗さんは!それじゃああなたを好きになった私や永琳さんを馬鹿にしてるのと同じですよ!」
「……」
「もっと自分を大きく見てください…。そんな風に言ったら私は紀斗さんが心配で離れられないじゃないですか」
早苗の言葉に俺は自分が誤った考えをしていたのに気づいた、早苗の言うとおりだ
こんなんじゃ俺も人のことをとやかく言えないな…
「そうだな、悪い。だがお前の心が強いってのは本当だ、お前が俺に自分を過小評価してほしくないのと同じように俺もお前に自信を持ってほしいんだからな」
「!…っはい!」
「それじゃ、俺はもう行くとする。早苗、ありがとうな」
「こちらこそ…ありがとうございました、紀斗さん」
俺はそう言い残してその場を離れ永琳の所へと戻る
「あ、紀斗おかえりなさい。遅かったわね」
「ああ、ちょっと向こうで他の奴と話してたら長引いちまってな」
「おいおい、嫁さんほっぽって早速浮気か〜?」
「浮気なんざするかよ、そんなのをするくらいなら舌を噛みちぎるって何回言わせんだ?」
「本当永琳さん一筋ね、そこらへんの男共に紀斗さんの爪の垢を煎じて飲ませたいくらいだわ」
周りにいた人里の人達や皆と騒ぎに騒ぎ夕方には人里の人達はさすがに帰りそのままお開きになった
その晩 永遠亭
「永琳、頼みたいことがある」
俺と永琳は寝巻き姿になり永琳の寝室で向かい合いながら俺は一種の賭けに出る
「何かしら紀斗?そんなにあらたまって」
「永琳、俺を…不老不死にしてくれ」
俺は土下座をして永琳にこの願いを言う、その瞬間永琳の表情は先程までの穏やかなものから厳しいものへと変わる
「理由を…聞かせてもらえるかしら?」
その言葉には理由によってはこの場で殺すという明確な殺意が含まれ一切の甘さも含まれてはいなかった
俺は永琳の目を強く見つめ返し強く言い放つ
「俺は能力を持っていてもただの人間であることには変わりない。だから今の状態なら寿命で死ぬならこの永遠亭で1番先に死ぬのは俺だろう、俺はそれで永琳、お前に悲しんでほしくないし嫁を残して死ぬなんてのは俺自身のプライドが許さない。もし断られたとしても俺はジョーカーやグリードになってでも不老不死になるぞ」
「…それで私に永遠を生きる苦しみをあなたに与えろと言うの?」
「俺はお前がいてくれれば永遠だろうと耐えられる」
「だから永琳!俺に、蓬莱の薬をくれ!」
「………」
俺は頭を勢い良く床につけ返答を待つ
「ハァ、何を言っても無駄みたいね。どうします?姫様」
永琳がため息を吐きながらそう言うと入口の襖が開き輝夜と鈴仙、てゐが出てくる
「別にいいんじゃないかしら、どうせ駄目って言っても他の方法で不老不死になれるみたいだし」
「というか不老不死になれる方法をいくつも持ってる自体おかしいですけどね…」
「ま、いつかこうなるんじゃないかっていうのは予想してたし問題は無いでしょ」
3人の返答に永琳は呆れたような諦めたような表情になりため息を吐くと俺の方に向き直る
「わかったわ、紀斗。あなたに蓬莱の薬をあげるわ」
「悪い、ありがとうな、俺の我儘をきいてくれて」
「まったく、こういう時は本当に頑固なんだから。薬を用意するから診察室で待っていて」
「わかった」
俺は立ち上がると永琳の指示通り診察室に移動しついでにとついてきた輝夜達と永琳が来るのを待った
「お待たせ、準備できたわ」
数分すると永琳がお盆にコップ一杯の水とカプセルの入った瓶を乗せて出てきた
「これが、蓬莱の薬か…」
「紀斗、思い直すなら今のうちよ」
「ここまできてやめるつもりは無いさ、何錠飲めばいいんだ?」
「3錠よ、それであなたの身体は作り変えられ不老不死となるわ。ただしその際には途轍もない激痛が襲ってくるから覚悟して」
俺は出された3錠のカプセルと水を持ち一気に口に含み水で流しこむ
「うっ!?」
その瞬間俺の身体に激痛が走りまるで内側から自分の身体を食い破られているような感覚を感じ俺は地面に倒れ苦しむ
「ぐっうあ、うあああああああああああああ!?」
痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え痛え!?まるで内臓を内側からシュレッダーにかけられてるみてえに痛え!だけど!永琳や鈴仙達が見てるなかでいつまでもこんな無様な姿!見せるわけにゃあいかないよなぁ…
「フー!フー!グウ!?グッ!」
俺は自分の着物の袖を噛み歯を食いしばることで悲鳴を噛み殺し痛みに耐え続ける
鈴仙が心配そうな目で俺を見つめ輝夜とてゐは若干試すような目だ、そして永琳は真剣な目だがこの痛みに耐えてくれるという信頼の意思がみえる、永琳や輝夜、妹紅も耐えた痛みだ、永琳の夫である俺が耐えられないんじゃ話にならねえよなぁ!!
その数時間後、夜明けと共に俺の身体は完全に人間をやめた
後味微妙だなーこれ、あと結婚式の内容というかやり方などは服装などだけ和で他はほぼ洋という混合です。幻想郷だから常識にとらわれちゃいけないと考えてくれればそれでいいです
紀斗は蓬莱人になったわけですが少しだけ容姿が変わりました、まあそれはまた次回
次回はエピローグです
次回もお楽しみに!