Fate/zero minus   作:yumeno

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話が短い点について、申し訳ありませんm(__)m


第七話 黄泉の過去②

 

始まりの夜、言峰黄泉は思考する。

綺礼を討つのはコンテナ戦の後でよいだろう。それよりも、不死者殺しの概念を持つだろう武器を所有するアーチャー、巨万の兵を呼び出すライダー、城をも落とす聖剣を持つセイバー。そして、魔術的繋がりを断つ魔槍を持つランサー。どれも私という個人を打てるだろう。

不死なのだから大丈夫だろう?と、思うかもしれないが、この不死の概念は宝具で言うならC+。C以下の攻撃を無効に近い力を持つが、神秘もない、ちょっぴり頑丈なだけの鎧だ。ギリギリアサシンのダークぐらいなら無効にできそうだが、他はだめだ。特にランサー。彼の槍で貫かれれば、刺されている間、再生が発動しない。敏捷性も高く、生存率も高いランサーはこの中で最も厄介といっていいだろう。

 

今宵コンテナで、セイバーとランサーの死の舞踏が奏でられる。横やりさえなければ、高確率でどちらか、おそらくセイバーが勝利する。

横やりを入れるであろうライダーをルーラーで止める。

アーチャーはライダーが呼ばない限りは来ないだろう。あの慢心王なら適当に静観しているに違いない。

 

私個人はサーヴァントと対面した場合、高確率で敗北する。セイバーの一振りで死に、ライダーにひかれて死に、ランサーには一突きで殺され、アーチャーには顔を見る暇さえなく死を迎えるだろう。アサシンだけでも取れる可能性があるだけマシというものだ。

 

しかし、此度の聖杯戦争は私というイレギュラーの所為で考えうる最悪のイレギュラーを呼んでしまった。

コンテナに一本の光が流れ込む。

 

「アーチャー…まさか…!」

 

最初のアーチャーVSアサシンの戦闘は結果を知っている故に、他のマスターたちに、『戦闘すら見ない無能』と思わせることができるかもしれない、という思いで見ていなかった。しかし、それが今悔やまれる。

 

「予想外の事態に陥りました、ルーラー。アーチャーの足止めを。今回の聖杯戦争、最も彼が邪魔で、我々にとって最悪の敵になります」

 

あの光を私は知っている。あれは間違いなく、かの『正義の味方』が持つ遠距離宝具。『偽・螺旋剣(カラドボルグⅡ)』。

まずい事態になった。かの英霊は積極的に私たちの計画をつぶしに来るに違いない。そう、『すべての人類の願いを叶える』という私の願いを。

 

しかし、そうなってくるとランサーをとれない。ランサーも邪魔だ。私たちの計画には魔術を使う。そこにかの魔槍が一突きでもすれば術式が崩れてしまう。

私が何としても倒さなくてはならない。

 

星よ(Starlight)

 

故に、もう一度無茶をしなくてはならない。

此度召喚するのは猫。ヤマネコ座は非常に見つけにくい星座という特徴を持ち、隠すという能力に特化している。これにより、私の心臓を動かす(隠す)

無茶な魔術行使により、私の持つ不死性が一段階下がり、ヤマネコ座が使用不可となった。

 

ルーラーの足止めが終わり、ライダーが参戦する。苦虫を噛み潰したような気分だが、冷静にいかなくては即刻で死ぬだろう。それをわきまえてライダーの後に参戦する。

 

「撤退しろランサー。今宵は――

「いえ、ここでランサーには落ちてもらう」

 

ピリピリとした戦場にサーヴァントもどきの私が参戦する。

そして、少しの会話の後、私はランサーに向かって駆ける。ランサーの首を狩らんと黒鍵を振るった。しかし、サーヴァントとしては最弱の私では手も足もでない。

心臓がある位置に槍が突き刺さる。

これで勝敗は決する。だろうが、それは私のサーヴァントとしての宝具を以て挽回した。

 

その名も『偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』自身の受けたあらゆる攻撃を任意で共有する呪いのような宝具。

これにより、ランサーは私と同じ傷を負う。そこに槍が突き刺さたかのように傷を負った。その途中に心臓がある。

故に、私よりランサーが先に死ぬ。

そして、ランサーが消え、槍が効力を失うと同時に私の肉体の再生が始まる。

 

しかし、瀕死に違いはなく、セイバー、ライダーが来るようなら、令呪を以て、逃走するほかに手はない。

だが、運よく二つの陣営は私の宝具を警戒し、去っていった。

 

私もその場から脱し、ルーラーからの連絡をする。

 

「こちらは何とか片付きました。そちらは?アーチャーはどうなりました?」

 

あの正義の味方がいきなり『無限の剣製(アンリミッテド・ブレイドワークス)』を使ってくるようだったら勝ち目はないだろう。しかし、サーヴァント戦において、いきなり切り札を切る馬鹿はいない。手札は多ければ多いほどいいし、彼はその中でも無数とも思える手札を持っているはずだから、あの宝具まがいの固有結界を張ってくるはずがない。

ルーラーには時間の関係上あまり情報を伝えられなかった。最悪令呪――

 

「令呪を一つ使い、アーチャーを――」

 

かの正義の味方は生前、ある裏切りの魔女の持つ小さなナイフを見たことがある。その名も『破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)』。あらゆる魔術的繋がりを破壊するその宝具は、令呪による繋がりさえ断つだろう。

そこに気づくのには一瞬だった。そして、ルーラーが油断したその一瞬を彼は見逃すはズもない。

 

聞こえるはずもないのに、かの英霊の宝具解放の声がこちらまで聞こえてくるようなそんな恐ろしい気分がした。

何処かの街中の一角を一線の光が走る。

 

「ルーラー!そこから離れろ!」

 

私の持つ令呪が一つ消える。それと同時にルーラーが私のそばまで転移した。




ありがとうございました。

偽り写し記す万象(ヴェルグ・アヴェスター)』の仕様について、こうはならないかもしれないです。設定捏造となってしまいすみません。

次の更新は来週の水曜(2018/4/11/17:00)に更新します。
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