Fate/zero minus   作:yumeno

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前話の能力について、一部ミスがございました。
物語に変化の無いように修正します。
ご指摘していただいた方、大変ありがとうございますm(__)m


第四話 聖杯戦争 乱入者の二戦目③

ビルとビルの合間の僅かな隙間からコンテナの様子を見る男が一人。

肉眼では精々大まかにしか視認できないほどの距離だ。まして、そこにあるタイルの一つ一つを数えるなど人間技ではない。

それを視認し、戦況をただの弓を以てかき乱す。さらにはこちらの位置を悟らせないよう移動を繰り返すのはアーチャーのサーヴァントだ。

 

セイバー陣営、ランサー陣営に悟られることなく初撃を加えるまではよかったのだが、流石は英雄。死角からの必殺の一撃を躱し、それ以降の攻撃を止め続けた。この調子で打ち続けても防がれることは容易に想像できる。

 

「チッ」

 

これではジリ貧だ。いつかはこちらの位置を特定し、どちらかの陣営、もしくは両方がこちらに来るだろう。

 

「すまないマスター。初撃が防がれ、追撃を行っているのだが、どうもジリ貧のようだ。このままでは遅かれ早かれ、場所は特定されるだろう」

 

アーチャーのサーヴァントはマスターに連絡する。

マスターは遠坂時臣。冬木の町に住まう魔術師が一人。聖杯を用いて、根源の渦に至るという目的を持った、生粋の魔術師。

その彼は自身の住まう土地で、アーチャーにセイバー、ランサーを討つように命じていた。まあ、失敗に終わってしまったのだが、彼は落ち着いて状況を整理していた。

 

「ふむ…ならば今回はこれで撤退し――」

 

ここでの目的はセイバー、ランサーの迎撃だったが、手傷は負わせられた。ランサー、セイバーが手を組み、こちらの陣営に攻め込なまい保証は無い。どうやら騎士道とやらに己が命を懸ける、生粋のサーヴァントのようであるのだし、ありえない話ではない。

 

しかし、結果として状況がアーチャー陣営有利な展開へと豹変した。

 

「待て。ライダーのマスターが令呪を使用したようだ。アーチャーはそこからセイバーを――」

 

「初めましてアーチャー。そして、さよならだアーチャー!」

 

影から突如として現れたサーヴァント。それはライダーを足止めした白髪のサーヴァントだ。

白髪のサーヴァントによる一線。刀による死角からの攻撃が繰り出される。

 

「ふん、この程度で倒れるとでも思ったか?舐められたものだ」

 

しかし、その攻撃を中華剣で防いだ。鉄と鉄が重なる音が響く。

白髪のサーヴァントによる連撃。それをアーチャーは一本の中華剣で防ぎきる。

 

「どうした!?アーチャー!!」

「サーヴァントによる奇襲を受けた。どうするマスター?」

 

アーチャーは距離を取る。それと同時にアーチャーを追うように黒鍵が放たれる。

 

「なるほど…恐らくはあのどちらかに加担するサーヴァントだろう。思ったより早く来てしまった。…ふむ、少々相手をし、勝算が高ければ倒してしまおう。他のサーヴァントが来るようなら撤退してくれ」

「了解だマスター」

 

アーチャーは自身の持つ弓で以て、白髪のサーヴァントに攻撃する。

当たればコンクリートを抉り取り、爆風を巻き起こすその矢はやはり、英雄に相応しい程の威力を持っていた。

それを白髪のサーヴァントは難なく刀で以て、流し、避け、迫ってくるのだから、彼も英雄と呼ぶに相応しいだろう。

 

「刀か…日本生まれのサーヴァントとは珍しい」

 

刀と剣がジリジリと火花を散らす刹那、アーチャーは探るように話しかける。

 

「さて、どうでしょう?もしや伝え聞いただけの素人かもしれませんよ」

 

白髪のサーヴァントは流すような笑顔で答える。

そして、笑みを浮かべながらも、流れるように刀を振るい、その身を狙う。

アーチャーはそれを力で押し通し、距離をとった。

 

「アーチャーにしては武芸ですね…弓兵が剣を持つとは」

「それは君も同じことだろう?セイバー、ランサー、ライダー、アサシン、そして私のアーチャーを除けば残るはバーサーカーにキャスターか…そういえば今回の聖杯戦争はどうやらエクストラクラスが召喚されたそうだが…」

 

アーチャーの不敵な笑み。すでに何かを確信したような顔を浮かべている。

 

「なあ?アヴェンジャー(・・・・・・・)?」

 

「セット」

 

白髪のサーヴァントは返答はせず、ただフッと笑い、魔術を用いて黒鍵をアーチャーに放つ。

アーチャーなら、黒鍵を投影し、弾くこともできたが、手札を見せないためにも、数歩下がって弓と剣で弾く。

それとともにあちらにペースを持ち込まれないよう、アーチャーの矢が白髪のサーヴァントを襲う。

 

白髪のサーヴァントは、それを躱し、且つ、距離を詰める。

やはり、アーチャー相手に遠距離戦は分が悪い。距離さえ詰めれば、どうにでもなる相手だと白髪のサーヴァントは判断した。

 

互角。

否、今のところは白髪のサーヴァントが有利。

 

幾度かの打ち合い。互いに小さな傷を作りつつも、決定打は無い。どちらも何か転機を狙うようにしていた。そして、それは訪れる。

白髪のサーヴァントがアーチャーの持つ剣を弾く。がら空きになった胴に渾身の力で以て、刀を振るう。

 

「とった!」

 

はなすすべもなく――否、がら空きになったはずの両の手には先ほどとは打って変わって、中華剣が二本握られていた。

 

「それは、こちらのセリフだ」

 

それで以て、白髪のサーヴァントの刀を打ち落とし、もう一方の剣で胴を狙う。

 

「ぐっ!セット!」

 

黒鍵の展開で胴に当たる直前で防ぐ。

白髪のサーヴァントは数歩下がって、アーチャーによって痺れた手を振りながら話す。

 

「双剣使いだったとは…どうやら私では貴方にも勝てない」

 

一本で互角。ならば二本ならば?言うまでもないだろう。小学生でもできる計算だ。

剣の本数で試合が決まる訳ではないが、剣使いが無手で戦うのと剣を持つような違いだ。

 

「それでどうする?撤退するか?」

 

アーチャーは挑発するような声色で睨みを利かせる。

騎士道を重んじる連中、その中でもプライドの高い相手ならこれで撤退できなくなるだろう。

まあしかし、白髪のサーヴァントはそこらの連中ではない。

ないが、それでも撤退するわけでは無い。

 

「いえ、あなたは邪魔だ。セイバー以上に厄介で、我々の計画の邪魔になりかねない。ここで落ちてもらおう!」

 

白髪のサーヴァントはアーチャーに手を向ける。

笑みを浮かべ、余裕そうなその表情にアーチャーは大きな不安を覚えた。

宝具か?と思ったが、その動作にどこか覚えがあった。

 

「――まさか!!」

 

アーチャーはすぐさま一本の剣を出現させる。

しかし、時すでに遅い。白髪のサーヴァントの準備は一瞬だ。

アーチャーの用意した剣は白髪のサーヴァント|には≪・・≫届かない。

 

「令呪を以て命ずる。アーチャー自害しろ」




ありがとうございました。

次の更新は来週の水曜日(2018/3/21/17:00)に投稿します。

『第三話 聖杯戦争 乱入者の二戦目②』にて、重大な設定ミスをしておりましたことをお詫び申し上げます。
修正後はすでにあげました、物語に支障はありませんので、時間があるなら修正後の話を読んでもらえると幸いですm(__)m
(2018/3/17)

ルビミス修正(2018/3/20)
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