リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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平成ジェネレーションズFOREVER、いよいよ明日ですね……!
作者は初日の初回で見に行こうと思っています。よつべに上がった歴代主題歌リミックスの映像も最高だったし、早く見たくて仕方ないですね。






さて、今回でエピソード・アビスも終結です。
ぶっちゃけると、後は他に語るような事もなさそうかな?

取り敢えずどうぞ。



エピソード・アビス 8

アビスとインペラーによるシャドウ討伐が終わり、それから数時間後。

 

ミラーワールドでの用がなくなった彼等は現実世界へと帰還し、ドゥーエのいるアパートに戻って来ていた。その2人の会話を通じて、ドゥーエもまた事の顛末を知らされるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あら、その娘もう死んじゃったの?」

 

「二宮の野郎が仕留めた事でな。せっかく仕返しできると思って来てやったのに、美味しいところだけアイツが持って行きやがってよぉ」

 

「ふぅん……本当なの? 鋭介」

 

「……俺がそこで嘘をついて何になる」

 

ドゥーエがベランダの方に振り向きながら問いかけ、ベランダで缶コーヒーを飲んでいた二宮が部屋に戻りながら仏頂面で返す。

 

「あの女と組んだところで何のメリットもない。だからあそこで始末しただけの話だ。オーディンからも始末するように命令が出ていたからな」

 

「いやぁ、流石に俺も驚いたぜ? あのカラス女のモンスターを仕留め終えたと思ったら、二宮の野郎が体中に返り血を浴びた状態で戻って来やがったからな」

 

「え、何それ怖い」

 

「……変身している状態でな。変身を解けば返り血も消える」

 

敗れた溟を始末したアビスが戻って来た時、その全身が赤い返り血にまみれていた事で、流石のインペラーでも思わずドン引きしたらしい。それだけアビスが残酷なやり方で溟を殺害したのだろうという事が、戦いを見ていないドゥーエですら容易にわかってしまい引き攣った笑みを浮かべる。

 

「自分が殺した局員と同じように、全身刻んでやったまでだ。あの女にはお似合いの最期だろ」

 

「おぉ~怖っ……あのカラス女も運がなかったよなぁ。二宮に一度命を狙われたら、どんな風に殺されるかわかったもんじゃないぜ」

 

「使えない奴はいても邪魔だ。言っておくが湯村、もしヘマをやらかせばお前だろうと……」

 

「へいへい、わかってるっつーの。テメェに殺されるのだけは俺も御免だからなぁ」

 

「……本当だな?」

 

「本当だっての。んじゃ、俺はそろそろ帰るぜぇ。じゃ~な~」

 

湯村は冷蔵庫から取り出した数本の缶ビールをビニール袋に突っ込み、酒瓶の酒を豪快に飲みながら玄関から部屋を後にしていく……その後ろ姿を、二宮は変わらず冷たい目で見据えていた。

 

「……」

 

「さっきからずっと怖い目してるわよ、鋭介」

 

「……俺は普段からこんな感じだ」

 

「嘘つき。どこからどう見ても、湯村の奴にもあんまり期待してないって顔してるもの」

 

二宮の視線がドゥーエの方に向けられる。鮫のように鋭いその目付きは、左目に付けている眼帯も相まってドゥーエは思わずたじろいだ。

 

「な、何よ……間違った事でも言ったかしら?」

 

「……いや」

 

いきなり鋭い目付きで睨んで来たかと思えば、いきなり視線を逸らして優雅に缶コーヒーを口にする。掴みどころのないこの男を前に、ドゥーエはイマイチ自分のペースを掴めず困惑するばかりだった。

 

(本当何なのよコイツ、やりにくいわね……)

 

今回の件だってそうだ。自分の知らないところで勝手に新たなライダーと顔を合わせ、こちらに何の相談もなしにそのライダーを勝手に始末して話を終えている。どこまでも自分本位なこの男の考えている事がドゥーエにはわからない。

 

「……聞いても良いかしら?」

 

「何だ」

 

ドゥーエは聞いてみようと思った。既に目立ち過ぎて、管理局に存在を嗅ぎつけられそうになっていた溟を始末したのはわかる。しかしそんなドゥーエでも、1つだけどうしても腑に落ちない事があった。

 

「その野崎溟って娘……どうして始末したの?」

 

「さっきも言っただろう。使えない奴はいても邪魔だと」

 

「なら、何故湯村じゃなくてあなたが始末したの?」

 

缶コーヒーを飲もうとしていた二宮の手が止まる。

 

「始末するのなら、あなたと湯村が2人がかりで倒しても問題はなかったはずよ。なのにどうして、湯村じゃなくてあなたが自分だけで始末しようとしたの?」

 

「……」

 

「当ててみましょうか? その娘が自分と同じ境遇で、同じように人間を憎んでいた。自分と同じような人間がこの世にいるのが気に入らない。要するに同族嫌悪ってところね……違うかしら?」

 

「全然違うな」

 

ドゥーエの答えを、二宮は真顔でバッサリ斬って捨てる。これにはドゥーエも「ぬぐ……」と言葉に詰まる。

 

「いくらライダーの変身が解けたとしても、生身でありながら反撃しようとして来る奴だっている。確実に仕留めたとわかる瞬間まで油断はできないだけだ。湯村の馬鹿では、もう相手は動けないと思い込んで油断する可能性があるからな」

 

「……それだけ?」

 

「他に理由がいるか? 仮に話すとすれば、細かい理屈ばっかり並べて話す事になるが」

 

「……せめて関係者である自分が殺してやるとか、そういった考えはない訳?」

 

「そんな物はない」

 

「……あ、そう」

 

この男、本当に何もなかった。溟を自分の手で始末したのも、湯村では彼女の変身が解けるのを見て油断してしまいそうだと判断したから。溟に対する温情など、彼の中には欠片も存在してはいなかったようだ。

 

「関係者への情けなど、それこそ油断を招きかねない。潰すべき相手はきっちり潰すのが俺のやり方だ」

 

「本当につまらない理由ね……聞いた私が馬鹿だったわ」

 

「だが、お前は湯村ほどの馬鹿ではない」

 

二宮がさりげなく告げた一言に、ドゥーエの表情が一変する。

 

「スパイとして申し分ない能力を持ち、それでいて頭も良い。1人の局員として違和感なく溶け込む事のできているお前の力は、実に有能だと俺は思っている」

 

「……それ、褒めてるつもりなの?」

 

「どう捉えるかはお前の自由だ」

 

「何よそれ……変な奴ね」

 

ただの無慈悲な男かと思えば、こうして相手の力量や能力はきっちり把握し、その働きぶりを自分なりの考えで評価してくる。彼が信用してはいけない部類の人間だとわかり切っているはずなのに、こういうところでこっちの調子を狂わせてくる。

 

(本当、わからない男ね……)

 

女の色気が通用しなかった事でプライドを傷つけられ、初めはどうやって殺してやろうかと必死に考え続けたくらい憎たらしい冷血漢。そんな二宮鋭介という男が、この先どのような運命を辿っていくのか……ドゥーエは少しばかり興味を持ち始めていた。

 

「何にせよ、お前の力を便利に思っているのは事実だ。これから先も、仲良くしていこう(・・・・・・・・)じゃないか。俺は俺の目的の為に、お前はお前の目的の為に」

 

「当たり前よ、ドクターの悲願も達成できない内に死んでたまるものですか。まだ見ぬ妹達と会う為にもね」

 

目的がどうであれ、ドゥーエも二宮が持つライダーの力に有用性を見出しているのは紛れもない事実。今しばらくはこの男と一緒に行動しながら、この男の事を観察してみるのも面白いかもしれない。そう思いながら、ドゥーエは酒のつまみとして二宮が用意した枝豆のチーズ揚げを口にし、缶ビールを喉奥に流し込んでいく。

 

「随分豪快に飲むもんだな。明日に響いたらどうする」

 

「へーきへーき、明日はどうせ休みだから。こちとら普段の仕事で疲れてんだから、たまにはこうして飲まなきゃやってらんないわよ」

 

「だからってあんな大量にビールを買って来るな。保存するのが面倒だ」

 

「良いじゃないの酒くらい……あ、なら鋭介も飲む?」

 

「結構だ。俺は酒は好かん」

 

「つれないわね……あ、もしかしてお酒飲めないの?」

 

「だったら何だ」

 

「ちょっぴり驚きね。あんな苦いコーヒーは普段から飲みまくってる癖にお酒は飲めないなんて。意外と味覚はお子様なのね」

 

「コーヒーを砂糖とミルク抜きで飲めないお前が言えた義理か」

 

「む、上げ足取ったつもり?」

 

「どうとでも言え。とにかく、俺は酒を飲むつもりはない」

 

「つまんないの……弄り甲斐のない男って知り合いから言われなかった?」

 

「ご想像にお任せする」

 

そんな子供のような言い合いが、深夜0時頃までしばらく続いた。それまでの間、見事に酔っぱらったドゥーエが親父みたく絡んできた事で苛立ちとストレスが募りに募っていく二宮だったが、そのドゥーエが酔い潰れて眠ってからはようやく落ち着いてコーヒーを飲む事ができたのだった。

 

「すぴぃ~……もう飲めない、ムニャムニャ……♡」

 

「……呑気な女だ」

 

すっかり眠り込んでしまったドゥーエをベッドに運び、彼女に布団をかけた後……二宮はそんなドゥーエの事も冷たく見下ろしていた。

 

『ドクターの悲願も達成できない内に死んでたまるものですか。まだ見ぬ妹達と会う為にもね』

 

(死んでたまるものですか、ねぇ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「下らんな。お前も所詮、あの女(・・・)と同じって訳か」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その冷たい目は……殺すと決めた溟に対して向けた時の物と、同じ鋭さを持っていた。

 

(死にたくないとほざいておきながら、こうやって酒に酔い潰れては俺に隙を晒している……これが高見沢さんや芝浦なら、間違いなく見逃してはいないだろうよ)

 

酒で酔い潰れてしまっては、いざモンスターが現れた時にまともな対応ができない。下手すれば、酔い潰れているところを自分以外のライダーに狙われる可能性だって充分にあり得るのだ。そういった理由から、自分は寝ている間も常にアビスラッシャー達に自分の防衛を任せているというのに、この女はなんて無様な姿だろうか……二宮はそう思わざるを得なかった。

 

(どいつもこいつも……自分の身を守るという事を理解しちゃいない)

 

野崎溟は他人を憎んでいながら、自分の居場所を作る事で他人に隙を作ろうとしている。

 

ドゥーエは目的を果たすまで死ねないと言っておきながら、今もこうして自分に隙を晒している。

 

それが命取りになる可能性だってあるというのに、どうしてこんなにも目的と行動に矛盾を抱えているのか。

 

「死にたくない」という想いを常に抱き、その為の自衛を徹底している二宮。

 

そんな彼からすれば、彼女達のやっている事はとても理解のできる物ではなかった。

 

「……まぁ良い。俺にとって、お前が利用できる人材である事に変わりはない」

 

 

 

 

 

 

精々、この俺の為に有効活用されてくれよ?

 

 

 

 

 

 

二宮にそんな事を思われているとは、夢の世界に潜り込んでいるドゥーエは当然知る由もなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから更に半年が経過した。

 

管理局では「レリック問題に対処する為」という表向きの理由から、八神はやてを部隊長に機動六課が設立される事となった。

 

しかし、機動六課が設立された本当の理由は別に存在している……それはスカリエッティ一味によっていずれ引き起こされる事になる、管理局の壊滅を危惧している為。彼女達が早い段階からスカリエッティを警戒している事は、二宮もドゥーエを通じて既に感知していた。

 

ならばそれを利用しない手はない。

 

スカリエッティを利用した計画は、最終的にスカリエッティの暴走を止める存在がいなければ成立しない。だからこそ二宮は、スカリエッティ一味と機動六課の対立を利用し、自分の目的を達成しようと考えた。

 

しかし魔導師しかいない機動六課では、スカリエッティの抑止力として物足りない。

 

どうしたものかと二宮が考えていた時……ドゥーエから1つの報告を受ける事となった。

 

「新しいライダーが2人もだと?」

 

『えぇ。片方は既に機動六課に保護されて、もう片方はまだ単独で動いてるみたいよ』

 

「! これは……」

 

ドゥーエから送られて来た映像。そこに映っていたのは、二宮がよく知る仮面ライダーが2人。

 

 

 

 

手塚海之……仮面ライダーライア。

 

 

 

 

霧島美穂……仮面ライダーファム。

 

 

 

 

そのライダー達の素顔を見て、二宮は小さく笑みを浮かべてみせた。

 

「コイツ等か……使えるな」

 

『あら、知り合い?』

 

「片方はな。もう片方は俺が知っているだけだ……ドゥーエ。この女の居場所はわかるか?」

 

『へ? あ、えぇっと……まだわかってはいないけど、なんか変な連中に追われてるみたいよ。この女、あちこちでスリを働いてるみたいだし』

 

「……また面倒な」

 

聞いたところ、霧島美穂はスリを働いた事が切っ掛けで麻薬密売組織に追われており、おまけにその組織と繋がりを持っている人間が管理局側にいるとか。それを聞いた二宮は再び頭を抱える羽目になった。

 

しかし幸いな事に、もう片方のライダーである手塚海之が既に機動六課の人間と協力し、霧島美穂を保護するべく動き出しているという。ならばこのタイミングは絶対に逃すべきではない。

 

『それで、どうするの?』

 

「……早めに動いた方が良さそうだ。ドゥーエ、その組織と繋がりのある局員を調べ上げてくれ。そのライダーは今後も使える」

 

機動六課に味方するライダーは2人ほどいれば充分だ。それに利用できそうなライダーを見殺しにすれば、後で自分が面倒になる。

 

そう考えた二宮はドゥーエと共謀し、その麻薬密売組織と繋がりを持った局員―――ジェームズ・ブライアン少将の目論見を感知。即座に動き出した二宮によって、霧島美穂……もとい白鳥夏希を自分の物にしようとしていたブライアン少将は邪魔者と見なされ、呆気なく闇に葬られる事となるのだった。

 

またある時は、湯村がこの計画に利用しようと考えていた2人と遭遇。ファムに負けそうだった為、二宮が隠れながらも密かに湯村を援護し、彼を逃がす事に成功した。

 

それから日にちが経過し……オーディンから1つの依頼を下される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「探し物?」

 

『そう。それを回収する為に、お前と湯村の手を借りたい』

 

ホテル・アグスタにて目撃されたというオーディンの探し物。後にサバイブカードだと判明するそれを、管理局に悟られる事なく回収する。その為には二宮と湯村の力が必要だという。

 

(……面倒臭い)

 

そうは思いながらも、オーディンに逆らえばどうなるかわかった物ではない。それ故、二宮はオーディンの命令に大人しく付き従う事にした。

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「少しだけ待って貰おうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その作戦を遂行する中で、二宮は手塚や夏希と対面する事になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「せっかくこうして会えたんだ。少しばかり、俺と話をしようじゃないか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この世界で生き延びる為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深い淵の中、悪の戦士は密かに蠢き続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

END……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今、少し良いかしら?」

 

 

 

 

 

JS事件から4年後。

 

管理局に潜みし悪意は、今もなお暗躍を続けていた。

 

「ネヴィアちゃんにお願いしたい仕事があるの。鋭介ちゃんと一緒に、頼んじゃっても良いかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

新たな戦いの引き鉄が、もうじき引かれようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




エピソード・アビス、これにて完結です。

二宮鋭介という、「死」を極端に恐れている人間が持ち合わせている信念と覚悟……読者の皆様の印象に残させる事ができたでしょうか?
正直、この話を書いている時が作者は一番楽しんでいたと思います。自分が考えたキャラだからというのもありますが、これほどまでに複雑な思想を持っていながら、その貫き通している物は至ってシンプル……こういったキャラクターは書いていて本当に楽しいですね。

この話を読んだ後、第1部ストーリーでの二宮とドゥーエ、あとは湯村との絡みなんかも読み返してみたら、また違った印象が残るかも?









さて、今後の予定について話しておきましょう。

まず最初に言いますと、このEXTRAストーリーはあと数話で終了する予定です。
メッセージボックスでは「サウンドステージX編は書かないの?」という質問も送られて来ていますが……すみません。実を言うと、サウンドステージX編のマリアージュ事件については、ほんの少しだけしか触れません。

何故かと言うと、作者がサウンドステージXの資料を持っていないからです(ドーン

ただ、次の第2部に繋がる話もある為、ほんの少しだけなら書きます。本当にほんの少しですが。

それから浅倉威/仮面ライダー王蛇がメインの短編もあと1話だけ書く予定。どんな内容になるかは作者の気分次第(ォィ

それらを書き終えてから……いよいよ第2部ストーリーに突入していきます。
第2部ではどのような戦いが繰り広げられるのか……今後も読者の皆様を楽しませる事ができたら良いなと思っています。
尤も、第2部への突入は時期的に来年以降になりそうですが←

それではまた次回。
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