第2部ストーリー『リリカル龍騎ViVid 運命を変えた出会い』の物語……まずは1話目の更新となります。
最近、リアルで色々と忙しくなってきた事から、執筆の時間があまり取れず、更新が遅くなってしまいました。申し訳ありません。
そして今回は新章のプロローグ的な話になる為、話もそんなに長くはありません。ちなみに今回から後書きの次回予告も復活します。
それではどうぞ。少女達の
OPテーマ:Alive a life
第1話 新たな始まり
第1管理世界、ミッドチルダ。
この地では、かつて大きな戦いが繰り広げられた。
この地では、謎の連続失踪事件が未だ絶える事なく続いていた。
この地では、謎の怪物の姿が目撃される事もあった。
この地では、そんな怪物から人を守り続けている戦士達の噂も流れ始めていた。
その戦士達の名は……
「―――んん」
朝日が昇る。
「ふみゅう、むにゃむにゃ……」
小鳥の囀りが聞こえて来る。窓からは日の光が眩しく照らされている。そんな明るい光に照らされる中、ベッドで布団に包まっていた金髪の少女は布団で顔を隠し、夢の世界に潜り込み続けようとしたが……そんな気持ちの良い眠りにも当然、終わりの時はやって来る。
ジリリリリリリリ!!
「ッ……う、ぅ~ん」
うるさく鳴り響く目覚まし時計。気持ち良く眠っていた少女は布団の中で表情を歪めるも、目覚まし時計は少女の眠りを妨げ続ける。仕方なく少女は布団から顔を出してベッドから体を起こし、棚の上でうるさく鳴り響き続けている目覚まし時計に向かって手を伸ばした。
ジリリリッ……
「ん、くふぁあ~……」
目覚まし時計を止めた後、少女は欠伸をしながら腕を大きく上げて伸び、ウトウトしながらも目覚まし時計の時刻を確認する。時刻は午前の7時。それを確認した少女は意識が少しずつハッキリして来た。
「……そうだ、起きなきゃ!」
少女は座り込んでいたベッドから立ち上がり、着ていたパジャマをパッパと脱いでから部屋のハンガーにかけてあるブラウスや黄色のセーター、スカートやネクタイを手に取り着替え始める。その際中、部屋の扉の先から別の女性の声が聞こえて来た。
「ヴィヴィオ~、朝御飯だよ~!」
「は~い!」
大きな声で返事を返す金髪の少女……その名は
かつて過酷な宿命を背負っていた彼女は今、元気で明るい少女へと逞しく成長していた。
「あぁ~、また書いたのママ~!?」
「え~? 良いじゃない、今日はヴィヴィオが4年生になる日なんだし♪」
「もぉ、そろそろ恥ずかしいんだってば~」
朝の食卓にて。先程まで台所で朝食を作っていた女性―――高町なのはが用意した朝食を見て、ヴィヴィオは苦笑いせざるを得なかった。朝食のメニュー自体はオムライスという至って普通の料理なのだが、そのオムライスには赤いケチャップで『VIVIO★4th』という文字とヴィヴィオの絵が描かれており、流石のヴィヴィオもそろそろ恥ずかしいので絵を描くのはやめて欲しいと何度も告げていた。しかしヴィヴィオが本気で嫌だと思っている訳ではない事をなのはは見抜いているのか、なのはは相変わらず楽しそうに絵を描いてしまったようだ。
「あれ、そういえばパパとお姉ちゃんは?」
「2人はヴィヴィオより先に起きて出かけて行ったよ。私はヴィヴィオと同じ時間に出かけるから」
「そっか。道理で姿が見当たらない訳だ」
彼女達の家には現在、ヴィヴィオとなのは、そしてあと2人の人物が暮らしている状態である。しかしこの日はその2人が既に出かけているらしく、家にはヴィヴィオとなのはの2人だけのようだ。それを知ったヴィヴィオは納得した様子でオムライスを食べ続ける。
「ヴィヴィオ、忘れ物はない?」
「ん、大丈夫!」
その後、朝食を終えてお出かけの準備を整えた2人もまた、家の玄関の前に立って出かけようとしていた。なのはが玄関前のモニターを操作して扉の鍵をロックする中、ヴィヴィオは履いた靴のつま先を地面にトントンさせる。
「ヴィヴィオ。今日は確か始業式だけだったよね?」
「うん、そだよ~。帰りにちょっとだけ寄り道してくけど。それがどうかした?」
「今日はママもちょっと早めに帰って来れるから、晩御飯は4年生進級のお祝いモードにしよっか」
「あ、良いね。そうしよ♪」
季節は春。この日、ザンクトヒルデ魔法学院という学校に通っているヴィヴィオは、晴れて初等科の4年生に進級する事になる。そこでなのはは、この日の夕食はお祝いの為にヴィヴィオの好きな料理を作るつもりらしく、それを聞いたヴィヴィオは嬉しそうに夕食の時を楽しみにし始める。
「さて、それじゃ……」
「うん」
「「行って来ま~す♪」」
そして途中まで一緒に歩いて移動した後、途中で別れる際に2人はハイタッチをしてから、それぞれの目的地へと向かって行く。この日も変わらず、彼女達は仲良し親子としての一面を存分に発揮するのだった。
「おはよー!」
「ごきげんようヴィヴィオ」
「リオ、コロナ! おっはよー♪」
時刻は8時。ザンクトヒルデ魔法学院に到着したヴィヴィオは、友達である2人の女子生徒と対面した。頭に黄色のリボンを付けた黒髪の少女―――“リオ・ウェズリー”と、ツインテールが特徴的な少女―――“コロナ・ティミル”の2人と出会ったヴィヴィオは早速、ある事を確認するべく顔を見合わせた。
「クラス分けはもう見た?」
「うん、見た見た!」
「私達は一緒のクラス!」
「「「イエーイ♪」」」
4年生に進級してからも、クラス分けで同じクラスになれた3人は楽しそうにハイタッチする。その様子を見ていた周囲の生徒達がクスクス笑い、それに気付いた3人も恥ずかしそうに顔を赤くした。
その後は予定通り始業式が始まり、ヴィヴィオ達生徒は全員が綺麗に並んで列を作り上げる。檀上に上がった学院長は少々長ったらしい挨拶の言葉を述べる。
『選択授業で応用魔法学を選択した皆さん。これから授業も難しくなってくると思いますが、しっかり学んでおく事で将来―――』
尤も、そんな学院長の言葉を真面目に聞いていない生徒もチラホラいたりする。一部は今も眠たそうにウトウトしており、また一部は友達同士でヒソヒソお喋りもしている。ヴィヴィオはそのような事もなく真面目そうな表情で学院長の話を聞いていたが、内心ではこれから始まる4年生の学校生活にワクワクしていた。
(これからどんな事をしていくんだろう……楽しみだなぁ♪)
仲良しな友達。
ハイレベルだけど楽しい授業。
そういった要素の一つ一つが、ヴィヴィオにとってはとても幸せに思える物だった。4年前の出来事を経てからというもの、ヴィヴィオは今という時間を楽しく過ごしていきたいと、心からそう強く思っていた。
「はぁ~、終わった終わった!」
「ねぇ、これから寄り道してく?」
「もっちろ~ん♪」
始業式も無事に終わり、教室の場所も把握したヴィヴィオ達3人組は、校舎と校舎の間の廊下で談笑しながら寄り道をしようとしていた。しかしある事を思いついたヴィヴィオは途中で立ち止まる。
「また図書館寄ってこうよ。ちょうど借りたい本があってさ」
「あ、でもせっかくだからさ。寄り道する前に教室で写真撮っておきたいな。どうする?」
「写真かぁ、良いね! 誰に送るの?」
「送りたいんだ。普段お世話になっている皆さんに」
コロナの問いかけに、ヴィヴィオはニコニコ笑顔で答える。
「皆さんのおかげで、ヴィヴィオは今日も元気ですよ……って」
そんなヴィヴィオ達3人組がピースしながら撮った1枚の写真。
それはヴィヴィオが持つ通信端末を介して、様々な人物に送られる事となった。
機動六課時代の仲間達に。
聖王教会の人達に。
かつては敵同士だったけど、今はとても仲良くしている人達に。
地球に住んでいるなのはの家族に。
管理局で忙しく働いているなのは達に。
そして……ヴィヴィオが心から親愛と尊敬の想いを向けている、ある青年の下に。
「……!」
ある場所で仕事中だったその青年。通信端末を開いた彼は、ヴィヴィオ達から送られて来た写真を見て穏やかな笑みを浮かべてみせた。それに気付いた同僚の女性が声をかける。
「あ、ヴィヴィオちゃん達の写真ですか?」
「あぁ……今も変わらず、楽しく過ごしているようで何よりだ」
その昔。
高町ヴィヴィオは特殊な生まれ方をして、色々な出来事があった。
母親であるなのはとも、血縁上の繋がりは存在していない。
そんなヴィヴィオを助けてくれた人達。
ヴィヴィオが普通の女の子として生きる事を許してくれた人達。
ヴィヴィオを家族として受け入れてくれた人達。
いろんな人達のおかげで、高町ヴィヴィオは今という時間を、幸せに生き続けている。
そんな幸せな時間が、これからも続いていって欲しい。
それはヴィヴィオが普通の女ん子として……高町ヴィヴィオという1人の人間として胸の奥深くに抱いた、ごく普通の小さな願いだった。
しかし……
キィィィィィン……キィィィィィン……
そんなヴィヴィオの願いとは裏腹に。
ミッドチルダは今もなお、
「……」
同日午後8時。
夕日が沈み、街全体が暗くなり始めた辺りの時間帯を、1人寂しく出歩いている少女がいた。その少女は被っているフードで目元が隠れており、左腕に抱えている紙袋から取り出した肉まんに齧りつき、美味しく味わいながら人の通りが少ない道を歩き続けていた。
(反応はない、か……)
少女は口に含んだ肉まんをゴクリと飲み込んだ後、周囲の建物をキョロキョロ見渡している。どうやら何かを探しているようだが、目的の何かを見つけられずにいるからか、彼女はガッカリした様子で道端のベンチに座り込んでペットボトルのお茶を口にする。
「……出ないのかな、今日は」
ベンチに座り込んだまま寂しく肉まんを頬張り続ける少女。そんな彼女に向かって夜風が吹き、少女の被るフードがほんの少し揺れ動いた……その時だった。
キィィィィィン……キィィィィィン……
「!」
耳鳴り。金切り音とも言うべきか。
長時間も聞いていたら不快になるようなうるさい音が、少女の頭の中に響き渡って来る。しかし、少女の反応はまるで違っていた。
(来た……!)
少女はむしろ待ち侘びていたかのような反応だった。食べかけの肉まんを紙袋にしまい、急いでその場から駆け出した少女はどこかに向かって移動を開始する。すると……
「キャアァッ!?」
「……!?」
通りかかった近くの噴水広場から聞こえて来た悲鳴。少女が急いで駆けつけたその先では、地面に倒れている女性を襲おうとしている、紫色のボディを持った蜘蛛らしき怪物の姿があった。
『キシシシシシ……』
「ッ……はぁ!」
『キシャッ!?』
少女は素早く跳躍し、その怪物に向かって力強い飛び蹴りを繰り出した。真横から蹴りつけられた怪物は地面に倒れた後、すぐに起き上がってから噴水の水面へと飛び込み、一瞬でその姿を消してしまった。
「あの……大丈夫、ですか……!」
倒れている女性に声をかけるも、女性からの反応は返って来なかった。しかし脈はある事が確認できたからか、少女はホッとした表情を浮かべてから噴水の前に立つ。
そして……
「―――変身」
華奢な少女の体が、一瞬にして異なる姿へと変化した。
少女達の、
To be continued……
リリカル龍騎ViVid!
ヴィヴィオ「パパお帰り!」
手塚「あぁ、ただいまヴィヴィオ」
フェイト「今日はヴィヴィオにプレゼントがあるんだ」
ギンガ「最近、ある噂が流れて来ているの」
???「モンスター……命は奪わせない……!」
戦わなければ生き残れない!