リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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はい、第2部ストーリー2話目の更新です。

ジオウは仮面ライダーシノビがカッコ良過ぎて惚れました。しかもネット上で未来人ネタが流行っているかと思ったらスピンオフ制作まで決まるとは……見なきゃ(使命感)

そんな呟きは置いといて、今回のお話もどうぞ。









※お知らせ:第2部からVivid編に突入した為、作品のタイトルを変えました。今後は『リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ』という名前でよろしくお願いします。










第2話 セイクリッド・ハート

「ヴィヴィオ~、料理運ぶの手伝って~!」

 

「は~い……うわぁ、美味しそ~う♡」

 

始業式が終わり、リオやコロナ達と別れて家に帰宅したヴィヴィオ。そんなヴィヴィオを待っていたのは、4年生進級祝いの為に一足先に帰宅していた女性―――フェイト・T・ハラオウンお手製の美味しそうなお菓子だった。美味しいお菓子を食べる事ができてご満悦なヴィヴィオだが、もちろんこの日のお祝いはこれで終わりではない。夕食の材料を買い揃えて来たなのはが夕方に帰宅し、現在はなのはとフェイトの2人で豪華な料理を作っている。

 

「ママがメールで言ってた良い事(・・・)って、これの事?」

 

「ううん。アレは夕飯とはまた別の話」

 

「詳しい事はご飯を食べ終えた後にするから、それまで待ってね」

 

「えぇ~? そう言われると気になっちゃうなぁ~」

 

「ふふ、もう少しの我慢我慢♪」

 

ヴィヴィオが帰って来る前、なのはがヴィヴィオの通信端末に送っていたメール。それは『帰って来たらちょっと良い事があるかも』という何らかのサプライズを思わせる内容だった。今もまだそのサプライズが何なのかは教えて貰っておらず、ヴィヴィオはまだかまだかと待ち切れない様子だった。

 

「あ、ところでヴィヴィオ。手塚さんからメールは返って来た?」

 

「パパ? うん、後少ししたら帰って来れるってメールには書いてあったけど」

 

「そっか。夕飯までには間に合いそうかな……?」

 

今現在、まだ帰って来ていないこの家の住人があと1人。なのはとフェイトがヴィヴィオの為に用意したサプライズの正体は、その人物が帰って来て一緒に夕食を終えてから明かすつもりでいた。しかしその人物は普段の仕事がかなり忙しいのか、仕事の日は遅い時間帯に帰って来る事も多いようだ。

 

「たぶん大丈夫だと思うよ。手塚さん、今日の為にスケジュール調整したみたいだから」

 

「それなら良いんだけど……」

 

もし夕飯までに間に合いそうになかったら、なのはとフェイトだけで先にサプライズを済ませるつもりでいた。時刻は現在午後7時過ぎ。この日の夕食はもうじき全て食卓に並べられる。間に合うかどうかフェイトが少し不安を抱いていた……そんな時だった。

 

「ただいま~」

 

「「「!」」」

 

玄関の方から、扉の開く音が聞こえて来た。それを聞いたなのはとフェイトは笑顔で顔を見合わせ、ヴィヴィオも明るい笑顔ですぐに玄関の方へと駆け出していく。

 

「パパお帰りぃ~!!」

 

「っと……あぁ、ただいまヴィヴィオ」

 

突進する勢いで抱き着いて来たヴィヴィオを、帰って来たスーツ姿の青年は慌てて両手で受け止める。ヴィヴィオは青年の懐に顔を埋めたまま嬉しそうに顔をスリスリさせる。

 

「ヴィヴィオ。いきなり飛びかかって来たら危ないだろう? 気を付けるんだ」

 

「えへへ、ごめんなさーい」

 

「全く……」

 

舌を出して謝るヴィヴィオに対し、青年は小さく溜め息をつきながらも笑顔でヴィヴィオの頭を撫で回す。そこに夕飯を並べ終えたなのはとフェイトも出迎えに来た。

 

「良かった、間に合ったみたいで」

 

「すまない、予定より少し遅くなってしまってな。残りの仕事をスクライアに任せる形になった」

 

「じゃあ、ユーノ君には感謝しなきゃね!」

 

7時までには帰るつもりが、どうやら仕事の方がいくらか長引いてしまい、仕事先の同僚に後の仕事を任せる形での帰宅になったらしい。青年の為に仕事を引き受けてくれた同僚に感謝の念を送りながら、フェイトは青年が脱いだスーツの上着を受け取ってハンガーにかけながら笑顔で迎える。

 

「とにかく、ちゃんと帰って来れて良かったです。お帰りなさい、手塚さん」

 

「……あぁ、ただいま」

 

 

 

 

 

 

青年の名は手塚海之……またの名を、仮面ライダーライア。

 

 

 

 

 

 

かつて機動六課と共にミッドチルダを救い、今もなおミッドの為に忙しい日々を送っている影のヒーロー。

 

 

 

 

 

 

そんな彼を、3人の家族は笑顔で暖かく迎え入れていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、4人は食卓に並んで一緒に夕飯を食べながら談笑し続けた。

 

会話の内容は主に、4年生に進級したヴィヴィオの始業式に関する出来事について。ヴィヴィオが今でも友達と仲良くしている事を知って、なのはとフェイト、手塚はヴィヴィオが変わらず平穏に過ごせている事に一種の安心感を抱いていた。

 

ヴィヴィオもまた、自分の話を3人が笑顔で聞いてくれる事を嬉しく思っている。心から尊敬し、心から愛している3人の家族との時間は、ヴィヴィオにとって最高に幸せな一時だった。

 

「「「ご馳走様でした!」」」

 

「ご馳走様でした」

 

その後、夕飯を食べ終えた4人は食器を洗い場に持って行き、テーブルの上を綺麗にしていく。夕飯を食べながら楽しく談笑していた事で、ヴィヴィオはなのは達の用意したサプライズの事を忘れかけていた。

 

「さぁて。今夜も魔法の練習しとこーっと」

 

「あ、ちょっと待ってヴィヴィオ」

 

「ふぇ?」

 

そんなヴィヴィオをなのはが引き留める。何だろうと疑問に思うヴィヴィオの前に、なのはとフェイトが小さな箱を抱えながら持って来た。

 

「ヴィヴィオ、今日で4年生になったでしょ?」

 

「? そうですけど……」

 

「今までは魔法をちゃんと使えるようになるまで、高町のレイジングハートが練習のサポートをしていたが……」

 

「勉強を真面目に頑張って、魔法の基礎もだいぶできてきたからさ。ヴィヴィオもそろそろ、自分だけのデバイスを持っても良いんじゃないかなって思って」

 

「そういう訳で。今日はヴィヴィオにプレゼントがあるんだ」

 

「え、本当!?」

 

なのは達の言葉を聞いて、ヴィヴィオは先程まで忘れかけていたサプライズの事を思い出した。それと同時に、なのは達が用意してくれていたサプライズの正体を知って嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「で、そのプレゼントがこれ」

 

「実は今日、仕事先でマリーさんからデバイスを受け取って来たの」

 

フェイトが言うマリーこと“マリエル・アテンザ”は、4年前もデバイスのメンテナンススタッフとして六課メンバーを支えて来た仲間の1人だ。そのマリーになのは達からデバイス制作を依頼し、それが今日完成した事でフェイトが受け取って来たのだ。

 

「それじゃあヴィヴィオ、開けてみて」

 

「うん!」

 

フェイトから箱を受け取り、ワクワクしながらヴィヴィオは箱を開けて中身を確認する。そこに入っていたのは……4年前、ヴィヴィオが大事そうに持っていたのと同じ、白いウサギ型の人形だった。

 

「……ウサギの人形?」

 

「あ、外観はあくまでアクセサリーみたいなもので」

 

「中の本体はクリスタルタイプだから」

 

「へぇ~……え?」

 

なのはとフェイトの説明を聞いて納得するヴィヴィオだったが、彼女は気付いた。箱の中に収まっていたはずのウサギ型の人形が、突然箱の中から浮かび上がり、目の前でフワフワ飛び始めた事に。驚いたヴィヴィオは素早く手塚の真後ろに隠れた。

 

「……と、ととと飛んだぁー!? 動いたよ今!?」

 

「マリーさんが付けてくれたオマケ機能だって」

 

「落ち着けヴィヴィオ。浮いているのはレイジングハートだってそうだろう」

 

『本日も異常なく飛ばせて貰っています』

 

手塚の言葉にレイジングハートが軽口で返す中、ウサギ型人形はヴィヴィオの前までフワフワと移動し、ヴィヴィオの前でペコリと頭を下げて一礼する。それを見て、ヴィヴィオは愛らしさを感じ始めた。

 

「あ……」

 

「色々とリサーチして、ヴィヴィオのデータに合わせた最新式ではあるんだけど……中身はまだほとんどまっさらな状態なんだ」

 

「名前もまだ決まっていないからさ。ヴィヴィオが名前を付けてあげて」

 

「名前を付けてたその時から、その子はお前の大事なパートナーになる。よく考えて名前を決めると良い」

 

ウサギ型人形がヴィヴィオの両手に収まり、小さな両目がヴィヴィオの方をジッと見つめている。こんなにも小さくて可愛らしい子が、これから自分の愛機(デバイス)として、自分のパートナーとして道を共にしていく事になるんだなと。ヴィヴィオは笑顔でウサギ型人形の頭を撫でてあげた。

 

「……うん、わかってるよ。実は名前も愛称も決まってたりして」

 

「む、そうか。どんな名前だ?」

 

「それは今から教えるよ……あ、そうだママ! リサーチしてくれたって事はさ、アレできるの!?」

 

「うん、もちろん!」

 

「「?」」

 

ヴィヴィオが告げた“アレ”という単語に、なのはは笑顔でサムズアップを返す。しかし聞き覚えのない言葉に手塚とフェイトは頭にクエスチョンマークを浮かべる。

 

「それじゃ、早速庭に出よっか。早くその子に名前付けたいでしょ?」

 

「当然! パパとお姉ちゃんも早く~!」

 

「はいはい、すぐ行きます」

 

ヴィヴィオがウサギ型人形を抱き締めながら庭に飛び出していき、なのは達もそれに続いていく。しかしこの時、手塚とフェイトはある疑問で頭がいっぱいだった。

 

「手塚さん、アレって何かわかりますか?」

 

「いや、俺にもわからない……何か変な予感がしてきたな」

 

手にしたコインを軽く弾き、キャッチして先の運命を占う手塚。そして目を開いた彼は、占いの結果をフェイトに伝える。

 

「……この後、少し面倒な事になりそうだな」

 

「へ?」

 

手塚が告げた占いの結果。その意味をフェイトが知る事になるのは、今から数分後の出来事だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――マスター認証、高町ヴィヴィオ」

 

高町家の中庭。ヴィヴィオを中心に大きな魔法陣が地面に出現し、ヴィヴィオとウサギ型人形がお互いに向き合っている状況が出来上がっていた。なのは・フェイト・手塚の3人は少し離れた位置でその様子を見守っている。

 

「術式はベルカ主体のミッド混合ハイブリッド……私の愛機(デバイス)に個体名称を登録……愛称(マスコットネーム)は『クリス』、正式名称『セイクリッド・ハート』」

 

「! あら……」

 

ヴィヴィオがウサギ型人形のデバイスに付けた名前……セイクリッド・ハート。名前の意味は『聖なる心』。なのはのレイジングハートと同じ“ハート”の名前になのはが少しだけ驚く反応を見せ、手塚とフェイトがクスリと小さく笑顔を浮かべる。

 

「登録完了……行くよ、クリス!」

 

ヴィヴィオの言葉にウサギ型人形のデバイス―――“セイクリッド・ハート”こと“クリス”はビシッと短い腕で敬礼のようなポーズを取った後、ヴィヴィオの胸元まで移動しヴィヴィオが両手で掴み取る。そしてヴィヴィオが右手でクリスを掲げ、彼女の全身が魔力光に包まれ始める。

 

「セイクリッド・ハート……セットアップ!!!」

 

魔力光に包まれ、ヴィヴィオの着ていた衣装が変化し始める。それと共に、ヴィヴィオの肉体にも少しずつ変化が起こっていき……それを見ていた手塚が途中で気付いた。

 

「……まさか」

 

手塚の嫌な予感は見事的中した。魔力光が消失する中、その中から姿を現したヴィヴィオはと言うと……手塚達が見た事のある姿をしていた。

 

「……ふぇっ!?」

 

そこまで見てフェイトもようやく気付いた。何故ならヴィヴィオが見せたその姿は、かつてとある事件でヴィヴィオがした事のある大人の姿……“聖王ヴィヴィオ”としての姿だったからだ。しかもそのバリアジャケットはその聖王ヴィヴィオだった時と同じような衣装であり、唯一違うのは着ている上着が紺色ではなく白色である事くらいである。

 

「……ん、よし」

 

拳を強く握り締め、体に異常がない事を確かめる聖王姿のヴィヴィオ。ちゃんとイメージしていた通りの姿になれた事で、ヴィヴィオは喜んでバンザイのポーズを見せる。

 

「やったー、ママありがとー!」

 

「うん、上手くいって良かった!」

 

『Excellent!(お見事です!)』

 

ヴィヴィオの姿を見てなのはとレイジングハートは嬉しそうに祝福する……が、この状況を予期していなかった手塚とフェイトは呆然としており、フェイトに至ってはその場でヘナヘナと座り込んでしまった。

 

「あれ? お姉ちゃんどうしたの?」

 

「は、はわわ、はわわわわ……」

 

「……あ、しまった!」

 

ここでなのははある事を思い出し、焦ったような表情を浮かべ始める。なお、既に何となくそんな予感がしていた手塚が、フェイトの代わりになのはに問いかけた。

 

「……高町。これはどういう事だ?」

 

「え、あ、えぇっと……あ、あはははは」

 

「な、なななななな……なのはぁー!! ヴィヴィオが、ヴィヴィオがぁーッ!!!」

 

「ちょ、落ち着いてフェイトちゃん!? 今から説明するから!!」

 

「へ!? ちょ、ママ!! パパとお姉ちゃんに説明してなかったの!?」

 

「いや、その、ついうっかり……てへ☆」

 

「てへ☆じゃないよもぉー!?」

 

「どどどどどどうしよう手塚さん、ヴィヴィオがうわぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「落ち着けハラオウン」

 

……どうやらこうなる事を、なのはは手塚とフェイトに説明しておくのをうっかり忘れてしまっていたらしい。おかげで今まで事情を知らなかったフェイトは思考がパニック状態に陥り、比較的落ち着いている手塚が彼女を宥める羽目になってしまっていた。

 

(こんな状況、確か4年前もあったな……)

 

機動六課が解散する時だっただろうか。確かその時も、六課メンバーで最後の模擬戦を行うという事を、自分とハラオウンだけ何も聞かされていなかった気がする。そんな懐かしい過去を思い浮かべながら、パニックのあまり泣き出してしまったフェイトを何とか落ち着かせようとするのだった。

 

その後、フェイトが泣き止んで落ち着くまで少しの時間を要する事になったのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、陸士108部隊隊舎……

 

 

 

 

 

『連続傷害事件?』

 

「うん。まだ事件って訳じゃないんだけどね」

 

この日も忙しく働いていたギンガ・ナカジマはというと、現在ナカジマ家にいる姉妹の面々と連絡を取り合っているところだった。

 

そこにはかつて、ジェイル・スカリエッティの下でナンバーズとして活動していたチンク・ディエチ、ノーヴェ、ウェンディの4人も揃っている。更生組としてカリキュラムを終えた4人は現在、保護責任者となったゲンヤ・ナカジマに引き取られる形でナカジマ家の一員となり、無事に社会復帰に成功したようだ。

 

そんな姉妹達に、ギンガはある情報を伝える為に連絡を入れていた。

 

「被害者は主に格闘系の実力者達ばかり。そういった人達に街頭試合を申し出て……」

 

『フルボッコって訳?』

 

『私そーゆーの知ってるッス! 喧嘩師! ストリートファイター!』

 

『ウェンディうるさい。近所迷惑だから静かに』

 

「ん、ウェンディ正解。今そういう人達の間で話題になってるんだって。被害届は出ていないから事件扱いにはなってないんだけど」

 

どうやら現在、街中で格闘系のスポーツ選手に勝負を申し出ては、次々と倒して回っている者がいるらしい。しかし自分の意志で勝負を受けた立場である為か、被害者の面々は誰も被害届を出しておらず、事件として扱われている訳ではないようだ。

 

『で、これが犯人の写真か』

 

「えぇ」

 

チンク達の方に送られた犯人らしき人物の写真。そこには道に倒れている被害者らしき男性と、ゴーグルで目元を隠した碧銀の長い髪が特徴的な女性の姿が写り込んでいた。

 

「その犯人はこう名乗っているらしいの……“覇王イングヴァルト”と」

 

『それって……!』

 

「そう……古代ベルカ、聖王戦争時代の王様の名前」

 

覇王イングヴァルト。聖王オリヴィエや氷壁のアルファードなどが活躍していた時代で、彼女等と同じく激しい戦いを生き抜いて来たとされる王様の1人。聖王のクローンとなる少女が知り合いにいる彼女達からすれば、この女性が単なる喧嘩師という訳ではなさそうな事は容易に理解できた。

 

『覇王イングヴァルト、か。ヴィヴィオと何の関係もなければ良いんだけど……』

 

「私の方でも調べてみるわ。皆も、襲われる事がないように気を付けてね。今もまだ、ミッドは物騒な事件が色々と起き続けているから」

 

『あぁ、気を付けよう。例の事件(・・・・)もまだ解決していないしな』

 

「それからね。これも今の内に、皆に知らせておくわ」

 

『『『『?』』』』

 

次にギンガが伝えようと思った話。それは最初に伝えた連続傷害事件とは別件らしい。

 

「最近、ある噂が流れて来ているの。夜のミッドで、おかしなバリアジャケットを纏った人間がうろついているって話が」

 

『おかしなバリアジャケット? 魔導師じゃないのか』

 

「それが、その魔導師も普通じゃないらしくて」

 

ここ最近、ミッドの街中で流れている噂。その噂話から情報を入手したギンガは、その物騒な武器を持った人物についての特徴を述べ始める。

 

「その人が目撃された場所の付近でね。馬のような鳴き声を聞いたって人もいるんだって」

 

『馬のような鳴き声?』

 

「そう。でも馬のような鳴き声は聞こえても、街中でその馬らしき動物を見た人はいないらしいの。いないはずなのに聞こえて来る鳴き声……皆も心当たりがあると思わない?」

 

『ギン姉、それってもしかして……!』

 

「うん。まさかとは思うんだけど……」

 

ギンガが今の時点で思いついている仮説。それは話を聞いたチンク達も同じように考えついた物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おかしなバリアジャケットを纏った人間……その正体は手塚さんや夏希さんと同じ、仮面ライダーである可能性が高いわ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、ミラーワールド……

 

 

 

 

 

 

『キシャアァァァァァ……』

 

噴水広場。ある理由から獲物を捕まえ損ねた紫色のタランチュラらしき怪物―――“ヴェノスパイダー”は不機嫌そうに唸り声を上げながら、その場から撤退しようとしていた。

 

しかし……そうは問屋が卸さない。

 

 

 

 

ズドォンッ!!

 

 

 

 

『ギシャアッ!?』

 

突如、真後ろから飛んできた1発の矢。それを背中に喰らってしまったヴェノスパイダーは地面に倒れるも、すぐに起き上がって矢が飛んで来た方角を睨みつける。その先に立っていたのは……

 

「……見つけた」

 

純白のボディに、黒や銀色の装甲を纏った鎧の戦士だった。

 

頭部と右肩の装甲から伸びる1本角のような意匠。

 

ベルトに装填されているカードデッキ。

 

そのカードデッキに刻まれた一角獣のようなエンブレム。

 

聖騎士を思わせる細い体型のその戦士は、左手に構えているアーチェリーの弓のような武器に手をかけ、その引き鉄をゆっくり引き始める。

 

『ギシャアァァァァァァ……!!』

 

「モンスター……人の、命は奪わせない……!!」

 

『シャガァ!?』

 

引き鉄を離し、それと共に再び放たれた矢がヴェノスパイダーに命中。溜まらず倒れたヴェノスパイダーを視界に入れながら、その戦士はベルトに装填しているカードデッキから1枚のカードを引き抜き、その手に構えている弓状の召喚機―――“角召弓(かくしょうきゅう)デモンバイザー”のスロットに装填する。

 

≪SWORD VENT≫

 

一角獣の頭部を思わせる長剣状の武器―――“デモンセイバー”が飛来し、戦士の右手がそれを掴み取る。戦士は構えたデモンセイバーの刀身に左手を添えながら、こちらを睨みつけて来ているヴェノスパイダーと対峙する。

 

「仮面ライダーイーラ……参る……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一角獣の戦士―――“仮面ライダーイーラ”。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女と出会ったその時こそが……ヴィヴィオ達にとって、忘れられる事のない鮮烈(ヴィヴィッド)な物語の始まりとなる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎ViVid!


ヴィヴィオ「何に変身したって、ヴィヴィオはちゃんとヴィヴィオのまんまだよ」

手塚「戦う力を持った身として、これだけは絶対に約束して欲しい」

ヴェノスパイダー『キシャシャシャアッ!!』

???「駄目……ッ……アイツを、逃がす訳には……!!」


戦わなければ生き残れない!
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