アビスめちゃくちゃカッコ良いから好き。技は強いし、何よりマスクとかのデザインが非常に秀逸で。かつて野良モンスターだったアビスラッシャーとアビスハンマーが契約モンスターに格上げしたおかげで、オリジナルライダーの妄想に幅が広がりました。
まぁ取り敢えず、出張任務編の続きをどうぞ。
『ブルルルルルッ!!』
「ッ……!!」
校舎裏まで移動したゼブラスカル・ブロンズは、自身の体をバネのように伸ばし、鮫のライダーが左腕の召喚機から放つ水のエネルギー弾を回避。バネのように跳ねたゼブラスカル・ブロンズは鮫のライダーの真後ろに着地し、後ろに回り込まれた鮫のライダーは背中から攻撃を諸に受けてしまう。
「チィ!!」
『ブルルル!!』
鮫のライダーは後ろに向かって回し蹴りを繰り出すも、ゼブラスカル・ブロンズは大きく跳躍して一気に校舎の屋上まで移動し、そのままどこかに跳び去って行ってしまった。
「……逃がしたか」
インペラーと違い、鮫のライダーは逃げたゼブラスカル・ブロンズに対して深追いはせず、すぐにその場から現実世界へと姿を消すのだった。
その日の夕方。場所は変わり、地球の海鳴市では……
「運転お疲れ、フェイトちゃん」
「うん……ところで、美穂さん達は一体どうしたの?」
「「「あぁ、いえ、その……」」」
「?」
なのは達はサーチャーとセンサーの設置が終わり、手塚と美穂も町中での調査を一旦終えて、フェイトの運転する車でコテージまで帰還していた。先程からスバル・ティアナ・美穂の3人はなのはに対して不思議そうな目で見ているが、後ろから見られているなのははそれに気付いていない。
(親子って、意外と似るもんなんだねぇ……)
(いや、アレは似るってレベルじゃないでしょう。母親って外見じゃないですよ……!)
(なのはさんのお母さん、優しい人だったなぁ~)
「……?」
3人が小声で何やら会話をしている事に気付いた手塚が首を傾げる中、彼等がコテージまで戻ってみると、エリオとキャロは何かの匂いを感じ取った。
「あれ? これって……」
「何だか、凄く良い匂い……」
一同がコテージに戻ってみると、そこでははやて達が夕食の準備を進めていた。それを見たフォワードメンバーははやてが料理をしている事に驚愕する。
「八神部隊長が自ら料理を!?」
「そ、そんな、私達でやりますよ!!」
「あぁ~良いよ良いよ。私が単純に料理するの好きやからな」
「はやての料理はギガ美味だぞ。ありがたく頂いとけ」
「へぇ~……あ、じゃあ手伝っても良いかな? アタシ、これでも料理は得意なんだ」
「お、じゃあ美穂ちゃんにもちょっと手伝って貰おうかな? そっちの分を焼いてくれると助かるわぁ」
「OK、任された!」
はやて達の調理に美穂も飛び入り参加する事になった一方で、手塚は初対面の人物と対面していた。長い紫髪が綺麗に靡いた、穏やかな雰囲気の女性だ。
「初めまして、月村すずかです。なのは達がお世話になってます」
「手塚海之だ。君も現地協力者としてここに?」
「はい。あの、はやて達から聞いたんですけど……手塚さんって、占いが得意なんですか?」
「あ、そうそう。私も聞いたよ。手塚さんってよく当たる占い師なんですって? 凄いじゃない。アタシ達の事も占って貰って良いかしら?」
「あぁ、それは別に構わないが」
「「やった!」」
(好奇心旺盛……八神達の友人というのもわかるな)
手塚が占いに使うコインを取り出すと、アリサとすずかは興味津々な様子でそれを見ている。その様子に手塚は小さく苦笑しながらも、親指でピンとコインを弾き上げる。
「えぇ~皆さん、何やら任務中なのにまるで休暇みたいな形になってはいますが……」
「サーチャーと広域探査の結果待ちという事で、いくらか休憩時間が取れますし」
「お食事で鋭気を養って、引き続き任務を頑張りましょう!」
「「「「はい!」」」」
「それじゃあ皆さん、どうぞごゆっくり食事をお楽しみ下さいませ♪」
その後、夕食完成間近でなのはの姉である“高町美由希”や、フェイトの子供時代のパートナーだった使い魔“アルフ”、元管理局執務官補佐で現在は育児に専念しているという年上の女性“エイミィ・ハラオウン”などの面子も途中参加し、大勢で夕食を満喫する事になった。シャマルが料理下手である事が暴露されたり、張り切って鉄板焼きを作り過ぎたが為に美穂が腹いっぱいになるまで食べさせられる羽目になったり、皆が料理の奪い合いをしている中で手塚は自分が食べる分だけキッチリ確保していたりなど、色々ドタバタ騒ぎがありながらも、全員がこの楽しい時間を満足するに至った。
「はぁ~……もうお腹いっぱいで食べられない……」
「あまり食べ過ぎると太るぞ?」
「あ、もう! 女性の前でそういう事は言わない失礼な!」
「わかったからいちいち叩くな」
美穂が手塚の事をポカポカ叩く一方、はやて達隊長陣はフォワードメンバー達にある事を告げていた。
「さて。サーチャーの反応は皆のデバイスを通じて探知できるから、ひとまず問題はないとして……じゃあ今の内に、ひとっ風呂済ませちゃおうか!」
「でも、今は水浴びという時期でもないわよね。ここのコテージにはお風呂は付いてないし……」
「そうなると……やっぱりあそこかな?」
「……うん、あそこやね」
「「「「?」」」」
フォワードメンバーが何の事かわかっていない為、なのは達は一同に宣言する。
「それじゃあ皆、着替えを用意して出発準備して」
「これより私達は、市内のスーパー銭湯に向かおうと思います!」
「「「「スーパーセントウ……?」」」」
「簡潔に言えば、誰でも使える公共の風呂場だ」
「え、ここ銭湯あるの!? 行きたい行きたい!」
「ほなら、美穂ちゃんもこう言ってる事やし……一同、出発や!」
「いらっしゃいませ。団体様ですか?」
その後、一同はそれぞれが着替えを持って出発し、市内の銭湯「海鳴スパラクーア2」まで到着。受付で大人の人数と子供の人数を確認した後、それぞれお風呂に入る準備に取り掛かる。
ちなみに大人は手塚と美穂を入れて14人、子供はリイン・エリオ・キャロ・アルフの4人だ。
「え、ヴィータって子供じゃ……?」
「アタシは大人だ!!」
美穂とヴィータでそんなやり取りがあった事もここに記しておこう。
(良かった、ちゃんと男女別だ……)
はやてが会計を済ませている一方、エリオは風呂場がちゃんと男女別に分かれている事を知って、内心で密かに安堵していた。年不相応に精神が大人びている彼は、機動六課の女性陣と同じ風呂に入る事に若干抵抗を感じるようになってきており、今まで一緒に入っていたフェイトやキャロに対しても恥ずかしく感じるようになっていた。
「ねぇエリオ君、お風呂楽しみだね」
「う、うん、そうだね。スバルさん達と一緒に楽しんで来て」
「え? エリオ君、一緒に入らないの……?」
「え!? い、いや、僕は男だから、普通に男湯の方へ……!」
「でもほら、あれ」
キャロが指差した先には、壁の張り紙。そこには男女別のお風呂場に関しての注意書きが書かれていた。
「? えぇっと……『女湯への男児入浴は11歳以下のお子様のみでお願いします』……あっ」
「エリオ君、まだ10歳だよね?」
「うん。せっかくだしエリオも一緒に入ろうよ」
キャロに指摘され、更にはフェイトまで賛同し始めた事で、エリオはかなり焦った。
「で、でもほら、スバルさん達に隊長達、それに美穂さんやアリサさん達もいますし……!」
「あら、私は別に構わないわよ?」
「それに前から頭を洗ってあげるって言ってるしね」
「ティアナさん!? スバルさん!?」
「私達も問題ないわよ。他も良いわよね?」
「「「「「うんうん」」」」」
「アタシも別に良いよ? 見られたところで減るもんじゃないし」
「ちょ、美穂さんまで……!?」
アリサ達も特に問題ないと言い出し、更には美穂まで賛同した事でどんどん味方がいなくなっていく。エリオは頼みの綱である手塚に救いの手を差し伸べて貰おうと考えたが……
「あ、海之ならもう男湯の方に行っちゃったよ」
「手塚さぁん!?」
その頼みの綱も、既に男湯の方に向かっておりこの場には不在だった。結局、反対意見を出しているのはエリオ1人しかいないようだ。
「お、お気持ちは非常に嬉しいですが……すみません、遠慮させて頂きます!!」
「あ、行っちゃった」
「一緒に入りたかったのになぁ……」
「……」
女性の裸に対する興味よりも、男の子としての羞恥心の方が上回ったエリオは、女性陣の誘いを振り切って男湯の方へと大急ぎで入って行ってしまった。フェイトが残念がっている中、キャロは男湯と女湯の入り口の近くに立てられていた看板の文字をジーっと見ていたのだった。
「はぁ~気持ち良いぃ~……」
「へぇ、なのはのお姉ちゃんなんだ!」
「そうだよ~。よろしくね美穂ちゃん!」
その後、女湯では女性陣がまったりとお風呂を満喫していた。スバルやティアナ、隊長陣は気持ち良さそうに湯船に浸かり、シグナムやヴィータ達は体を洗い、美穂は湯船に浸かりながらアリサやすずか、更にはエイミィ達とも楽しそうに談笑していた。
「じゃあ、ここは美穂ちゃんのいた地球とは違う地球って事?」
「そうらしいんだよねぇ~。まぁ、元からそう簡単に見つかるなんて思っていなかったし、その辺は気長に待つとするよ……ところで」
エイミィと談笑していた美穂は、湯船に浮いていた桶を手に取り……真後ろから胸を揉んでいたはやての頭に炸裂させた。
「……さりげなく人の胸を揉むな!」
「あいたぁ!? もぉ、堪忍やでぇ美穂ちゃん、こんな良い胸あったら揉みたくなるに決まっとるやん……ちなみに美穂ちゃん、結構揉み応えあったで!」
「へぇ~? そんな事をする悪い子は……こいつかぁ!」
「んひゃあ!? ぬぅ、まさか揉み返して来るとは、やるやないか……!」
「はぁ、全く何やってんのよアンタ達は……」
お互いの胸を揉もうとジリジリ迫るはやてと美穂。そんな様子を見てアリサが呆れる中、2人は突如として狙いを別の人物に変えた。
「ちなみに美穂ちゃん。シグナムもかなり良い胸しとるで……!」
「……へぇ?」
「んな、主はやて!? お、おい霧島、何故こっちを見てるんだ!! おい!?」
「えぇ~酷いわはやてちゃん、私の方が胸あるのに……!」
「……どうせアタシゃ小さいままだよ」
何故かシグナムにまで飛び火し、シャマルまで会話に混ざり、ヴィータが巨乳陣に嫉妬の目を向ける。その様子をスバルとティアナは少し離れた位置から見ていた。
「隊長達も美穂さん達も、皆楽しそうだねぇ~」
「こうして見ると、全員年頃の女の子って感じねぇ……あら? そういえばキャロは?」
「あれ? さっきまで一緒だったと思うけど……」
「もう、1人で先に入るなんて酷いですよ手塚さん!」
「何だ、向こうには行かなかったのか。女湯に入れるのは小さい子供の特権だぞ?」
「良いんですそういうのは! 僕だって、いつまでも子供じゃないんですから……!」
一方、男湯では体を洗い終えた手塚とエリオがゆっくり湯船に浸かっていた。エリオは自分が置いて行かれた事を不満そうに呟き、そんなエリオに手塚はジョークを交えて返す。
「そうだな。確かに人は、いつまでも子供ではいられない……だからこそ、甘えられる内に存分に甘えておくと良い。それは別に悪い事ではないはずだろう?」
「うっ……それは確かにそうかもしれませんけど……あ、そういえば手塚さん。手塚さんはどうして、仮面ライダーとして戦うようになったんですか?」
「! 知りたいのか……?」
「はい。少し気になったので……」
「……正直だな」
手塚は笑みを浮かべ、頬杖を突きながら語り出す。
「モンスターと契約する事で、ライダーは力を得る事ができる……それは高町達から説明は受けているな?」
「はい」
「……俺が持っているカードデッキは、元々は別の人間が持っていた物だ」
「え、そうなんですか? じゃあ、その元々持っていた人って……?」
「それは―――」
説明しようとしたその時。
「エリオ君~♪」
「!?」
男しか入れないはずの男湯に、聞こえるはずのない声が聞こえてきた。エリオが恐る恐る振り返ると、そこにはタオルを巻いたキャロが笑顔でエリオの下まで歩み寄ってきた。
「キャ、キャロ!? 何でこっちに!?」
「看板に書いてあったよ。女の子も11歳以下は男湯に入って大丈夫だって」
「えっ」
「せっかくのお風呂なんだもん。エリオ君も一緒に入ろ? 皆も待ってるよ」
「いや、あの、ちょ……手塚さん!」
「良かったなエリオ。一生の思い出になるぞ」
「手塚さぁぁぁぁぁぁん!?」
またしても手塚に見捨てられる羽目になったエリオは、そのままキャロによって女湯まで強制連行されていってしまった。男湯には手塚だけが1人残っており、彼は静かにお風呂を満喫しながら、先程自分が言おうとした事を脳裏に思い浮かべていた。
(あの子達は純粋だ。“アイツ”の事を知った時……“アイツ”が死ぬ切っ掛けとなる戦いを知った時……彼等はそれをどう受け止めるのだろうか……)
「どう思う? エビルダイバー」
『キュルルルルル……』
そんな手塚を、湯船の水面からエビルダイバーがただ見つめている。当然、エビルダイバーがその問いかけに応える事はない。
その後、風呂から上がった手塚は風呂上がりの牛乳を飲み、1人銭湯の外部に佇んでいた。彼の左手には黒い紐で結んだ五円玉が吊り下げられており、手塚はその状態のまま静かに目を閉じている。
「……」
ここは自分達の知る地球ではない。ならばこれから先、自分達はどのような運命を辿っていくのか。それを確かめたかった手塚は占いに集中し、その脳裏に少しずつだが先の未来の光景が見え始める。
ガジェットの大軍と、ギガゼールを始めとするガゼル軍団。
その乱戦の中に見えるのは、2人の少女の姿。
1人の少女が放った弾丸が、もう1人の少女に命中してしまう光景。
そしてライアとファムを追い詰める、見た事がない謎の仮面ライダーの姿。
「―――ッ!?」
手塚はパッと目を開き、右手に持っていた牛乳瓶を地面に落とす。落とした牛乳瓶からは飲みかけの牛乳が流れ出て行くが、今の手塚にはそれを気にしている暇はなかった。
「今見えた光景は……まさか……!」
ミッドチルダ首都クラナガン、夜の市街地……
「あ~あ、くそっ……モンスター見つからねぇなぁ~……」
インペラーに変身する迷彩柄ジャケットの男性は、夜の街中を1人退屈そうに歩いていた。今はモンスターの気配も感じ取れないのか、溜まっている鬱憤を晴らす事もできずストレスが増加する一方だ。
「あのマンタ野郎に白鳥女、次会ったらタダじゃ済まさねぇ。一体どうしてやろうか……ん?」
そんな迷彩柄ジャケットの男性の前に、進路を妨害するように1人の男性が立ち塞がる。その男性の姿に、彼は見覚えがあった。
「あぁ~悪い、今日はまだモンスター倒せてないんだわ。だから今日の分の報酬はまだ後で良いぜ」
場所は変わり、オンボロな外見の小さなアパート……
「あら、じゃあモンスターに逃げられちゃったの?」
「……そういう事になる」
青髪の女性局員は、この日の夕食を味わいながら、ソファで横になったまま開いた本を顔に乗せて寛いでいる青年にそう語りかけていた。青年は顔に本を乗せた状態のまま、ダルそうな口調でそう返事を返す。
「大丈夫なの? “あの子達”も今、相当お腹を空かせてるんじゃないかしら?」
「もしもの時の対策は既に考えてある……それより、そっちの方はどうなんだ」
「どうもこうもないわ。ブライアン少将の悪事が発覚したおかげで、地上本部はまるで立場なしよ。どこかの誰かさんが少将を始末してくれたおかげで、証拠隠滅はかなり楽だったけど」
「ブライアン……あぁ、あのデブ局員の事か。奴は放っておけば俺達ライダーにとっても面倒になる。早い内に始末しておいて損はない」
「相変わらず、自分を優先する主義なのね」
「お前が言えた義理じゃないだろう? なぁ……」
「ナンバーズのドゥーエさんよぉ?」
「……今の私はマリア・ローゼンよ。そう呼んでって普段から言ってるでしょう?」
「知るか。どうせここには俺達しかいないだろうに」
「もぉ、可愛くない人……」
その言葉と共に、女性局員―――“マリア・ローゼン”の髪色が澄んだ青から霞んだ金色に変化し、彼女の本来の姿―――“ドゥーエ”としての素顔が露わになる。彼女は青年の態度に不満を漏らしつつも、その表情は妖艶な笑みを浮かべていた。
「あ、そうだ。“湯村”が接触したっていう機動六課だけど、向こうは完全に指名手配の方針でいくみたいよ。これでまた動きにくくなっちゃったわね」
「……あの馬鹿が、本当に面倒な事をしてくれやがったな」
「どうするの? 確かあそこ、今はライダーが2人もいるんじゃなかったかしら?」
「……早い内に、釘を刺しておく必要はあるだろうな」
青年は顔に乗せていた本を取り、ソファから起き上がる。
「全く、本当に面倒な連中だな。管理局ってのは……お前もそうは思わないか」
「その質問も、これで一体何度目なのかしら? ねぇ……“鋭介”」
茶髪のオールバックと、左目に着けた医療用の白い眼帯が特徴的なその青年。
そんな彼の左手には、鮫のエンブレムが刻まれた水色のカードデッキが握られていた。
To be continued……
リリカル龍騎StrikerS!
手塚(今日この日、任務で何かが起こる……!)
美穂「お前は!?」
インペラー「邪魔すんなって、前にも言ったよなぁ!?」
シャマル「駄目よ、止まりなさい!!」
ティアナ「証明してみせる……私の力を……!!」
戦わなければ生き残れない!