今回もサブタイトル通り、仮面ライダーホロの活躍をご覧下さいませ。
それではどうぞ。
戦闘挿入歌:果てなき希望
『フン……ハァッ!!』
「ぬっ……!!」
ミラーワールドのとある川岸で始まった戦い。弾丸同士が相殺されたのを合図に、その場から飛び上がったボランスナイパーがスナイパーライフルを構え、上空からホロを狙い撃ちにし始める。ホロは飛んで来る弾丸を大きく転がって回避し、自分に当たりそうな弾丸だけディノバイザーの刀身で弾いてから1枚のカードを引き抜き、ディノバイザーの装填口に挿し込んだ。
≪SHOOT VENT≫
「……ふっ!!」
『!? グゥッ……!?』
恐竜の尻尾を模した銃型の武器―――“ディノライフル”をその手に取り、ホロは飛んで来る弾丸を仰向けに倒れ込みながら回避した後、上空のボランスナイパーに向かって1発の弾丸を正確に撃ち込んだ。弾丸が頭部に命中したボランスナイパーが地上に落下した後、起き上がったホロは後方に下がって距離を離す。
「あまり時間はかけられんのでな……さっさと狩らせて貰うぞ」
『ッ……デァ!!』
ホロのディノライフルから再び弾丸が放たれるも、ボランスナイパーは地面を転がって弾丸を回避し、すぐに起き上がってホロの足元目掛けて弾丸を連射。ホロの目の前が土煙で見えなくなる。
「ぬっ……!?」
ホロは土煙を掻き分けながらボランスナイパーを見つけ出そうとしたが、土煙が晴れた先にはボランスナイパーの姿が存在していなかった。ホロが周囲を見渡してみるも、姿はどこにも確認できない。
「逃げおったか……すばしっこい奴め」
ボランスナイパーに逃げられた事を悟り、ホロはディノライフルをその場に放り捨てた後、鞘に納めていたディノバイザーを引き抜いて装填口を開き、そこに1枚のカードを装填した。
≪ADVENT≫
『ギャギャギャギャアッ!!』
ホロの後方から猛スピードで走って来たのは、メタリックイエローに黒い斑模様を持つ1体のモンスター。鋭い牙と鋭い爪。頭部から生やした白い羽毛。細長い銃砲の形状をした尻尾。恐竜のヴェロキラプトルを模した二足歩行型の怪物―――“ディノスナイパー”はホロの目の前で走りを止め、「コルルル」と低い唸り声を上げながらホロの指示を待つ。
「今逃げたモンスターを見つけ出すんじゃ。お前の嗅覚なら見つけられよう?」
『ギャギャギャ!!』
ホロの指示を受けたディノスナイパーは「了解!」とでも告げたのか、甲高い鳴き声で吼えてから再び猛スピードで走り出し、どこかに走り去って行く。それを見届けたホロは現実世界に戻るべく、ライドシューターに乗り込もうとした……が、その前に体がフラリと傾き、危うく転びそうになった。
(ッ……この程度の戦いでも無理があったか……!)
ホロはディノバイザーを地面に突き刺し、それを杖替わりにする事で倒れるのを防ぐ。ホロは胸元を右手で押さえながらも何とかライドシューターに乗り込み、はやてとシグナムの待つ現実世界へと帰還していく。
「! 主はやて、帰って来ました!」
「お? 無事に戻って来たみたいで何より……や?」
その後、ファミレスの男性用トイレの鏡を通じて帰還したホロは変身を解除し、山岡の姿に戻ってはやて達のいる席まで戻って来た。しかし山岡はほんの僅かに息が荒く、胸元を右手で押さえながらゆっくり歩いており、その様子を見たはやてとシグナムは彼の様子がおかしい事に気付いた。
「山岡殿、大丈夫なのですか? 顔色が……」
「む、心配はいらん。少し疲れただけじゃよ……ぐっ」
「!? ちょ、大丈夫ですか!?」
席に座ろうとした山岡の体がフラつき、地番近くにいたシグナムが慌てて彼の体を支える。どうにか倒れずに済んだ山岡はシグナムの手を借りながら、何とか席に座り込む。
「ッ……すまんのぉ、お嬢さん。手間をかけさせてしもうて」
「いえ、これくらいはどうとでも……本当に大丈夫なのですか?」
「ふっふ……やはり、歳は取りたくないものじゃなぁ……昔ほど、体が思うように動かん……ッ!」
「や、やっぱり、ご無理はなさらない方が良いのでは? その状態ではとても……」
「そういう訳にはいかんのが、ライダーの宿命じゃ……ライダーにとって、戦いをやめる事は死を意味する」
「ですが……」
それでも、戦いを終えて苦しそうにしている山岡の姿は、はやてからすればとても見ていられなかった。そんな彼女の気持ちに気付いているのか否か、ある程度息を整えられた山岡は小さく息を吐いてからコップの水を少しずつ喉に流し込んだ。
「ふぅ。さて、どこまで話したかの……おぉそうじゃ。お嬢さん方、さっきは儂の質問に答えられそうだと言うておったが、一体どういう意味かのぉ?」
「え? あぁ、はい、えっと……」
息を整えたかと思えば、何事もなかったかのように先程途切れた会話を再開した山岡。もう少し自分の体の具合を心配したらどうなのかと思うはやてとシグナムだったが、取り敢えず山岡の質問に答えるべく考えを切り替える事にした。
「……実を言うと、山岡さん以外にもこの世界で……ミッドチルダで仮面ライダーとして戦っている人達が、何人か存在しているんです」
「ほぉ……そやつ等も、願いの為に戦っとるのかね?」
「いえ、彼等は違います。彼等が戦っているのは、ミラーワールドのモンスターから人を守る為で……それにこの世界では、ライダー同士が戦っても意味はありません」
「んん? どういう事じゃ」
「神崎士郎……その男はこの世界にはいません。それ故、この世界でライダー同士が戦っても、ライダーの願いが叶う事はありません」
「……なんと」
その後、はやてとシグナムによって様々な情報が山岡に伝えられる事となった。
このミッドチルダの事も。
時空管理局の事も。
機動六課の事も。
手塚海之と白鳥夏希の事も。
今から数年前に起こった大きな戦いの事も。
手塚と夏希が、自分達と共にミッドチルダの平和を守る為に戦ってくれている事も。
事情を一通り把握した山岡はしばらく呆気に取られたような表情を浮かべた後、フッフと小さく笑みを零した。その反応に今度ははやてとシグナムが困惑する。
「そうかそうか……世界とは文字通り、儂が思っていた以上に広いようじゃのぉ……!」
「信じるのですか? 私達の話を……」
「そうでもなければ、今のこの状況に説明がつかんからのぉ。嫌でも納得する他あるまい……そうか、ここは地球とは別の世界なのじゃな……」
窓の外の景色を眺めながら、穏やかな表情を浮かべる山岡。彼がそんなにもアッサリ信じてくれた事に対し、はやてはまだ少し困惑している状態ながらも、今度は山岡の事情を聞いてみようと話を再開した。
「差し支えなければ、お聞きしたいのですが……山岡さんは、どうしてライダーになったんですか?」
「ふむ。お嬢さんや、意外とズバズバと切り込みに行くのじゃな」
「あ、え、えっと! もし話したくなければ無理に話さなくても大丈夫です! 誰だって事情はあるでしょうし、その……!」
「フフ、構わんよ。この世界について教えてくれたお返しじゃ」
慌てて謝罪するはやてを笑顔で落ち着かせてから、山岡は窓の外の景色を眺めながら改めて口を開く。そこからの彼の表情には、どこか哀愁のようなものが漂い始めていた。
「勝ち残った1人のライダーが、叶えたい望みを叶えられる……そこまでは知っとるな?」
「……はい」
「儂の場合、そう複雑な事情ではない……1人の孫の為じゃ」
儂は昔、軍に従軍していた時期があったのはもう話したのぉ……軍を退役してからは、猟師としてしがない暮らしをしておった。
そんな儂にとって心の癒しだったのが、その孫なんじゃ。
『お爺ちゃ~ん、一緒に遊ぼう~!』
『これこれ、そんなに走ると転んでしまうぞ。仕方のない子じゃ』
この孫が本当に可愛らしい子でのぉ。
両親と一緒に儂の家に遊びに来るたび、いつも儂がその子の遊び相手になってあげとった。
あまりにやんちゃなものじゃから、体力のない儂が先にばてる事もしょっちゅうじゃったが……そんな日常が、儂にとっては最高の幸せじゃった。
じゃが……それも長くは続かなかったんじゃよ。
『お爺ちゃ~ん、こっちこっち~!』
『!? 待て、止まるんじゃ!!』
キキィィィィィィッ!!
……ある日、孫は交通事故に遭ってしまった。
奇跡的に一命は取り留めたんじゃが……その代償に、孫は自分で体を動かす事ができなくなってしまった。
あの子の両親の悲しむ顔は、今も儂の頭の中に残っていてな……何とかしてやりたかったんじゃが、儂の力ではどうしようもできなかった。
そんな時じゃよ……あの男が、儂の前に現れたのは。
『孫の体を治したいか?』
『ッ……何者じゃ、お前さんは』
その男―――神崎士郎は儂に告げた。
ライダーの戦いに勝ち残り、最後の1人になった時……叶えたい望みを叶えられると。
夢のような話じゃったよ……じゃが奴の言葉には、儂を奮い立たせる魔力があった。
『お前は今、孫を救ってやれない自分を恨んでいる』
『ッ……』
『ならば今こそ、孫を救うべき時だ……戦え』
そうして、儂は奴からカードデッキを受け取り、仮面ライダーホロとなった。
孫を助ける為に、儂は色々なライダーと戦ってきた。
儂と同じように、誰かを助けたいが為に戦っている者。
自分の為だけに戦う利己的な者。
色々おったよ……その中で儂の記憶に残っているのは、戦いを止めようとしていた者じゃな。
『ライダー同士が戦うなんて間違ってる!! そんな事で願いを叶えて、本当に胸を張れるのかよ!?』
考えの甘い青年じゃった。
しかし、あの青年の言葉は儂の心に強く響いていた……そんな気がしていた。
それでも、儂は戦いを止める訳にはいかん。
孫の為にも、儂は戦いに勝ち残らなければならんのじゃと。
そんな思いで戦い続けて来たのは良いが……所詮、変身したところで老いぼれは老いぼれ。
モンスターの大群から人々を守り切るのは、儂みたいな老いぼれ1人には荷が重かったようじゃ。
儂は死んだ。
モンスターに敗れ、報いを受けた儂は地獄にでも落ちるのかと思っておったんじゃが……世の中、不思議な事はあるものじゃな。
「―――それで、このミッドチルダに?」
「うむ」
そこまでが、この老人の……山岡吉兵が辿って来た道筋だった。ファミレスでの食事を終え、はやてとシグナムは山岡と共に歩道を歩きながら、彼の話を聞き続けていた。
「最初は山奥で自給自足の生活をしておったんじゃが。たまたま山の麓に降りた時、親切な者達の家に泊めさせて貰った事も何度かあってな。その者達の手も借りて、必要な物資を揃えて、この世界の各地を旅して回り……そして今に至る訳じゃ」
「そうだったのですね……」
山岡の過去を知り、シグナムは納得していた。彼がひったくり犯を背負い投げで倒した時、その動きは明らかに素人の物ではなかった。過去に従軍経験があり、更にはライダーにまでなっていたのだとすれば、彼があんなにも手練れた動きを見せたのにも納得できる。
そして何より……
(あの時の目……間違いない、あれは“獣”の目だった)
ひったくり犯を見下ろす時の目付き。そこに込められている殺気もまた、尋常な物ではなかった。まるで獲物を仕留めた獣のような……そんな鋭い目付きをしていた事を、シグナムは今でも覚えている。
「じゃあ、山岡さんはお孫さんの為にライダーになったんですね」
「うむ。愛らしい孫の為なら、儂は己の命すらも懸ける覚悟で戦ってきたよ」
「お孫さん思いなんですね。山岡さんのような人に愛されて、お孫さんもきっと嬉しく思っているのでは?」
「……それは違うのぉ」
はやての言葉を聞いて、山岡の目に僅かな厳しさが宿る。
「事情がどうあれ、その為に他のライダーと戦って来たのは事実じゃ。儂もこの手で、他のライダーを倒した事がある」
「ッ……あなたも、ライダーを……?」
「人を殺めた罪は未来永劫、消える事はない。罪を背負った人間に、誰かを愛する資格も、誰かに愛される資格もありはせんよ……」
「……確かに、罪は消えないかもしれません」
山岡の言葉を聞いて、立ち止まったはやてが口を開く。
「ですが、資格があるとかないとか……それは本当に重要な事でしょうか?」
(……む?)
そう告げながら振り返ったはやての表情を見て、山岡は僅かに目を見開いた。想いに対する否定だけをさせない強さのような物が、彼女のその目には強く込められていた。
「……私達が先程紹介した、白鳥夏希という人も。かつては死んだ姉の為に、詐欺師を働いていました」
「ほぉ……」
「彼女はこの世界に来てからずっと、自分は最低な人間だと言って、自分が幸せになるという事を望んでいませんでした……私達に会うまでは」
「?」
語りながら、はやては思い出す。
機動六課時代、手塚と夏希が自分達に事情を打ち明かした時の事を。
「彼女は一度死にました。死んで報いを受けました……彼女はもう充分、罰は受けたんです。それ以上、彼女はどんな罰を受けなければならないのかと。それは彼女が幸せになったらいけない理由にはならないと。私の友達が、彼女に説教したんです」
「……!」
「運命は変えられる。彼女は新しい自分となって、今も人を守る為に戦い続けているんです……山岡さん。あなたもそうする事ができるんじゃないでしょうか?」
手塚の言葉を借りて、はやては山岡にそう告げる。罪を背負った夏希が、人を守る為に戦える自分に生まれ変わっていくところを、はやて達は間近でずっと見てきた。ずっと見てきたからこそ、はやては山岡に対してそう自信を持って言う事ができるのだ。
「……ふふ、そうか」
その意志が伝わってきたのか、山岡は静かに微笑みを浮かべた。しかしその目には、彼の持つ悲しみが今もなお残っていた。
「若さとは良いものじゃな。何度でも立ち上がれる強さを持っておる……儂にはもう、そんな強さはないよ」
「そんな事は―――」
「誰もが、違う自分に変われる強さを持っている訳ではないのじゃよ……少なくとも、今の儂にはな」
「「……?」」
それは一体どういう事なのか。意図が読めなかったはやてとシグナムだが、山岡の表情を見ていて、その意味を聞いて良いものかどうか、答えが上手く出せそうになかった。
そんな時だった。
キィィィィィン……キィィィィィン……
「「「―――ッ!!」」」
その場の空気も読まずに、再び3人の聞こえ始めた金切り音。はやてとシグナムはすぐさま周囲を見渡し、山岡は目付きが鋭くなる。
「……どうやら、見つけたようじゃの」
「!? あれは……!!」
『フッ……』
現在3人が立ち止まっている川沿いの道。穏やかに流れている川の水面が突然グニャリと歪み出し、そこに映り込んだボランスナイパーが、3人のすぐ近くを通りかかろうとしている女性に狙いを定めていた。
『フンッ!!』
「危ない!!」
「えっ……きゃあ!?」
水面から勢い良く飛び出して来るボランスナイパーだったが、はやてが即座に女性を庇った事で捕獲に失敗。空振りに終わり地面に着地したボランスナイパーに、レヴァンテインを構えたシグナムが接近する。
「でやぁっ!!!」
『ヌグゥ!?』
まさか攻撃を受けるとは思っていなかったのか。燃えるレヴァンテインの斬撃を受け、ボランスナイパーは溜まらず吹き飛ばされて川の方に落下していく。更に……
『ギャギャギャギャギャ!!』
『!? グ、オァア!?』
「! 今のは……」
「儂の頼れるパートナーじゃよ」
水面から顔だけ飛び出して来たディノスナイパーが、ボランスナイパーの右足に噛みつき、そのままミラーワールドに引き摺り込んで行く。その後、柵を乗り越えて川の中に移動した山岡はカードデッキを取り出し、川の水面に向かって突き出した。
「山岡さん!! あまり無茶は……」
「心配はいらん。あやつは確実に仕留める……変身!!」
変身ポーズを取り、カードデッキをベルトに装填した山岡はホロの姿に変身。鞘から引き抜いたディノバイザーを右手に構え、水面を通じてミラーワールドに突入していく。
「主はやて、そちらの方は?」
「さっきの人は大丈夫や。すぐにここから逃げて貰った」
「そうですか……」
先程ボランスナイパーに狙われかけた女性は、既にはやてによってこの場から逃げて貰ったらしい。女性の命を救えた事に安堵する2人だったが、今度は別の心配事に思い悩む事となった。
「大丈夫でしょうか? 山岡殿は……」
「大丈夫と信じたいけど、心配やなぁ……ならばここは」
少しでも、山岡の負担を減らしてあげたい。そう考えたはやてはある目的を果たす為、映像通信を繋げて1人の人物に連絡を取る事にした。
『ギャギャギャギャギャギャ!!』
「あそこか……!」
ミラーワールド、川沿いの道。ボランスナイパーと再び水辺付近で相対する事となったホロは、ディノスナイパーの背中に乗り込んだ状態でディノバイザーにカードを装填する。
≪SHOOT VENT≫
「今度こそ逃がしはせんぞ、小魚め……!!」
『フン……ハァッ!!』
ボランスナイパーはスナイパーライフルを構えて空高く飛翔し、高所から地上のホロ達を狙い撃つ。ホロは飛んで来る弾丸をディノライフルの銃撃で相殺し、ディノスナイパーに移動して貰いながらボランスナイパーを確実に狙い撃てる場所まで移動しようとする。しかしそう上手くはいかない。
『デァッ!!』
「ッ……忌々しい奴じゃのぉ……!!」
1回目の戦闘よりも素早く飛び回るボランスナイパーを狙い撃つのは、歴戦の戦士であるホロにとっても決して簡単ではなかった。おまけにボランスナイパーは飛び回りながらも的確に弾丸を放って来ており、ホロは思うように反撃の銃撃を繰り出す事ができない。
(面倒な……どうするべきかの……ッ!!)
その時。
≪ADVENT≫
『!? グワァッ!?』
「ぬ?」
『キュルルルルル……!!』
上空を飛び回っていたボランスナイパーが、突然どこからか飛んで来たエビルダイバーの体当たりを受け、その衝撃でホロのいる地上まで落下して来た。エビルダイバーを知らないホロは、エビルダイバーに対してもすかさずディノライフルを構える。
「新手かの……?」
「アレは俺のモンスターです」
「!」
ホロの前に1台のライドシューターが停車する。ライドシューターの開いた屋根から姿を見せたのは、エビルダイバーを召喚した張本人であるライアだった。
「お前さんは……?」
「仮面ライダーライア。あなたの事は、八神から話は聞いています」
「! お嬢さんから……?」
『ヌゥ、グッ……グォワァッ!?』
『キュルルルル!!』
『ギャギャギャギャ!!』
ライアとホロに向かってスナイパーライフルを構えるボランスナイパーだったが、そこにエビルダイバーが仕掛けて来た突進で銃撃は失敗し、更にはディノスナイパーがボランスナイパーに噛みついてブンブン振り回す。ボランスナイパーがそんな目に遭っている中、ライアはホロと正面から向き合っていた。
「山岡殿。あなたが戦う目的は?」
「モンスターを狩る為じゃ。それで充分かの?」
「……では、共に戦いましょう。守るべき物の為に」
ライアは何の迷いもなく右手を差し出した。それを見たホロは数秒だけその手を見つめた後、小さく笑みを零してから右手を差し出した。
「儂はもう老いた身じゃ……接近戦は、若い者に任せよう」
「では、遠距離からのサポートはお任せします」
「……決まりじゃな」
ライアとホロはがっちり握手した後、2人同時にボランスナイパーの方を睨みつける。ディノスナイパーに噛まれて投げ飛ばされたボランスナイパーは地面を転がった後、ライアとホロの方を睨みながら再びスナイパーライフルを構え出した。
『グゥゥ……ハアァッ!!!』
「させん!!」
ホロがすかさずディノライフルを構え、弾丸と弾丸が相殺される。その隙にライアはエビルバイザーの装填口を開いてカードを装填、エビルウィップを召喚する。
≪SWING VENT≫
「そこまでだ……はっ!!」
『!? グッ……ヌオゥッ!?』
ライアの振るったエビルウィップが、ボランスナイパーのスナイパーライフルを叩き落とす。更にはエビルウィップでボランスナイパーの胴体と両腕を封じ、そのまま勢い良く地面に叩きつけた。一方、ホロは鞘に納めているままのディノバイザーの装填口を開き、そこに1枚のカードを装填した。
≪FINAL VENT≫
「後は儂に任せい……!!」
『ギャギャギャギャギャアッ!!』
ディノスナイパーが勢い良く駆け出し、ボランスナイパーの目の前まで一気に接近。エビルウィップで動きを封じられているボランスナイパーは逃げられず、ディノスナイパーの尻尾による薙ぎ払いを受けてホロの方まで吹き飛ばされる。
『グゥ!?』
「終わりじゃ……ぬぅん!!!」
『ゴアァッ!?』
ホロは右手で力強く振り上げたディノバイザーの斬撃で、ボランスナイパーが空中に高く打ち上げる。そして空中にいるボランスナイパーに向かって、ホロはディノライフルを、ディノスナイパーは尻尾の銃砲を向ける。
『ッ……グワアァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?』
ドオォォォォォォォォンッ!!!
ホロとディノスナイパーの同時射撃―――“
「無事に仕留められたの……ッ」
「!」
ホロは僅かに体がフラつきかけるも、すぐにライアが両手で彼の体を支えた。何も言わず自分の身を案じてくれるライアの心遣いに、ホロは素直にその厚意を受け止める事にしたのだった。
「あ、山岡さん! 手塚さん!」
その後、山岡と手塚は共にミラーワールドから帰還し、山岡ははやて達と合流していた。はやては手塚に代わり、疲弊している山岡の体を両手で優しく支える。
「ぬぅ……情けないものじゃな。あれだけ心配はいらんと言っておきながら、結局はこのザマじゃ」
「……なら、私達が支えます」
「む……?」
山岡を支えながら、はやては笑顔で告げた。
「手塚さんや夏希さんが、あなたの戦いを支えます。私はライダーじゃないので、できる事は限られますが……山岡さんの為に、休める環境を用意してあげる事くらいならできます」
「……強いのぉ、お前さん達は」
これが、彼女達の持つ強さか。はやて達の優しさに改めて触れた事で、山岡は穏やかな表情を浮かべながら、彼女の厚意も素直に受け止める事にした。そんな2人の背中を、手塚とシグナムは後ろから静かに見守っている。
「すまないな手塚。来てくれて助かった」
「問題ない。俺もちょうど休憩時間中だったからな……だが」
手塚はコインを指でピィンと弾き上げ、右手の手の甲に落ちた瞬間に左手で上から覆う。そして左手を上げたそこには、コインが裏を向いた状態で置かれていた。
「……妙な予感がするな」
「?」
手塚が占った未来。
占った手塚が見据えたのは、はやてに支えられながら移動している山岡の背中。
その視線が意味する物とは何なのか……それが明かされるのは、今からもう少し先の話となる。
同日、深夜0時。
キィィィィィン……キィィィィィン……
『グルルルルル……!!』
ミラーワールドのクラナガン中心部。街中を跳躍しながら移動するギガゼールの気配を察知したのは、手塚達ではない別の誰かだった。
「ッ……また出て来たか……!!」
その人物は建物のガラスを睨みつけながら、右手で構えたカードデッキを正面に力強く突き出した。
「モンスター、お前は倒す……僕がこの手で……!!」
その人物が突き出した、青色のカードデッキ……
その中央には、虎の顔を模した金色のエンブレムが刻み込まれていた。
To be continued……
リリカル龍騎ViVid!
アインハルト「合宿、ですか……?」
ノーヴェ「せっかくの機会だ。騙されたと思って来てみろって」
???「良かった、どこにも怪我がなくて」
イヴ「あなたは……?」
夏希「これ以上、アタシに付き纏うなよ……!!」
吾郎「俺は……ッ」
戦わなければ生き残れない!