リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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・仮面ライダーブレン感想

取り敢えず言わせてくれ……何だこれ?ww(※見た上での感想です)

・ジオウの新たなキャスト

次狼/ガルルが帰って来たぞ!!
お弟子さんとは上手い具合にすれ違ったぞ!!←
というか杉田さんがまた「ギンガ」やってるよ……ww











さて、今回の第20話ではサブタイトルの通り、遂にあの技が発動します。

その破壊力、とくとご覧あれ!!

追記:あ、そういえば活動報告の方でちょっとばかし質問受付タイムみたいな事をやっております。興味が湧いた方はどうぞ。










vsタイガ戦の戦闘挿入歌:果てなき希望

vsトルパネラ軍団の戦闘挿入歌:Revolution(※)

※あの技が発動する直前で曲を止めて下さい。













第20話 エンドオブワールド

「はぁ!!」

 

「おらよっとぉ!!」

 

「フッ……!!」

 

「むぅんっ!!」

 

『『『『『ギギギギギギ……!!』』』』』

 

ミラーワールドの繁華街。その中心部にてトルパネラ・クイーンが率いて来たトルパネラの大群を相手に、4人の仮面ライダー達は激しく奮闘していた。何体ものトルパネラが迫り来る中、デモンセイバーで向かって来る個体を次々と斬り倒していたイーラに1体のトルパネラが飛び掛かる。

 

『ギギャ!!』

 

「!? しまっ―――」

 

ズドォンッ!!

 

『ギシャアッ!?』

 

しかしイーラに飛びかかって襲い掛かろうとした瞬間、離れた位置からホロがディノライフルで正確に狙い撃った事でトルパネラが地面に落下。危ないところを助けて貰ったイーラはホロの方に振り返る。

 

「助けて、くれて……ありがとう……!!」

 

「礼には及ばんよ……じゃが、気を抜いてはいかん!! まだまだ数はおる!!」

 

ホロはそう言いながらも、背後から襲い掛かって来たトルパネラのパンチを屈んでかわし、ディノライフルで殴りつけた個体の腹部に至近距離で銃撃を浴びせる。ホロに礼を述べたイーラもすぐに思考を切り替え、突っ込んで来るトルパネラのパンチをデモンシールドで防御し、デモンセイバーで斬りつける。

 

≪SWORD VENT≫

 

「よいしょお!!」

 

「ハッ!!」

 

『グギッ……シャアァ!?』

 

そこから少し離れた場所では、ディスサーベルを召喚したアイズがトルパネラを斬りつけてから蹴り飛ばし、飛んで行った先に立っていたライアがエビルウィップで薙ぎ払い更に吹き飛ばす。それでもまだまだトルパネラ達の数は減っておらず、ライアとアイズが背中合わせになる。

 

「ッ……前に見た顔だな」

 

「また会ったねぇエイのお兄さん。前にお兄さんがなってたアレ、使っても良いんじゃないのこれ?」

 

「無暗やたらにカードを消費したくはないが……そうも言ってられないか……!!」

 

≪FINAL VENT≫

 

「はっ!!」

 

『『『『『グガァァァァァァァッ!?』』』』』

 

ライアはすかさずファイナルベントのカードを装填。飛んで来たエビルダイバーに飛び乗ったライアはそのままトルパネラ達を吹き飛ばして行き、彼の背後で爆発が連鎖するように発生する。しかしライアを乗せたエビルダイバーが飛んで行った先で、錫杖を構えていたトルパネラ・クイーンが大きく振り上げ、エビルダイバーを攻撃する事でライアを撃墜した。

 

『ハアァッ!!』

 

「くっ……!?」

 

地面に降り立ったライアは前転した勢いを利用して立ち上がり、カードデッキからサバイブ・疾風のカードを引き抜いて強風を発生させる。ライアを中心に発生した強風に、トルパネラ達が怯んで後退していく。

 

≪SURVIVE≫

 

「はっ!!」

 

『ッ……ギシャガ!?』

 

その間、エビルバイザーツバイにサバイブ・疾風のカードを装填したライアは姿を変え、ライアサバイブとなってエビルバイザーツバイを構え直す。弓のように構えたそれから強力な矢を発射するも、トルパネラ・クイーンを守るべく割って入ったトルパネラ・シールドが盾で防ぎ、その反動で吹き飛ばされてから地面に倒れた。

 

『『『『『ギシシシシシ……!!』』』』』

 

「キリのない数だな……ッ!!」

 

同じくトルパネラ・クイーンを守ろうとしているのか、周りにいた他のトルパネラ達もライアサバイブを一斉に取り囲み始める。ライアサバイブは悪態をつきながらもエビルバイザーツバイからエビルエッジを展開し、目の前に立っていたトルパネラを蹴りつけてから斬り飛ばしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな4人が戦っている中、そこから遠くない場所の住宅街付近では……

 

 

 

 

 

≪STRIKE VENT≫

 

「「はぁっ!!」」

 

タイガとデストワイルダーを相手に、この場は手を結ぶ事にしたファムとゾルダの2人。ギガホーンを召喚したゾルダがデストクローを装備したタイガと相対する中、ファムは鋭利な爪を振り下ろして来るデストワイルダーの攻撃をウイングスラッシャーで上手く受け流しながら的確に捌いていた。

 

『グォォォォォォォッ!!』

 

「くっ……あぁもう、面倒臭いなコイツ!!」

 

≪ADVENT≫

 

『ピィィィィィィッ!!』

 

『グルゥ!?』

 

デストワイルダーの爪を回避したファムはブランバイザーの装填口を開き、即座にカードを装填してブランウイングを召喚。上空から飛んで来たブランウイングが繰り出した体当たりでデストワイルダーが転倒する中、ゾルダのギガホーンをデストクローで弾いたタイガはゾルダの腹部を蹴りつけ、怯んだ彼を力強く斬りつけた。

 

「ハァッ!!」

 

「ぐあぁっ!?」

 

「!? おい、しっかりしろ!!」

 

タイガに斬られて地面を転がされたゾルダにファムが駆け寄り、飛び掛かって来たタイガが振り下ろしたデストクローをウイングスラッシャーで受け止める。しかし単純なパワーではタイガの方が上なのか、デストクローは受け止められた状態から強引にファムの胸部装甲を斬りつけ、倒れた彼女をタイガが見下ろす。

 

「きゃあ!?」

 

「ふん、仲良しこよしのつもりかい? クズの分際で良い子ぶるなよ……!!」

 

「ッ……あぁそう、クズで悪かったな!!」

 

「!? ぐっ……!!」

 

ファムは倒れている状態からタイガの腹部を蹴りつけ、素早く起き上がってブランバイザーの装填口を開く。蹴りつけられたタイガはそれを見てすぐにデストクローを放り捨て、どこからか取り出したデストバイザーの装填口を開いてカードを引き抜いた。

 

≪FINAL VENT≫

 

『ピィィィィィィッ!!』

 

ファイナルベントの音声を合図に、タイガの後方からブランウイングが飛来する。しかしタイガは慌てず、自身が引き抜いたカードをデストバイザーに装填する。

 

「無駄だよ……!!」

 

≪FREEZE VENT≫

 

『ピッ!? ピ、ィ……ッ……』

 

「!? ブランウイング!?」

 

デストバイザーにカードを装填した瞬間、ブランウイングはタイガの背後まで飛来したところで突然動きが凍りついたように止まり、空中で止まったままピクリとも動かなくなってしまった。硬直したブランウイングを見てファムが動揺する中、そこに接近したタイガがデストバイザーを振り上げる。

 

「でやぁ!!」

 

「うぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

デストバイザーの強烈な一撃が炸裂し、ファムが地面を転がされてからうつ伏せに倒れる。タイガはそんな彼女の背中をマント越しに踏みつけ、デストバイザーの刃先をファムの頭部に向ける。

 

「昨日は逃げられちゃったけど、今度こそ終わりだよ。君達はここで僕に断罪される」

 

「ぐ、ぅ……アンタ、そんなに犯罪者が嫌いなのかよ……!?」

 

「当然だよ……クズが1人街に放たれるだけで、大勢の人間がクズのせいで不幸に見舞われる!! お前達のような悪党が、のうのうと生きて良い筈がない……!!」

 

「ッ……馬鹿じゃないのかアンタ……!! 世の中、本当に反省して罪を償おうとする人間だっている事くらい、アンタもわかってる筈だろ……!!」

 

「償わせたところで、どうせまた同じ事を繰り返すだけさ……クズはどこまで行こうとクズのままだ!! そもそもクズの分際で僕に意見するな!!!」

 

「がはっ!?」

 

仮面に触れていた左手をワナワナ震わせながら、タイガは苛立った口調でファムを乱暴に蹴り転がした。腹部を蹴られたファムが腹部を押さえながら咳き込む中、タイガはカードデッキから引き抜いたファイナルベントのカードをデストバイザーに装填する。

 

≪FINAL VENT≫

 

「終わりだ……まずは、お前から消えろォッ!!!」

 

『グルルルル!!』

 

「くっ……!!」

 

再びデストクローを装備したタイガは姿勢を低くして構え、起き上がろうとするファムにデストワイルダーが勢い良く飛びかかろうとする。それに対しファムがウイングスラッシャーを構えて応戦しようとしたその時……

 

 

 

 

 

 

ズドォンッ!!

 

 

 

 

 

 

『グオォン!?』

 

「!? 何……ッ!!」

 

ファムに襲い掛かろうと空中に跳躍したデストワイルダーが、別方向から飛んで来た1発の砲弾を受けて地上に撃墜された。それに驚いたタイガは即座に振り向き、砲弾を撃って来た人物を忌々しげに睨みつける。

 

「貴様ァ……!!」

 

「ッ……彼女に、手出しはさせない……!!」

 

「だから善人ぶった事を言うなよ……虫図が走るッ!!」

 

その砲弾は、ゾルダの構えたギガランチャーから放たれた物だった。ゾルダは続けて砲弾を放つも、2発目をかわしたタイガはデストクローを構えてゾルダに突撃しようとする。しかし……

 

「隙ありぃ!!」

 

「なっ……ぐあぁっ!?」

 

ゾルダに意識が向いていたタイガは背中がガラ空きとなり、ファムによって投げ飛ばされたウイングスラッシャーが回転しながらタイガの背中を斬りつけた。背中に手痛い一撃を受けたタイガの隙を逃さず、ゾルダはすかさず3発目の砲弾を発射してタイガを大きく吹き飛ばした。

 

「はぁっ!!」

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

吹き飛ばされたタイガはデストクローを手離してしまい、素手の状態で地面を転がされる。その間にファムとゾルダが並び立ち、タイガはうつ伏せの状態から2人を睨みつける。

 

「き、貴様等ァ……ッ!!」

 

「まだ来るか……!」

 

「待って」

 

立ち上がろうとするタイガにマグナバイザーを向けるゾルダ。しかしブランバイザーを左腰の鞘に納めたファムがゾルダのマグナバイザーを降ろさせ、タイガの方を見据えながら静かに告げる。

 

「アンタ言ってたね。クズはどこまで行こうとクズのままだって」

 

「ッ……それがどうしたァ……!!」

 

「……そうだね、アンタの通りなのかもしれない。人間、変わろうと思ったところで簡単には変われないのかもしれない。実際、死んでも懲りずに戦いを楽しんでいた奴(・・・・・・・・・・)と、アタシはこの手で戦ってきた」

 

「……ッ!?」

 

ファムが告げた言葉にゾルダが反応する中、「でも」とファムは続けて言い放った。

 

「最低な人間だったアタシでも……今は誰かの為に戦いたいって、心からそう思ってる……! アタシ1人だけならこうはならなかった……支えてくれる仲間がいたから、アタシはそう思えるようになった!」

 

「何ィ……!!」

 

「すぐには変われないかもしれないけど、それは変わらなくて良い理由にはならない……! 人は変われる……誰かの身勝手な都合で、それを邪魔しちゃいけないんだ!!」

 

「……!」

 

仲間がいれば人は変われる。自分はそれで変わる事ができた。だからこそ自信を持って言う事ができたファムのその言葉は、彼女の隣に立っていたゾルダの心にも強く響いていた。しかし……彼女が告げたその言葉は、タイガの心にまでは響いていなかった。

 

「何を言い出すかと思えば、馬鹿な事をペラペラと……!!」

 

フラフラながらも立ち上がり、デストバイザーを両手で構え直すタイガ。それを見たファムとゾルダが素早く武器に手をかけ、再び静かな緊張が走った……が、その緊張もすぐに収まる事となる。

 

「ッ……くそ、こんな時に……!!」

 

「「!」」

 

デストバイザーを振り上げようとしたタイガは、自身の両手が粒子化し始めている事に気付いた。タイガは2人にも聞こえるくらいの声で舌打ちした後、立ち去る前に2人をチラリと見てから、悔しげな様子でその場から走り去って行く。

 

「ふぅ……あぁ~疲れたぁ!」

 

「……あの」

 

緊張が解けたファムは脱力してその場に座り込み、大きく息を吐きながら心身をリラックスさせる。一方でゾルダはその場に立ち尽くしたまま、彼女に静かな声で語りかけた。

 

「ん、何?」

 

「さっき言っていた、君が戦ってきた相手……それってまさか……」

 

「……あぁ、その事か」

 

もしや、あの男(・・・)もこの世界に来ていたのだろうか。そんな疑問に駆られたゾルダに、ファムはその場に座り込んだまま静かに返した。

 

アイツ(・・・)はもう死んでるよ。捕まえて牢屋行きにする事はできなかったけど……少なくとも、過去に決着をつける事はできた。だから」

 

ファムはゾルダの方を見上げながら語る。その穏やかな口調にはもう、昨日までの苛立ちはなかった。

 

「アタシはもう大丈夫。アンタもさ、これからは誰かと一緒に前を向きながら歩いて行きなよ。もしそれでも難しそうだったら、アタシもアンタの事を支えてやるから」

 

「……はい」

 

頷きながら小さく告げたゾルダの返事。それを聞いて、彼が確かに自身の言葉を聞き入れたと判断したファムは、仮面の下でにこやかに笑いながらその場から立ち上がった……その時だった。

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォォォン……

 

 

 

 

 

 

「「……ッ!!」」

 

遠くから聞こえて来た大きな爆発音。それを聞いたファムとゾルダはすぐに表情が切り替わり、それぞれの武器を再び手に取った。

 

「今の音は……!!」

 

「近くで誰かが戦ってる……行こう!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『『『『『ギギギッ!!』』』』』

 

「えやぁっ!!」

 

「うぉら!!」

 

「ハァァァァァァァァッ!!」

 

場所は再び繁華街中心部。4人のライダーの戦いはまだ続いていた。イーラ、アイズ、ライアサバイブの3人が全線に出てトルパネラ達を倒していく中、離れた位置からトルパネラ・クイーンを狙撃しようとしていたホロだが、それを護衛するトルパネラ・シールドのせいで悉く防がれてしまっていた。

 

「むぅ、守りの固い連中め……ぬっ!?」

 

『ギシャシャ!!』

 

更には不意打ち気味に接近して来たトルパネラの攻撃で、ホロは構えていたディノライフルを弾き落とされてしまった。しかしホロは決して慌てず、蹴りかかって来たトルパネラの足を掴んでからトルパネラの下半身にも腕を回し、掬い投げの要領で地面に叩きつけてからディノバイザーの刃先を突き刺す。そして突き刺した状態からディノバイザーの装填口を開き、そこにカードを装填した。

 

≪STRIKE VENT≫

 

「消え失せよ……ヌゥンッ!!!」

 

『『『ギギャアァァァァァァァァッ!?』』』

 

電子音と共に、ホロの右腕にはディノスナイパーの頭部を模した手甲―――“ディノクロー”が装備される。それを構えたホロはディノバイザーで刺されたまま足元で暴れているトルパネラを踏んで黙らせた後、突き出したディノクローから放たれた衝撃波で数体のトルパネラを吹き飛ばす。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「どぉらぁっ!!」

 

『『『ギギィ!?』』』

 

その一方で、アイズは左腕に装備したディスシューターから糸を放出し、捕縛した数体のトルパネラ達をディスサーベルで纏めて貫いてから爆散させていた。そこから続けて他のトルパネラ達にも同じ戦法で攻撃を仕掛けようとするアイズだったが……

 

『フフフフフ……ハァァァァァァッ!!』

 

「な……ぐ、ごはっ!?」

 

遂に女王は動き出した。手下のトルパネラ達を押し退けながら前に出て来たトルパネラ・クイーンは、振り向こうとしたアイズの顔面を右手で殴りつけ、怯んだ彼の腹部に容赦なく錫杖を叩きつける。いきなり群れのボスが出陣して来た事に驚いたアイズは、上手く防御できずそのまま蹴り倒されてしまう。

 

「!? ウェイブさん……はぁ!!」

 

『フッ……ハァッ!!』

 

アイズが攻撃された事に気付いたイーラはすぐに駆け出し、アイズ目掛けて振り下ろされようとしていた錫杖をデモンシールドで防御。そこからデモンセイバーで斬りかかろうとする彼女だったが、トルパネラ・クイーンは錫杖を使ってイーラが繰り出す斬撃を的確に受け流し、逆にイーラの背中に錫杖を振り下ろした。

 

「くっ……うあぁ!?」

 

「イヴちゃん!! くそ……!!」

 

『フンッ!!』

 

「!? おいおいマジかよ……うぉわっ!?」

 

トルパネラ・クイーンの動きを封じるべく、アイズはディスシューターの糸をトルパネラ・クイーンの全身に巻きつかせる。しかしトルパネラ・クイーンは巻きついた糸を力ずくで引き千切り、そのままアイズの胸部装甲を錫杖で攻撃した後、続けてイーラの手元からデモンシールドを弾き落とす。

 

『ハアァッ!!』

 

「「うあぁぁぁぁぁっ!?」」

 

トルパネラ・クイーンが錫杖を真横に振るい、イーラとアイズはその一撃で纏めて薙ぎ払われてしまった。地面に倒れた2人を見下ろしながら、トルパネラ・クイーンは余裕そうに微笑みながら近付いて行く。

 

「くっそ、やってくれるじゃんかよ……ッ!!」

 

「ッ……強、過ぎる……!!」

 

『ウフフ、フフフフフフフフ……!!』

 

「!? 待て!!」

 

そこにトルパネラ・シールドを押し退けたライアサバイブが駆け出し、それに気付いたトルパネラ・クイーンは振るわれて来たエビルバイザーツバイを錫杖で受け止める。そこからライアサバイブとトルパネラ・クイーンの戦闘が始まったその近くでは、ディノクローの衝撃波でトルパネラを吹き飛ばしていたホロの身に異変が起こった。

 

「!? ぬ、ぐぅ……ッ!!」

 

いくらライダーに変身していると言っても、やはり老体は老体。イーラ同様に体力が長続きしなかったホロは、痛む胸元を押さえながらその場で膝を突き、そこに2体のトルパネラが飛び掛かろうとする。

 

『ギギギギギッ!!』

 

「ッ……お爺さん、危ない……!!」

 

イーラが叫びながら向かおうとするが、彼女も既に長時間の戦闘で体力をかなり消費しており、体がフラつきかけていた。そのせいでホロへの救援が間に合わず、そのままトルパネラ達がホロを攻撃しようとしたその時……

 

 

 

 

 

 

≪SHOOT VENT≫

 

 

 

 

 

 

ズドンズドォンッ!!

 

『『グギャアッ!?』』

 

「む……!?」

 

別方向から飛んで来た2発の強力なビーム光線が、ホロに飛びかかろうとしていたトルパネラ達を2体同時に吹き飛ばし、空中で爆散させた。身構えていたホロはそれを見て目を見開き、イーラはそのビーム光線に見覚えがあった。

 

「! 今のは……」

 

「……ハァッ!!」

 

振り向いたイーラの視界に映ったのは、両肩にギガキャノンを装備したゾルダの姿だった。ゾルダはギガキャノンから連続でビーム光線を発射してトルパネラを片っ端から爆殺していき、間近まで接近して来たトルパネラに対してはマグナバイザーの銃撃で1体ずつ確実に蹴散らしていく。

 

「えいやぁっ!!」

 

『グゥッ!?』

 

「!! 夏希……!!」

 

「海之、お待たせ!!」

 

そしてライアサバイブと交戦中だったトルパネラ・クイーンには、突っ込んで来たファムサバイブが引き抜いたブランセイバーで斬りかかる。ブランセイバーの斬撃で怯んだトルパネラ・クイーンをライアサバイブが蹴りつけ、ライアサバイブとファムサバイブが並び立つ。

 

「連絡が付かなかったな。今までどうしてたんだ?」

 

「あぁ~ごめん。ちょっと色々あってさ」

 

「まぁ良い、来たからには手を貸して貰うぞ……!!」

 

「ん、OK!! はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ライアサバイブとファムサバイブは同時に駆け出し、トルパネラ・クイーンに挑みかかって行く。そうはさせまいとトルパネラ・シールドが立ち塞がろうとしたが、横方向から伸びて来た1本の糸が、盾を構えていたトルパネラ・シールドの右腕に巻きついた。

 

「おいおい、お前の相手は俺達だよ……っとぉ!!」

 

「ハァ、ハァ……やあぁ!!」

 

『グギァッ!?』

 

アイズが放出した糸でトルパネラ・シールドが引き寄せられ、そこにイーラがデモンセイバーを振るい強烈な斬撃を炸裂させる。その衝撃で盾を手離してしまったトルパネラ・シールドが地面に落ち、そこにアイズがすかさず糸を巻きつけ厳重に拘束した。

 

『グ、ギギィ……!?』

 

「もう何もさせねぇよ……よいしょお!!」

 

≪FINAL VENT≫

 

「はっ!!」

 

アイズが捕縛したトルパネラ・シールドを振り回し、真上に高く放り投げる。それを見たイーラはファイナルベントを発動し、すぐさま駆けつけて来たデモンホワイターの角で空中に高く跳躍する。

 

「ッ……でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

『ギギャアァァァァァァァッ!?』

 

そしてイーラが空中でサマーソルトキックを繰り出し、空中のトルパネラ・シールドを地上目掛けて蹴り飛ばす。ラースインパクトを喰らったトルパネラ・シールドは地上に撃墜された後、その近くにいたトルパネラ達も巻き添えにする形で大爆発を引き起こし、跡形もなく消滅してしまった。

 

「ッ……はぁ、はぁ……!」

 

「ふぃ~、何とかなったぜ」

 

着地したイーラが膝を突いて呼吸を整えている間、トルパネラ・シールドの撃破を確認したアイズは近くでトルパネラ達を殲滅していたゾルダの傍まで駆け寄り、彼の背中を軽く叩きながら呼びかける事にした。

 

「あぁそうだ。お宅、今まで一体どこで何してたのさ? お宅んとこのお嬢様が心配してたぜ?」

 

「……すいません。ちょっと、色々ありました」

 

「うん? なんかよくわかんないけど、まぁ良いや……それで秘書さんや。この数、何とかなりそう?」

 

「……はい。何とか」

 

最初に比べればだいぶ数が減ってきているトルパネラの大群だが、トルパネラ・クイーンがまだ生き延びているのもあってか、その勢いは未だ衰えずにいる。このキリがない状況を打破する事……それができる方法を持っていたゾルダは、その為に必要なカードを引き抜こうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「はぁっ!!」」

 

『グゥッ……ハァァァァァァァァァッ!!』

 

護衛役がいなくなってもなお、その猛攻は未だ続いていたトルパネラ・クイーン。ライアサバイブとファムサバイブを同時に相手取り、2人の攻撃でダメージを受けながらも、決して倒れず食い下がろうとしていた。

 

「ッ……しぶといなコイツ!?」

 

「せめて、一瞬でも隙ができれば……!!」

 

サバイブ形態である2人からすれば、相手の攻撃はそれほど脅威ではない。しかしトルパネラ・クイーン自身が優れた技量の持ち主だからか、2人の攻撃を何とか捌き、自分が受けるダメージを軽減している。このままではジリ貧になってしまう……2人が考えた時だった。

 

ズキュウゥンッ!!

 

『グッ……!?』

 

「「!! はぁっ!!」」

 

『ク、アァッ!?』

 

1発の銃声が鳴り響き、トルパネラ・クイーンが振り上げようとしていた錫杖が遠くまで弾き飛ばされた。それを見た2人は手持ちの武器を失ったトルパネラ・クイーンを斬りつけて後退させた後、振り向いた先でディノバイザーの銃口を向けているホロの姿を目撃した。

 

「山岡殿……!!」

 

「え、誰?」

 

「フッフ、護衛がいなくなったおかげでやっと当たったわい……!!」

 

護衛役のトルパネラ・シールドがいなくなった事で、ようやくトルパネラ・クイーンに弾丸を命中させる事ができたホロ。彼のおかげでトルパネラ・クイーンは武器を失っており、ライアサバイブとファムサバイブはその隙を逃すまいとカードを装填する。

 

≪SHOOT VENT≫

 

『!? グゥッ!?』

 

「決めろ、夏希!!」

 

「OK!!」

 

≪SWORD VENT≫

 

『グ……ギャアァァァァァァァァァァァァッ!!?』

 

エビルバイザーツバイから放たれた矢が、トルパネラ・クイーンの胸部に命中。そこに接近したファムサバイブが燃えるブランセイバーで×字に斬りつけたのがトドメとなり、遂にトルパネラ・クイーンは断末魔と共にその場で爆散してしまった。そして女王アリがいなくなった事により、残っていたトルパネラ達にも変化が起こった。

 

『『『ッ……ギ、ギギ……ギィ……!?』』』

 

「! 動きが、乱れてる……?」

 

群れのボスであるトルパネラ・クイーンが倒された事で、統率を失ったトルパネラ達は一斉に動揺し、動きが次々と乱れ始めた。それを見たゾルダはチャンスと言わんばかりにマグナバイザーの装填口を開き、そこに先程引き抜いたカードを装填した。

 

「俺が一掃します……!!」

 

≪FINAL VENT≫

 

『グォォォォォン……!!』

 

鳴り響くファイナルベントの電子音。ゾルダの目の前では地面から出て来たマグナギガが仁王立ちし、ゾルダはマグナギガの背部にマグナバイザーの銃口を接続する。するとマグナギガが両腕の大砲を上げた後、頭部の砲口、両足の光線砲、胸部装甲のミサイル砲を一斉に展開し始めた。

 

「!? 全員下がれ!!」

 

「へ? ちょ、うわたたたた!?」

 

「む、いかん……!!」

 

「さて、俺達も下がるぜイヴちゃん!!」

 

「え、何……!?」

 

それに気付いたライアサバイブが大声で叫び、それと共に他のライダー達は一斉にゾルダとマグナギガの後方まで下がり始める。アイズやホロも大急ぎで後ろに下がる中、唯一ゾルダのファイナルベントを知らないイーラは困惑しながらもアイズに引っ張られて下がっていく。

 

『グオォォォォォォ……』

 

マグナギガが展開した砲台が全て、同時にエネルギーを収束させていく。何体かのトルパネラ達がそれに気付いたものの、既に統率が失われていたその群れには、それを防ぐ術は存在していなかった。

 

「フッ!!」

 

マグナギガのエネルギー収束が完了される。そしてゾルダの指がマグナバイザーのトリガーを引いた次の瞬間……遂にそれ(・・)は始まった。

 

ドガガガガガガガガガガガガガガガ!! 

 

バキュンバキュンバキュンッ!!

 

ドゥンッドゥンッドゥンッドゥンッ!!

 

マグナギガの全身の砲台から、一斉に弾丸やレーザー、ミサイルなどが発射され始めた。その無数の砲撃は前方にいるトルパネラ達に向かって放たれて行き、砲撃を受けたトルパネラが次々と粉砕されていく。

 

『『『『『グギ、ギ……ッ……ギシャアァァァァァァァァァァァッ!!?』』』』』

 

 

 

 

 

 

ズドォォォォォォォォォォンッ!!!

 

 

 

 

 

 

そして発生する大爆発。とてつもない爆音と共に広がっていくその爆風は、トルパネラ達だけでなく周囲の建物まで木っ端微塵に破壊していき、あっという間に繁華街が跡形もなく消し飛ばされてしまった。マグナギガの巨体でゾルダが爆風から身を守っている中、退避した他のライダー達はその凄まじい破壊力に圧倒されていた。

 

「うっわ、本当に何だよあの火力……!」

 

「……あんなのに俺はかつて巻き込まれていたのか」

 

「あ~あ、お店がほとんど消し飛んじゃってら」

 

「いつ見てもあの火力は馬鹿げとるのぉ……」

 

「ッ……す、凄い……!!」

 

各々が感想を述べている間に、マグナギガの一斉掃射は完了したらしい。爆風が収まったそこには、もはやそこが繁華街だったとは思えないほどにまで何もかも破壊されており、辺り一面が焼け野原と化してしまっていた。

 

「……フッ」

 

ゾルダが発動したファイナルベント……その名は“エンドオブワールド”。

 

その名の通り世界の終わり(・・・・・・)をもたらすかのような圧倒的大火力を前に、トルパネラの大群は完全に殲滅されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後……

 

 

 

 

 

「―――じゃあ、今日はもう帰るの?」

 

「これ以上、待たせる訳にはいかないので」

 

ライダー達は無事にミラーワールドから脱出し、現実世界に帰還していた。その中で、夏希は吾郎と共に同じ鏡面から抜け出して来たのだが、吾郎の通信端末にはヴィクターからの物と思われる不在着信がいくつも存在していた為、今から屋敷に戻らなければならなくなった。

 

「それじゃあさ、また今度2人でゆっくり話でもしようよ。よくよく考えてみたらアタシ達、まだお互いの事を詳しく知らない訳だしさ」

 

「はい。それじゃ、俺はこれで……」

 

「あ、ちょっと待った」

 

屋敷に戻ろうとする吾郎を、夏希が呼び止める。何だろうかと振り返った吾郎に、夏希は聞き忘れていた事を聞いておく事にした。

 

「そういえばまだ、お互い自己紹介してなかったのを思い出してさ。アタシは白鳥夏希。アンタは?」

 

「……吾郎。由良吾郎です」

 

「ふぅん、そっか……じゃあもう1つだけ。北岡の奴からはなんて呼ばれてたんだ?」

 

「……先生からは『吾郎ちゃん』と呼ばれてました」

 

「へぇ? なるほど、吾郎ちゃん……ねぇ」

 

吾郎ちゃん。その呼び方を知った夏希はニヤリと面白そうに笑みを浮かべ、吾郎はその笑顔に少し困惑する。

 

「じゃ、アタシも今からアンタの事は吾郎ちゃんって呼ぶから。良いでしょ?」

 

「……それは、別に構いませんが」

 

「じゃあ吾郎ちゃんで。それじゃ吾郎ちゃん、また今度ね!」

 

夏希はニヤニヤ笑いながらそう告げた後、クルリと背を向けてちゃっちゃと走り去って行ってしまった。その場に残った吾郎はしばらく呆然としながら、走り去って行く彼女の後ろ姿を見届けていた。

 

 

 

 

 

 

『アンタもさ、これからは誰かと一緒に前を向きながら歩いて行きなよ』

 

 

 

 

 

 

『もしそれでも難しそうだったら、アタシもアンタの事を支えてやるから』

 

 

 

 

 

 

この世界で会ってから、まだそんなに時間は経過していないのに。

 

過去の一件から、あれだけ自分達を憎んでいた筈なのに。

 

気付けばこんなにも、彼女との距離は縮んでしまっていた。

 

この短い時間の中で、彼女と自分は大きな繋がりを得たような気がしていた。

 

(……不思議な子だ)

 

次に会う時は、彼女の為に美味い料理をご馳走してあげよう。せっかくだから、あの人からレシピを教わったアレでも作ってみようか。

 

そんな事を考えながら、吾郎は自身の帰りを待っている主の元へと帰って行く。その時の彼は、普段の寡黙でどこか不気味な印象のある表情ではなく、どこか憑き物の落ちた晴れやかな表情に変わっていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日の夜……

 

 

 

 

 

「―――クソォッ!!!」

 

ガシャンという音と共に、ゴミ箱が倒される音が鳴り響く。散乱したゴミになど目も暮れず、ボロボロの椎名は壁伝いに歩きながらも、悔しそうな表情を浮かべながらビルの壁に拳を叩きつけていた。

 

(ふざけるな……何でこの僕が、あんな奴等なんかに……ッ!!)

 

夏希と吾郎との戦いに負け、手痛い目に遭わされてしまった椎名。今の彼は傷を負った事よりも。戦いに負けた事よりも。夏希から投げかけられた台詞に対して、何よりも苛立ちを隠せずにいた。

 

 

 

 

『すぐには変われないかもしれないけど、それは変わらなくて良い理由にはならない……!』

 

 

 

 

『人は変われる……誰かの身勝手な都合で、それを邪魔しちゃいけないんだ!!』

 

 

 

 

「何が変われるだ……何が身勝手な都合だ……何が邪魔しちゃいけないだ……!!」

 

この僕が、あんなクズに諭されるなんて。

 

まるで自分が悪いみたいじゃないか。

 

ふざけるなよクズな犯罪者め。

 

僕は悪を断罪しなければならないんだ。

 

あんな奴等に負けるような事があっちゃならないんだ。

 

僕は街の平和を守らなければならないんだ。

 

 

 

 

 

 

街の平和を守る……“英雄(ヒーロー)”でなければならないんだ!!!

 

 

 

 

 

 

「ッ……クッソォォォォォォォォォォォォォ!!!!!」

 

先程倒れたゴミ箱を蹴りつけ、更にゴミが周囲に散乱していく。それでも椎名は何度もゴミ箱を蹴りつけ、やり場のない怒りを抑え切れず大声で叫び声を上げる事しかできなかった。そんな彼の様子を、街路樹の陰から黒いローブの女性は覗き込んでいた。

 

「あ~あ、あんなに当たり散らしちゃって。見た目は結構イケてるのに、中身があんなんじゃ台無しね」

 

黒いローブの女性は呆れた様子で首を振ってから、懐から取り出した通信端末である人物に連絡を取る。そして通信端末から聞こえて来た人物の声に、黒いローブの女性は微笑みながら応じたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えぇ、今のところ問題はなしよ。そっちの方はどうかしら? 鋭介」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな現在から、時は遡る。

 

 

 

 

 

 

それはヴィヴィオ達が異世界旅行に出かける数十分前の出来事……

 

 

 

 

 

 

「じゃあ、それで人数は確定したのね」

 

『はい。この4日間お世話になります、メガーヌさん!』

 

「いえいえ。じゃ、待ってるわねぇ~♪」

 

無人世界カルナージ、ホテル・アルピーノ。そのホテル内の厨房で料理をしていた紫髪の女性―――メガーヌ・アルピーノは、これから4日間ホテルに滞在する事となるなのは達と連絡を取り合っているところだった。そう、このカルナージこそがヴィヴィオ達が向かおうとしている旅行先なのだ。

 

そして今、ホテル外の草原の中、1人の少女は佇んでいた。

 

「ふふ、うふふ、うふふふふふふふ……ねぇガリュー。私、自分の才能がちょっと怖いかも」

 

少女のすぐ傍に控えていたのは、彼女の召喚獣であるガリュー。ガリューは言語を発しない生物の為、返事らしい返事が返って来る事はないのだが、そんな事はどうでも良いと言わんばかりにこの少女―――ルーテシア・アルピーノは上機嫌だった。

 

「そう、何といっても……今回のおもてなしは過去最高!!」

 

「レイヤー建造物で組んだ訓練場は、主に陸戦魔導師の練習に!!」

 

「私とガリューの手作りアスレチックフィールドは皆のフィジカルトレーニングに最適!!」

 

「我が家の横に建築した宿泊ロッジも、内外共にパワーアップ!! 設計はもちろん私!!」

 

「掘ったら偶然出て来た天然温泉も、癒しの空間にノリノリで改造!!」

 

「完璧……実に完璧!!」

 

「元六課の皆さんも、ヴィヴィオ達も!!」

 

「我が家にどーんと、おいでませぇーッ!!!」

 

……かつての寡黙で大人しかった彼女はどこへやら。現在のルーテシアは悪ノリもできるくらい非常に感情豊かで明るい少女に変貌していた。その明るさは色々な意味でぶっ飛んでおり、今も彼女はこうして自宅の屋根に上がっては勇ましい笑い声を上げているほど。しかもこの4年もの時を経てからというもの、嘱託魔導師、競技選手、設計技師、研究者など、様々な分野でマルチな才能を発揮していっている始末である。一体、何が彼女をここまで変えたのだろうか。

 

「ルーちゃ~ん、スープの味見手伝って~♪」

 

「は~い、ママ~♡」

 

そんなルーテシアも、家族に対して超甘えん坊な一面は相変わらずのようだ。メガーヌの調理を手伝う為、ルーテシアは鼻歌を歌いながらルンルン気分で屋根を降り、家の中に戻って行く彼女の後ろにガリューが続いていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして彼女が家の中に戻る少し前……

 

「あ、またルーちゃんが笑ってる」

 

ホテルから少し離れた場所のとある森では、1人の青年が森の木々に生えている木の実を採っている真っ最中だった。

 

「ここまで聞こえて来るって事は、またテンション上がって屋根の上に登ったのかな。ルーちゃんあんなに自信ありそうだったもんね」

 

青年は遠くからハッキリ聞こえて来たルーテシアの笑い声に苦笑しながらも、採れた木の実でいっぱいになった籠を背負い、ホテルまで移動を開始する。木の実の量が多い故に運ぶのは相当大変なようだが、それでも青年―――斉藤雄一はげんなりするどころか、その表情はむしろ楽しそうであった。

 

「さて。今回はヴィヴィオちゃん達が4日間滞在する訳だし、目いっぱい歓迎してあげなくちゃ。これからまた忙しくなるぞ……!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッドではライダー達が戦いで忙しい一方。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらカルナージでは、ほのぼのとした4日間が始まろうとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎ViVid!


メガーヌ&ルーテシア「「ホテル・アルピーノへようこそ~♪」」

一同「「「「「お世話になりまーす!」」」」」

ノーヴェ「どうだい。ちょっと面白い経験だろ?」

アインハルト「えっと、あなたは……?」

雄一「俺は斉藤雄一。よろしくね、アインハルトちゃん」


戦わなければ生き残れない!
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