デンライナーを修理したおじさん只者じゃねぇ……!!
・ジオウ劇場版
詩島剛、クリム・スタインベルト、まさかの客演!!
あらすじ見た感じ、めっちゃ重要なポジションやんけ……果たしてどうなる事やら。
さて、今回は第27話を更新。
今回はあの謎の殺人鬼ライダーの詳細が判明します。
それではどうぞ。
戦闘挿入歌:果てなき希望(※)
※イーラ達の戦闘シーンで流してみて下さい。
イヴ達の前に現れた謎のガジェットドローン。
ガジェットドローンとの戦闘後、突然倒れてしまったイヴは屋敷まで運ばれる。
その件について、ヴィクター達から連絡を受けたウェイブもまた、すぐに屋敷まで急行する事となった。
「イヴちゃんが倒れた……!? 一体何があったのさ」
「はい。あの妙な機械を見た途端に突然……」
屋敷の一室。謎の頭痛に襲われ倒れてしまったイヴは現在、ベッドで安静にした状態で眠りについていた。ヴィクターが水に濡らしたタオルでイヴの額の汗を拭き取っている中、到着したウェイブは吾郎とエドガーからイヴがこうなった経緯の説明を受けていた。
「あの機械兵器ですが、恐らくガジェットドローンで間違いないかと」
「……ここ最近、ミッドのあっちこっちでテロ起こしまくってるポンコツ共か」
4年前、ジェイル・スカリエッティが開発と量産を行い、ミッドで暴れに暴れたガジェットドローン。それが今でもミッドのあちこちでテロを発生させている。噂では軌道拘置所から脱獄したスカリエッティが首謀者ではないかという噂も流れているくらいだが、現時点で詳細は全くわかっていない。
「そのポンコツ共はどうしたの?」
「俺達で破壊しました。相手は2体しかいなかったので」
「尤も、奴等のせいでリムジンが1台ほど大破してしまいましたが……」
「そりゃドンマイな話だね……なるほど、あのポンコツ共がねぇ」
破壊したガジェットドローンの残骸の中から、吾郎が回収した『J・S』の名前が刻まれたプレート。恐らくだが、これはジェイル・スカリエッティの名前のイニシャルではないかとウェイブは推測する。
(わざわざ自分の名前を兵器のボディに刻み込むとは、犯罪者ってのはよくわからん生き物だ……)
こんなに自己顕示欲の強い犯罪者も、今時珍しいものだ。吾郎から手渡されたプレートを手に取って眺めながら、ウェイブがそんな事を考えていた時だった。
「ッ……う、ぅん……」
「! イヴ、大丈夫ですの……?」
意識を失っていたイヴが目を覚まし、ベッドから体を起き上がらせた。まだ意識が若干朦朧としているのか、フラフラなところをヴィクターが両手で支える。
「よっ。大変だったようだね、イヴちゃん」
「ッ……ウェイブ、さん……?」
「お嬢様達から話は聞いてるよ。急に倒れるなんて、一体どうしたのさ?」
「……わからない」
少しずつ意識がハッキリしてきたイヴだったが、ウェイブから投げかけられた質問には何も答えられない。ただ首を横に振るだけだった。
「アレを、見た時……急に、頭が、痛くなって……」
「それで、気付いたら意識を失っていたと」
「うん……でも」
それでも1つだけ、イヴは覚えている事があった。
「あの時……誰かの、声が、聞こえて来たの」
「! 声……?」
「そう……誰かが、私に……
「逃げろ……?」
それは気絶する直前、イヴの頭の中に聞こえて来た謎の声。その一言だけは、意識を取り戻した今でもしっかり覚えていた。
「イヴ、その声の人物の性別はわかるかしら?」
「たぶん……男の、人……だと思う」
「男か……覚えているのはそれだけ? 他には何か覚えてない?」
「……ごめん、なさい。他は、何も……」
「そっか……いや、充分さね。それがわかっただけでも」
何にせよ、また1つ新しい情報は入手できた。イヴにカードデッキを渡したという謎のライダー。イヴの頭の中に聞こえて来た謎の男の声。少しずつではあるが、イヴの過去に関する情報は増えていきつつあった。
「OK、わかった。イヴちゃんはそのまましばらく休んでなよ。もしモンスターが出た時は、必ず秘書さんと一緒に行動する事。守れるな?」
「うん……わかった」
「どの道、わかっていようがなかろうが監視は付くけどね。そんじゃお嬢様方、イヴちゃんが1人で勝手に動かないようにキッチリ見張っといてね」
「当然ですわ。今回の件がなくたって、普段から危なっかしくて目が離せませんもの」
「ま、それもそっか。じゃあそういう訳でよろしくねぇ~」
イヴの面倒はヴィクター達に任せ、屋敷から去って行くウェイブ。そんな彼の表情はあまり優れた物ではなかった。
(やれやれ。さっきまでは良い気分でいられたのに、また面倒事が舞い込んじゃってさぁ……)
屋敷にやって来る前、彼はギンガと一緒にいた。彼女の写真を撮る事ができて彼は上機嫌だったのだが、そこに新たな面倒事が舞い込んで来た事で、彼は再びブルーな気分にさせられていた。
「ま、グチグチ言っても仕方ないしなぁ……そろそろ切り替えないと」
とにかく、早くイヴの正体に辿り着きたいところ。屋敷の門が閉じる音が鳴り響く中、すぐに思考を切り替えたウェイブは少しばかり速足で移動し、街の方へと向かって行くのだった。
場所は変わり、とある定食屋……
「じゃあ、その蜘蛛のライダーとまた会えたんだね」
「そういう事になる」
この日の仕事が休みだった手塚は、同じく休暇だったユーノを昼食に誘い、定食屋で昼食を取っていた。手塚は鯖味噌定食、ユーノは唐揚げ定食を注文し、食べ終えた2人は口直しとして注文したシャーベットをスプーンで掬って食べながら、手塚が再び出会ったアイズの件で会話が続いていた。
「でも、どうしてそのライダーはそんなにも正体を隠そうとするんだろう。一緒に戦ってくれたのに」
「……恐らく、奴にも事情があるんだろう」
なお、アイズの正体がウェイブである事は、手塚もユーノにはまだ話していない。ウェイブからまだ誰にも話さないよう頼まれた手塚は、その約束を律儀に守っていた。
「ギンガも残念そうにしていた。俺も奴に恩はあるが……無理に正体を探ろうとするのも得策とは言えない。今は向こうから正体を明かしてくれるのを待つしかない」
「海之達と同じ人を守ってるんだったら、一緒に戦って欲しいとは思うけどなぁ。ガジェットドローンのテロと言い、脱獄した囚人と言い、ここ最近は物騒な事件が色々起きてるし」
「それは俺も同じだ。こんなにもたくさん事件が起こっていては、ヴィヴィオ達も安心してストライクアーツの練習ができない」
2人はスプーンで掬ったシャーベットを口に入れ、口の中に広がる冷たさと、さっぱりとした爽やかな味わいを堪能する。そんなシャーベットの味わいも、あまり暗い話ばかりしていると台無しになると思ったのか、ここでユーノは話題を切り替える事にした。
「そういえば海之。あれからヴィヴィオ達の様子はどう? 確か今日の夕方ぐらいには帰って来るって聞いてるけど」
「昨日の夜、ハラオウンと話をしてな。皆で楽しくやれているらしい」
「そっか。それなら良かった」
「彼女から写真も送られて来ている」
手塚は自分の通信端末を取り出し、フェイトから送られて来た写真を画面に写し出す。そこにはヴィヴィオ達が水遊びをしている姿や、バリアジャケット姿で格闘技の練習をしている姿、更には皆でピクニックをしている姿などがあった。ヴィヴィオ達が見せている明るい笑顔に、写真を見たユーノもほっこりした。
「本当だ、皆楽しそうだね」
「あぁ。雄一やアルピーノ達も、何事もなく平和に過ごせているらしい」
「でも、本当に良かったの? 海之も一緒に行かなくて。一度くらいは旅行に行ってみても良いんじゃ……」
「無理だな。4日間もミッドから離れていたら、エビルダイバーが空腹になって怒る」
「あ、そっか……餌を与えないと契約が破棄にされちゃうんだっけ」
「それに、俺達の敵はモンスターだけじゃない。浅倉やインペラーのような、悪さをしているライダーも稀に見かけるからな」
モンスターとの契約がある以上、手塚と夏希はミッドチルダから離れる事ができない。それにミッドにはモンスターだけでなく、密かに悪さをしているライダーも未だに存在しているのだ。それらの事情もあって、ヴィヴィオ達のように異世界旅行を楽しんでいられる余裕は彼等にはない。
「元を辿れば、ミラーワールドに関連する事件は俺達の問題でもある。サボる訳にはいかない」
「でも海之。今回の旅行だって、ヴィヴィオはきっと、海之と一緒に行きたかった筈だよ」
「わかってるさ。わかってるからこそ……目の前の現状から、俺達は目を逸らせない。逸らす訳にはいかないんだ」
ヴィヴィオ達と一緒に旅行を楽しみたい。手塚も素直にそう思ってはいた。しかしそれでも、ヴィヴィオ達から笑顔を奪いかねない事件は解決していかなければならない。娘を大事に思っているからこそ、手塚はその意志がブレる訳にはいかなかった。
(……どうしよう、また暗い雰囲気になっちゃった)
せっかく暗い話題から離れようとしたのに、気付いたらまた暗い話題になってしまっていた。話題逸らしに失敗してしまったユーノは何を話すべきかと、食べ終わったシャーベットの皿をスプーンでカチンカチン鳴らしながら必死に思い悩んだ……その時。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」
「「……ッ!?」」
突如、店の外から聞こえて来た男性の悲鳴。たまたま店の入り口に近い席に座っていた為、その悲鳴を聞いた手塚とユーノはすぐに席から立ち上がり、店の外へ飛び出そうとした……が。
「っとと、会計しなきゃ……海之、先行ってて!!」
「すまない……ッ!!」
会計をユーノに任せ、手塚は一足先に店の外へ飛び出して悲鳴がしたと思われる場所へと走り出す。彼が辿り着いたのは、店から近い場所の路地裏にあるゴミ捨て場。そこではゴミ収集車でゴミ袋を回収しようとしていた作業員の男性が2人。1人は青ざめた表情で地べたに座り込み、もう1人は気分が悪そうに口元を押さえていた。
「どうかしましたか!?」
「あ、あ、あぁっ……あ、あれ……ッ!!」
座り込んでいた作業員の男性が、震えている手で目の前のゴミ捨て場を指差す。それを見てゴミ捨て場の方へと視線を向けた手塚は……ゴミ袋の山に埋もれている物を見て、戦慄した表情を浮かべる事となった。
「!? こ、これは……ッ!!」
場面は変わり、街に戻って来ていたウェイブはと言うと……
キィィィィィン……キィィィィィン……
「―――ッ!!」
響き渡る金切り音を聞き、すぐさま街中を駆け出しているところだった。彼が向かおうとしている先では、通行人の女性が店のショーウィンドウの前を通り過ぎようとしていた。
『キシャアッ!!』
「へ!? い、いや、何……きゃあぁぁぁぁぁぁっ!?」
「!? くそ……ッ!!」
悲鳴を聞いたウェイブが急いで駆けつけようとするも、あと一歩のところで間に合わず、女性はショーウィンドウから飛び出して来たゼノバイターに捕まって引き摺り込まれてしまった。女性を助けられなかったウェイブは悔しげに歯軋りしながらも、取り出したカードデッキをショーウィンドウに向かって突き出す。
「変身!!」
ベルトにカードデッキを装填し、ウェイブはアイズに変身してすぐにミラーワールドへと突入。突入した先で何かを食しているゼノバイターを発見。ゼノバイターの近くには、女性が履いていたと思われるハイヒールが片方だけ転がっていた。
「おらぁ!!」
『ギシャッ!?』
アイズはそのままライドシューターを走らせ、ゼノバイターに激突し大きく撥ね飛ばした。撥ね飛ばされたゼノバイターが街灯をへし折る勢いで広場まで吹き飛んで行き、停車したライドシューターから降りたアイズは1枚のカードを引き抜く。
「悪いが、お前の食事はそこまでだ」
≪BIND VENT≫
『ギシャアァァァ……!!』
カードをディスバイザーに装填し、アイズは上空から飛んで来たディスシューターを装備しようと、両腕を正面に伸ばす。しかし、その前に立ち上がったゼノバイターはどこからかブーメランを取り出し……
『シャッ!!』
ガキィンッ!!
「え……あっ!?」
投げられたゼノバイターのブーメランが、飛来するディスシューターを2つ同時に弾き飛ばしてしまった。弾かれたディスシューターはどちらもあらぬ方向に飛んで行ってしまい、邪魔されると思っていなかったアイズが狼狽する。
「おい、せめて武器くらい持たせろよ……どわっ!?」
『ギシャシャシャ!!』
その後、戻って来たブーメランがアイズの胸部を斬りつけ、そのままゼノバイターの右手がキャッチ。駆け出したゼノバイターはアイズに向かって斬りかかって来た。
「くそ、また面倒な武器を……!!」
『シャアッ!!』
「ぐぉあっ!?」
その時。ゼノバイターが振り下ろしたブーメランをかわしたアイズの背中を、また別のブーメランが回転しながら攻撃して来た。何事かとアイズが振り返った先では、戻って来たブーメランをキャッチするテラバイターの姿があった。
「げ、もう1体いやがんのかよ……!!」
『『ギシャアッ!!』』
ゼノバイターとテラバイターが同時に駆け出し、アイズに向かって斬りかかる。それを前転して回避したアイズはカードを装填しようとするが、連携して襲い掛かって来る2体の攻撃を捌くのが精一杯で、なかなかカードを装填するタイミングを見出せない。
(マズい、これじゃ反撃できねぇ……!!)
このままではいずれ追い詰められる。どうやって反撃のチャンスを掴み取るか、2体の攻撃をかわしながらアイズは頭の中で必死に考えるが……そのチャンスはすぐにやって来た。
ズガガガガァンッ!!
『『ギャシャアッ!?』』
「おっ?」
突如、ゼノバイターとテラバイターの背中から何発もの火花が飛び散った。2体が倒れる中、膝を突いていたアイズが振り向いた先からは、マグナバイザーを構えたゾルダ、そしてデモンバイザーを構えたイーラが走って駆けつけて来た。
「秘書さん、それにイヴちゃんも!?」
「ウェイブ、さん、大丈夫……?」
「いやそれこっちの台詞……って言いたいところだけど、取り敢えずサンキュー」
『『ギギ……ギシャ!?』』
駆け寄って来たイーラがアイズに手を差し伸べ、アイズもその手を掴んで立ち上がる。一方、すぐに立ち上がったゼノバイターとテラバイターも反撃に出ようとしたが、無言で構えているゾルダにマグナバイザーで銃撃され、その動きが止まってしまう。
「アイツ等の事は、任せて……!!」
≪SWORD VENT≫
『ッ……シャア!!』
デモンバイザーにカードを装填し、イーラは飛んで来たデモンセイバーをキャッチしようと右手を伸ばす。しかしそれを見たテラバイターがすかさずブーメランを投擲し、イーラがキャッチする前にデモンセイバーを別の方向に弾き飛ばしてしまった。
「あっ……!?」
「気を付けなよ、下手に武器を出すとアイツ等に弾かれちまう……!!」
「……なら、俺に任せて下さい」
≪SHOOT VENT≫
「いやいや秘書さん、俺の話聞いてた!?」
アイズの話を聞いたゾルダが、1枚のカードをマグナバイザーに装填。アイズが突っ込みを入れる中、ゼノバイターとテラバイターはどこからか飛んで来たギガランチャーをブーメランで弾き飛ばそうとしたが……
ガキキィンッ!!
『『シャッ!?』』
「……あぁ、そういや重いんだったねそれ」
ギガランチャー自体が元々大きくて重いからか、2体のブーメランでも弾き飛ばすのは不可能だったようだ。逆に弾かれたブーメランが壁と地面に突き刺さり、2体が驚いている間にゾルダはギガランチャーをキャッチし、構えたギガランチャーから砲弾を発射する。
「フンッ!!」
『『ギシャアッ!?』』
ギガランチャーの砲弾は2体を大きく吹き飛ばし、ゼノバイターは壁に激突し、テラバイターは地面を転がる。すると起き上がったテラバイターは分が悪いと判断したのか、クルリと背を向けて大きく跳躍。どこかに逃げ去ろうとする。
『シャッ!!』
「あ、逃げられちゃう……!?」
「アイツは俺が追いかける!! 秘書さん、イヴちゃんのサポートよろしく!!」
イーラとゾルダにゼノバイターの相手を任せ、アイズは先程弾かれた片方のディスシューターを拾い上げて右腕に装備。放出した糸を建物の壁に伸ばし、逃げたテラバイターの後を追いかけていく。
『ギシャ、ア……ギシッ!?』
「フッ……!!」
壁に激突したゼノバイターもフラフラな状態で逃げ出そうとしたが、ゾルダがギガランチャーの砲弾をゼノバイターの足元に被弾させ、爆発の衝撃でゼノバイターが転倒。その隙にイーラはデモンバイザーにカードを装填した。
「アイツは、私が、倒す……!!」
≪FINAL VENT≫
『ブルルルルル!!』
『ギシャッ!?』
猛スピードで走って来たデモンホワイターが、立ち上がろうとしているゼノバイターの胴体を角で貫き、そのまま上に大きく投げ飛ばす。そして駆け出したイーラもデモンホワイターの角を踏み台にして大きく跳躍し、ゼノバイターに向かってサマーソルトキックを炸裂させる。
「でやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
『シャアァァァァァァァッ!?』
イーラのラースインパクトが決まり、撃墜されたゼノバイターは地面に落下すると同時に爆散。イーラが地面に着地した後、爆炎の中から浮かび上がって来たエネルギー体をデモンホワイターが捕食して去って行く。
「はぁ、はぁ……」
「ッ……大丈夫ですか?」
地面に着地した後、イーラはその場でフラつきそうになり、ゾルダが慌てて駆け寄ろうとした。しかし彼が駆け寄る前に、イーラは右手で彼を制止させた。
「大、丈夫……まだ、何とか……!」
ヴィクター達の元で、彼女は
『ギ、ギシャア……ッ!!』
一方、イーラ達の元から逃走したテラバイターは現在、どこかの地下通路の中を移動していた。ギガランチャーの砲弾によるダメージが大きいのか、テラバイターはフラフラな状態であり、その足取りもかなり覚束ない物になっている。
そんな時だった。
ズバアァンッ!!!
『シャッ!?』
通路の曲がり角から突然伸びて来た、謎の鋸状の武器。それを胴体に受けたテラバイターが倒れる中、その鋸状の武器を構えた存在が曲がり角から姿を現した。
「見~つっけた♪ 見つけたぜぇ、化け物ちゃんよぉ……?」
赤黒いカラーリングをしたボディ。
後頭部に存在する背びれのような突起。
左腕に装備した鋸状の召喚機。
カードデッキに刻まれたノコギリエイのようなエンブレム。
ノコギリエイのような特徴を持ったその戦士―――“仮面ライダーリッパー”。その仮面のフェイスシールドは、
『ギ、ギギ……ッ!?』
「んん~? その姿……お前、もしかして
テラバイターの女性らしい体つきを見て、テラバイターがメスだと気付いたリッパー。するとその瞬間……彼は仮面の下でニヤリと笑みを浮かべた。
「メス、メスのモンスターかぁ……コイツは良いやぁ!!」
『シャアッ!?』
リッパーは左腕に装備したノコギリエイ型の鋸状の召喚機―――“
「さぁ、いっぱい
≪SWORD VENT≫
リッパーバイザーの装填口にカードを装填し、どこからか飛来したチェーンソーのような武器―――“エビルソー”がリッパーの右手に装備される。リッパーがそれを振り上げると共に、稼働したエビルソーの刃が回転し、ブンブン音を立て始めた。
『ギシャアァッ!?』
「おぉ!? 良いねぇ、もっとだ……お前の声、もっと俺に聞かせてくれぇ!!」
エビルソーで斬りつけられたテラバイターが苦しそうに呻き、その呻き声を聞いたリッパーは興奮した様子でエビルソーを何度も振り回す。それによりテラバイターの胴体が何度も斬りつけられ、斬りつけられた箇所が僅かに粒子化し始めるが、リッパーはお構いなしな様子で攻撃を続ける。
「あぁ、今の声良い!! もっと、もっとだ、もっといっぱい愛してあげるよぉっ!!!」
『ギ、シャガ、ガァ……ッ!?』
「良い、最高だぁ!!! ヒヒャハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
狂ったように笑いながら、リッパーはエビルソーを振るい何度もテラバイターを斬りつけていく。その様子を、テラバイターを追いかけて地下通路までやって来たアイズが目撃する。
「!? アレは……」
アイズはすかさず曲がり角に身を潜め、リッパー達が戦っている様子を覗き込む。しかしアイズがこの場にやって来た頃には、エビルソーで何度も攻撃されたテラバイターは既にボロボロの満身創痍だった。
『ギ、シャ……ァ……ッ』
「んん、どうしたぁ? もう限界かぁ? そっかぁ、じゃあ仕方ないなぁ……」
≪FINAL VENT≫
リッパーはどこかガッカリした様子で、リッパーバイザーにカードを装填。すると地下通路の壁が破壊され、そこからノコギリエイ型の怪物―――“エビルリッパー”が飛び出して来た。エビルリッパーの頭部からはチェーンソーのような長い吻が伸びており、鋭利な刃がブンブン音を立てながら回転している。
「仕方ないから……最後まで気持ち良く逝ってくれよなぁっ!!!」
『ギィ!?』
飛んで来たエビルリッパーに長い吻で斬りつけられ、テラバイターが転倒する。その間にリッパーはエビルリッパーの背中に飛び乗り、エビルソーを構えた状態でエビルリッパーごと一緒に回転し始めた。
「ヒィィィィィィィィ……ヒャッハァァァァァァァァァァァッ!!!」
『ブ、ギシャ……ギシャアァァァァァァァァッ!!?』
回転しながら突っ込んで来た1人と1体の必殺技―――“スピニングカッター”によってたかって何度も斬りつけられ、遂に限界を迎えたテラバイターがその場で爆散。爆炎と共に跡形もなく消滅してしまい、エビルリッパーから飛び降りたリッパーが着地した後、残ったエネルギー体をエビルリッパーが食してから飛び去って行く。
「あ、あぁ、気持ち良い……最高の気分だぁ……!!」
リッパーは震えていた。快感に身を震わせながら、エクスタシーを迎えていた。そんな彼の様子を、曲がり角から密かに覗き込んでいたアイズはと言うと……
「えぇ、何あれキショい……」
普通にドン引きしていた。何故か気持ち良さそうに身を震わせながらどこかに歩き去って行くリッパーの後ろ姿を見ていた彼は、この時こう思っていた……アレは関わっちゃいけない部類の存在だと。
「……ん、待てよ」
しかし、ここでアイズは気付いた。リッパーの口調と笑い方。それらにアイズは心当たりがあった。
「!? まさかアイツ……!!」
場所は戻り、手塚達は……
「ッ……なんて事だ……!!」
「海之!! 一体何が……ッ!?」
駆けつけたゴミ捨て場にて、手塚は目撃してしまった。後から追いついて来たユーノも、同じように目撃してしまった。彼等の目の前にあったのは……
「し、死んでる……ッ!!」
全身をズタズタに斬り裂かれ、赤い血に染まった状態で息絶えている裸の女性の遺体だった。瞳孔を開いたまま息絶えている女性の遺体を目撃してしまい、吐き気に襲われたユーノが思わず口元を押さえる中、手塚は何とか吐き気を押さえながら作業員の男性達に呼びかける。
「ッ……アンタ達は警備隊を呼んでくれ!! それから救急車も!!」
「「は、はい!!」」
作業員の男性達が慌てながらも通信端末を取り出している間に、手塚は口元を押さえながらも周囲の状況を確認する。すると女性の遺体のすぐ近くに、1枚の紙切れが落ちているのを発見した。
「ッ……やはりか……!!」
「海之、それって……!?」
「あぁ、間違いない……奴め、また動き出したか……!!」
手塚が拾い上げた紙切れ。そこには赤い血で文字が書かれていた。
ただ一言……『
そしてカルナージでは……
「それじゃあ皆!」
「ご滞在、ありがとうございました~♪」
「またいつでも来て下さい」
「こちらこそ、4日間ありがとうございました!」
「「「「「ありがとうございました!」」」」」
4日間の日程が無事終了し、帰る支度を整えたヴィヴィオ達はミッドチルダに帰還しようとしていた。全員が元気な声でアルピーノ親子と雄一に別れの挨拶を告げてから、これからカルナージを通りかかる臨行次元船の到着を待ち続けている。
「旅行楽しかったね!」
「うん! 次もまた一緒に行こう! アインハルトさんもまた一緒に!」
「……そうですね。皆さんさえよろしければ、また一緒に」
今回の旅行はヴィヴィオ達だけでなく、アインハルトも満足しているだった。そんな子供達の様子を大人組が微笑ましい目で見守っていた時だった。
『マスター、シャリオ・フィニーノ様から通信です』
「シャーリーから? 何だろう、仕事の件かな」
フェイトがバルディッシュを介して通信を繋げると、彼女の目の前に小さなモニターが出現する。その映像に、六課時代からの付き合いである女性補佐官のシャーリーの顔が映し出された。
『あ、フェイトさん!! 今、お時間は大丈夫でしょうか!? それからティアナちゃんも!!』
「へ? う、うん、大丈夫だけど」
「シャーリーさん? どうしたんですかいきなり」
『そ、それが今、凄く慌ただしい状況になっていまして……!!』
突然の連絡にフェイトと、名前を呼ばれたティアナは困惑した様子で聞き返す。するとシャーリーは深刻そうな表情でこう告げて来た。
『脱獄犯のジャック・ベイル……奴の目撃情報がありました!! 2人共、すぐミッドに戻って下さい!!』
彼女達の平穏な時間が、終わりを迎えようとしていた。
To be continued……
リリカル龍騎ViVid!
手塚「奴は今もこのミッドに潜伏している」
ティアナ「あの男は私が捕まえます……!」
???「部外者は引っ込んでいて貰いましょうか」
ジャック「俺の愛を受け止めてくれよぉ、可愛い子ちゃ~んッ!!」
イヴ「攻撃を、やめて……ッ!!」
戦わなければ生き残れない!