今回から仮面ライダーリッパーの他に、2名ほどオリジナルの新キャラが追加します。どんなキャラかはまた今後の展開で。
それではどうぞ。
それは、深夜の出来事だった……
「はぁ、はぁ……ぜぇ、ぜぇ……ッ!!」
薄暗い路地の中、女性は必死に走っていた。呼吸が荒く、胸が苦しくなるのも我慢しながら、路地の中を必死に走っていた彼女の表情は、何かに怯えているようだった。
「ヒッヒッヒ……俺と追いかけっこかい? お嬢さ~ん……」
「ひっ!?」
その後ろからは、下卑た笑い声を挙げる男の声。ガリガリとうるさく鳴り響く、刃物を地面で引き摺っている音。それらが後ろから聞こえて来る限り、女性が恐怖から解放される事はない。
「!? そ、そんな……!!」
しかし最悪な事に、女性が逃げ込んだ先は袋小路、完全に行き止まりだった。他に逃走ルートがないとわかり絶望する女性の後ろから、1人の男が追いついて来た。
「追いかけっこはおしまいかなぁ~……?」
追いかけて来ていた男は、仮面で素顔素顔が隠れていた。しかし彼が発している台詞の数々から、仮面の下で下卑た笑みを浮かべている事は確かだろう。
「なぁ、俺と愛し合おうぜぇ……」
「い、いや!? 来ないで!!」
「おぅ……!?」
仮面の男が近付こうとした時、女性は自身が持っていたカバンを男に向かって振り回し、その一撃が男の仮面に直撃した。それにより仮面の男がフラフラしながら後ろに下がって行った後……
「ぅ、ぉお……ヒ、ヒヒ……ヒヒヒヒヒヒヒヒ……!!」
「ッ……!?」
今まで以上に、その下卑た笑い声が大きくなり始めた。仮面の男は再び女性を見据え、楽しそうに笑いながら左腕に装備している大型の鋸を振り上げる。
「そうか、そうかそうか……君も俺の事、
「ひぃっ!?」
「良いねぇ、嬉しいねぇ……!! それじゃあお返しに……おじさんもいっぱい
「い、いやぁ!? 誰か、助け―――」
そこから先の台詞を女性は言えなかった。女性が言い切る前に、仮面の男が振り下ろした鋸が、女性の胴体を力強く斬りつけたからだ。
「がっ……」
「あぁ、もっとだ……もっと愛してあげるよぉ……!!」
仮面の男は笑いながら、何度も鋸を振り下ろす。
斬られた女性の全身から、赤い血飛沫が宙に舞っていく。
その飛沫で、仮面の男の全身が赤く染まっていく。
それでも仮面の男は、その動きを止める事はなかった。
その女性が何も喋らなくなるその時まで、仮面の男は
「ヒ、ヒヒヒヒヒ……」
その後。
仮面の男は満足した様子で、路地の中を移動していた。
「あぁ、最高だぁ……また俺を、愛してくれる女がいたぁ……!」
その右手に引き摺られていた女性は、衣服を纏っていなかった。その全身が赤く染まり、呼吸をしていなかった。仮面の男は路地裏のゴミ捨て場まで到着してから、ゴミ袋の山の中に女性を寝かせてあげた。
「やぁ、お嬢さん。今日は疲れただろう? ここでしっかり休んでいくと良いよぉ……これは、おじさん達が愛し合った証として貰って行くねぇ……」
仮面の男は右手を伸ばし、女性が首にかけていたネックレスに指をかける。そのままブチッと引き千切ってから自身の右手に収めた後も、彼の笑いは収まらない。
「あぁ、素晴らしいなぁ……人間の愛は……ヒッヒヒヒ……ヒヒャハハハハハハハハハハハハハハ!!!」
仮面の男―――仮面ライダーリッパーは夜空を見上げながら、収まらない笑い声を更に大きくしていく。そんな彼の笑い声が、夜の街中へと響き渡っていく。
その様子を、ビルの屋上から見下ろしている人物がいた。
「……アレが、例の脱獄犯か」
ヘソの部分が出ている紫色のボディスーツ、その上に着込んだ黒いジャケット、そしてポニーテール状に結んだ長い黒髪が特徴的なその女性は、高笑いしているリッパーの姿を睨みつけていた。
「品のない男め……何故、私があのような男の監視など……」
それから時間が経過。殺害された女性の遺体が、後に手塚やユーノ達が発見され、現在へと至る。
「手塚さん!? それにユーノも!?」
時刻は夜19時。
女性の遺体が発見されたゴミ捨て場は現在、通報を受けて駆け付けて来た管理局の警備隊によって立ち入り禁止のテープが張られ、そのテープの外で野次馬達が集まっている状態だった。そこにカルナージの旅行から帰還し、急いで駆けつけて来たフェイトとティアナの2人が、目撃者として事情聴取を受けていた手塚とユーノの2人と合流した。
「2人共、どうしてここに……?」
「男の悲鳴を聞いてな。駆けつけてみれば、この有様だ」
ティアナに問いかけられた手塚が視線を横に向ける。その先にあるのは、既に回収された女性の遺体が、そこにあったという事を示す為の白いチョークによるアウトライン。そのラインの周囲の地面が赤く染まっており、それだけでフェイト達はここで何があったのかをすぐに察する事ができた。
「2人共、もしかしてこれは……」
「被害者が女性である事、被害者の体中の斬られた傷、そして被害者のすぐ近くに落ちていたメッセージ……間違いないよ」
「脱獄犯、ジャック・ベイルの仕業だ」
手塚がそう告げた時、フェイト達の到着に気付いた1人の鑑識がビニール袋に入った1枚の紙切れを見せる。そこに赤い血文字で書かれている『I love you♡』という文章を見た時、ティアナが拳を強く握り締める。
「奴が、また……ッ」
「今回の件とは別に、ベイルの目撃情報もあるらしいんだ」
「奴は今も、このミッドに潜伏している。急いで奴を確保しなければ、更に被害者が増える事に―――」
「おや、これはこれは。ハラオウン執務官にランスター執務官」
その時、4人の前に1人の人物が近付いて来た。局員の制服を着込み、中分けにした緑髪が特徴的なその男性は、どこか仏頂面のような表情を浮かべていた。
「今頃到着ですか。わざわざご苦労様です」
「! あなたは……」
「聞きましたよ? この4日間、家族や友人を連れて旅行に行っていたとか。このご時世に呑気な物だ……っと、失礼。今のは私の失言でした」
人前で堂々と嫌味を言い放ち、わざとらしく咳き込みながら謝罪の言葉を告げる緑髪の男性。手塚にとっては初対面となるこの人物だが、その発言を聞いたフェイトとティアナがあまり良い表情をしていないのを見て、彼女達が彼を苦手としている事はすぐに理解した。
「まぁ良いでしょう。他人のプライバシーにまで、いちいち口を挟んでいられる暇もありませんし」
(((どの口が言うか……)))
「……ハラオウン、彼は?」
緑髪の男性の発言にフェイト・ティアナ・ユーノが同じ事を考える中、手塚はフェイトに緑髪の男性が一体何者なのかを問いかける。
(あの人はヘザー・スクラム。私のお兄ちゃんと同期の執務官です)
(! クロノの……?)
ここで手塚は初めて、緑髪の男性―――“ヘザー・スクラム”もまた、フェイトやティアナ、クロノと同じ執務官の1人である事を知る。
(これまで多くの功績を残していて、上からも高い信頼を得てはいるんですが……正直、私はちょっと苦手です)
(……それは何となくわかったな)
先程の慇懃無礼な態度から、スクラムがあまり人当たりの良い人物でない事は手塚にもわかっていた。何故なら手塚とユーノはつい先程まで、そのスクラムから無駄に長い事情聴取を受け続けていたのだから。
「こんな長時間、立ちっぱなしで質問を受け続けて……僕はもうクタクタだよ」
「おや、申し訳ありません。配慮が足りていませんでしたね」
「げっ聞かれてた……」
「しかし、どうかお許し願いたい。どこに重要な手掛かりがあるかもわからない状況ですので」
「……それは、2人の事も疑っているという事ですか?」
「いえ、そのような事は。しかし、例の脱獄犯の犯行に見せかけた模倣犯の仕業という可能性も、決してないとは言い切れません。そういった可能性も、1%たりとも見逃す訳にはいかないのですから」
「……徹底してるようで何よりだ」
「とはいえ、流石に今回の件はジャック・ベイルの仕業で間違いないでしょう」
スクラムが懐から取り出した1枚の写真。そこに写っていたのは、顔中に切り傷の痕がある金髪の男。
「今からおよそ10年前、連続殺人事件の犯人として逮捕されたジャック・ベイル。もちろん彼には有罪判決が下され、無期懲役の刑でグリューエンの軌道拘置所に収監されていた……筈なのですが」
「1年前、そのグリューエンで起こったのが……ガジェットドローンによる襲撃事件」
「そう。そしてその事件の最中、4年前のJS事件の主犯だったジェイル・スカリエッティが謎の失踪。その騒ぎに乗じて、ジャック・ベイルを含め多くの囚人が脱獄しました」
かつてスカリエッティが収監されていたグリューエンの軌道拘置所。そこで発生したガジェットドローンによる襲撃事件の最中、多くの囚人がどさくさに紛れて脱獄、他の次元世界へと逃亡してしまった。現在は管理局によってほとんどの脱獄犯が逮捕されているのだが……
「未だ捕まっていない囚人が数名……その中で、ジャック・ベイルの起こす事件が最も多くの被害を出しており、事態はより深刻となっています」
「何としてでも、奴を確保しなければなりませんね。これ以上、被害者を出させる訳にはいかない」
「それは既に分かり切ってはいる話ですが……しかしまぁその前に」
スクラムは手塚とユーノの方へと振り向き、手塚と正面から相対する。その表情は威圧的な物だった。
「本日は捜査にご協力感謝します。今日はもうお帰りになられて結構ですよ」
「……散々質問攻めをしておいて、随分アッサリだな」
「少なくとも、今回の件にあなた方がこれ以上関与していない事は明らかですので。用もないのにこれ以上この場にいられてもハッキリ言って邪魔です。この辺りで、部外者は引っ込んでいて貰いましょうか」
「ッ……スクラム執務官、いくら何でもその言い方は―――」
「ハラオウン」
どこまでも威圧的な態度を示し、手塚とユーノを部外者呼ばわりするスクラムの発言。それを快く思わなかったフェイトが何かを言おうとする前に、手塚は冷静に手で制した。
「彼の言う通り、これ以上俺達にできる事は何もない。できるのは、後の事をお前達に任せる事だけだ」
「手塚さん……」
「ほぉ、物分かりが良いようで何よりですね。では、さっさとお帰り下さいませ。私は他にもやるべき事があって忙しいので、これで」
スクラムはそれ以上何も言う事なく、クルリと背を向けて現場の方へと戻っていく。どこまでも失礼な言い方しかしない彼に怒りの感情が噴き出そうになるフェイトだったが、すぐに怒りを抑えて手塚とユーノに謝罪する。
「ごめんなさい、2人共。あの人の言う事は気にしないで下さいね」
「問題ない。やっとここから解放されると思えば、さっきの態度も気にならない」
「僕も同意見だよ。やっと家に帰れる……」
フェイトの心配とは裏腹に、手塚とユーノはほとんど気にしている様子はなかった。その事にティアナは安堵しつつも、気を引き締めた表情で手塚達に告げる。
「後の事は、私達に任せて下さい。ジャック・ベイル……あの男は私が捕まえます……!」
「……あぁ、気を付けるんだぞ」
「はい」
ペコリと頭を下げてから、ティアナは一足先に現場の方へと戻って行く。その後ろ姿を手塚はジッと見つめ、フェイトに問いかけた。
「ランスターの様子がどこかおかしい。ハラオウン、理由はわかるか?」
「……やっぱり、手塚さんなら気付きますよね」
フェイトも手塚同様、不安そうな表情でティアナの後ろ姿を見据えながら会話を続けた。
「そういえば、手塚さんにはまだ話していませんでしたね」
「?」
「覚えていますか? 4年前、ティアナの過去について話した時の事」
「あぁ……ッ!? まさか……」
「そう……ジャック・ベイルは……」
そこまで話した時、手塚はすぐにハッと気付いた。ティアナの様子がおかしい理由を。その答えを示すべく、フェイトは再び口を開いた。
「ティアナのお兄さん……ティーダ・ランスターを殺害した張本人です」
フェイトがその事を手塚に告げていた一方……
「……」
その様子を、スクラムは気付かれないよう密かに見ていたのだった。
(殺人現場を見たというのに、妙に落ち着いている……あの男、何かありますね)
一方、場所は変わりストラトス家……
「ありがとうございます。わざわざ送って頂いて」
「ううん、気にしないで」
カルナージからミッドに帰還し、なのはが運転する車で家まで送って貰ったアインハルト。彼女は旅行に誘って貰えた事への感謝も込めて、一同に対してペコリと頭を下げる。
「んじゃ、今日はゆっくり休めよ? 明日からまた学校もあるしな」
「はい。それでは皆様、私はこれで失礼します」
「はい! アインハルトさん、また明日学校で!」
「「お休みなさい!」」
「……はい。また明日、学校で」
ヴィヴィオ・リオ・コロナが笑顔で手を振り、アインハルトも右手を振ってから家の玄関へと向かって行く。車が走り去って行く音が後方から聞こえる中、アインハルトは玄関を開けようと鍵を差し込む。
(! 開いた……)
ガチャリと音が鳴り、玄関の扉が静かに開いた。玄関に鍵がかかっていたという事はつまり、
(旅行の話……彼女にも、聞かせてあげたかった)
電気も点いておらず、部屋も真っ暗な状態である。
「イヴ……あなたは今、どこで何をしていますか……?」
そのイヴは今、何をしているかと言うと……
「「はぁっ!!」」
『ギギッ!?』
ミラーワールドのとある港町の工場にて、絶賛戦闘中だった。黒いボディの上に頑丈な甲羅を持ち、その背中に鋭利な刃を生やしたザリガニのような怪物―――“スラッシュクレイフィ”を相手に、イーラとゾルダはそれぞれ構えたデモンバイザーとマグナバイザーで銃撃を仕掛け、スラッシュクレイフィの全身に銃弾を命中させる。
『ギィ……ギギギ!!』
「「くっ!?」」
しかし頑丈な甲羅で身を守っているからか、ダメージが少なかったスラッシュクレイフィは2人に向かって飛びかかり、両腕の細長く鋭利なハサミを振るって襲い掛かって来た。攻撃をかわしたイーラとゾルダは左右に転がって距離を取り、2人はそれぞれカードを装填する。
≪SWORD VENT≫
≪SHOOT VENT≫
「フンッ!!」
『ギギィッ!?』
ゾルダが召喚したギガランチャーの砲弾は流石に防ぎ切れないのか、砲弾を受けたスラッシュクレイフィは怯んだ様子でその場に膝を突く。そこにデモンセイバーを召喚したイーラが跳躍し、砲弾を受けたスラッシュクレイフィの甲羅に向かってデモンセイバーを力強く突き立てた。
「やあぁっ!!」
『ギギィイッ!?』
その力強い一撃が効いたのか、スラッシュクレイフィの甲羅に僅かながら皹が生え始めた。スラッシュクレイフィも負けじとハサミを振り回すが、イーラはそれをデモンセイバーで上手く受け流し、スラッシュクレイフィの足を引っ掛けて転倒させる。
「よし、このまま……!!」
スラッシュクレイフィは転倒している。一気に倒すチャンスだと判断したイーラはデモンセイバーを地面に突き立て、デモンバイザーにファイナルベントのカードを装填しようとした……が。
≪ADVENT≫
そこに、思わぬ邪魔者が乱入して来た。
『ギュルルルル……!!』
ブゥンブゥンブゥゥゥゥゥンッ!!
「!? うわぁっ!?」
「!? 何……ぐっ!?」
どこからか飛翔して来たエビルリッパーが、チェーンソーのような形の吻を掻き鳴らしながら2人に襲い掛かって来たのだ。突然の奇襲に驚いたイーラはそのまま斬りつけられてしまい、ゾルダはその場に伏せる事で何とかエビルリッパーの攻撃を回避する。
「何だコイツは……!?」
「ッ……アイツは、私が、倒す……!!」
≪ADVENT≫
『ブルルルル!!』
倒れていたイーラはすぐに立ち上がり、デモンバイザーにカードを装填。召喚されたデモンホワイターの背中に乗り込み、工場の外へ飛び出したエビルリッパーを追いかけて行く。
「!? 待て、1人で動いたら―――」
『ギギギ!!』
「ッ……どけ!!」
1人で追いかけて行ってしまったイーラを止めようとするゾルダだったが、そこにスラッシュクレイフィがハサミで斬りかかって妨害。ゾルダは止むを得ず、マグナバイザーを構えてそちらに応戦する事となった。
『ギュルルルルル……!!』
「逃が、さない……ッ!!」
一方、イーラはデモンホワイターに乗り込んだままデモンバイザーを構え、上空を飛んでいるエビルリッパーを狙い撃とうとしていた。しかしエビルリッパーはヒラヒヒラリと飛んで来る矢を回避しており、攻撃が思うように当たらない。
「ッ……だったら!!」
≪FINAL VENT≫
『ブルルルルァッ!!』
ならば直接撃墜するのみ。そう考えたイーラはデモンバイザーにファイナルベントのカードを装填し、デモンホワイターの角を利用して高く跳躍。それに気付いたエビルリッパーは長い吻の刃を高速で回転させ、迫って来たイーラを迎え撃つ。
「やあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
『ギュルルルル!!』
イーラの繰り出したラースインパクトが、エビルリッパーの突き立てた長い吻と激突。両者共に互角のパワーで拮抗し続ける……と思われたが、空中でバランスを取れないイーラの方が最終的に打ち負け、エビルリッパーに逆に撃墜されてしまった。
『ギュルゥ!!!』
「なっ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
撃墜されたイーラはそのまま、落下先にあった別の工場の屋根を突き破る形で落下。背中から地面に叩きつけられる事となり、大きなダメージを受けた彼女は苦しそうに呻いた。
「くっ……強、い……ッ」
天井に空いた穴を通って、エビルリッパーがイーラの前に飛来する。イーラは体の痛みを我慢しながらも立ち上がり、デモンバイザーを構えて対決しようとする。
しかし、彼女は知らなかった。
エビルリッパーに撃墜され、落下したその工場が……
「やぁ、そこのお嬢さん」
そこに潜んでいた、ある男の
「―――ッ!?」
声のした方向にイーラが振り返る。そこには積まれたコンテナの上で、だるそうな様子で胡坐をかいて座り込んでいるリッパーの姿があった。
「仮面、ライダー……?」
「へぇ、知ってるのか? 俺のこの姿を……まぁ良いや」
リッパーはコンテナの上から飛び降り、地面に着地してからイーラの方へと歩み寄って行く。
「よぉし、よくやったぞぉエビルリッパー」
『ギュルルッ』
「! あのモンスター……まさか、あなたの……?」
「そう、俺のモンスターだ。何故俺が、そいつにお嬢さんを誘導させたと思う?」
リッパーは楽しそうな口調で近付いて来る。そこにただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、イーラは徐々に近付いて来るリッパーから距離を取るように後ずさり始める。
「それはだなぁ……」
≪SWORD VENT≫
「―――存分に
ズギャアァンッ!!
「うあぁぁぁぁぁっ!?」
リッパーの右腕に装備されたエビルソーが、刃を高速回転させた状態でイーラの装甲を斬りつけた。突然の攻撃に対応できなかったイーラは、エビルリッパーとの戦闘でダメージが溜まっていたのもあって簡単に倒れてしまう。
「ッ……何、を……!?」
「嬉しいぜぇ……同業者の中にも、君みたいな女の子がいたなんてなぁ……!!」
「がはっ!?」
リッパーは嬉しそうに語りながら、起き上がろうとするイーラを蹴り転がし、その腹部を踏みつける。そして彼女の顔面に、左腕に装備したリッパーバイザーの先端を突きつける。
「せっかく出会えたんだぁ……俺の愛を受け止めてくれよぉ、可愛い子ちゃ~んッ!!!」
「ッ……はぁ!!」
「!? ぐぉうっ!?」
突き立てられようとしたリッパーバイザーを、イーラは即座にデモンバイザーで防御。そのまま引き鉄を引いてリッパーの胸部に矢を命中させ、怯んだリッパーが後ろに下がる。
「お、おぉ……?」
リッパーは撃たれた自分の胸部装甲を見る。撃たれた箇所から僅かに煙が出ている。痛みも感じている。それらの事実を認識したリッパーは……仮面の下で笑みを浮かべた。
「……良い」
「ッ……?」
「……実に良い……最高じゃないかァッ!!!」
「!? くぁっ!?」
テンションが上がったリッパーは、リッパーバイザーとエビルソーを同時に振り回し、イーラに向かって再び攻撃を仕掛けて来た。
「良いねぇ、お嬢さん!! 君も俺を
「くっ……攻撃を、やめて……ッ!!」
「照れてるのかぁい? でも安心してくれぇ……おじさんもたっぷりと愛してあげるからねぇ!!!」
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
リッパーは興奮した様子で、振り上げたエビルソーでイーラを斬りつける。強烈な一撃を受けたイーラは大きく吹き飛ばされ、コンテナに叩きつけられてしまうのだった。
To be continued……
リリカル龍騎ViVid!
吾郎「その子から離れろ……!!」
ジャック「どけ、野郎にゃ興味ねぇんだよォッ!!」
ウェイブ「イヴちゃん、厄介なのに目を付けられちまったな……」
ドゥーエ「やっぱり、あなたが傍にいるだけで心が安らぐわぁ……♡」
戦わなければ生き残れない!