あ、ありのまま、今起こった事を話すぜ!
死神が退場して行ったと思ったら、また死神が現れた……!
な、何を言っているか(ry
そんな冗談はさておき、すみません。本編最新話の執筆がまだ少し時間がかかりそうな状態です。
そこで今回、本当ならEXTRAストーリー中に投稿する予定だった短編を載せてみました。
それではどうぞ。
これは、JS事件の戦いの中で起こった出来事の1つである……
「おやおや、君もここに来たのか……」
「ッ……貴様……!!」
スカリエッティの
「はっはぁ……やはりここかぁ、祭りの場所は……!!」
「外ではゆりかごも飛んでいるだろうに、わざわざここに戻って来るとは……そんなにライダーと戦いたいのかい?」
「当然だ、ライダーは戦うもんだろぉ……違うか?」
「フッ……確かに、何も違わない」
王蛇がこの場に現れた理由……それはもちろん戦う為。このミッドで出会ってきたライダーの中、スカリエッティは浅倉にとって居場所が明確になっている数少ない人物の1人だ。だからこそ、一度は脱走した彼も、ここに戻ればライダーと戦えると判断したのである。
「つまり君は、この私とも戦いに来たという事で良いのかな?」
「わかっているなら……話す必要もないよなぁっ!!!」
≪SWORD VENT≫
ガキィンッ!!
ベノバイザーにカードを装填し、即座に駆け出した王蛇は召喚されたベノサーベルを手に突撃し、跳躍しながらスカリエッティ目掛けてその一撃を振り下ろそうとした。しかしその一撃は、直前でスカリエッティを守るように割って入ったトーレに防がれる。
「ドクターに手出しはさせんぞ……!!」
「あぁ? なんだ、お前か……邪魔をするな……!!」
「そういう訳にはいかんのでな……セッテ!!」
「了解」
「!? チッ……!!」
トーレの指示を受けたセッテが飛翔し、セッテの固有武装であるブーメラン型の武器―――“ブーメランブレード”が王蛇目掛けて投げつけられる。それに気付いた王蛇がベノサーベルで弾き返すも、その隙を突いたトーレが王蛇を蹴りつけ、ここへ来る時に王蛇が破壊した壁の穴を通じて3人が移動していく。
「やれやれ、相変わらず血の気が多い男だ……」
王蛇・トーレ・セッテの3人が壁の穴を通って別の部屋に移動した後、1人残されたスカリエッティは苦笑いを浮かべながらも、これから自身の元へやって来るであろう来客達を出迎えるべくその場に待機。それから数分後、スカリエッティの前にはモンスターガジェットの大群を切り抜けて来たフェイト・T・ハラオウン、そして仮面ライダーファムの2人が姿を現した。
「ッ……スカリエッティ……!!」
「やぁ、御機嫌よう。君達の到着を待ち侘びていたよ」
(白鳥夏希……彼女はこちらに来たか……)
その様子を、物陰から密かに覗き見ている存在がいた。ある目的の為、この
『さて、私は私の目的を果たすとしよう……』
「ライドインパルス!!」
「ぬっ……うぉあ!?」
壁の穴を通って違う部屋に移動し、そこから更に廃棄物処理場まで移動した王蛇・トーレ・セッテの3人。ガジェットドローンの残骸などが積まれたこの場所に来た瞬間、トーレは自身のインヒューレントスキルである“ライドインパルス”を発動し、目に見えないスピードで王蛇に攻撃し始めた。
「イラつく……ハァッ!!」
王蛇がベノサーベルを振り回すも、ベノサーベルの攻撃はトーレには全く当たる様子がない。更にはセッテが離れた位置から投げて来るブーメランブレードにも翻弄され、王蛇の中で苛立ちが募り始める。
「チマチマと攻撃か? ムカつくなぁ……」
「思い上がるなよ浅倉。我々が貴様と同じ土俵で戦うとでも思ったか」
「フン……ハァァァァァァァァッ!!!」
王蛇は首を回してゴキゴキと鳴らし、再びベノサーベルを振り上げてトーレとセッテに迫り来る。しかしトーレとセッテは同時に高く跳躍して王蛇から距離を離し、セッテが投擲した2本のブーメランブレードが高速で回転しながら王蛇に迫る。その攻撃はベノサーベルで難なく防ぐ王蛇だったが……
「こっちだ」
「ぐぉっ……!?」
再びライドインパルスでスピードの上がったトーレが、死角から王蛇に攻撃を加えて来た。攻撃を受けた王蛇の装甲から火花が散り、体勢の崩れた王蛇に対してセッテのブーメランブレードが命中。反撃の隙を見出せない王蛇はどんどん口調が荒んでいく。
「ッ……イライラするなぁ、お前等ァ!!」
王蛇はベノサーベルを振るい、弾かれた1本のブーメランブレードが壁に突き刺さる。しかしもう1本のブーメランブレードが王蛇を背後から斬りつけ、更にはトーレの拳が王蛇の顔面目掛けて打ち込まれた。
「ご、ぁっ……!!」
「無駄だ。お前は私達の動きに付いて来れない」
トーレの回し蹴りがベノサーベルを弾き飛ばし、トーレが腕から生やして翼状のエネルギー刃―――“インパルスブレード”で更に強烈な一撃を喰らわせる。怯んだ王蛇は壁に背を付けたまま、まともに反撃する事もできない。
「お、おぉっ……ッ」
「ライダーと言えど、反撃の術がなければ所詮この程度か……」
王蛇のカードデッキは元々、遠距離攻撃に使えるカードがほとんど存在せず、あるとしてもベノスネーカーの毒液かエビルウィップの中距離攻撃くらいしかない。その事を既に知っているトーレとセッテは、王蛇にカードを引く隙を与えない事でその戦法すらも封じようと考えたのだ。
「貴様は所詮、ドクターの慈悲で生かされていただけに過ぎん。今となっては、もう貴様は用済みだ」
壁に背を付けたまま立っている事がやっとの王蛇に、トーレはインパルスブレードを展開した右腕を突きつける。インパルスブレードの刃先が王蛇の首元を狙うように向けられる。
「クッ……ハ、ハハハハハッ……これで、終わりかぁ……?」
「あぁ、終わりだ。貴様はここで死ぬ」
そんな状況にも関わらず、王蛇は小さく笑ってみせている。仮面のせいで表情は見えないが、彼が仮面の下で浮かべている表情など、トーレは微塵も興味はなかった。
「消えろ」
そしてトーレは右腕を振り上げ、王蛇の首元目掛けてインパルスブレードを突き立てる。王蛇は既に虫の息。この一撃を防ぐ術はないだろう。攻撃を仕掛けたトーレも、その様子を見ていたセッテも、そう考えていた。
しかし、彼女達は知らなかった。否、知るはずもなかった。
「……ハハッ」
王蛇が持ち合わせている、戦いに対する執念深さを。
ズギャアッ!!!
(ふん、これで……)
王蛇を仕留めたと思ったトーレ。しかし、その表情はすぐに一変した。
「ッ……何!?」
王蛇の首元に突き立てられたはずの右腕が、ピクリとも動かない。何故動かないのか、その理由は単純……王蛇の首元に突き立てた彼女の右腕が、王蛇の右手にガッチリ掴まれていたからだった。
「やっと、捕まえたぞ……」
「!? まさか貴様……!!」
「ハッハァ!!!」
「がはっ……!?」
トーレの腹部に、王蛇の膝蹴りが強く打ち込まれる。その強烈な一撃にトーレの体勢が崩れ、その隙を逃すまいと彼女を両手で捕まえた王蛇は、彼女の腹部や顔面目掛けて何度も拳を叩き込み始めた。
「ごふっ……貴様、わざと攻撃を受けに……!!」
「随分俺を可愛がってくれたなぁ……今度は俺が可愛がってやるよ」
「トーレ姉様!!」
トーレは気付くべきだった。王蛇がこれまで考えなしに攻撃をしていたのも、一方的に追い詰められていたのも、全てはトドメを刺そうと近付いて来たトーレを捕まえる為にわざとやっていたという事を。トーレが王蛇にタコ殴りにされているのを見て、セッテはブーメランブレードを構えて接近し、王蛇に斬りかかろうとしたが……
「邪魔だ」
「!? がはっ……!!」
素早く接近して来た勢いを利用し、王蛇はトーレの首元に後ろから右腕を回して押さえつけたまま、左手に持ったベノバイザーの先端をセッテの腹部に命中させた。腹部にダメージを負ったセッテが後退する中、王蛇はベノバイザーの杖部分でトーレの首を押さえつけた状態から、ベノバイザーの開かれた装填口にカードを装填した。
「お前はコイツと遊んでろ……!!」
≪ADVENT≫
『シャアァァァァァァッ!!』
「くっ!?」
電子音と共に壁を破壊して現れたベノスネーカーが、セッテ目掛けて毒液を吐きかけて来た。セッテはそれを回避しようとしたが、その際に毒液が彼女の持っていたブーメランブレードにかかってしまい、ブーメランブレードがドロドロに溶けてあっという間に消滅していく。
「しまっ……うあぁ!?」
「セ、セッテ……!!」
そこにベノスネーカーが容赦なく尻尾を振るい、セッテを壁に叩きつける。トーレはセッテの救援に向かいたかったが、王蛇にベノバイザーで首元を押さえつけられたまま身動きが取れず、セッテのいる方へ右手を伸ばす事しかできない。
「ハッ!!」
「ぐ、がっ……ごはっ!?」
王蛇は体勢を変え、右手でトーレを壁に押さえつけたままベノバイザーで何度も彼女を殴りつける。その内の一発がトーレの顎に命中したからか、その衝撃で脳が揺れたトーレはフラフラになって倒れてしまう……が、それでも王蛇は手を緩めない。
「どうした……もう終わりか? 俺はまだスッキリしてないぞ……!!」
「あが、ぁ……!?」
仰向けに倒れたトーレに王蛇が乗りかかり、マウントポジションで彼女の顔面を何度も殴り始めた。相手が女だろうと容赦はしない。イライラすると思った奴は誰だろうと叩き潰す。それが浅倉威―――仮面ライダー王蛇なのだ。
「!? トーレ姉さ―――」
『シャアァッ!!』
「なっ……があぁっ!?」
トーレを助けに行こうとしたセッテもまた、ベノスネーカーに下半身を咥えられる形で捕まってしまい、そのまま大きく振り回された末に壁に投げ飛ばされていく。その間も、王蛇はトーレの顔面を殴っては彼女の髪の毛を掴んで持ち上げ、また殴っては彼女の髪の毛を掴んでを何度も繰り返し、ひたすら彼女に暴行を加え続ける。
(ッ……これ、ほど……とは……!!)
この男の……浅倉威の戦いへの執念を読み違えていた。それがこの結果を生み出してしまった。王蛇に半殺しにされている中、ようやくその事を思い知る事となったトーレは、既にダメージを受け過ぎてボロボロだったが為に、ライドインパルスを発動する気力も、インパルスブレードを突き立てる気力も残っていなかった。
(甘く見ていた……私達の、負け……か……)
敗北を察したトーレが見たのは、こちらに向かって振り下ろされようとしている王蛇の拳。それがトーレの眼前まで迫り、トーレの目の前は真っ暗になるのだった。
こうして、トーレとセッテは王蛇に敗北し、王蛇はスカリエッティと戦闘中だったフェイトやファムとも対面。そのまま三つ巴の対決に持ち込まれる事となった。
そしてその裏で……オーディンはある目的の為に動いていた。
『なるほど……こんなにも詳細にデータを纏めていたとは』
4人が戦っているのとは別の部屋にて、オーディンは空間に出現したキーボードを操作し、スカリエッティのデータベースに侵入していた。空間に映し出されている画面には、スカリエッティが開発したオルタナティブ・ネオやモンスターガジェット、さらには仮面ライダーやミラーワールドに関するデータも存在している。
『やはり、ここに来て正解だったか……これ以上、スカリエッティに暴れさせると面倒だ』
スカリエッティを生かしている理由はあくまで、二宮が地上本部の邪魔者達を始末する為の時間稼ぎ。そしてファムこと白鳥夏希にサバイブのカードが渡っている今、スカリエッティと浅倉がいずれ彼女達に敗北する事になるのは目に見えている。つまり、これ以上スカリエッティを利用する意味はないという事だ。
『データは全て、この場で処分させて貰う』
オーディンはキーボードを操作し、スカリエッティがこれまで纏め上げて来たデータを次々と削除していく。バックアップすらも残す事なく、オーディンは目的を達成させていく。
『よし、これでひとまずは……む?』
しかしこの時、オーディンはある事に気付いた。
オーディンが消去しようとしていたモンスターガジェットのデータ……その中に、ある痕跡が残っていたからだった。
『何者かに、データがハッキングされている……?』
オーディンが気付いた、この小さな痕跡。
それが後々、ミッドチルダで大きな惨劇を呼び起こす引き鉄となる事を、この時はまだ誰も知らなかった……
To be continued……?
浅倉、グリラスワーム戦のギンガと同じ事をやっていたの巻←
速いスピードで動くトーレを捕まえる為、敢えて攻撃を受け続けていた浅倉。かなり強引な戦法ではありますが、『RIDER TIME 龍騎』での浅倉のタフネスっぷりを思い出した瞬間から「あ、これ余裕でいけるわ」と思いそのまま採用しました←
一方、スカリエッティが纏めたデータを密かに消去していたオーディン。ちなみに描写はされていませんが、オルタナティブの設計データも一緒に処分されています。
しかし、既に何者かにハッキングされていたモンスターガジェットのデータ。
一体誰がそんな事を?
その詳細も第2部で明かしていく予定です。