リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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執筆が全然進まな~い……orz




……いやマジで、こんなに苦戦させられるなんて初めてです。

仕事で疲れたあまり、夕飯と風呂を済ませたらすぐに寝てしまう事が多いとはいえ……今までこんな事はほとんどありませんでした。

本編の最新話ですが、途中まではちょっとずつ書けているのですが、まだ投稿には時間がかかりそうです。
そこで今回も、同時進行で書いていた短編を閑話として載せる事にしました。こんな事ばかり続いてしまって本当に申し訳ない……orz

取り敢えずどうぞ。

サブタイトルの通り、今回は彼がメインのお話です。



閑話 白虎の軌跡

僕の父は警察官だった。

 

 

 

 

交番勤務で、階級は巡査。

 

 

 

 

なんて事のない普通のおまわりさんだけど、悪い事は決して許さない、強い正義感の持ち主だった。

 

 

 

 

それでいて、罪を犯した人が更生してくれる事をも願うなど、慈悲深い心もあった。

 

 

 

 

僕は、そんな父が大好きだったし、1人の人間として強く憧れていた。

 

 

 

 

そんな父が、ある日突然亡くなった。

 

 

 

 

目撃者の証言によると、かつて父が捕まえた事があった犯罪者が、いつも通り交番で働いていた父を、通り過ぎるフリをして突然ナイフで刺したのだという。

 

 

 

 

犯行の動機は、自分を捕まえた父に復讐する為。完全な逆恨みだった。

 

 

 

 

母は酷く悲しんでいた。

 

 

 

 

僕も悲しかったし、凄く泣いた。

 

 

 

 

そして許せなかった。

 

 

 

 

罪を憎んで人を憎まず……と父は言っていたけど、僕はとてもそんな気持ちは抱けなかった。

 

 

 

 

性根が腐っている人間は、反省させようとしたところでまた同じ事を繰り返す。

 

 

 

 

同じ悲劇が繰り返されて、また誰かが悲しい思いをする事になるくらいなら、悪人はこの世から1人残らず消えてしまった方がずっと良い。

 

 

 

 

いつからか、僕はそう考えるようになった。

 

 

 

 

でも、今の僕では到底そんな事はできない。

 

 

 

 

こういう時だけは、無力な自分を恨みたくなった。

 

 

 

 

でも、そんな僕に1つの転機は訪れた。

 

 

 

 

それが……仮面ライダーとの出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

『……え?』

 

 

 

 

たまたま商店街を通りかかった時……あの音が、僕の耳に聞こえて来た。

 

 

 

 

『な、何だこれ……うわぁっ!?』

 

 

 

 

建物の窓ガラス……その鏡面から伸びて来た奇妙な触手のような物が、僕を窓ガラスに向かって強く引っ張った。

 

 

 

 

そのまま僕の体は窓ガラスに激突する……と思いきや、僕は窓ガラスを割る事なく、吸い込まれるように鏡面の中へと引き摺り込まれた。

 

 

 

 

『ッ……あ、あれ? ここは……』

 

 

 

 

建物も、文字も、何もかもが反転した鏡の世界―――ミラーワールド。

 

 

 

 

当初、僕はこの世界が一体何なのか全く理解できなかった……というより、理解する暇もなかった。

 

 

 

 

『ジュルルルル……!!』

 

 

 

 

『!? う、うわぁ!? 化け物!?』

 

 

 

 

僕をこの世界に引き摺り込んだのは、長い触手を持ったイカのような怪物だった。その怪物は気色の悪い鳴き声を上げながら、触手で僕を引っ張り寄せようとした。

 

 

 

 

『ひっ!? だ、誰か、助け……!!』

 

 

 

 

その時……

 

 

 

 

『でりゃあ!!』

 

 

 

 

『グジュルゥッ!?』

 

 

 

 

僕を捕まえていた触手が、突然何者かによって切断された。

 

 

 

 

解放された僕の前に現れたのは、仮面で顔を隠した謎の戦士だった。

 

 

 

 

『今日の獲物はお前か……狩らせて貰うぜ……!!』

 

 

 

 

銀色の虎のようなイメージを持った仮面の戦士―――後に仮面ライダータイガだとわかるその人は、イカのような怪物に向かって、その手に持った斧で容赦なく斬りかかって行った。僕の方には見向きすらせず、その人はひたすらイカの怪物に攻撃を仕掛けていく。

 

 

 

 

『ど、どうなってるんだ……? あの怪物も、あの仮面の人も一体……』

 

 

 

 

この時の僕にとって、目の前で繰り広げられている光景は信じ難い物だった。

 

 

 

 

突然おかしな世界に引き摺り込まれたかと思えば、僕の目の前に怪物が現れ、その怪物に向かって妙な仮面の戦士が戦いを挑んでいる。

 

 

 

 

とてもじゃないが、脳内での情報処理が追いつきそうにはなかった。

 

 

 

 

そして……事態は更に急転した。

 

 

 

 

『……ッ!? 危ない、後ろ!!』

 

 

 

 

『グジュルルル!!』

 

 

 

 

『何……ぐぁっ!?』

 

 

 

 

元々、イカの怪物は1体だけではなかったらしい。同じような姿のイカの怪物がもう1体現れて、仮面の戦士の背中に向かって槍を振り下ろして来たのだ。

 

 

 

 

『く、もう1匹いたのか……ぐぅ!?』

 

 

 

 

その仮面の戦士にとって、流石に2対1ではとても分が悪かったのか、徐々に追い詰められ始めた。そしてイカの怪物が突き立てた槍は、仮面の戦士を大きく吹き飛ばしてしまった。

 

 

 

 

『ジュルゥ!!』

 

 

 

 

『うあぁぁぁぁぁぁぁっ!?』

 

 

 

 

吹き飛ばされた仮面の戦士は、建物の壁に叩きつけられて地面に落ちた後、その姿が人間の物へと変わった。その姿は、灰緑色のコートを着た坊主頭の男だった。

 

 

 

 

『ッ……くそ、こんな筈じゃ……』

 

 

 

 

『ジュルッ』

 

 

 

 

『なっ……!?』

 

 

 

 

坊主頭の男は、近くに落ちていた虎のエンブレムがある青色のカードデッキを拾おうとした。しかしその前に、坊主頭の男に近付いて来たイカの怪物の足が当たり、カードデッキはたまたま僕のすぐ傍まで滑るように移動してきた。僕は思わず、それを手で拾い上げた。

 

 

 

 

『ぐっ!? や、やめろ、離せ……!!』

 

 

 

 

『『グジュルルルル……!!』』

 

 

 

 

坊主頭の男は、伸びて来た触手に捕らえられ、イカの怪物達の方へと引き寄せられた。そこから先、僕の目の前で繰り広げられたのは……凄惨な光景だった。

 

 

 

 

『やめ……ぐ、ぁ、が……ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?』

 

 

 

 

グチャッメキッボリボリッゴキンッ!!

 

 

 

 

『ひっ……!?』

 

 

 

 

イカの怪物達に地面に押し倒され、坊主頭の男は姿が僕の視点からは見えなくなった。でも、そこから聞こえて来た音もあって、その人が、何をされているのかは、恐怖で目を逸らした僕にもすぐにわかった。

 

 

 

 

『『グジュルルルル……』』

 

 

 

 

『あ、あぁ……!?』

 

 

 

 

イカの怪物達が立ち上がった時、既に坊主頭の男は姿がなくなっていた。その時点で僕は嫌でも理解させられた。次は僕が同じ目に遭う番だと。

 

 

 

 

『や、やめろ、来るな!! 来るなぁっ!!』

 

 

 

 

その辺に落ちていた空き缶を投げつけたところで、怪物達は痛がる素振りすら見せなかった。恐怖で足がすくんでしまった僕は立ち上がる事もできず、座り込んだまま後ろに下がり続け、とうとう建物の壁まで追い込まれてしまった。

 

 

 

 

『い、嫌だ、死にたくない……僕はまだ、死ぬ訳には……!!』

 

 

 

 

しかし、恐怖で俯きかけたところで……僕は偶然気付いた。

 

 

 

 

『……え?』

 

 

 

 

僕の腰には、ある筈のない物があった。

 

 

 

 

それは、あの仮面の戦士が付けていたのと同じ、銀色のベルト。

 

 

 

 

そんな物が何故、僕の腰に付いているのか?

 

 

 

 

考えている暇は、目の前で唸っているイカの怪物達が与えてくれなかった。

 

 

 

 

『『グジュルルルゥ!!』』

 

 

 

 

『ひっ!? う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?』

 

 

 

 

もう駄目だ、今度こそ僕は死ぬ。

 

 

 

 

さっきの坊主頭の男のように、無惨に喰い殺される。

 

 

 

 

僕の人生は、こんな所で終わるのか。

 

 

 

 

父の死に悲しんでいた母を、また悲しませる事になってしまうのか。

 

 

 

 

いろんな走馬灯が、僕の脳裏に過ったその時……二度目の奇跡は起きた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪STRIKE VENT≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドォンッ!!

 

 

 

 

『『グジュアァ!?』』

 

 

 

 

『……え?』

 

 

 

 

僕に襲い掛かろうとした怪物達が、突然右方向へと吹き飛ばされた。

 

 

 

 

今、一体何が起こったのか?

 

 

 

 

その理由が知りたかった僕は、左方向へと視線を向けた。その先に立っていたのは……

 

 

 

 

『君、大丈夫か!?』

 

 

 

 

あの坊主頭の男と同じ様に、仮面で素顔を隠した戦士だった。

 

 

 

 

でもその戦士は、赤いボディをしていた。

 

 

 

 

その頭には、竜のようなエンブレムが描かれていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それが、仮面ライダー龍騎……榊原耕一との出会いだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この一件こそが、僕の……仮面ライダータイガとしての、全ての始まりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――う、ぅん」

 

そして僕……椎名修治は目覚めた。

 

視界に映ったのは、僕が知らない天井だった。

 

「? あれ……ここは……」

 

水に濡れて冷たかった筈の体は、今ではフカフカな布団の中で暖められていた。起き上がった僕の視界に広がったのは、どことなく生活感のある普通の部屋。昼間だからか、ベランダからは強い光が差し込んでおり、部屋の電気は付けられていなかった。

 

(確か、僕はあの時……あの男に負けて……ッ)

 

アビスに実力で圧倒され、川に突き落とされた時の事を思い出した途端、無性に苛立ってきた。僕はまた、憎き犯罪者に負けたのか。そう考えるだけで、爪が掌に食い込むくらい拳を握り締めたくなった。

 

「あ、目が覚めましたか?」

 

「……!」

 

しかし、台所の方から聞こえて来た声に、僕はすぐにその苛立ちを抑えた。台所から顔を覗き込ませて来たのは、長い金髪を後頭部に束ねた女性だった。

 

「あぁ、良かった……! 昨日の夜からずっと意識を失ったままだったから、もう目覚めないのかと思った……」

 

「ッ……あ、えぇっと……」

 

金髪の女性はお粥の入った器をお盆に乗せて、僕の元まで運んで来てくれた。僕の視点から見た感じでは、彼女はかなりの美人だった。おまけに彼女の恰好も、上は白いタンクトップ、下は青色のホットパンツのみと、何と言うべきかその……凄く目のやり場に困った。

 

「……ここは、一体?」

 

「昨日の夜、あなたが道端に倒れていたのを私が見つけたんです。それで、ひとまず私の部屋まで運ぼうと思って」

 

「そう、だったんですか……」

 

聞いたところ、ここは彼女が住んでいるマンションの一室らしい。ベランダの外から街の風景が見える辺り、エレベーターも使えるとはいえ、女性の力で1人の男性を運ぶのは相当大変だっただろう。僕は彼女に感謝しなければと強く思った。

 

「ありがとうございます。わざわざ、傷の手当てまで……」

 

「い、いえいえ! あなたが無事に目覚めてくれて本当に良かったです! えぇっと……」

 

「あぁ、僕は椎名修治って言います。あなたの名前は?」

 

「私ですか? 私の名前は―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

社麗華(やしろれいか)です。麗華って呼んで下さい、椎名さん♪」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この出会いが切っ掛けだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女と出会ったその時から……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命の歯車は、狂い始めていたのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……?

 




仮面ライダータイガ―――椎名修治は何故、あんなにも犯罪者を憎んでいるのか。今回のお話で、その切っ掛けはわかって貰えたかなと思います。

ちなみにタイガに変身していた坊主頭の男ですが……まぁ、わかる人はわかるでしょう。

ラストに登場した女性についても、ここでは敢えて何も言いません。

そしてごめんなさい。たぶん次回も閑話みたいな話を投稿する事になるかもしれません。もう嫌だこの状況……orz
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