リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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どうも、ロンギヌスです。

長期間更新が途絶えていた本作、やっと続きが書き上がったので更新しました。と言っても内容はそんなに長くありませんが。

今回は特に戦闘シーンはありません。

それではどうぞ。












なお現在、活動報告にて「RIDER TIME」とはまた別のオリジナルライダー募集を開催しております。詳しくは活動報告にて。

追記:さらに二度目のオリジナルミラーモンスター募集も開始しました。興味が湧いた方はぜひ。







第37話 解決?

「パパ~!」

 

荒廃都市区画。リッパーに逃げられてしまった手塚とティアナは、相手の逃走先がわからない関係上、追跡を断念せざるを得ない状態だった。その為、廃ビルから外に出た2人は、外でシャマルの手当てを受けていたヴィヴィオ達と合流し、手塚は笑顔で抱き着いて来たヴィヴィオを懐で受け止めた。

 

「遅くなってすまなかったなヴィヴィオ。怖かっただろう?」

 

「ううん、大丈夫! パパなら絶対来てくれるって、信じてたから!」

 

「当たり前だ。お前との約束だからな」

 

「えへへ……!」

 

手塚の懐に頭をスリスリさせながら笑うヴィヴィオに、手塚も自然と穏やかな笑みを零す。そこにアインハルトとイヴの手当てを終えたシャマルも歩み寄って来た。

 

「本当に、全員無事で良かったわ。でも、2人だけでこうして出てきたって事は……」

 

「……すみません。ジャック・ベイルには逃げられてしまいました」

 

「仕方ないわ。ヴィヴィオちゃん達が無事だっただけでも喜びましょう」

 

ジャックに逃げられてしまった事をティアナがシャマルに謝罪する中、手塚は今も離れようとしないヴィヴィオの頭を優しく撫でながら、先程までの戦いを振り返っていた。

 

(あの時の天井の崩れ……)

 

リッパーを追い詰めた時、突然2人のいた真上の天井が崩れた。あれは本当に、ただ偶然崩れただけなのか。それとも、何者かが意図的に(・・・・)崩したのか。偶然というにはあまりにもタイミングが良過ぎる為、手塚は後者の可能性が高いのではないかと踏んでいた。

 

「……いずれにせよ、早くジャック・ベイルの行方を掴まなければならないな。これ以上の犠牲が出てしまう前に。それに奴には、聞かなければならない事ができた」

 

「聞かなければならない事?」

 

「あぁ……だが、今はそれよりも」

 

手塚は視線を移す。彼の見据える先には、シャマルから借りた上着に身を包むアインハルトと、そのアインハルトに膝枕して貰う形で眠っているイヴの姿があった。

 

「アインハルト、あなたは知っていたのね? この子がライダーだって事」

 

「……今まで、黙っていてすみませんでした」

 

ティアナの問いに、アインハルトは申し訳なさそうに頭を下げて謝罪する。その謝罪は、手塚達には肯定の意味として受け止められた。

 

「驚いたわ。こんなに若い女の子が……」

 

「……俺達と同じように、人を守る為に戦ってきたのか」

 

そんな呟きを零すシャマルの手には、眠ったイヴから一時的に拝借したイーラのカードデッキ。かつて手塚達は高校生が変身するライダーと出会った事ならあったが、まさかそれよりもっと若い子供がライダーに変身しているという事実は、少なからず驚きの隠せない話だった。手塚もまた、非常に複雑な心境だった。

 

「今まで大人の姿だったのも、ヴィヴィオやアインハルトちゃんみたいに、変身魔法が使えるからか……」

 

「アインハルト、どうして今まで黙っていたの? 相談するくらいの事はしてくれても良かったのに」

 

「すみません……この子の事は、秘密にするようにと言われて」

 

「あなたにそう言ったのは誰?」

 

「……蜘蛛のライダーだな」

 

シャマルの問いにアインハルトが答えるよりも前に、手塚が言い当ててみせた。彼の脳裏に浮かぶのはウェイブ、そしてウェイブが変身したアイズの姿。

 

「それって、ギンガが助けて貰ったっていう……?」

 

「あぁ。奴はこれまでも、俺や夏希がその子から話を聞こうとするたびに割って入り、話を遮ってきた。それ以上、俺達とその子の会話が続かないように」

 

まるで、自分達に余計な事を知られたくないかのように。これまで何度か素顔でウェイブと対面した事がある手塚はそう告げた。

 

「一体、何の為にそんな事を?」

 

「わからない。奴にとって、俺達がその子の素性を知るのは好ましくない、という事なのだろう。そして俺の推測が正しければ、今回もきっとその子を回収しに―――」

 

 

 

 

 

 

「へぇ、よくわかってるじゃないの」

 

 

 

 

 

 

≪ADVENT≫

 

「え……きゃあっ!?」

 

「!? なっ……くぅ!?」

 

「ッ!!」

 

「パパ!?」

 

その時だった。シャマルとティアナ、そして手塚の体に蜘蛛の糸が次々と巻きつき、一瞬にして3人は身動きを取れなくなってしまった。直前で手塚から引き離されたヴィヴィオが驚く中、瓦礫の上から降りて来たアイズが手塚達の前に着地し、その隣にディスパイダー・クリムゾンがノシノシと姿を現した。

 

「!? あなたは……!!」

 

「ども、管理局のお嬢さん方♪ 悪いけど、その子は連れ帰らせて貰うね」

 

「な、待ちなさ……ッ!?」

 

『キシャアァァァ……!!』

 

糸を巻きつけられた状態でも立ち上がろうとしたティアナを、ディスパイダー・クリムゾンが睨みつけながら強く威嚇する。その間に、アイズはアインハルトに膝枕されているイヴの元まで近付いて行き、アインハルトからイヴの身柄を引き取り優しく抱きかかえる。

 

「ありがとね、この子の面倒見て貰っちゃって。後は俺に任せてよ」

 

「あ、あの……ッ」

 

アイズがイヴを抱きかかえた際、アインハルトは何か言いたそうな表情でイヴに手を伸ばそうとしたが、その手がイヴに届く事はなく、アイズはイヴを抱きかかえて立ち去ろうとする。その前にティアナが彼を呼び止める。

 

「待ちなさい!! その子をどうするつもり!?」

 

「どうって……言ったでしょ? この子を連れ帰らせて貰うって」

 

「答えになってないわ!! あなた、その子の事を何か知ってるんでしょう!? あなたが知ってる事、全部話しなさい!!」

 

「断る」

 

ティアナのいる方に振り返る事なく、アイズは迷いなくそう言い切った。

 

「お宅等が良い人達だってのは充分わかってるつもりだよ。でも悪いね。この子について、お宅等に話せる事は何もない」

 

「どうして!? 何か話せない事情でも―――」

 

「何度も同じ事言わせないでよ」

 

シャマルの問いかけにも、アイズは何も答えようとしない。それどころか若干棘のある言い方で、彼女の言葉を容赦なく遮った。

 

「話したところで解決しない問題もある、という事さね。お分かり?」

 

「ッ……!!」

 

そう告げたアイズに、ティアナ達は言葉に詰まる。彼女達が何も言ってこないのを皮切りに、アイズは振り返る事もないまま、イヴを連れてその場を立ち去ろうとした……が。

 

「あ、あの!」

 

今度はヴィヴィオが呼びかけ、再びアイズの足が止まる。またも呼び止められた事で、アイズは仮面の下で少しだけムッとした表情を浮かべながら返事を返す。

 

「……まだ何か用?」

 

「ッ……そ、その……」

 

苛立ちのあまり、ヴィヴィオに対しても少しだけ苛立った口調になるアイズ。それに少しだけビクッと怯えるヴィヴィオだったが、それでも勇気を出して口を開いた。

 

「そ、その子とあなたは、知り合いなんですよね!?」

 

「……だったら何?」

 

どうせまた、イヴの素性について何か聞こうとして来るのだろうと。そう予測していたアイズはうんざりした様子でヴィヴィオに問い返した……が。

 

「じ、じゃあ……その子の傍に、いてあげて下さい!」

 

「!」

 

ヴィヴィオが告げた内容は、アイズの予想とは全く違う物だった。

 

「その子、私達の事を助けようとしてくれたんです! でも私達のせいで、その子が代わりに傷ついて、怖い思いをしちゃって……!」

 

ヴィヴィオはその目で見てきた。ジャックとの戦い追い詰められ、恐怖に怯えるイヴの姿を。そんなイヴの事を心配した様子で叫ぶアインハルトの姿を。

 

「だから、どうかその子に寄り添って、支えてあげて下さい! もう悪い人はいないから、大丈夫だよって……もう怖くないよって……!」

 

「ヴィヴィオ……」

 

「それから、目が覚めたら伝えて下さい……助けに来てくれて、ありがとうって!」

 

だからこそ、ヴィヴィオはアイズに伝えたかった。心身共に傷ついているであろうイヴの為に、傍に寄り添ってあげて欲しいと。そして、自分達を助けに駆け付けてくれたイヴに、感謝の気持ちを。

 

(……へぇ)

 

これには先程まで少し苛立っていたアイズも、仮面の下で驚きつつも感心した様子で笑みを浮かべる。これほどまでに優しい少女に対し、背を向けて話していた彼は初めて、くるりとヴィヴィオの方に振り向いて口を開いた。

 

「優しいんだな、お嬢さん」

 

「あ、えっと……」

 

「了解。ちゃんとこの子の傍にいてあげるし、目が覚めたら伝えておくよ」

 

ヴィヴィオからの頼み事を引き受けたアイズは、イヴを抱きかかえながら近くの廃ビルまで近付く。その際、彼は手塚の方に首だけ向ける。

 

「良い子に育ってるねぇ」

 

「……あぁ。自慢の娘だ」

 

「はは、そうかい」

 

アイズは小さく笑ってから、割れていない窓ガラスを通じてミラーワールドに入り込んで行く。それに続くようにディスパイダー・クリムゾンも姿を消していった後、緊張の糸が解けたのか、ヴィヴィオはその場にドサリと座り込んだ。

 

「ふはっ……き、緊張したぁ」

 

「……ティアナ。一応聞いておくが、奴の追跡は?」

 

「無理ですね、残念ながら……はぁ」

 

やはり、ミラーワールドに入られるとデバイスで行方を追う事はできないようだ。クロスミラージュのダガーモードで糸を切り自由になったティアナは、手塚とシャマルの糸も同じように切った後、どこか疲れ切った様子でなのは達に通信を繋げるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後。

 

「……」

 

あの後、イヴをヴィクターの屋敷まで送り届けたウェイブは、とあるビルの屋外階段に座り込んでいた。特に何かしたい訳でもなく、彼はただ外の景色を眺め続けていた。

 

『どうかその子に寄り添って、支えてあげて下さい! もう悪い人はいないから、大丈夫だよって……もう怖くないよって……!』

 

(……支えてあげて下さい、か)

 

ヴィヴィオの言葉がずっと、ウェイブの脳裏によぎっていた。その事にどこか思い詰めたような表情を浮かべながらも、彼は懐から取り出した物に目を向ける。それは二宮から渡されたあの資料だった。

 

「回収ご苦労だったな」

 

「!」

 

その時、後ろから階段を降りて来る音に気付いたウェイブが振り返る。そこには彼より数段ほど上に立ち、見下ろしている二宮の姿があった。

 

「奴等には、何も知られてないだろうな?」

 

「……知られる前に回収したよ。お宅のお望み通りな」

 

「そりゃ良かった。俺にとっても、奴等に余計な事を知られると面倒だったからな」

 

「お宅等の為じゃなく、あの子の為にやっただけだ。勘違いして貰っちゃ困る」

 

「あ、そう……まぁ良いさ」

 

ウェイブが強く睨みつけても、二宮は涼しい顔で階段の手すりに背を預ける。わざわざそんな事を言う為だけに来たのかと一瞬考えるウェイブだったが、すぐにそれは違うだろうと判断し、二宮に問いかけた。

 

「……で、わざわざ何の用な訳? ただ労いに来たんじゃないんだろ」

 

「ご明察。お前に2つほど、伝えておきたい事があってな」

 

「伝えたい事?」

 

「あぁ。まず1つ目だが……ジャック・ベイルを始末して来た」

 

「ッ!?」

 

ジャック・ベイルの死。いきなり過ぎる二宮の発言に、ウェイブは思わず目を見開いた。

 

「……どういう事だ? お宅等、奴を利用してたんじゃなかったのか?」

 

「最初はそうだったんだが、少しばかり事情が変わってな……あの男、記憶を失う前の(・・・・・・・)ガキと過去に会った事があるらしい」

 

「!!」

 

「だから殺した。口封じの為にな」

 

二宮の発言を聞いて、更に驚かされるウェイブ。彼の中ではジャックが死んだ事よりも、その次に告げられた内容の方がよほど衝撃的だった。

 

「これでまた、秘密を知る者が1人減った訳だ。お前にとっても、喜ばしい事だろう? もうこれ以上、奴の犠牲になる人間が出る事がないんだからな」

 

「それは……」

 

ジャックによる犠牲者がこれ以上出なくなるのは、ウェイブにとっても確かに喜ばしい事ではあった。しかし殺人犯とはいえ、こうも簡単にジャックの命が奪われた事に対して、ウェイブは素直に喜べなかった。何より、二宮がジャックを殺した理由の方に意識が向いていた為、ウェイブは自分の気持ちをどう表して良いのかわからなかった。

 

「だが、ここで1つ残念なお知らせがある」

 

するとここで、二宮が捕捉も兼ねて再び口を開いた。

 

「奴の犠牲者が出る事はなくなった……が、事件はまだ終わっていない」

 

「……何だと?」

 

「予言してやろう」

 

次に二宮が告げた言葉。その内容を知り、ウェイブは再び驚かされる事となる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そう遠くない内に、また殺人事件が起こる。ジャック・ベイルと同じ手口(・・・・)でな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

深夜のミラーワールド……

 

 

 

ドスゥンッ!!

 

『グルルルルルルル……』

 

信号機もない小さな道路を闊歩する、1体の巨大なモンスター。猛獣のような唸り声を上げるそれの姿が、月明かりによって照らされる。

 

赤褐色の体を覆う、骨格のような形状をした銀色の鎧。

 

開いた口から覗かせる、無数の鋭く白い牙。

 

そして小さな2本指の前足に、太く大きな後ろ足。

 

『ガオォォォォォォォォォォォンッ!!!』

 

古代の肉食恐竜を彷彿とさせるその巨大モンスターは、自身の体を明るく照らす月に向かって、王者の如く咆哮を轟かせる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

「行こう、ロートヴォルフ」

 

『……ウオォォォォォォォォォォォォンッ!!!』

 

それとは別に動き出していた、狼の仮面ライダー。長剣型の召喚機を抜刀した彼は、咆哮を上げる狼のモンスターの背に飛び乗り、夜の街を駆け出すのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎ViVid!


フェイト「また犠牲者が!?」

スクラム「全く、これで一体何件目でしょうねぇ」

ウェイブ「犯人はジャック・ベイルだけじゃない……?」

???「やっと見つけたぞ……!!」


戦わなければ生き残れない!
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