リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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色々詰め込み過ぎた為、今までで一番長い話になってしまいました。それ以外、今回は他に語る事は何もありません。

それではどうぞ。



第19話 混戦、そして…

ミラーワールド、とある戦い……

 

 

 

 

『俺は戦う……蓮の代わりに……!』

 

 

 

 

蝙蝠の意匠を持った、西洋騎士のような青い戦士がいた。その名は“仮面ライダーナイトサバイブ”……彼は当初、ライダー同士の戦いを止めようとしていた。しかし、彼は戦う道を選んだ。亡き友の意志を継ぐ為に。

 

 

 

 

『さぁて……!』

 

 

 

 

『ふん……』

 

 

 

 

『ははははは……!!』

 

 

 

 

そんなナイトサバイブを、8人の仮面ライダーが一斉に取り囲んでいく。

 

 

 

 

牛の意匠を持った機械的な緑の戦士―――“仮面ライダーゾルダ”。

 

 

 

 

コブラの意匠を持った紫の戦士―――“仮面ライダー王蛇”。

 

 

 

 

鮫の意匠を持った水色の戦士―――“仮面ライダーアビス”。

 

 

 

 

白虎の意匠を持った青と白銀の戦士―――“仮面ライダータイガ”。

 

 

 

 

ガゼルの意匠を持った茶色の戦士―――“仮面ライダーインペラー”。

 

 

 

 

白鳥の意匠を持った白い戦士―――“仮面ライダーファム”。

 

 

 

 

ドラゴンの意匠を持った漆黒の戦士―――“仮面ライダーリュウガ”。

 

 

 

 

そして不死鳥の意匠を持った黄金の戦士にして、神崎士郎の操り人形―――“仮面ライダーオーディン”。

 

 

 

 

8人のライダーは全員、カードデッキからファイナルベントのカードを引き抜き、ナイトサバイブに狙いを定めている。それでも、ナイトサバイブは決して怯まなかった。

 

 

 

 

『蓮……お前にも、答えはわからなかったんだろう……?』

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

王蛇が、タイガが、インペラーが、オーディンが、ファイナルベントのカードを装填していく。

 

 

 

 

『お前は答えを見つける為に戦っていたんだ……!』

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

リュウガが、アビスが、ゾルダが、ファムが、ファイナルベントのカードを装填していく。

 

 

 

 

『俺も戦う……お前が探していた答えを、見つける為に……!!』

 

 

 

 

ナイトサバイブは左腕の召喚機―――“ダークバイザーツバイ”に収納されている長剣―――“ダークブレード”の柄に手をかける。

 

 

 

 

彼にはもう、迷いはなかった。

 

 

 

 

ダークブレードが引き抜かれ、8人のライダー達も一斉に構え出す。そしてナイトサバイブが引き抜いたダークブレードを振り上げ、8人のライダー達に向かって果敢に立ち向かっていく。

 

 

 

 

『だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この結末は悲劇だったのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それともこれで良かったのか……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これはまだ、この大きな戦いのほんの序章に過ぎなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――チッ」

 

首都クラナガン。とある建物の屋上に設置されたベンチで昼寝をしていた湯村は、目覚めが悪そうな様子で舌打ちしながら、ベンチから体を起き上がらせていた。一度落ち着く為にも、ベンチの下に置いていた酒瓶を手に取り酒を豪快に飲み始める。

 

(あの時の夢か……思い出すだけで腹が立つ)

 

かつて自分達が集団で追い詰めていた青年―――城戸真司。自分のカードデッキを破壊された彼は、代わりにナイトのカードデッキで変身し、自分達に対して果敢に戦いを挑んで来た。あれだけ不利な状況だったにも関わらず。

 

(その戦いで俺は……)

 

城戸真司に敗れて死んだ。ケツの青い甘ちゃんだったはずの、あの城戸真司によってだ。

 

「……クソッ!!」

 

思い出すだけで苛立ってきたのか、湯村はまだ飲みかけの酒瓶を思いきり叩きつけ、酒瓶がバリンと割れて周囲に破片が転がる。中身の酒が広がっていく中、湯村は自分が寝転がっていたベンチに振り返り、思いきりベンチを蹴り倒す。

 

(本当にムカつく野郎だぜ……あのマンタ野郎に白鳥女もだ、あんな奴に毒された甘ちゃん共が……!!)

 

手塚海之は、城戸真司と同じだ。霧島美穂もまた、城戸真司と同じになっていた。2人があの城戸真司と重なって見えているのが、彼にとっては何よりも腹立たしい事だった。

 

「潰す……アイツ等だけは絶対に潰す……!!」

 

二宮から何度も忠告されたが知った事じゃない。あの2人だけは潰さなければ気が済まない。苛立ちのあまり柵に拳を叩きつける湯村だったが、そんな彼は建物の下の路地裏に視線を向けた時にある光景を目撃した。

 

「……あ?」

 

路地裏の蓋が開いているマンホール。そのすぐ傍で、ボロボロの服を着た金髪の少女を保護している赤髪の少年とピンク髪の少女。そしてそこにバイクで駆けつけた青髪の少女とオレンジ髪の少女。その4人の顔に湯村は見覚えがあった。

 

「アイツ等、確か六課とやらの……」

 

ホテル・アグスタでフォワードメンバー達と戦った時の事を思い出し、湯村は小さく笑みを浮かべた。奴等を利用してやろう。そう思いながら、彼は地上へと降りる為に階段の方へと向かっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「下水道から、女の子……?」

 

「酷い、かなりボロボロじゃない……!」

 

そのフォワードメンバー達4人は今、路地裏で発見された金髪の少女を保護していた。少女は着ている服が既にボロボロで、顔は泥で汚れており、手足の所々に擦り傷があり、本人はかなり衰弱している様子だ。そして少女の足に鎖で繋がれているケースにティアナは気付いた。

 

「これ……レリックのケース!?」

 

「はい。中に入っていたレリックは既に封印処理を完了しました……けど」

 

「もう片方は鎖が千切れてる……つまり、レリックのケースがもう1つ繋がっていたって事……?」

 

「ロングアーチの皆さんに調べて貰っています。隊長達とシャマル先生もそろそろ来る頃だと思いますが……」

 

「皆、お待たせ!」

 

そこへなのはとフェイト、シャマルが急いで駆けつけて来た。シャマルは持ち運んで来た医療器具を並べてすぐに少女の診断を開始し、その一方でなのはとフェイトはスバル達に謝罪する。

 

「ごめんね皆。せっかくのお休みだったのに……」

 

「い、いえ! そういえば、手塚さんと美穂さんは?」

 

「2人は今も六課で待機中。いつモンスターが現れてもすぐ向かえるようにって」

 

そんな話をしている内に、シャマルの少女への診断が終わったのか、シャマルが聴診器を外す。

 

「うん、体には異常なし。これなら少し休ませてあげれば大丈夫よ。皆、ありがとうね」

 

「「「「はい!」」」」

 

少女の命に別状はないとわかり、エリオとキャロは心から喜び、スバルとティアナもハイタッチする。

 

「この子は私達がヘリで搬送するわ」

 

「皆は現場調査をお願い!」

 

「「「「了解!」」」」

 

その時……

 

 

 

 

 

 

「人助けとはご苦労なこったな」

 

 

 

 

 

 

「「「「「!?」」」」」

 

声のした方に一同が振り向くと、路地の曲がり角から湯村が姿を現した。湯村はニヤニヤ笑みを浮かべており、その手には先程割ったばかりの酒瓶が握られている。

 

「あの、どなたですか……?」

 

「おいおい。そこのガキ共4人、前にホテルでドンパチやったの忘れたのかぁ?」

 

「ホテル……」

 

そう言われて、ティアナは脳裏にホテル・アグスタでの戦いを思い浮かべる。無数のガジェット、大量のガゼル軍団、そのガゼル軍団を率いていたインペラー……ティアナは目の前にいる湯村の正体に気付いた。

 

「まさか……インペラー!?」

 

「へぇ、思い出したか?」

 

「「「「「ッ……!!」」」」」

 

湯村が取り出したカードデッキを見て、ティアナだけでなくスバル達やなのは達も一斉にデバイスを構えようとしたが、そこで湯村がいきなりストップをかける。

 

「おっと……俺に手を出すなよ? 俺がどんだけの数のモンスターを従えてるか、忘れた訳じゃあるまい」

 

「何……!?」

 

「お前等が俺に手を出してみな。その瞬間、俺が従えてるモンスター共によって、この街にいる人間達が片っ端から襲われる事になるぜ?」

 

「ッ……なんて卑怯な……!!」

 

街中の人間達が人質にされているとわかり、なのは達が小さく歯軋りする。それに対し湯村は悪びれない様子で高笑いする。

 

「ははははは、何とでも言えば良いさ!! それよりもだ……アイツ等は今どこにいる?」

 

「アイツ等……?」

 

「惚けんなよ。マンタ野郎と白鳥女の事だ……アイツ等だけは、俺のこの手でぶっ潰さなきゃ気が済まねぇ……!!」

 

「どういう事? あなた、どうしてあの2人を……」

 

「どうしてだと? 答えは単純さ……アイツ等が気に入らねぇからだよ」

 

「!?」

 

湯村は割れた酒瓶を、指でぶら下げるように持ちながらなのは達に言い放つ。

 

「アイツ等はなぁ、俺が気に入らないと思ってる奴と似ている。重なって見えるんだよ……争いを好まず、人助けの為にライダーの力を使っている……甘ちゃん過ぎてなぁ、見ていて吐き気がするんだよ!! そういう意味じゃ、テメェ等も同じだ、ウザくてウザくて仕方ない……!!」

 

「な……あなた、そんな事の為だけにあの2人を狙ったって言うんですか!!」

 

「何が悪い。気に入らない奴をぶっ潰す事の何がいけないってんだ、あん? 気に入らない奴を潰したいって思うのは、人間誰だって同じ事だろうが」

 

「ッ……じゃあ、美穂さんが言ってた民間人を襲わせたって話は……!!」

 

「あぁ、あの不良共か? アイツ等は別に死のうが死ぬまいがどっちでも良いだろ? 別に死んだって誰かが困る訳でもあるまいに……だからモンスターの餌にしてやったよ。アイツ等の餌を用意してやるの結構大変だからなぁ」

 

「「「「……ッ!!」」」」

 

それを聞いたなのは達は怒りが湧き上がってきた。特にフェイトは強い目付きで湯村を睨みつける。

 

「あなた、最低です!! どうしてあなたのような人がライダーなんかに……」

 

「最低、か……ぷ、くははははははははははははははは!!」

 

湯村は先程よりも更に大きく高笑いし始めた。

 

「何がおかしい!!」

 

「いやぁ、本当におかしくて仕方ないぜ……俺が最低だと? それはあの白鳥女にも言える話だろうがよ」

 

「!? 美穂さんが……?」

 

「お前等、あの女が元いた世界で一体何をしていたか知ってるか? あの女が一体どんな事をやらかしたか、お前等は知ってんのかよ?」

 

「そ、それは……」

 

そう言われ、なのは達は答えられなかった。確かに自分達は、美穂が元いた世界で何をしていたのかをまだ何も教えられていない。しかし、フェイトだけは何となくだが心当たりがあった。

 

 

 

 

 

 

『正直、心の整理がまだ完全には付いてなくてさ……元の世界で、アタシが犯した罪……それを話すのは、今はまだ少し待って欲しいっていうか……』

 

 

 

 

 

 

(……彼女が犯した罪は、スリだけじゃない……?)

 

あの時に美穂が見せた表情は、スリを犯した事以上に何か重い物が感じ取れた。その何かを、目の前にいる湯村は詳しく知っているという事なのか。フェイトは頭を冷静にさせてから、湯村に問いかける事にした。

 

「……あなたは、美穂さんや手塚さんの事を知っているそうですね。それは何故ですか?」

 

「あん? あぁ、色々知ってるぜぇ。特にあの女はなぁ―――」

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

湯村の言いかけた台詞は、突如聞こえてきた金切り音によって途切れてしまった。なのは達は金切り音に警戒して周囲を見渡し、湯村は話を中断する羽目になった事で舌打ちする。

 

「モンスター、こんな時に……!?」

 

「チッ。せっかく話をしていたってのに……まぁ良い」

 

湯村は割れた酒瓶を投げ捨て、左手に持ったカードデッキを近くの建物の窓ガラスに突き出す。湯村の腰にベルトが装着され、湯村は変身ポーズを取ってからベルトにカードデッキを装填した。

 

「変身!」

 

湯村はインペラーの姿に変身した後、ミラーワールドに入る前になのは達の方に振り返る。

 

「あの2人は俺が潰す、その次はそこのガキ共だ。ホテルでの仕返しはキッチリ済ませてやるからな……!!」

 

「「「「ッ……!!」」」」

 

それだけ言ってから、インペラーは窓ガラスを通じてミラーワールドに突入していく。その直後、シャーリーからなのは達に緊急の通信が入った。

 

『来ました、ガジェット反応です!! 地下に数機、上空に数十機!!』

 

「!? ガジェットまで……」

 

「皆、あのインペラーってライダーの事も気になるけど、まずは地下にいるガジェットの殲滅に回って!! この子はすぐにシャマル先生達がヘリで搬送するから!!」

 

「「「「了解!!」」」」

 

『スターズ2からロングアーチへ!!』

 

フォワードメンバー達が開いているマンホールを通じて下水道に向かい、シャマルが金髪の少女をヘリで搬送していく中、音声通信でヴィータの声が聞こえてきた。

 

『海上で演習中だったんだけど、ナカジマ三佐が許可をくれて、現場に向かってる!! それからもう1人……』

 

『108部隊、ギンガ・ナカジマです! 別件捜査の途中だったんですが、今回の事件、そちらとも関係がありそうなんです! 参加してもよろしいでしょうか?』

 

『お願いや!! ヴィータはリインと合流し、南西を制圧!! 隊長達は北西や!!』

 

「「了解!!」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

「本当に最悪、またモンスターが出てくるなんて……!」

 

「本部で待機していて正解だったな」

 

一方で、六課本部でも慌ただしい状況だった。はやてが司令室ではロングアーチの面々と共に各方面へそれぞれ指示を下している中、手塚と美穂は例の金切り音でモンスターの接近を察知し、ミラーワールドに向かおうとしている最中だった。

 

「さっき、なのは達が女の子を保護したって聞いたんだけど、大丈夫なのかな……?」

 

「シャマル達が保護に向かっているなら問題はないだろう。俺達は俺達にできる事をするだけだ」

 

「うん、そうだね……!」

 

2人は通路の窓ガラスにカードデッキを向け、出現したベルトが2人の腰に装着される。2人は同時に変身ポーズを取った後、カードデッキをベルトに装填する。

 

「「変身!」」

 

手塚はライアの姿に、美穂はファムの姿に変身し、2人同時に窓ガラスからミラーワールドへと突入する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

「……モンスターか」

 

オンボロのアパートにて。ソファに寝転がったまま顔に開いた本を乗せて寝ていた二宮は、聞こえて来る金切り音で目を覚まし、不機嫌そうな様子でソファから起き上がる。その時、部屋の窓ガラスに金色の羽根が映り、それと共にオーディンが窓ガラスに映り込んだ。

 

『湯村が機動六課と接触を図った。手塚海之と霧島美穂の事を諦めていないようだぞ』

 

「……本当に面倒な事しかしねぇな、あの馬鹿が」

 

二宮はカードデッキを取り出し、窓ガラスに対して体を横に向けた状態でカードデッキを突き出す。ベルトが腰に装着された後、二宮は変身ポーズを取ってからベルトにカードデッキを装填する。

 

「変身!」

 

二宮はアビスの姿に変身し、窓ガラスからミラーワールドに突入していく。その様子をオーディンは静かに見届けていた。

 

『この戦い、果たしてどんな結末を迎えるのか……見届けさせて貰うとしよう。フフフフフ……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

「ははははは……ようやく楽しめそうだ……!!」

 

そして、とある民家に無断で侵入していた浅倉も、洗面所の鏡に自身のカードデッキを向けていた。出現したベルトが浅倉の腰に装着された後、浅倉はカードデッキを持った左手を左腰に下げ、右手を下から上にユラリと移動させて顔の前に持っていき、右手を前方に突き出し素早く胸元に移動させる。

 

「変身!!」

 

そして右手を下げた後、左手に持ったカードデッキをベルトに装填。浅倉の全身に鏡像が重なり、コブラの意匠を持った毒々しい紫色の戦士―――仮面ライダー王蛇に変身した。

 

「あぁ~……」

 

王蛇は首を回した後、左腕を軽くしならせ、洗面所の鏡を通じてミラーワールドに突入していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、5人の仮面ライダーが同じ戦場に突入していく事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『お嬢様』

 

とあるビルの上に建てられた電波塔。その上にはルーテシアが1人静かに立ち尽くし、街を見渡していた。そんな彼女は今、ウーノと映像通信を繋げている。

 

『ヘリに積まれたレリックとマテリアルは妹達が回収します。お嬢様は地下に残っているレリックを』

 

「うん……」

 

『ところで、騎士ゼストとアギト様は今どこに……?』

 

「別行動……」

 

『そうですか。必要とならばすぐに救援を向かわせますので、連絡をお願いします。状況次第では“彼”をそちらに送る事になるかもしれません』

 

「……了解」

 

ウーノとの通信が切れ、ルーテシアは自身の近くに立って構えていた人型の召喚虫―――ガリューに語りかける。

 

「行こうガリュー……お兄ちゃんにまで、迷惑かけたくないから」

 

それにガリューがコクリと頷き、ルーテシアはガリューと共に魔法陣を通じて姿を消すのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあら、結構アッサリやられてますわねぇ」

 

また別の場所では、建物の上から戦場を見渡している者がいた。青いボディスーツの上に白いマントを羽織り、眼鏡をかけた茶髪の女性は今、遠くでガジェット達と戦っているなのは達を眺めていた。ガジェットは次々と破壊されていっており、その事に眼鏡の女性は困った様子で呟いた。

 

「仕方ありませんわね……このクアットロのインヒューレントスキル、シルバーカーテン。これからあの隊長さん達には、嘘と幻のイリュージョンで踊って貰いましょう♪」

 

眼鏡の女性―――“クアットロ”は甘ったるい口調で妖艶に呟きながら、ガジェット達と戦っているなのは達のいる方角へ自身の手を向ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「レイジングハート!!」

 

≪All right≫

 

「ディバイン……バスタァーッ!!」

 

なのはのレイジングハートから放たれる砲撃魔法が、ガジェットを一気に破壊していく。その一方でフェイトもバルディッシュを振るいガジェットを連続で斬り裂いて破壊していた。

 

しかし……

 

「……ッ!?」

 

フェイトの繰り出した斬撃がガジェットを破壊した……かと思えば、バルディッシュの攻撃がガジェットをすり抜けてしまった。

 

「すり抜けた……!?」

 

「もしかして……」

 

なのはも試しに魔力弾を1発だけガジェットに向けて放つ。すると当たると思われた魔力弾が、ガジェットをすり抜けて行ってしまった。それを見てなのは達は確信する。

 

「幻影と実機の編成部隊……!!」

 

「これはちょっと厄介だね……ッ!? なのは、アレ!!」

 

『『『『『ブブ、ブブブブブブ……』』』』』

 

フェイトの指差した方角から、あの青いトンボを模したガジェットが飛来してきた。ガジェット達は長い槍をその手に構えており、一斉になのはとフェイトに襲い掛かる。

 

「来るよ、気を付けて!!」

 

「うん!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、地下水道では……

 

 

 

 

「うぉりゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

スバルのリボルバーナックルによる一撃が、目の前にいたガジェットを破壊。これにより地下水道に出没していたガジェットはひとまず殲滅が完了された。

 

「よし、この辺の奴は全部破壊し終えたわね」

 

「ケースの反応はこの先です!」

 

キャロがそう告げた直後。

 

 

 

 

ドォォォォォォン!!

 

 

 

 

「「「「ッ!?」」」」

 

4人が立っていたすぐ近くの壁が破壊される。4人は一斉に身構えるも、土煙が晴れていく中でスバルとティアナは壁を破壊した人物の正体に気付いた。

 

「スバル、元気にしてた?」

 

「ギン姉!!」

 

「ギンガさん!!」

 

駆けつけたのが自分の姉―――“ギンガ・ナカジマ”だとわかり、スバルは嬉しそうな表情で、ティアナは敵じゃないとわかり安堵した様子でギンガに駆け寄る。

 

「あの人が、スバルさんのお姉さん……」

 

「あら、あなた達がエリオ君にキャロちゃんね。初めまして」

 

「「は、初めまして!」」

 

エリオとキャロが緊張した様子で敬礼する中、スバルはギンガに問いかけた。

 

「でもギン姉、どうしてここに?」

 

「私が追っていた別件と関係がありそうだったから、途中で合流させて貰ったの。それから……」

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

「「「「ッ!!」」」」

 

ギンガが話していた最中、再び金切り音がスバル達の脳内に響き渡ってきた。まだライダーともモンスターとも関わりがないギンガは4人の様子に首を傾げた。

 

「どうしたの?」

 

「この気配、すぐ近く……!!」

 

「気配……それってもしかして、八神部隊長が言っていた鏡の世界の怪物の事?」

 

「え、ギン姉も知ってるの?」

 

「話を聞いただけだから、まだ接触した事はないわ……今、スバル達のところにいるんでしょ? その鏡の世界の怪物と戦っている人達が」

 

「うん! 凄く強くて、とても頼もしい人達だよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺が最低だと? それはあの白鳥女にも言える話だろうがよ』

 

『お前等、あの女が元いた世界で一体何をしていたか知ってるか? あの女が一体どんな事をやらかしたか、お前等は知ってんのかよ?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

「スバル?」

 

「へ? あ、ううん! 何でもない!」

 

一瞬、湯村から言われた事を思い出したスバルだが、彼女はすぐに首を横に振るのだった。

 

(大丈夫……美穂さんはとても良い人だもん……あんな奴の言う事に騙されちゃいけない……!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ブルルルルル……!!』

 

「いた、あそこ!!」

 

ミラーワールド、廃棄都市区画。歩道橋の上を走り抜けていたゼブラスカル・ブロンズを見つけたライアとファムは跳躍し、ゼブラスカル・ブロンズの前まで先回りする。

 

「街では高町達も戦っている、手早く倒さなければな」

 

「確かに」

 

≪SWING VENT≫

 

≪SWORD VENT≫

 

『ブルルルル!!』

 

ライアがエビルウィップを、ファムがウイングスラッシャーを召喚して装備するのに対し、ゼブラスカル・ブロンズは両腕から鋭利なカッターを伸ばし、2人に向かって斬りかかってきた。そのカッターをライアが左腕のエビルバイザーで防ぎ、背後からファムがウイングスラッシャーでゼブラスカル・ブロンズを斬りつける。

 

『ブルルルルル……ブルァッ!!』

 

「!? 何……!!」

 

「うぇえ!? 何その跳び方!?」

 

ゼブラスカル・ブロンズは全身をバネのように変化させて縦に伸ばし、そのまま大きく跳躍してライアとファムの間から脱出。そのままどこかに逃げ去ろうとする。

 

「あ、逃げた!? 追わなきゃ!!」

 

≪ADVENT≫

 

『ピィィィィィィィィッ!!』

 

「待て、美穂!!」

 

高い跳躍力でどこかに逃げ去っていくゼブラスカル・ブロンズを、ファムは召喚したブランウイングの背中に素早く飛び乗って追跡を開始。ライアもそれに続く形でエビルダイバーを召喚しようとしたが……

 

『ブルゥ!!』

 

「ぐぁっ!? もう1体いたのか……!!」

 

そんなライアの背後から、同じシマウマ型の怪物―――“ゼブラスカル・アイアン”が出現。鋭利なカッターで背中を斬りつけられたライアは素早く身構え、ゼブラスカル・ブロンズと応戦するが……

 

「どらぁっ!!」

 

『ブルッ!?』

 

「ッ……お前は……!!」

 

「コイツは俺の獲物だ……そこをどけぇ!!」

 

≪ADVENT≫

 

『『『『『グルルルルァッ!!』』』』』

 

「!? く、コイツ等また……!!」

 

ガゼルバイザーにカードが装填され、どこからか現れたガゼル軍団がライアの周囲を取り囲む。ライアがガゼル軍団と応戦する一方で、インペラーはゼブラスカル・アイアンを連続で蹴りつけていた。

 

「おらおらおらおらおらぁっ!!!」

 

『ブ、ブル!? ブルルルルル……ブルァッ!!』

 

「あ、テメェ待ちやがれ!?」

 

するとゼブラスカル・アイアンも、同じように体をバネのように伸ばしてその場から跳躍。一気に建物の上まで移動した後、ゼブラスカル・アイアンはあっという間に逃げ去ってしまった。

 

「くそ!! ここ最近モンスター取り逃してばっかだな……この鬱憤はテメェで晴らさせて貰おうかぁ!!」

 

「!? ぐ……!!」

 

インペラーはすぐに標的をライアに切り替え、ネガゼールをエビルウィップで攻撃していたライアの背中に飛び蹴りを炸裂させる。後ろから蹴りつけられたライアは歩道橋から地面に落下し、彼の前にインペラーが着地する。

 

「あのガキ共に場所を聞く必要もなかったな……まずはテメェからぶっ潰してやるよ!!」

 

「ッ……!!」

 

インペラー率いるガゼル軍団が、一斉にライアに襲い掛かった。ガゼル軍団の連携攻撃でライアがエビルウィップを落とした直後、今度は別方向から水のエネルギー弾が飛来しライアに命中した。

 

「ぐぁあっ!?」

 

「お、二宮か」

 

「湯村……人の手間をかけさせるなと、前にも言ったはずなんだがな」

 

「その話なら後にしやがれ、今はコイツをぶっ潰さなきゃ気が済まねぇんだよ……!!」

 

「全く……面倒な奴め」

 

「ッ……ぐ、がはぁっ!?」

 

面倒そうに呟きながらも、アビスは左腕のアビスバイザーでライアの顔面を薙ぎ払うように攻撃し、そこへ更にインペラーの連続回し蹴りが炸裂。ライアが地面に倒れる中、アビスとインペラーは同時にカードを抜き取り、それぞれの召喚機に装填する。

 

≪STRIKE VENT≫

 

≪SPIN VENT≫

 

「うぉら!!」

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

インペラーのガゼルスタッブによる攻撃がライアを吹き飛ばし、ライアは近くの荒廃したビルの壁まで追い詰められる。その周囲をインペラーとガゼル軍団、そしてアビスクローを構えたアビスが取り囲んでいく。

 

「今度こそ終わらせてやるよ、マンタ野郎……!!」

 

「くっ……!!」

 

インペラーは引き抜いたファイナルベントのカードを、チラつかせるようにライアに見せつける。ライアは壁に手を付きながらも何とか立ち上がる。

 

「お前……どうしても俺を倒すつもりか……!!」

 

「あぁん? 当たり前だろうが。テメェだけじゃねぇ、あの白鳥女もだ……テメェ等を見てるとなぁ、あのケツの青い城戸真司を思い出して、ムカついてムカついて溜まらねぇんだよ!!」

 

「ッ……!!」

 

「もう次はねぇ。俺が改めて教えてやるよ……戦いに負けたライダーが、一体どうなるのかをなぁ!!」

 

もはやライアの言葉にインペラーは聞く耳など持たない。インペラーが引き抜いたファイナルベントのカードがガゼルバイザーに装填されようとした……だが。

 

「待て」

 

そんなインペラーを、後ろからアビスが制止に入った。

 

「あん? 邪魔すんじゃねぇよ二宮、俺は今からコイツを―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドォォォォォォォォォォンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ぐおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「ッ!?」

 

インペラーとライアは一瞬、理解が追いつかなかった。

 

何故なら……

 

 

 

 

 

 

「本当に使えねぇよな、この馬鹿が」

 

 

 

 

 

 

アビスクローから放たれた水流弾が、インペラーを大きく吹き飛ばしたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

『ブルルルァッ!?』

 

一方、ブランウイングに乗ってゼブラスカル・ブロンズを追いかけていたファムは、途中で何とか追いついてゼブラスカル・ブロンズを斬りつけ、地面に撃墜していた。落下したゼブラスカル・ブロンズが廃棄都市区画の高速道路跡地に落下する中、ファムもブランウイングから降りて地面に着地する。

 

「もう逃がさないよ……!!」

 

≪FINAL VENT≫

 

『ピィィィィィィィィィィッ!!』

 

ブランウイングが旋回し、ゼブラスカル・ブロンズに向かって飛来する。ファムもウイングスラッシャーを構え、ミスティースラッシュを繰り出す準備を整えたその時……

 

 

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

突如、別方向からも同じファイナルベントの音声が響き渡ってきた。ライアが追いついて来たのだろうかと、ファムが振り返ったその瞬間……

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「なっ!?」

 

『!? ブルァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!?』

 

どこからか猛スピードで飛来してきたのは、両足に毒液を纏いながらバタ足でキックを繰り出している王蛇だった。ファムは咄嗟に身を屈める事でギリギリ王蛇のキックを回避したが、ファムの後方にいたゼブラスカル・ブロンズはバネによる回避が間に合わず、王蛇のバタ足によるキック―――“ベノクラッシュ”をその身に受け、呆気なく爆散してしまった。

 

「ふぅ……」

 

「ッ……お前は……!!」

 

「あ?」

 

爆炎が燃え盛る中、着地した王蛇はファムの方へと振り返る。王蛇の姿を見てファムは驚愕していた。

 

「な、何で……何でお前が……!!」

 

「ほぉ? もしかしてお前の事か……六課とやらに協力してる、ライダーってのは……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、ライア達の方では……

 

 

 

 

 

「ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

地面が破壊され、その下の地下水道まで落下したインペラー。彼が水路に落ちる中、その近くには彼を撃墜した張本人であるアビスも着地し、倒れているインペラーの方へと振り返る。

 

「高見沢さんと同じだな。こうも簡単に不意打ちに引っ掛かるとは」

 

「に、二宮、テメェ……何しやが、る……!!」

 

「困るんだよ、これ以上お前に好き勝手にされるのは。ただでさえ浅倉の対処にも困ってんだからな」

 

「ッ!? 浅倉……あの浅倉か……奴もこの世界に……!?」

 

「そう、奴は既にスカリエッティと接触している。奴を通じて、スカリエッティに俺達が裏で動いている事が知られてしまう可能性がある……そうなると、下手すれば俺の存在まで気付かれてしまうかもしれない」

 

「テ、テメェ……その為、だけに……俺を攻撃しやがった、のか……!! オーディンが、黙ってねぇ、ぞ……!!」

 

「散々忠告してやったのに、聞かなかったお前が悪いんだろう? それに、オーディンにはもう話を付けてあるから問題ない。ライダーの人数が減れば、こっちの仕事もいくらか効率が悪くなってしまうが……制御の利かない馬鹿をいつまでも放置するよりマシだ」

 

アビスはカードデッキからファイナルベントのカードを引き抜く。それを見たインペラーは座り込んだ状態のまま後ずさりし始めた。

 

「お、おい、待てよ、冗談だろ……!?」

 

「冗談なら、最初からこんなマネはしちゃいないさ」

 

「ま、待て、やめてくれ……ッ!!」

 

「!? よせ、やめろ!!」

 

『『『『『グルルルルル!!』』』』』

 

「ッ……邪魔だ、どけ!!」

 

アビスがやろうとしている事に気付いたライアが止めに入ろうとするも、そんな彼をガゼル軍団が妨害する。自分達の主人がピンチであるにも関わらず、ガゼル軍団はインペラーの方には見向きもしていなかった。

 

「や、やめろ……やめてくれぇっ!!!」

 

「今、この場で沈め」

 

≪FINAL VENT≫

 

『『シャァァァァァァァァッ!!』』

 

「……はっ!!」

 

地下水道の水中からアビスラッシャーとアビスハンマーが飛び出す中、アビスはその場から跳躍。後方からアビスラッシャーとアビスハンマーが口元から強力な水流を放ち、その流れに乗るように猛スピードでインペラー目掛けて必殺技のドロップキック―――“アビスダイブ”を繰り出した。

 

「ぜぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ぐわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

アビスダイブが炸裂し、インペラーは大きく吹き飛ばされ水路を転がされる。必殺技が決まって華麗に着地したアビスは、何度も転がされた後にうつ伏せで倒れているインペラーを見下ろす。

 

「ッ……はぁ、はぁ……く、くそぉ……!!」

 

「ほぉ、意外とタフだな。一撃で終わるかと思っていたが」

 

「がふっ!?」

 

倒れているインペラーを蹴り転がし、仰向けの状態にさせる。アビスダイブを受けた衝撃による物か、インペラーのカードデッキは少しずつだが罅割れ始めていた。

 

「……さて」

 

アビスはインペラーの首元を掴んで無理やり起き上がらせた後、地下水道の水面に目を向ける。水面には……

 

『スバル、一発デカいの決めるわよ!!』

 

『OK、ギン姉!!』

 

ナカジマ姉妹やフォワードメンバー達が、ガジェット達を破壊して回っている姿が映っていた。

 

「ちょうど良い、せっかくの機会だ。お前があのガキ共に教えてやれよ……戦いに敗れたライダーが、どんな結末を迎えるのかをな」

 

「ッ!? い、いやだ、やめてくれ……!!」

 

インペラーは首を掴まれた状態から必死に懇願するも……その言葉に、アビスは聞く耳を持たなかった。

 

「ふん!!」

 

「うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

インペラーのカードデッキを狙うかのように、アビスは彼の腹部を蹴りつけ、地下水道の水面へと容赦なく蹴り落とした。インペラーが水面を通じてミラーワールドから現実世界へ押し戻されていった数秒後……

 

『『『『『グ、ル……』』』』』

 

「……!?」

 

集団でライアに襲い掛かっていたガゼル軍団が、一斉にその動きをピタリと止めた。ガゼル軍団はインペラーが落ちていった地下水道の水面に振り返った後……

 

『『『『『―――グルルルルァッ!!』』』』』

 

突如、ガゼル軍団は自分達が集団で追い詰めていたライアを無視し、水面の方へと次々に飛び込んでいく。その光景に最初は疑問を抱くライアだったが……その理由にすぐに気付いた。

 

「ッ……まさか!!」

 

「おっと」

 

「ぐっ!?」

 

水面に飛び込もうとしたライアを、アビスが蹴りつけて壁際に押しつける。

 

「お前もそこで見てろ。あの単細胞馬鹿の結末をな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっ!!?」

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

襲い来るガジェット達を破壊しながら、順調に地下水道を突き進んでいたギンガとフォワードメンバー達。そこへ水面からいきなりインペラーが飛び出してきた為、驚いた5人は慌てて立ち止まる。

 

「あ、アイツ!!」

 

「インペラー!? どうしてここに……」

 

「え、誰!?」

 

「ッ……う、嘘だ……こんな、はずじゃ……」

 

事情を知らないギンガだけがインペラーの存在に疑問を抱く中、インペラーは倒れている状態から何とか立ち上がろうとした……その時。

 

ガシャンッバキバキバキィンッ!!

 

「!?」

 

アビスに蹴りつけられた事で遂に限界を迎えたのか、インペラーのカードデッキが粉々に破損。カードデッキの破片が地面に落ちた後、インペラーはそれを見て絶望した。

 

「あ、ぁ……そ、そんな……!!」

 

カードデッキ破損と共に、インペラーの変身も解除され湯村の姿に戻ってしまう。そんな湯村には……凄惨な結末が待っていた。

 

『『『『『グルルルルァッ!!』』』』』

 

「「「「「!?」」」」」

 

湯村がこれまで契約していたギガゼールを始め、水面から一斉にガゼル軍団が飛び出して来た。ガゼル軍団は湯村を睨みつけており、湯村は青ざめた様子で尻餅をつき、壁際まで後ずさりする。

 

「や、やめろ……来るな……!!」

 

「アイツ等、インペラーのモンスター!? でも何でアイツを……」

 

そこまで言いかけたティアナは、湯村の近くに転がり落ちているカードデッキの砕けた破片を見て気付いた。何故彼がガゼル軍団に睨まれているのか。

 

(確か、なのはさん達が言っていたような……)

 

フォワードメンバー達も一応、なのはやフェイト達から既にライダーとモンスターについての特徴は一通り聞いている。

 

 

 

 

ライダーはモンスターと契約を結ぶ事で力を得ている事。

 

 

 

 

契約のカードが失われるか、もしくはカードデッキが破損すれば、その契約は破棄になってしまう事。

 

 

 

 

契約が破棄されるという事は、契約する前の関係に戻るという事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり、喰らう側と喰われる側の関係に戻るという事。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ!? いけない!! 皆、急いで彼を守って!!」

 

「「「了解!!」」」

 

「え、何!? どういう事!?」

 

ティアナの指示で、スバル達は湯村を助け出すべく急いで駆け出した。何が何だかよくわかっていないギンガもひとまずは同じように駆け出す……が。

 

『『『『『ブブブブブブ……!!』』』』』

 

「なっ!?」

 

「何コイツ等、今までこんなのいなかったわよ!?」

 

「ッ……邪魔よ、どきなさい!!」

 

そんな5人の前に、トンボ型のガジェット達が大量に出現。5人を取り囲んで襲い掛かって来た。5人がガジェット達に足止めされる一方で、湯村はガゼル軍団によって壁際まで追い詰められていた。

 

「や、やめろテメェ等……俺はお前達の主人だぞ……!!」

 

『『『『『グルルルルル……!!』』』』』

 

湯村が何を言っても、ガゼル軍団は湯村を睨み続けるままだ。ライダーとモンスターには友情や親愛などない。仮にあったとしても、これまでガゼル軍団をぞんざいに扱ってきた湯村に対し、ガゼル軍団が良い感情を抱くはずもない。

 

「い、いやだ、死にたくない!! やめろ……やめろぉっ!!!」

 

そして……“その時”はやってきた。

 

『『『『『グルァァァァァァァァァァァッ!!!』』』』』

 

「ひっ!? あ、が……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!??」

 

グシャッバキッグチャッボリボリボリボリボリ!!

 

ガゼル軍団が群がり、湯村の姿が見えなくなる。そこから響き渡るのは、肉を喰らい、骨を砕く、ガゼル軍団による咀嚼音。喰われゆく湯村の断末魔。それを聞いて振り返ったフォワードメンバー達は、その光景に表情が青ざめた。

 

「ひっ!?」

 

「ッ……皆、見たら駄目よ!!」

 

「「「ッ……!!」」」

 

ギンガがエリオとキャロの視界を覆うように庇い、スバルとティアナも視線を逸らす。そしてガゼル軍団による咀嚼音が聞こえなくなると共にガゼル軍団はその場から離れ……先程まで湯村がいた場所には、彼の物と思われる赤い血と肉片だけが残されていた。

 

「あ、あの人……は……?」

 

「ッ……う、ぷ……うぇぇぇぇぇぇ……!!」

 

「スバルッ!!」

 

その光景をうっかり見てしまったスバルは吐き気に襲われ、口元を押さえてその場に膝を突く。ギンガが彼女の背中を擦る一方、ティアナも同じように吐き気を催しそうになったが必死にそれを我慢し、湯村を喰い殺したガゼル軍団、自分達の周囲を取り囲んでいるトンボ型ガジェット達に向き合う。

 

(駄目、まだ戦いは終わってない……!!)

 

「皆、来るわよ!!」

 

『『『『『グルルルルァッ!!』』』』』

 

『『『ブブブブブブ……!!』』』

 

ガゼル軍団は次の狙いをフォワードメンバー達に定め、まだ破壊されていないトンボ型ガジェット達もフォワードメンバー達に襲い掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その様子を、ミラーワールドから見ていたアビス達は……

 

 

 

 

 

「ほぉ……あのガキ、意外と精神力はあるんだな」

 

「ッ……お前……自分が何をしたのか、わかっているのか……!!」

 

「もちろん、わかってるさ。わかってる上でやったんだよ」

 

≪SWORD VENT≫

 

「ぐあぁっ!?」

 

アビスセイバーによる斬撃がライアに襲い掛かる。斬りつけられたライアが地面を転がり、アビスはそんなライアにアビスセイバーを向ける。

 

「他人が死のうが死ぬまいが関係ない……俺はただ、俺の為に戦っているだけだ」

 

「ッ……!!」

 

そう言ってから、アビスは再びライアに斬りかかっていくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

湯村敏幸/仮面ライダーインペラー……死亡

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

「ははは、懐かしい顔だなぁ……」

 

「ッ……!!」

 

王蛇とファムもまた、向かい合って対峙していた。ファムがウイングスラッシャーを構える中、王蛇はコブラを模した杖型の召喚機―――“牙召杖(がしょうじょう)ベノバイザー”をどこからか取り出し、開いている装填口に1枚のカードを装填した。

 

≪SWORD VENT≫

 

王蛇の手元に、金色のドリル状の曲剣―――“ベノサーベル”が飛来。王蛇はそれを左手でキャッチし、改めてファムと正面から向かい合う。

 

「お前……!」

 

「こうしてまた会えたんだ……戦おうぜぇ? 霧島美穂……!!」

 

「……ッ!!」

 

その言葉で、ファムはもう我慢の限界だった。

 

 

 

 

 

 

「―――浅倉ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

「―――はははははははははははははははははははっ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

片や、憎き敵を打ち倒す為に。

 

 

 

 

 

 

片や、戦いを楽しむ為に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ガキィィィィィィィィィィンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人の武器がぶつかり、火花を激しく散らし合うのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


手塚「お前に人としての心はないのか……!!」

二宮「ライダーはそういう生き物だろう?」

美穂「お前だけは、お前だけはアタシの手で倒すっ!!!」

浅倉「はははははははは!!」

ルーテシア「邪魔はしないで……!」

???「かかって来な、管理局の犬共め!!」


戦わなければ生き残れない!
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