リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

2 / 160
続きの更新です。

今回は戦闘シーンがございます。

それではどうぞ。





挿入歌:果てなき希望



第2話 その男、ライア

『斉藤雄一は、ライダーにならなかった事を悔やんでいる』

 

 

 

 

 

 

違う……

 

 

 

 

 

 

『人間なら当然だ。奴は後悔にまみれながら死んだ』

 

 

 

 

 

 

それは違う……

 

 

 

 

 

 

 

『俺は、戦わない……』

 

 

 

 

 

 

『たとえ、この指が動くようになるとしても……人と戦うなんていやだ』

 

 

 

 

 

 

そうだ、雄一……お前は後悔なんかしていない……

 

 

 

 

 

 

今ならわかる……お前は、俺の運命を変えていたんだ……

 

 

 

 

 

 

そしてそれが、もっと大きな運命を変えるかもしれない……

 

 

 

 

 

 

『おい……』

 

 

 

 

 

 

俺の占いが……

 

 

 

 

 

 

やっと……

 

 

 

 

 

 

外れる……

 

 

 

 

 

 

『おい、よせよ……嘘だろ?』

 

 

 

 

 

 

『なぁ、目を覚ませよ手塚……』

 

 

 

 

 

 

『手塚……手塚ぁ!!』

 

 

 

 

 

 

『手塚ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その日、青年は死んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

死ぬ直前で、彼は一つの運命を変えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし運命は、彼が静かな眠りにつく事を、決して許さなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ん」

 

静かに、ゆっくりと開かれる瞼。青年の意識は、少しずつ取り戻されようとしていた。

 

「……ッ!?」

 

意識が戻った青年は、その場から勢い良く起き上がろうとして、全身に僅かな痛みが迸る。それでも青年は、まず自分の状況を把握するべく周囲を確認したかった。

 

(……ここは、どこだ……?)

 

青年は目で周囲を見渡す。真っ白な天井。自身が寝ている白いベッド。窓から照らされる日の光。

 

(……病院、なのか……?)

 

青年は自分が今いる場所が、どこかの病室である事を理解した。青年の体は病衣を纏っており、ベッドの近くには彼の着ていた服が、綺麗に畳んだ状態で置かれており、壁には彼の上着がハンガーにかけられている。

 

「ッ……」

 

青年は痛む体をどうにか動かし、何とか体を上半身だけ起こす事ができた。自分の体の痛みなど、今はそれほど重要ではない。そんな事よりも先に、知りたい事は山ほどあった。

 

(あれから、どうなったんだ……浅倉は……秋山は……城戸は……神崎優衣は……)

 

「あ、気付きましたか?」

 

「!」

 

その時、病室の扉が開いてフェイトが入ってきた。フェイトは青年が無理に動こうとしている事に気付き、慌てて制止に入る。

 

「ちょ、駄目ですよ!? そんな無理に動いたら!!」

 

「ッ……大丈夫だ、この程度……ぐっ」

 

「あぁもう、そんなに動くから!」

 

フェイトに再びベッドに寝かされ、青年は痛む胸部を右手で押さえながら頭を枕に乗せる。

 

「……すまない、迷惑をかけてしまった」

 

「無理に動いて倒れられる方が、私にとってはよほど迷惑です。今はちゃんと体を休めて下さい。治るまではここの病室を押さえて貰えるみたいですから」

 

「……感謝する」

 

「どういたしまして」

 

青年が再び横になるのを見て、フェイトは満足そうに笑顔を見せる。そんな彼女に青年は問いかける。

 

「すまないが、教えて欲しい……ここは、どこの病院だ……?」

 

「クラナガン中央区のシャトリア医院です。あなたが公園で倒れていたところを私が見つけて、急いで救急車を呼びました」

 

「……クラナガン……シャトリア……?」

 

聞き覚えの無い名前に、青年は眉を顰める。それに、自分が公園に倒れていたというフェイトの説明に、青年は違和感を感じた。

 

(おかしい……俺はビルの中で、城戸と神崎優衣に看取られながら死んだはずだ。公園じゃない……)

 

そうだとしたら、何故自分は今もこうして生きている?

 

もしかしたら、自分はあの時点ではまだ死んでいなかったのか?

 

それ以前にクラナガンもシャトリアなんて名前も聞いた事が無い。

 

……ここは本当に、自分が知っている町なのか?

 

「……一つ、確認したい」

 

「はい、何ですか?」

 

自分の疑問を解決させる為に、青年は最初に一番解決させたい疑問から問いかける事にした。

 

「ここは、日本じゃないのか……?」

 

「え?」

 

その問いかけに、フェイトは驚くような反応を見せた。

 

「もしかして、地球の出身ですか?」

 

「地球の出身、だと……? なら、ここは一体どこなんだ……?」

 

「ここはミッドチルダという世界です。少なくとも地球ではありません」

 

「……ミッドチルダ……?」

 

ここは地球じゃなくて、別の世界?

 

ならば何故、自分は違う世界にやって来た?

 

元いた地球ではまだ、ライダーバトルは続いているのか?

 

(……いよいよ訳がわからなくなってきた)

 

「あ、あのぉ……もしかして、次元漂流者ですか?」

 

「……」

 

少なくとも、今のこの状況は自分一人では到底理解できそうにない。まずはこの状況に詳しいと思われる、目の前の女性に聞いてみる必要がありそうだ。

 

「……アンタは、色々知っているようだな。俺の今のこの状況に」

 

そう思った青年は、フェイトに話を聞いてみる事にした。

 

「あ、はい。これまでも何度かそういう事例があったので……えっと」

 

「……そういえば、まだ名乗ってもいなかったか」

 

青年は再び上半身だけを起こす。先程と違い、今度は無理にではなく、フェイトの手を借りる形でゆっくり体を動かして。

 

「俺は手塚海之。アンタの名前は?」

 

「時空管理局執務官のフェイト・T・ハラオウンです」

 

「……その肩書きも含めて、話を聞かせて貰って良いだろうか?」

 

「はい。まずは―――」

 

これが青年―――“手塚海之(てづかみゆき)”の、フェイト・T・ハラオウンとの初めての邂逅となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミッドチルダ首都のクラナガン、とある立体駐車場。

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

駐車場に駐車されていた一台の黒い車、そのフロントガラスが突然グニャリと歪み始めた。その事に気付いていない中年男性が一人、その車の目の前を通り過ぎようとして……

 

『キシャア!!』

 

「え!? な、うわぁっ!?」

 

フロントガラスから伸びた蜘蛛の糸が、瞬く間に中年男性を捕らえ、そのままフロントガラスの中に引き摺り込んでしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は戻り、シャトリア医院の病室。

 

「次元世界……ミッドチルダ……魔法文化……時空管理局……次元漂流者……」

 

フェイトから一通りの話を聞き終えた手塚は、ひとまず話の内容を頭の中で一つずつ整理していた。

 

まず、一つの次元に多くの平行世界と呼べる物が存在する。

 

自分が今いる世界は、ミッドチルダという世界。

 

次元世界の中で、ミッドチルダは魔法文化が一番発達していると言っても過言ではない。

 

そのミッドチルダを拠点に、時空管理局という巨大組織が、様々な次元世界の平和を守る為に活動している。

 

たまに何かしらの事故が原因で、意図せずして自分がいた世界から別の世界にやって来てしまう人がいるらしく、そういった人達の事は次元漂流者と呼ばれる。

 

その次元漂流者については、管理局が何とかして元の世界まで帰してくれるという。

 

そこまで話の内容を整理したところで、手塚はまず最初にこう思った。

 

「……ゲームやアニメみたいな話だな」

 

「あ、あははは……最初は皆そんな感じの事を言いますね」

 

頭を抱える手塚の呟きにフェイトが思わず苦笑する。しかしフェイトからすれば、手塚の反応はそれほど驚いているようには見えなかった。

 

「それにしても……手塚さん、あまり驚いてるようには見えませんね」

 

「……そのゲームやアニメみたいな状況に、俺も巻き込まれていたからな」

 

「え? どういう事ですか?」

 

「話すと長くなるんだが、俺は……」

 

手塚は続けようとした台詞が途切れた。たまたま壁のハンガーにかけられている自身の上着を見て、気付いてしまったからだ。

 

 

 

 

その上着のポケットから僅かにはみ出ている、赤紫色のカードデッキに。

 

 

 

 

「ッ……!!」

 

「ちょ、手塚さん!? だから動いちゃ駄目って……」

 

手塚は体が痛むのを我慢し、フェイトの制止をも振り切って自身の上着に手をかける。そしてポケットから取り出したカードデッキを見て驚愕する。

 

「て、手塚さん……?」

 

「馬鹿な、何故これが俺の手に……!?」

 

先程までいくらか冷静だった手塚の表情は、驚愕の物へと一変していた。それを見てフェイトも思わず言おうとした言葉が途切れてしまう。

 

(“契約”はまだ破棄されていない……なら俺は、あの時死ななかったのか……!? だがあの時、確かに俺は……)

 

ますます自分の今の状況がわからなくなってきた手塚は、ここでフェイトにある事を問いかける。

 

「……ハラオウン」

 

「は、はい?」

 

「……ミッドチルダ、と言ったか。この世界で何か、失踪事件のような物は起きていないか?」

 

「え」

 

手塚の口から出た「失踪事件」という言葉に、フェイトは反応した。

 

「どうなんだ」

 

「え、あ、えっと……はい。ここしばらく、ミッドのあちこちで謎の失踪事件が多発してます。人が突然消えて、行方がわからなくなって……」

 

「……そうか」

 

「手塚さん……? もしかして、事件について何か知って―――」

 

その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

突如、謎の金切り音が二人の耳に聞こえてきた。

 

「え、何? この音……」

 

フェイトが響き渡ってくる金切り音に困惑しているのに対し、手塚はその金切り音に聞き覚えがあった……否、聞き覚えがあり過ぎた。

 

(この音、まさか……!?)

 

その時、手塚は気付いた。フェイトが立つ後ろに存在する、病室の窓ガラス……その窓ガラスに、ソロスパイダーの姿が映っていた事に。

 

『キシャア!!』

 

「危ない!!」

 

「え、きゃあ!?」

 

手塚はフェイトを強引にその場に伏せさせる。その直後、2人の頭上を細長い針が通過し、そのまま近くの壁にグサリと突き刺さった。

 

『キシャァァァァァ…!!』

 

獲物を仕留め損ねたソロスパイダーは、すぐに窓ガラスに映らなくなる。その一方で、フェイトは壁に刺さっている針を見て驚愕する。

 

「な、何ですか、これ……!?」

 

「……やはり、モンスターか……!」

 

「え……?」

 

手塚の口から出た“モンスター”という単語に、フェイトが反応する。

 

「……ハラオウン、ここで少し待っていろ。そこの窓ガラスには近付くな」

 

「あ、あの、手塚さん!? 一体どういう事なんですか!?」

 

「説明は後だ! まずはあのモンスターを倒さなければならない……!」

 

「だ、駄目ですよ!? 何だかよくわかりませんけど、今の手塚さんは動ける状態じゃ……」

 

「俺の考えが正しければ、今アレを倒せるのは俺しかいない!!」

 

「!?」

 

「頼む、行かせてくれ……!!」

 

手塚が見せた真剣な眼差しに、フェイトは思わず言葉を失った。制止しようとした彼女の手が離れ、手塚は右手に持っていたカードデッキを左手に持ち替え、窓ガラスの前に立ちながら、カードデッキに刻まれている金色のエンブレムを見つめる。

 

(……これが何故、今も俺の手にあるのかはわからない。だが今は……!!)

 

手塚はカードデッキを窓ガラスに突き出す。すると窓ガラスに銀色のベルトが映り込み、それが手塚の腰へと移動し装着される。

 

「!?」

 

フェイトが驚くのを他所に、手塚は人差し指と中指の伸ばした右手を素早く前に突き出し……

 

「―――変身!」

 

カードデッキをベルトの中央に挿し込む。すると手塚の体に、いくつかの鏡像が同時に重なり、彼の姿を全く違う物へと変化させた。

 

「……え」

 

その光景を見たフェイトは、空いた口が塞がらなかった。無理もないだろう。

 

 

 

 

 

 

上半身の赤紫色のボディ。

 

 

 

 

 

 

後頭部から長く伸びた弁髪のような装飾。

 

 

 

 

 

 

左手に装備したエイのような形状をした盾型の武器。

 

 

 

 

 

 

西洋の騎士を彷彿とさせる銀色の仮面。

 

 

 

 

 

 

先程までの手塚とは、その姿が全く違っているのだから。

 

「あ、あの、あなたは一体……!?」

 

「……俺は」

 

異なる姿に変化した手塚は、頭だけをフェイトの方へと振り向かせて告げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「俺は仮面ライダー……仮面ライダーライアだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「仮面、ライダー……?」

 

「……すぐに終わらせる。ここで待っていてくれ」

 

「あ……!?」

 

手塚が変身した戦士―――“仮面ライダーライア”は、窓ガラスに向かって手を伸ばす。するとライアの体が窓ガラスの中へと吸い込まれ、あっという間にその姿を消してしまった。

 

「……」

 

呆然としていたフェイトは、壁に突き刺さっている針の方を見てみる。すると針は突然ハシュワシュワと音を立て始め、粒子となって跡形もなく消滅してしまった。

 

「消えた……」

 

フェイトは手塚が言っていた言葉を思い出す。

 

 

 

 

 

 

『俺の考えが正しければ、今アレを倒せるのは俺しかいない!!』

 

 

 

 

 

 

(……手塚さんは、連続失踪事件の真相を知っている……?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――フッ!」

 

一方、窓ガラスに吸い込まれるように消えたライアは、あらゆる物が鏡のように反転した虚像の世界―――“ミラーワールド”に到着していた。場所はシャトリア医院の外部で、ライアは周囲をキョロキョロと見渡す。

 

(……まさか、こっちの世界でもこんな場所に来ようとはな)

 

『キシャア!!』

 

「!? ぐぅ……!!」

 

その時、後方から飛びかかってきたソロスパイダーが鉤爪を振り下ろし、ライアの背中を攻撃した。不意打ちを受けたライアは怯んでしまい、そこにソロスパイダーが容赦なく追い打ちをかけようとする。

 

「こいつ……!!」

 

『キシャシャシャ!!』

 

まだ本調子ではないライアに、ソロスパイダーは両手の鉤爪を振り回して容赦なく攻撃を仕掛けてくる。このままでは不利だと判断したライアは、ソロスパイダーの鉤爪を左手の盾型の召喚機―――“飛召盾(ひしょうだて)エビルバイザー”で防御し、その隙に右手でカードデッキから1枚のカードを引き抜く。

 

『キシャ!!』

 

「ぐぁ!?」

 

ソロスパイダーに蹴り飛ばされるも、ライアは地面を転がりながらカードをエビルバイザーに挿し込み、装填を完了させる。

 

≪ADVENT≫

 

『シャッ!?』

 

電子音声が鳴り響いた瞬間、どこからか赤紫色のエイのような怪物が飛来し、ソロスパイダーを容赦なく弾き飛ばした。エイの怪物はそのままライアの隣まで飛来する。

 

「……お前もいたのか、エビルダイバー」

 

『キュルルル……!』

 

『キシャァァァァァ……キシャア!?』

 

エイの怪物―――“エビルダイバー”はライアを一目見た後、すぐにソロスパイダーに向かって突撃し、再びソロスパイダーを転倒させる。その隙にライアはカードデッキから次のカードを抜き取り、エビルバイザーに装填する。

 

≪SWING VENT≫

 

空中で旋回したエビルダイバーがライアの頭上を通過した後、エビルダイバーの尻尾を模した長い鞭―――“エビルウィップ”がライアの手元に飛来し、ライアはそれを右手でキャッチ。ライアは両手でエビルウィップを伸ばし、地面をバチンと叩いてからソロスパイダーを睨む。

 

『キシャァァァァァァ……シャッ!!』

 

「逃がさん……はぁ!!」

 

『!? シャアッ!?』

 

ソロスパイダーはその場を跳躍して逃走を図った……が、ライアがエビルウィップをソロスパイダーに巻きつけ、そのまま地面に叩きつけた事で逃走は失敗に終わる。ソロスパイダーが地面に減り込んで動けなくなる中、追撃を仕掛けようとしたライアは突如、その動きが鈍る。

 

(ッ……あまり時間はかけられないか……!!)

 

まだ体の痛みが消えていないライアは、早くケリを着ける為にエビルウィップを手放し、次のカードを引き抜いてエビルバイザーに装填する。

 

≪FINAL VENT≫

 

『キュルルルルル……!』

 

「……はっ!!」

 

ライアの後方からエビルダイバーが飛んで来るのを見て、ライアはタイミングを合わせて跳躍、エビルダイバーの背中に飛び乗った。ライアを乗せたエビルダイバーが一直線に迫って来る中、ようやく減り込んでいた地面から抜け出せたソロスパイダーは急いで逃げようとするが、もう遅い。

 

『キシャァァァァァァァァァァァァァッ!!?』

 

エビルダイバーに乗ったライアが体当たりを繰り出す必殺技―――“ハイドベノン”が見事命中し、ソロスパイダーは呆気なく爆散。ライアが地面に着地した後、爆炎の中から光り輝く小さなエネルギー体が浮かび上がり、エビルダイバーがそれを捕食してからどこかに飛び去っていく。

 

「……ふぅ」

 

ひとまず、無事にソロスパイダーの退治は完了された。ライアは体の痛みに苦しみながらも、フラフラ揺れる体を何とか歩かせ、現実世界へと帰還していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――! 手塚さん!」

 

そして病室に帰還したライアは、すぐに変身を解除し手塚の姿に戻る。そしてその場に倒れそうになったところをフェイトが支える。

 

「あの、さっきのモンスターは……」

 

「何とか倒した。だが……ッ……」

 

手塚はフラフラながらも何とかベッドに座り込み、フェイトと視線を合わせる。フェイトもまた、手塚に対して真剣な眼差しを向けていた。

 

「……手塚さん」

 

「わかっている……また色々聞かれるだろうとは思っていたからな」

 

手塚はカードデッキをフェイトに見せつけ、フェイトもカードデッキを見据える。カードデッキは一瞬だけ、金色のエンブレムがキラリと輝いてみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

運命を変えようとした男。

 

 

 

 

 

 

運命の名を持つ女。

 

 

 

 

 

 

この出来事が、2人の運命を大きく変えようとしていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


はやて「ようこそ、機動六課へ!」

手塚「こちらこそ、よろしく頼む」

???「彼も、この世界に来ていたとはな……」

なのは「契約を破棄したら、どうなるの……?」

手塚「その時は、俺が死ぬ事になるだろう」


戦わなければ生き残れない!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。