リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

21 / 160
昨日、用事を終えるついでにパラドクスwithポッピーを見に行きました。取り敢えず言いたいのは、果たして神は全裸になる意味があったのかどうか…(ぇ

そんな感想は置いといて、20話目をどうぞ。

ちなみに現在、活動報告でちょっとした募集を行っていますので、詳しい事は活動報告をどうぞ。



第20話 更なる襲撃

ミラーワールドでは今、2つの戦いが繰り広げられていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はははははははは!!」

 

「ッ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ウイングスラッシャーとベノサーベル。武器と武器がぶつかり合い、火花が散る中で王蛇とファムは苛烈な戦いを繰り広げていた。しかし王蛇は仮面の下で楽しそうに笑い、ファムは怒気の籠った絶叫を上げながら斬りかかる。2人の心情は全く違う。

 

「お前だけは、お前だけはアタシの手で倒す!!」

 

「はぁぁぁぁぁぁ……良いねぇ、もっと戦おうぜぇ!!」

 

「く……あぁっ!?」

 

王蛇のベノサーベルがウイングスラッシャーを叩き落とし、ベノサーベルの一撃がファムを薙ぎ払う。荒廃ビルの壁に叩きつけられたファムは即座にカードを引き抜き、ブランバイザーに装填する。

 

≪GUARD VENT≫

 

「!? これは……」

 

ファムは召喚したウイングシールドをキャッチし、周囲に白い羽根が無数に広がっていく。ファムはこの白い羽根がもたらす攪乱効果で王蛇を攻め立てようとしたのだが……

 

「……つまらん、イライラする」

 

≪ADVENT≫

 

王蛇は既に、その能力を知っていた。

 

『シャァァァァァァァァッ!!』

 

「!?」

 

ベノバイザーにカードが装填され、王蛇の後方から紫色のコブラの姿をした巨大な怪物―――“ベノスネーカー”が地を這いながら出現。ベノスネーカーは口から毒液を放射し、ファムはそれをウイングシールドで防御。しかし毒液の効果でウイングシールドが溶けていき、それと共に周囲の白い羽根が全て消えてしまった。

 

「ッ……しまった……!!」

 

「はぁっ!!」

 

「きゃあぁ!?」

 

その直後にベノサーベルで一突きされ、ファムが地面を転がされる。たとえ女性相手だろうと、戦いを求める王蛇は一切容赦はしない。

 

「おらぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「く……!!」

 

ファムはブランバイザーでギリギリ防御するも、王蛇の猛攻は止まらない。何度も叩きつけるようにベノサーベルを振り下ろし、ファムを後退させていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はっ!!」

 

「ぐぅ……!!」

 

一方、地下水道ではアビスとライアが戦闘中だった。アビスが振り下ろしてきたアビスセイバーをライアがエビルバイザーで受け止め、アビスがライアを壁に力ずくで押しつける。

 

「何故だ、何故奴を殺したんだ……!!」

 

「俺の今後に邪魔だからだ」

 

「何……!?」

 

「あの馬鹿、何度忠告しても聞きやしない……それなら最初からいない方がマシってもんだ。人数が減って仕事の効率は悪くなっちまったが」

 

「……ッ!!」

 

≪COPY VENT≫

 

「! ほぉ……」

 

アビスを押し退けたライアがエビルバイザーにカードを装填した瞬間、アビスの装備していたアビスセイバーがコピーされ、ライアの右手にもアビスセイバーが出現する。それを見たアビスは自分が持っていたアビスセイバーを一度地面に刺し、アビスバイザーにカードを装填する。

 

≪SWORD VENT≫

 

「!? 何……!!」

 

するとアビスバイザーが消え、アビスの左手が露わになる。そこへ2本目のアビスセイバーが飛来し、それを左手で掴み取ったアビスは地面に刺していた1本目のアビスセイバーを抜き取り、2本のアビスセイバーをクロスさせて構え出した。

 

「カードは1枚だけとは限らない、という事だ」

 

「ッ……はぁ!!」

 

「ふん!!」

 

かつて別のライダーにも似たような事を言われた事があるからか、ライアはすぐに跳躍してアビスセイバーを振り下ろし、アビスもそれを2本のアビスセイバーで受け止める。激しい剣戟が繰り広げられる中、ライアはアビスセイバー同士で鍔迫り合いになりながらアビスに問い詰めた。

 

「何故あのような事が簡単にできる……お前に、お前に人としての心はないのか……!!」

 

「人としての心だと? 随分おかしな事を聞くもんだな」

 

「ぐ……うぁ!?」

 

アビスは右手のアビスセイバーでライアのアビスセイバーを受け止めて地面に押さえつけ、そこにもう1本のアビスセイバーを振り下ろし叩きつける。それによりライアが構えていたアビスセイバーはバキンと音を立てて折れてしまい、武器を失ったライアをアビスが足で蹴り倒す。

 

「あの神崎士郎に選ばれた人間がライダーになったんだぞ。俺だけじゃない、浅倉も、北岡も、それに他の連中も……まともじゃない奴ばかりなのはお前も知ってるだろうに」

 

「お前……!!」

 

「戦いに勝ち残り、最後の1人になれば願いが叶う。その為にライダーは互いを蹴落とし合う……ライダーはそういう生き物だろう? まぁ、俺は願いなんぞに興味はなかったが」

 

「ならば、何故お前は戦っていた……!!」

 

「簡単な話さ……死にたくないからだよ」

 

「何……ぐっ!?」

 

地面から起き上がろうとしたライアを再び蹴り倒し、アビスは彼の腹部を踏みつける。

 

「俺はなぁ、元々ライダー同士の戦いなんぞには興味なんて全くなかったんだ……それなのに、神崎士郎はこの俺にカードデッキを渡しやがった。わざわざ自分の後ろにアビスラッシャー共を連れてな。それでライダーになる事を断れば一体どうなるか……お前ならわかるだろう?」

 

「……ッ!?」

 

その言葉に、ライアは言い返せなかった。アビスの告げた過去が、全く一緒だったからだ……かつて自身の目の前で死んでしまった、自分の親友と。

 

「だからこそ、俺はライダーとなって戦う道を選んだ。願いなんぞはどうでも良い。俺は俺が生き残る為に、全てのライダーをこの手で沈めると決めたのさ……結局、死んでこの世界にやって来ちまったがな」

 

「!? お前も、死んでこの世界に……!?」

 

「そう……そしてそれは、お前とあの女にも言える事だろう。違うか?」

 

「……なら、やはり俺はあの時……」

 

 

 

 

 

 

死んだ、という事なのか……?

 

 

 

 

 

 

「……ふん」

 

ライアが言葉を失う中、アビスは鼻を鳴らしてライアを蹴り転がした後、地下水道の天井に空いている大きな穴から地上へ飛び出す。そして彼は2本のアビスセイバーを放り捨て、穴の下にいるライアを見下ろす。

 

「とにかく、今回の俺の目的は果たされた。あの馬鹿についてだが……モンスターの攻撃でカードデッキが破損して契約破棄になった、という事にでもしておくんだな」

 

「!? 待て……!!」

 

「前にも言ったが、俺の事は絶対に口外してくれるなよ? もし口外した場合……まぁ、冗談じゃ済まされないのは言わなくてもわかってるか。あの馬鹿の結末を見た後なら尚更な」

 

「ッ……」

 

「それから、もう一つ忠告しといてやろう……今、スカリエッティの所に浅倉威がいる。精々気を付ける事だな」

 

「!? 浅倉だと……奴もこの世界に!?」

 

「忠告はしてやった。じゃあな」

 

それだけ告げてからアビスは立ち去って行き、地下水道にはライアが取り残される。最初は彼を追いかけようとしたライアだったが、先程インペラーを追って現実世界に飛び出して行ったガゼル軍団の事が気になるのか、ひとまずはそちらの対応に向かう事にした。

 

(彼女達が、無事であれば良いが……!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ!!」

 

『グガゥ!?』

 

現実世界では、フォワードメンバー達とギンガの5人がちょうど今、ガゼル軍団と戦闘を繰り広げていた。トンボ型ガジェットは既に殲滅されており、ギンガは自身に殴りかかってきたギガゼールを殴り飛ばす。

 

「皆、大丈夫!? 気をしっかり保って!!」

 

「……うん、ギン姉……!!」

 

「ッ……!!」

 

それでもスバル、エリオやキャロは気分があまり良い状態ではなかった。無理もないだろう。目の前であんな凄惨な光景を見てしまったのだから。

 

(マズいわね、スバル達のコンディションがあまり良い状態じゃない……ティアナさんだけは辛うじて耐えてるみたいだけど、それもいつまで保つか……!!)

 

『グルッ!!』

 

その時、ギンガの後ろからマガゼールが飛びかかってきた。それにティアナが気付くも射撃が間に合わない。

 

「ギンガさん!!」

 

「!? しま―――」

 

「はぁっ!!」

 

『グルァアッ!?』

 

そんなマガゼールを、水面から飛び出して来たライアが蹴り飛ばした。マガゼールが壁に叩きつけられる。

 

「手塚さん!!」

 

「全員伏せろ!!」

 

≪FINAL VENT≫

 

『キュルルルル……!!』

 

ファイナルベント発動と共にエビルダイバーも出現し、ライアがその背中に飛び乗った。それを見たギンガ達がその場に伏せ、その上を通過したライアとエビルダイバーがガゼル軍団目掛けて突っ込んで行く。

 

『『『『『グルァァァァァァァァァァッ!!?』』』』』

 

ハイドベノンが炸裂し、ガゼル軍団は次々と吹き飛ばされ1体残らず爆散。その場にいたガゼル軍団は全滅し、エビルダイバーから飛び降りたライアが着地した。

 

「全員、無事か!?」

 

「は、はい、何とか!!」

 

「……ですが」

 

ティアナ達が振り返った先には、地面に流れている赤い血と、ほんの僅かに残っている肉片……そして破損してバラバラに砕け散った、インペラーのカードデッキの破片。それを見たライアはすぐに察した。

 

「……そうか」

 

ライアもそれ以上は言えなかった。スバルとティアナはまだ若い。エリオとキャロに至ってはまだ10歳だ。あんな惨い物を見てしまった彼女達にこれ以上、何かを言いかける事はライアにはできなかった。そんな彼に、ギンガが声をかける。

 

「あの……あなたが手塚さんですか?」

 

「……そうだ」

 

「初めまして。私は108部隊所属の、ギンガ・ナカジマと言います」

 

「! スバルの姉か」

 

「はい。スバル達や八神部隊長から話は聞いています。仮面ライダーの事も、モンスターの事も……今、レリックの反応がこの進んだ先で確認されています。協力をお願いできませんか?」

 

「あぁ。俺は元々、そのつもりでここに来たんだ」

 

精神的疲弊が一番少ないギンガはともかく、今のコンディションでスバル達を戦わせる訳にはいかない。そのつもりでいたライアだが、そんな彼の思いとは裏腹に、スバル達は顔色が悪い状態でありながらも、ライアとギンガの後ろから付いて来ていた。それに気付いたライアが振り返って4人に呼びかける。

 

「全員、無理はするな。今の状態では……」

 

「いえ……まだ、任務は終わっていませんから……!」

 

「行かせて下さい、一緒に……!」

 

顔色が優れないながらも、ティアナとスバルはそう言い切ってみせた。この2人以上に気分が悪くなっているエリオとキャロもまた、決してこの任務を降りないと言いたげな表情を見せている。本当なら今すぐにでも折れてしまいそうなくらいなのにだ。

 

(あんな物を見たというのに……)

 

ライアは4人が無理してそう言っている事に気付いていた。しかしそれでも、心がまだ折れていない事は4人の目が証明していた。

 

「……ここから先は、俺と彼女が前に出て戦う。4人は後から付いて来てくれ……決して無理はするな」

 

「「「「……はい……!!」」」」

 

「行きましょう、手塚さん……!」

 

「あぁ……!」

 

4人が早く任務から離脱できるように。そう願ったライアはギンガと共に先行し、フォワードメンバー達がその後ろから続いていく。6人は地下水道を奥深くまで突き進んで行き、その先で水路にプカプカ浮かんでいるケースを発見した。

 

「ありました、アレです!」

 

「急いで回収するぞ」

 

ライアとギンガがケースに近付こうとした……その直後、2人の真上から何かが急降下してきた。

 

「!? 手塚さん、上です!!」

 

「何……くっ!?」

 

ライアとギンガが素早く後退し、2人が立っていた場所に謎の存在がズドンと地面を陥没させて着地。竜のような無骨な容姿を持った二足歩行の黒い生物は、その首元に巻いたマフラーを靡かせながらライア達と相対する。

 

「何だ、モンスターか……!?」

 

「いえ、アレは恐らく召喚獣です!!」

 

「召喚獣? 何にせよ、味方ではなさそうだな……ッ!!」

 

キャロの説明でモンスターじゃないとわかったが、その黒い生物―――ガリューがライアに殴りかかり、ライアはエビルバイザーで防御する。その後方では、いつの間にかこの場に姿を現していた少女―――ルーテシアがケースを密かに回収しようと動いていた。

 

「!? 子供……?」

 

「こら、そこの子!! 危ないから触っちゃ駄目だよ!! こっちに渡して!!」

 

「……」

 

しかしルーテシアはその言葉を無視し、この場をガリューに任せて立ち去ろうとする……が、密かに透明化して近付いて来ていたティアナに後ろから肩を掴まれ、その首元にクロスミラージュのダガーモードが突きつけられる。

 

「……ッ!」

 

「ごめんね乱暴で。でも、これは本当に危ない物だから……!」

 

「……邪魔はしないで……!」

 

ルーテシアが忌々しそうに呟いた時、ルーテシアの脳内に念話が届いた。

 

『ルールー、目を瞑って!!』

 

「!? 何だ……ッ!!」

 

「うわ!?」

 

それに従いルーテシアが目を瞑った瞬間、どこからか魔力弾が飛来し地面に着弾した。そこから発生した強力な閃光がライア達の視界を遮り、その隙にルーテシアがティアナの拘束から脱出、そしてルーテシアの隣にリイン並に体が小さい赤髪の少女がその姿を現した。

 

「たく。ルールーもガリューも、アタシを置いて無断でどっか行ったりするなよ!」

 

「アギト……」

 

「ッ……また新手か……!」

 

ライア達が構える中、体が小さい赤髪の少女―――“アギト”はライア達を睨みつけ、その両手から灼熱に燃える炎を出現させる。

 

「ルールーを虐めたのはお前達か……かかって来な、管理局の犬共め!!」

 

「ッ……散らばれ!!」

 

ライアが叫ぶと共にギンガとフォワードメンバー達は一斉に散らばり、アギトが飛ばして来た火炎弾を回避。火炎弾が爆発して地面を大きく削り取る中、ティアナの横にライアが並び立つ。

 

「厄介な……!!」

 

「任務はあくまでケースの確保です……撤退しながら引き付けましょう!」

 

「ヴィータ副隊長とリイン曹長もこっちに来てるみたいだから、合流さえできればあの子達を止められるかも……!」

 

『よし、良いぞお前等!』

 

「「!! ヴィータ副隊長!!」」

 

スバルとティアナに、ヴィータから念話が届く。その一方で、ルーテシアとアギトも何かを感知していた。

 

「ルールー、こっちに来てる魔力反応……普通じゃないデカさだ!!」

 

 

 

 

ドゴォォォォォォォォンッ!!

 

 

 

 

「おりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

アギトが言った直後、地下水道の天井を派手に破壊してヴィータが駆けつけて来た。その後方からはリインも同じく姿を現し、ルーテシアとアギトに手を向けて詠唱する。

 

「捕らえよ……凍てつく足枷(フリーレンフェッセルン)!!」

 

「なっ―――」

 

地下水道から巻き上げられた水流がルーテシアとアギトを飲み込み、一瞬にして2人を凍結させる。その一方でヴィータは巨大化したグラーフアイゼンをガリュー目掛けて振り回した。

 

「ぶっ飛べぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 

「……ッ!!」

 

流石に防ぎ切れなかったのか、グラーフアイゼンの一撃は両腕で顔を覆ったガリューを吹き飛ばし、近くの柱に激突させた。ヴィータとリインが地面に降り立ち、そこにライアとギンガ、フォワードメンバー達が駆け寄った。

 

「悪い、待たせちまったな……どうしたお前等? 顔色悪いように見えるが」

 

「い、いえ! 私達は大丈夫……です」

 

「どう見ても大丈夫そうには見えねぇな……何があったんだ?」

 

「……実は」

 

ライアがヴィータに説明しようとした時だった。突然地下水道に大きな地響きが発生し、ライア達は会話を強制的に中断されてしまう。そしてリインもある事に気付いた。

 

「あ、いなくなってます!?」

 

「何ぃ!?」

 

いつの間にかガリューも、氷で捕縛したはずのルーテシアとアギトも姿を消していた。一同がいる地下水道は地響きと共に崩れ始め、真上から大きな瓦礫が落ちて来た。

 

「危ない!!」

 

「きゃ!?」

 

それに気付いたライアが、ギンガの腕を掴んで素早く自分の傍に抱き寄せる。そしてギンガの立っていた場所には瓦礫が落ちた。

 

「大丈夫か!?」

 

「は、はい、ありがとうございます……!」

 

「マズいな……スバル、ウイングロードを展開しろ!! ここから脱出する!!」

 

「はい!!」

 

ヴィータの指示を受け、スバルが天井の穴を通じてウイングロードを伸ばしていく。そんな中、ティアナは回収したケースを持ってキャロにある事を頼み込んでいた。

 

「私にちょっと考えがあるの。キャロ、少し手伝って!」

 

「は、はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃、地上ではルーテシアによって召喚された巨大な召喚獣―――“地雷王(じらいおう)”が地下水道の真上で地響きを起こしていた。それを見たアギトは慌てた様子でルーテシアに呼びかける。

 

「ちょ、ルールー駄目だよ!! 地面に埋まったケースをどうやって探す!? それにアイツ等だって、魔導師でライダーもいるけど、死んじゃうかもしれないんだぞ!!」

 

「あのレベルなら、埋もれてもたぶん死なない……ケースなら、クアットロとセインに頼んで探して貰えば良い」

 

「正気かよルールー!? あんな変態科学者やナンバーズ連中、それにあのコブラ野郎なんかと関わってちゃ絶対に駄目だって!! あの感じの良い兄ちゃんならまだしも―――」

 

ジャラジャラジャラ!!

 

「「!?」」

 

アギトが言いかけた時、地上で地響きを起こしていた地雷王の体を鎖型のバインドが絡みついた。更に別方向からはウイングロードを展開したスバルとギンガ、その間をヴィータが飛び、ルーテシアとアギトに向かって来ようとしていた。

 

「いっ!? ヤバ……!!」

 

更にはティアナの射撃魔法も飛来し、アギトが火炎弾を放って相殺。しかし爆風に紛れてライアが飛び出し、アギトを掴んで地面に叩きつけた。

 

「ぐぁ!?」

 

「悪いが、大人しくしてくれ」

 

「アギト……ッ!!」

 

「そこまでだよ」

 

アギトを助けに向かおうとするルーテシアの首元に、エリオがストラーダの先端を突きつける。そしてルーテシアとアギトの体はリインによってバインドで縛りつけられる事となった。そこにヴィータが着地する。

 

「たく、子供虐めてるみたいであんま良い気分はしねぇが……市街地での危険魔法使用に公務執行妨害、その他諸々で逮捕させて貰う」

 

ヴィータは2人に手帳を見せつけ、2人に近付こうとしたその時……

 

「―――うわぁっ!?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

近くの建物の窓ガラスを通じて、ミラーワールドからファムが吹き飛ばされるように飛び出して来た。地面に落ちて転がる彼女にヴィータ達が驚く中、更に同じ窓ガラスから王蛇までもが姿を現した。

 

「ははははは!!」

 

「あぐっ!?」

 

飛び出した王蛇はファムの背中を踏みつけ、立ち上がろうとしていた彼女を再び地面に押しつける。その光景を見たヴィータ達、特にライアは誰よりも驚愕した。

 

「また別のライダーだと!?」

 

「ッ……浅倉……!!」

 

「!? 手塚お前、奴を知ってるのか……!?」

 

「……俺は美穂の援護に向かう、そっちは任せた!!」

 

「あ、おい!?」

 

ヴィータの制止でも止まらず、ライアは王蛇に追い詰められているファムの方まで駆け出した。王蛇は今、踏みつけていたファムを無理やり起き上がらせ、何度も彼女の顔面や腹部を殴打していた。

 

「おい、どうしたぁ? 手応えがなさ過ぎるぞ……ハッ!!」

 

「がはっ!?」

 

ファムを蹴りつけて壁に押しつけ、王蛇はベノサーベルでそこに追撃を仕掛けようとした。しかしそれはライアの介入で阻止される。

 

≪ADVENT≫

 

『キュルルルルル……!!』

 

「ん……うぉっ!?」

 

飛来したエビルダイバーが王蛇を突き飛ばし、ファムと大きく距離を離させる。その隙にライアが急いでファムに駆け寄っていく。

 

「美穂、大丈夫か!!」

 

「ッ……邪魔をするな!! アイツだけはアタシが!!」

 

「やめろ美穂、そんな状態では……ぐっ!?」

 

ファムはライアを強引に押し退け、ブランバイザーを構えて王蛇に向かって駆け出した。エビルダイバーに気を取られていた王蛇は彼女の接近にすぐには気付かず、彼が振り返った直後にブランバイザーの突きが王蛇の胸部に命中した。

 

「うぉ!? ……く、はは、はははははははは!! そうだ、もっと来い、霧島美穂ぉ……!!」

 

「黙れっ!!」

 

ファムに何度もブランバイザーで斬りつけられ、ベノサーベルを落としたにも関わらず、王蛇は楽しそうに笑い続ける。そんな王蛇の態度にファムはますます激情し、更に追撃を仕掛けていく。

 

「絶対に許さない……お前だけは、お前だけはぁっ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『もうやめような、ライダー同士の戦いは』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『美穂さん、あなたの運命だって変えられます。あなたはもう、一人じゃないから』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ」

 

その時、ブランバイザーを突き立てようとしたファムの手が止まった。ブランバイザーの刃先は、ちょうど王蛇の首元に当たろうとする直前で止まっている。

 

「あ、ぁ……」

 

それ以上、ファムは動かせなかった。自分に優しく語りかけてくれた者達の言葉が脳裏に浮かんでしまい、ファムの攻撃の手を止めさせている。

 

 

 

 

しかし、今はタイミングが悪かった。

 

 

 

 

「ハァッ!!」

 

「ッ……きゃあ!?」

 

ブランバイザーが無理やり掴み取られ、ファムの顔面に王蛇のパンチが炸裂した。その一撃でファムは地面に倒れてしまい、王蛇は奪い取ったブランバイザーを眺めてから放り捨てる。

 

「おい、戦いを止めるな……イライラする……!!」

 

王蛇は首を回してから、倒れているファムに向かって殴りかかろうとした……が、その直前でライアが乱入し、王蛇のパンチをエビルバイザーで防御。先程王蛇が落としていたのを拾ったのか、右手に持ったベノサーベルを王蛇に向かって突き立てた。

 

「うぉっ!?」

 

「やめろ浅倉、そこまでだ……!!」

 

「ッ……海之……」

 

「美穂、下がっていろ。奴は俺が相手をする」

 

ライアはベノサーベルとエビルバイザーを構え、ファムを守るように立ち塞がる。そんなライアを見て、王蛇は面白そうに笑っていた。

 

「お前かぁ……昔戦った時はつまらん奴だったが、今度は楽しませてくれるのか……?」

 

「あぁ、存分に相手をしてやる……お前の行き先は牢屋の中だがな……!!」

 

「……ははっはぁ!!」

 

王蛇は仮面の下で口角を釣り上げ、ライアに向かって両手を広げながら走り出す。それを見てライアも同じく地面を蹴って駆け出し、王蛇に向かって勢い良くベノサーベルを振り下ろした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいおい、何だってんだこの状況は……!!」

 

「あの紫のライダーも、私達の敵なの……?」

 

ルーテシアとアギトを拘束していたヴィータ達は、そんなライダー達の激しい攻防に圧倒されたのか、離れた位置から戦いを見ている事しかできなかった。そしてティアナは、先程までのファムの言葉を思い出していた。

 

(美穂さん、あの紫のライダーを物凄く敵視してるけど……一体どんな関係が……?)

 

しかし、呑気にその戦いを眺めている暇は彼女達にはない。

 

何故なら……

 

「……逮捕は良いけど」

 

ルーテシアの次に告げた言葉が、彼女達を大いに焦らせる事になるからだ。

 

「……大事なヘリは、放っといても良いの?」

 

「「「「「!?」」」」」

 

その言葉に、一同は一斉にヘリが飛んでいる方角を見た。

 

「しまった……ヘリが危ねぇ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、とあるビルの屋上……

 

 

 

 

 

「ディエチちゃ~ん、思いっきり撃っちゃいなさ~い♪」

 

「うん、わかってる……」

 

とあるビルの屋上から、2人の女性が六課の移動ヘリを見据えていた。片方はクアットロ、もう片方は長い茶髪を結んだ女性―――“ディエチ”だ。現在、ディエチは巨大なライフルのような武器を構えて、シャマル達が保護した少女が乗っているヘリに狙いを定めていたのだ。

 

(全く、せっかく暴れさせてあげたのに味方はそっちのけだなんて……肝心なところで使えないわねぇ、あのコブラ男が……まぁ良いわ)

 

「インヒューレントスキル……ヘヴィバレル、発動」

 

ディエチが構えている巨大なライフルのような武器―――イノーメスカノンにエネルギーが収束されていく。そして最大限までエネルギーが充填された次の瞬間……

 

「発射」

 

感情のない合図と共に、強力なエネルギー砲がヘリ目掛けて発射された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、砲撃!?」

 

「マズい、ヘリが!!」

 

上空でトンボ型ガジェットを撃墜して回っていたなのはとフェイトも、ヘリに向かって謎の砲撃が繰り出された事に気付いた。しかし距離が離れ過ぎており、急いで飛んでも間に合いそうにない。

 

「ヴァイス君!!」

 

「シャマル先生!!」

 

それでも2人は急いでヘリに向かって直行。しかし砲撃の方がギリギリ速く、確実にヘリに命中しようとしていた。

 

(お願い、間に合って……!!)

 

そして……

 

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!

 

 

 

 

 

 

眩い光に包まれ、ヘリを包み込むように大爆発が起きてしまったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


なのは「市街地での魔法使用、及び殺人未遂の現行犯で逮捕します!!」

浅倉「おい、まだ戦わせろよ……!!」

ティアナ「モンスターって何ですか……仮面ライダーって一体何なんですか!?」

手塚「全てを知る覚悟が、お前達にはあるか?」


戦わなければ生き残れない!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。