リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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お待たせしました。ようやく第22話の更新です。

今回の話はかなりの難産でした。描写が上手く思いつかず、だからと言って下手な描写で適当に済ませる訳にもいかない話だったので、思ってた以上に時間がかかりました。

そしてこんだけ時間がかかっといて、まだ今回で終わりじゃないというね……もう嫌だ本当にorz

取り敢えず、どうぞ。



第22話 戦士達の真実

ある男が、人の前に姿を現した。

 

 

 

 

『お前に力を与えよう……望みを叶えたければ、戦え』

 

 

 

 

男の名は、神崎士郎(かんざきしろう)

 

 

 

 

奴は様々な人間の前に姿を現し、ライダーのカードデッキを与えた。

 

 

 

 

最後の1人になるまで勝ち残れば、叶えたい望みが叶えられる。カードデッキを渡されてライダーになった人間達は、それぞれの目的は違えど、自分の望みの為にライダー同士で戦いを繰り広げた。

 

 

 

 

目覚めぬ恋人を救う為に戦っていたライダー。

 

 

 

 

戦いその物を快楽として楽しんでいたライダー。

 

 

 

 

ライダー同士の戦いを止めようとしていたライダー。

 

 

 

 

俺が出会ってきたライダー達の目的は様々だった。そのライダー全員に、いずれ滅びゆく運命がハッキリと見えていた。

 

 

 

 

神崎士郎が何故こんな戦いを仕組んだのかは、俺にもわからない。

 

 

 

 

俺はライダー同士による戦いを止める為に……滅びゆくライダー達の運命を変える為に、この戦いに身を投じる事を決意した。

 

 

 

 

ライダーとして戦う以上、いずれ滅びゆくであろう運命が見えたのは、俺自身とて例外ではない。それでも俺は戦う道を選んだ。いずれ自分も死ぬ事になる、それを理解した上で。

 

 

 

 

そんな時だった……ある重要な人物達に出会う事になるだろうと、占いの結果が出た。その占いの通り、俺は2人の仮面ライダーに出会う事になった。

 

 

 

 

秋山蓮(あきやまれん)……仮面ライダーナイト。

 

 

 

 

城戸真司(きどしんじ)……仮面ライダー龍騎。

 

 

 

 

片や恋人を救う為……片や戦いを止める為……2人の目的は全く違っていた。

 

 

 

 

秋山蓮は、モンスターに襲われ昏睡状態に陥った恋人を救う為に、ライダーとして戦っていた。だが奴は、非情になり切れなかったが故に、ライダーを殺す事ができなかった。戦えば破滅……戦わなくても結局は破滅……ライダーとしての、呪いのような宿命に強く縛られていた。

 

 

 

 

城戸真司とは、ライダー同士の戦いを止めるという目的が同じで、何度も共にモンスターと戦った。だが、戦いを止めれば救えなくなる命がある……それを知った彼は、自分が本当にそうするべきなのか、まるで自分の事のように悩んでいた。傍から見れば、青臭い人間だと思うかもしれないが……そんな素直な気持ちを抱いている彼に、俺は1つの可能性を見出していた。

 

 

 

 

その城戸真司が、戦いから脱落する……そんな未来が、俺の占いの中で見えてしまった。

 

 

 

 

城戸を死なせる訳にはいかない。だから彼の前では、敢えて「次は自分が死ぬ事になる」と偽ったんだ。

 

 

 

 

そして運命の瞬間(とき)は、すぐそこまで迫りつつあった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『手塚、しっかりしろ!!』

 

 

 

 

神崎士郎からすれば、ライダーと戦わずに自身の周りを嗅ぎ回っていた俺の事は疎ましい存在に違いなかった事だろう。奴はあの紫のライダー……王蛇を俺にけしかけてきた。戦いに関係のない一般人を巻き込まない為にも、俺はそれに応じるしかなかった。そして王蛇に追い詰められていた俺を助ける為に、龍騎が王蛇に戦いを挑んだんだ。

 

 

 

 

『2枚あるぜ……どっちが好みだ?』

 

 

 

 

『ッ……ふざ、けるな……!!』

 

 

 

 

『……ふんっ』

 

 

 

 

≪FINAL VENT≫

 

 

 

 

それでも、戦いは王蛇の方が優勢だった。戦いその物を快楽として楽しんでいた王蛇は、龍騎を倒すべく技を繰り出し、トドメを刺そうとした。

 

 

 

 

その時、気付けば俺は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

龍騎を庇い、王蛇の放った一撃をその身に受けていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『しっかりしろよ……!! お前は運命を変えるんだろ……!? 運命に決められた通りに死ぬのかよ!?』

 

 

 

 

『……違う……あの時占った……次に消えるライダーは……本当はお前だった』

 

 

 

 

『え……?』

 

 

 

 

『しかし運命は……変わる……』

 

 

 

 

そう……俺はようやく自分の力で、1人のライダーの運命を変える事ができた。

 

 

 

 

神崎士郎が戦いを仕組んだ理由について、俺が最後まで答えに辿り着く事はなかった。しかし彼なら……城戸真司なら、戦いを止める為の鍵に、辿り着く事ができるのではないか。

 

 

 

 

だから俺は、彼に全てを託す事にした。

 

 

 

 

彼が戦いを止めてくれる事を信じて……俺は1人、静かに息を引き取った。

 

 

 

 

そう……本当なら、その時点で俺は死んだはずだったんだ。

 

 

 

 

こうして、ミッドチルダにやって来るまでは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ここまでが、俺がミッドチルダにやって来る前の大まかな経緯だ」

 

自身の過去を大まかにだが話し終えた手塚は、息をつく為にコーヒーを口にする。その一方、話を聞いていた機動六課のメンバー達は全員、開いた口が全く塞がらずにいた。

 

「……じゃあ、美穂さんも……?」

 

「……うん。アタシも、あの戦いの中で死んだ。それからこの世界にやって来たんだ」

 

「死んだって……手塚さんと美穂さんが……?」

 

「別の地球で、そんな戦いがあったなんて……」

 

「ちょ、ちょっと待って!」

 

シャマルが異議を唱える。

 

「それなら、どうして手塚さんも美穂ちゃんも生きてるの? 戦いで死んだのなら、そもそもこうして次元漂流する事もないはずじゃ……」

 

「その理由は俺にもわからない。俺が死んだ以上、本当ならモンスターとの契約も既に解除されているはず……それなのに、俺がこの世界で目覚めた時も契約は継続されているままだった」

 

「!」

 

それを聞いて、フェイトは病院での手塚との会話を思い出した。

 

 

 

 

『馬鹿な、何故これが俺の手に……!?』

 

 

 

 

「……あの時。手塚さんがカードデッキを見て驚いていたのは、そういう事だったんですね」

 

「おまけに、この世界でも俺達がいた世界のようにモンスターが発生していると来た……そうとわかれば、ライダーとして戦う他ないだろう?」

 

「戦う他ないってお前……自分が死ぬとわかってて、それでも戦ってきたってのか……!? 何でお前がそこまでする必要があるんだよ!?」

 

「私もそこは気になっていた」

 

ヴィータに続き、シグナムも口を開く。

 

「手塚、あの時お前は言っていたな。自分が信じ続けて来た物、今はそれが重く感じていると……そう感じているのなら、何故お前はそれでも背負い続けようとしている? 一体、何がお前をそこまでさせている?」

 

「……覚えていたのか、その言葉」

 

手塚はコーヒーの入ったカップを置き、その隣に置いた自身のカードデッキを見つめる。

 

「……自分の正義を信じていた、ある男の為だ」

 

カードデッキを見つめる手塚。その組んでいる手は、強く握り締められていた。

 

「ある男の為……ですか?」

 

「あぁ……俺は誰よりも優しく、誰よりも強かった男を1人知っている。自分の夢が永遠に失われようとも、その男は人と戦う道だけは絶対に選ばなかった。だからこそ、このカードデッキを使う事もなかった」

 

「! そういえば……」

 

エリオは思い出した。

 

「派遣任務で手塚さんが言っていた、元々そのカードデッキを持っていた人……それってもしかして……」

 

「あぁ……名前は斉藤雄一(さいとうゆういち)。誰よりも強く、誰よりも優しい心を持った……俺の親友だ」

 

手塚は話を続けながら、シュガートングで掴んだ角砂糖を自身のコーヒーの中に落とし込む。

 

「雄一は駆け出しのピアニストだった。バイトしながらもピアノの練習を続けて、コンクールでも賞を取って、プロの業界からも一目置かれるほどの腕を身に着けた。努力して、失敗して、それでも諦めずに頑張って、ようやく上に駆け上がる時が来た……なのに、それも一瞬で終わらされてしまった」

 

「……何が、あったんですか……?」

 

嫌な予感がしたのか、キャロが恐る恐る問いかける。それに応えるように、手塚は2つ目の角砂糖をシュガートングで掴み取る。

 

「ある時……アイツは傷害事件に巻き込まれた」

 

シュガートングに強く挟まれ、砕けた角砂糖がコーヒーの中に落ちていく。

 

「通りかかった先で事件に巻き込まれ、雄一は腕に傷を負わされた。その後遺症が腕に残ったせいで、アイツは二度とピアノを弾けなくなってしまったんだ」

 

「そんな……誰がそんな事を……!」

 

「その傷害事件を起こしたのは……王蛇になる前の、浅倉威だ」

 

「「「「「!?」」」」」

 

六課の面々だけでなく、美穂も驚いた様子で手塚の方を見た。

 

「これからという時だったのに、ピアニストの道を断たれてしまった……それが雄一にとって何よりも悔しい事なのは、誰から見ても明らかだ。だからこそ神崎士郎は、そんな雄一にカードデッキを渡したんだろう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『戦いに勝ち残れば、お前はまたピアノを弾けるようになるだろう。お前の夢を取り戻したければ……戦え。戦って全てを取り戻せ』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな事が……」

 

「まるで悪魔の誘惑だな……」

 

「……最後の1人まで勝ち残れた時、その1人が手に入れる力で元の体を取り戻す事ができる。他のライダー達と同じように、雄一にとってもそれは、神に祈るよりマシな事に思えたはずなんだ……それでも雄一は、他のライダーと戦おうとはしなかった」

 

「どうしてですか……? 戦えば、夢を取り戻せるかもしれないのに……?」

 

ティアナのそんな疑問は、当時の手塚と同じ疑問だった。自分の夢を取り戻す為であれば、人はその誘惑に負けてしまう事があってもおかしくないはず。それなのに何故なのか。

 

「……さっきも言ったように、アイツは心優しい性格だった。ピアニストの道を歩もうとした理由も、傷ついた人の心を音楽で癒したいから……とな。どこまでも情の深い奴だったよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『俺は戦わない……』

 

腕の白い包帯から滲み、ピアノの鍵盤に落ちていく赤い血。その鍵盤の蓋を閉じながら、雄一は言っていた。

 

『たとえ、この指が動くようになるとしても……人と戦うなんていやだ』

 

その時の雄一は……今までで見た事がないくらい、凄く悔しそうな表情をしていた。その時の表情は、今でも俺の記憶に残っている。

 

『……何でだよ……ッ……!! 他の事なら何だってするのに……!!』

 

最初は、雄一も揺れ動いていたんだろう。自分の夢を取るか、それとも他人の命を取るか……結局、アイツは自分の夢を捨てる道を選んだんだ。優しいアイツには、人の命を奪う事はとても耐えられなかったんだろう。

 

だが、モンスターとの契約すらも拒絶した為に、雄一は……

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

『―――シャアッ!!』

 

ガシィ!!

 

『!? ぐ、ぁ……ッ……!!』

 

『!? 雄一!!』

 

本来、雄一と契約するはずだったモンスターが、雄一を狙って襲い掛かって来たんだ。俺はそのモンスターから雄一を助けようとした……それなのに。

 

『ぐぅ、ぅ……うあぁっ!?』

 

『くっ!?』

 

グシャッバキッボキッメキメキメキ!!

 

『ッ……雄一!? 雄一!! 雄一ィッ!!! うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!』

 

結局、雄一はそのモンスターに喰い殺されてしまった。

 

俺は雄一を助けられなかった。

 

破滅の未来が見えていた雄一の運命を……俺は、変える事ができなかったんだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そんな、ライダーになる事を拒んだだけで……!?」

 

「何だよそれ……理不尽過ぎるだろ……!!」

 

ライダーとして戦えば破滅。ライダーとして戦わなくても破滅。手塚が言っていた言葉の意味がわかり、なのは達は神崎士郎の行いに怒りを感じずにはいられなかった。

 

「……たぶん雄一もわかっていたんだろう。ライダーとして戦わなければ、自分が死ぬ事は……それでもアイツは戦いを拒絶したんだ。それを臆病だとか言う奴もいるかもしれない。だが俺は、そんなアイツが誰よりも強く……誰よりも優しく……誰よりも正しかったんだと。今でもそう信じている」

 

「……それで、手塚さんもライダーに……?」

 

「……アイツの信じた正義を無駄にしない為だ。それから」

 

崩れた角砂糖が、熱いコーヒーの中に溶けていく。それを見ながら、手塚は手に持っていたコインを指で弾いて掴み取る。

 

「感じたんだ。あの時アイツの信じた正義が、俺自身の運命を大きく変えてくれていたんだと。それがもっと、大きな運命を変える事になるかもしれないと……だから俺は、この命を懸けて戦うと決めたんだ。変えられなかった運命を変える為に」

 

手塚の告げた言葉に、なのは達は何も言えなかった。ミラーワールドでモンスターと戦い続けてきた手塚が、そんな思いと覚悟を胸に秘めていた事を、たった今初めて知ったからだ。

 

「……凄いなぁ、海之は」

 

そしてそれは、手塚の隣に座って話を聞いていた美穂も同じだった。

 

「美穂……?」

 

「今まで海之が、そんな強い覚悟で戦ってたなんて知らなかった……それに比べてアタシは、自分がライダーになった理由なんて、そんな立派な物じゃない……」

 

「どういう事ですか……?」

 

「……さっき、ティアナが言ってた通りだよ」

 

ソファの上で体育座りをしたまま、美穂は弱々しい声だが少しずつ語り始めた。罪を犯してきた自身の過去を。

 

「たぶん、元いた世界で海之は、ライダーを殺す事なんて一度もなかったんだと思う……でもアタシは違う……アタシはこの手でアイツを……王蛇を、浅倉威を殺したんだ……!!」

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

一同は信じられないとでも言うかのような表情を浮かべて美穂を見た。しかし唯一、以前話を聞いた事がある手塚だけは表情を変えずにいた。その時、ティアナは以前美穂から聞いていた話を思い出した。

 

「! まさか、美穂さんのお姉さんを殺したのって……!!」

 

「……そう、あの男だよ。浅倉威は元々、殺人犯として警察に捕まってたんだ。何度も傷害事件を起こして……海之の友人を傷つけて……アタシのお姉ちゃんまで……何の理由もなく、ただ面白半分にアイツは……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『はぁ、はぁ、はぁ……!!』

 

真っ暗な夜道。美穂の姉は必死に逃げ回っていた。自身を追い回して来る、ある男から逃げる為に。

 

『アァ~……』

 

そんな美穂の姉を、ある男―――浅倉は不気味な笑みを浮かべながら追跡する。たまたま足元に落ちていた酒瓶を拾った彼は、それを歩道橋の柵に押しつけたまま引き摺るように動かし、聞いていて不快になるような音を響かせる。

 

『ッ……はぁ、はぁ……!!』

 

浅倉が近付いて来るたび、その音は大きくなっていく。美穂の姉は物陰に隠れ、その音が小さくなってくれる事を必死に願った。浅倉が自分を見失って、どこかに立ち去ってくれる事を……だが。

 

『そこかぁ……』

 

『ひっ!?』

 

浅倉は見逃してくれなかった。美穂の姉が恐怖で表情を歪める一方、浅倉は不気味な笑みを浮かべながら、その手に持っていた割れた酒瓶を振り上げ……

 

『……ハァッ!!』

 

美穂の姉に向かって、何の躊躇もなく叩きつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――お姉ちゃん!?』

 

それから少し時間が経過し、路上に倒れたまま動かない姉を見つけた美穂は、すぐさま姉の下まで駆け寄った。

 

『お姉ちゃん、しっかりして!! ねぇ、目を開けてよ!! お願いだから……お姉ちゃあん!!!』

 

雨が降り注ぐ中、慟哭の声が響き渡る。美穂は冷たくなっていく姉を見て涙を流し、どこかへ立ち去っていく浅倉の後ろ姿を、ただ強く睨みつける事しかできなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「酷い……罪のない人を、そんな簡単に……!!」

 

「許せる所業ではないな……それほどの凶悪犯が、死刑にはならなかったのか?」

 

「本当なら、奴は死刑になってもおかしくなかったはずなんだ……なのに、アイツが雇った弁護士のせいで、裁判での判決は懲役10年に留まったんだ……ただ面白半分にお姉ちゃんを殺しておきながら、アイツは死刑にならなかった……!!」

 

「た、たったの10年!? おいおい、そんな奴をどうやって減刑したんだよその弁護士……!」

 

「……北岡秀一か」

 

浅倉を死刑にさせず、懲役10年にまで減刑させたという凄腕のスーパー弁護士―――“北岡秀一(きたおかしゅういち)”。その弁護士の素性には、手塚も心当たりがあった。

 

「誰ですか、それ?」

 

有罪(クロ)無罪(シロ)に変える、スーパー弁護士と呼ばれていた男だ。奴の手にかかれば、どんな犯罪者でも無罪になる……その分、黒い噂が絶えない人物でもあったがな。そんな奴でも、浅倉を完全に無罪にする事は不可能だったようだ」

 

「マジかよ……そんな奴がいんのか、お前等の世界には」

 

「……アタシは浅倉も、北岡も、両方許せなかった。でもアタシには何もできなかった……そんな時、神崎士郎がアタシの前に現れて、アタシにカードデッキをくれたんだ」

 

「じゃあ、美穂さんの願い事って……殺されたお姉さんを、生き返らせる事……?」

 

「そうだよ。その為にアタシはお姉ちゃんの遺体を綺麗な状態で冷凍保存しなきゃいけなかった。その資金を集める為に、いろんなところでスリや詐欺を働いていた。そんな時に、アタシも真司に会ってさ。真司からは会うたびに色々な事で怒られたよ」

 

「……容易に想像がつくな」

 

城戸真司をよく知っているからこそ、手塚もそんな光景を脳裏に浮かべて思わず笑みを零す。

 

「でも、アタシは立ち止まる訳にはいかなかった。どんな手を使ってでも、勝たなくちゃいけなかった。じゃないとお姉ちゃんを生き返らせられないって、ずっと自分に言い聞かせてた……そしてアタシは、浅倉と決着をつける時が来た」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『消えろ……そろそろ』

 

≪FINAL VENT≫

 

『グギャオォォォォォォォォォォッ!!!』

 

王蛇のベノバイザーに装填されるファイナルベントのカード。それと共に、王蛇が召喚した巨大な合成獣(キメラ)のような怪物―――“獣帝(じゅうてい)ジェノサイダー”が自身の腹部を喰い破り、ブラックホールのような物を出現させる。

 

『ハァァァァァァァァ……ハァッ!!』

 

『ッ……あぁあっ!?』

 

王蛇の両足蹴りがファムに当たり、ファムを大きく吹き飛ばす。その先には腹部にブラックホールのような穴を出現させたジェノサイダー。このままではファムは穴の中に吸い込まれ、異次元の闇に消えてしまう。

 

(ごめん……お姉ちゃん……!!)

 

だが、彼女が異次元の闇に消える事はなかった。

 

何故なら……

 

『グォォォォォォォォォォン!!』

 

『グギャオォ……ッ!?』

 

『……!?』

 

ファムが吸い込まれる直前で、謎の黒いドラゴンのような怪物が横から飛来し、ジェノサイダーに体当たりをして薙ぎ倒したからだ。そのおかげでファムは吸い込まれずに済み、それを見て驚愕した王蛇は、その黒いドラゴンを召喚した存在の気配がする後方へと振り返った。

 

彼が振り返った先に立っていたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『グルルルルル……!!』

 

 

 

 

 

 

『……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

城戸真司―――仮面ライダー龍騎にそっくりな姿をした、真っ黒な姿の仮面ライダーだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この一連の出来事は、美穂の運命を左右する一つの転換点でもあったのである……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


美穂「アタシは人の命を奪った、最低な人間なんだよ!?」

手塚「この力が残っているのも、その報いなのかもな……」

二宮「ライダーの罪は消えやしない。永遠にな……!」

フェイト「何度だって言います……あなた達の運命は変えられる!!」


戦わなければ生き残れない!
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