リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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やっと23話目の投稿です。今回も執筆はかなり大変でした。

そういえば感想欄の中に龍騎やナイトについてのコメントがありましたが……すみません、今作では龍騎とナイトを登場させる予定はありません。2人の登場を期待されていた方には非常に申し訳ない。
一応、これにはいくつか理由があります。全部は言えませんが、1つ言えるとしたら……真司に会えない事が、美穂に対する1つの“罰”にもなるからです。

今言えるのは精々それくらいですね。

それでは本編をどうぞ。

p.s.ちなみに、活動報告で行っている募集は明日の28日まで行います。3月に入った瞬間に募集を締め切りますので、設定を送りたいと思っている方はお急ぎ下さい。






戦闘挿入歌:果てなき希望



第23話 決意

ミラーワールド、どこかの地下駐車場で繰り広げられた戦い……

 

 

 

 

『グルルルルル……!!』

 

『……』

 

『お前……!!』

 

ファムがトドメを刺されそうになったタイミングで妨害してきた、黒い龍騎と黒いドラゴン。せっかく楽しんでいたところを邪魔された事に苛立ったのか、王蛇は黒い龍騎に向かって駆け出し、黒い龍騎はそれをただ無言で待ち構えている。

 

『はぁぁぁぁぁぁぁ……はっ!!』

 

王蛇が左手で殴りかかり、黒い龍騎はそれを右手で掴んで防御。続けて王蛇の右手拳が黒い龍騎の顔面を狙うように振るわれるが、それも黒い龍騎の左手がキャッチ。両手を掴まれた状態のまま、王蛇は黒い龍騎の掴む手を全く振り払えず、身動きが取れなくなってしまう。

 

『……!?』

 

何かがおかしい。このたった数秒間の攻防だけで、王蛇は目の前の黒い龍騎からそれを感じ取った。彼の知る龍騎はライダー同士の戦いを止めようとしていた。普段の彼なら大声で叫びながら王蛇を止めにかかるはずだ。それなのに、この黒い龍騎はそういった反応を一切見せようとしない。

 

『ッ……真司……?』

 

『フン……ハァァァァァァッ!!』

 

『!? ぐぉ、がっ……うぉあっ!?』

 

黒い龍騎の存在に気付いたファムが名前を呼ぶと、黒い龍騎はそれに応えるかのように鼻を鳴らし、王蛇の両手を掴んだまま駆け出した。両手を離すと同時に王蛇の顔面を連続で蹴り、怯んでいる王蛇をそのまま大きく蹴り飛ばした後、ドラゴンの顔を模した左腕の黒い召喚機の装填口を開き、そこにカードデッキから引き抜いた1枚のカードを装填する。

 

≪FINAL VENT≫

 

『グルルルルル……!!』

 

『ッ……!?』

 

通常よりくぐもった電子音が鳴り響く中、黒い龍騎がその場からゆっくりと浮遊を開始。黒い龍騎の後ろに黒いドラゴンが回り込むのを見た王蛇は、あの青臭い性格だったはずの龍騎が、自分に容赦なくトドメを刺そうとしているのを見て驚愕する。

 

『……ハァッ!!』

 

『グォォォォォォォォォォォンッ!!』

 

『くっ!?』

 

浮遊している黒い龍騎が右足で飛び蹴りの体勢に入った瞬間、黒いドラゴンが噴き出す黒い炎と共に、王蛇目掛けてファイナルベントを発動。王蛇はすかさず横に回避し、何とか飛び蹴りの軌道上から外れたが、そのせいで飛んできた黒い炎が直線上にいたジェノサイダーの下半身に命中し、黒い炎が一瞬で石化してジェノサイダーの動きを封じてしまう。

 

『ギャォォォォォォ……!!』

 

『な……!?』

 

黒い龍騎の狙いは最初からジェノサイダーだった。ジェノサイダーが助けを求めるように鳴き声を上げ、回避してからようやくその事に気付く王蛇だったが、もう遅い。

 

『ハァァァァァァァァァァッ!!』

 

 

 

ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!

 

 

 

『うぁぁぁぁぁぁっ!?』

 

黒い龍騎の放った飛び蹴りの一撃―――“ドラゴンライダーキック”が、ジェノサイダーを一撃で粉砕した。大爆発の衝撃で吹き飛ばされた王蛇はコンクリートの上を転がった後、フラフラながらも何とか立ち上がる。そこに駆けつけたファムは、ブランバイザーを王蛇に向ける。

 

『ッ……お姉ちゃんの仇!!』

 

『ふん……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……!!』

 

ファムがブランバイザーを向けたまま駆け出し、それを見た王蛇もその場から勢い良く駆け出した。再び2人の熾烈な戦いが始まる……かと思われたが。

 

『ッ……うぉ!?』

 

走る途中、突然全身から力が抜けた王蛇はバランスを崩し、その場に倒れ込んだ。何事かと王蛇が自分の体を見てみると、彼の全身は紫色だった箇所が全て灰色に変わっており、カードデッキは王蛇を象徴するコブラのエンブレムが消滅していた。ジェノサイダーを倒された事でモンスターの力を失い、未契約状態のブランク体に戻ってしまったのだ。

 

『何だ……どういう事だ……!!』

 

モンスターを失えば、ライダーは力を失う。その事実を今まで知らなかった王蛇は訳がわからず困惑するが、そんな彼の心情など知った事ではないファムは走り続け、どんどん王蛇に迫り来る。そして……

 

『はぁっ!!』

 

『あ……!?』

 

バリィィィィィィン!!

 

ファムの突き立てたブランバイザーが、王蛇のカードデッキを粉々に破壊した。ファムがブランバイザーを引き戻す中、カードデッキを破壊された王蛇は力なく倒れ、変身が解けて浅倉の姿に戻ってしまった。

 

『ッ……死ぬのか……? 俺が……この、俺が……』

 

浅倉は仰向けに倒れたまま、自分が死ぬという事実を認識させられる。それは自分に死が迫っている事による絶望を味わっているのか……それは否だった。

 

『……ふははははは……はははははは……ハハハハハハ!! ハハハハハハハハ!!!』

 

それは戦いの中で死ねるという喜びだった。これから死ぬ事になるというのに、彼は絶望するどころか狂気の笑い声を上げ続ける。そんな彼の人間らしさが全く感じられない姿を前に、ファムが何も言えず無言で俯いた……その時だった。

 

『……ッ!? が、ぁあ……!?』

 

『ク……ハハハハハハハハ!!』

 

突然浅倉が起き上がったかと思えば、いきなりファムの首を掴んで石柱に力ずくで押しつけてきたのだ。浅倉は両手でファムの首を絞め上げ、ファムが苦しそうに呻き声を上げる。

 

『か、はぁ……あ……ッ!!』

 

『ハッハァ……!!』

 

ライダーの力を失ってなおライダーに襲い掛かって来る浅倉のそんな姿は、まさに怪物(モンスター)と呼ぶに相応しい物だった……が、そんな怪物(モンスター)にも当然、終わりの時はやって来る。

 

『……ッ!?』

 

浅倉は気付いた。自身の左手が、少しずつ粒子化を始めていた事に。その粒子化が少しずつ全身に広まっていくのを見た浅倉は両手を離し、目の前のファムを強く睨みつける。そして……

 

『……アァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!』

 

最期はその場で見上げたまま雄叫びを上げ、浅倉の肉体が跡形もなく消滅した。消滅すると同時に浅倉の雄叫びも途切れ、彼の死をその目で見届けたファムは、腰が抜けたかのように座り込む事しかできなかった。

 

『……お姉ちゃん……』

 

 

 

 

浅倉威が死んだ。

 

 

 

 

姉の仇を討つ事ができた。

 

 

 

 

それなのに。

 

 

 

 

彼女の中には虚しさ以外、何も残されてはいなかった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――そこまでが、アタシが浅倉を倒すまでの話」

 

そこで美穂の話は一旦途切れた。六課の面々は美穂が語った浅倉の壮絶な結末に息を呑んでおり、手塚は話の中に出て来た黒い龍騎の方に意識が向いていた。

 

「黒い龍騎……一体何者なんだ? それは」

 

「それはアタシにもわからない。アレの正体を知る前に、アタシは死んじゃったから……1つ言えるとすれば、アレは真司に化けていたんだ」

 

「城戸に……?」

 

「うん……アタシさ。あの黒い龍騎が真司だって勘違いしちゃって……助けてくれた礼に、また真司をデートに誘ったんだ。一緒にお好み焼きを食べて、その時に他のお客さんとトラブったりもしちゃったけど、アタシにとっては凄く楽しい時間だったんだ……なのに」

 

真司と一緒に過ごした時間。それは美穂にとっても最高に充実した時間だった。今思えば、あの時から自分は真司への思いを抑え切れなくなっていたのかもしれない……だからこそ。

 

「あの黒い龍騎が真司に化けて、途中から本物と入れ替わってたんだ……アタシはそれが許せなかった。真司の姿に化けたアイツが……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――きゃあぁっ!?』

 

深夜のミラーワールド。黒いドラゴン―――“ドラグブラッカー”の攻撃で致命傷を負わされ、地面に転がされるファム。そんな彼女を遠目で見ていた黒い龍騎―――“仮面ライダーリュウガ”は、彼女が戦いの中で落としたブランバイザーを左手で放り捨て、それがファムのすぐ傍に落ちる。

 

『……終わりか?』

 

『ッ……何者なんだ、お前……!!』

 

ブランバイザーを拾い上げ、立ち上がったファムはドラグブラッカーの牙でボロボロになったマントを靡かせながらも、何とかブランバイザーを構え直す。しかしドラグブラッカーに負わされた攻撃で傷を負った彼女は、既にフラフラで危うい状態だった。

 

『フン……』

 

そんな状態で勝てるほど、リュウガは決して甘くない。リュウガがドラグブラッカーの頭部を模した手甲―――“ドラグクロー”を右手でゆっくり構える中、その周囲をドラグブラッカーが飛行し……

 

『……ハァッ!!』

 

『グォォォォォォォォンッ!!』

 

リュウガがドラグクローを突き出したのを合図に、ドラグブラッカーが口元から黒い火炎弾を発射する。その攻撃を避けられるほどの体力は今のファムにはなく、黒い火炎弾が彼女に命中しようとするその直前で……

 

『だぁっ!!』

 

駆けつけた赤いドラゴンの戦士―――“仮面ライダー龍騎”がファムを庇うように乱入。それにより黒い火炎弾は命中する事なく通り過ぎ、龍騎は倒れたまま動けないファムに必死に呼びかける。

 

『おい、大丈夫か!?』

 

『ッ……』

 

ファムが無事であるのを確認した龍騎はホッとするが、そんな彼をリュウガの赤い複眼が静かに見据える。それに対して龍騎も立ち上がり、リュウガと正面から向き合った。

 

『!? お前は……』

 

『……』

 

仮面ライダー龍騎。

 

仮面ライダーリュウガ。

 

そっくりな姿をした2人のライダーが相対する……かと思われたが、リュウガは数秒間ほど龍騎を見据えた後、無言で背を向けてどこかに歩き去って行ってしまった。

 

『お、おい、待てよ!?』

 

リュウガを呼び止めようとする龍騎だったが、今は傷ついたファムを現実世界に戻すのが先決だ。そう考えた龍騎は倒れているファムに駆け寄り、彼女をミラーワールドの外まで運ぶ事にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『おい、しっかりしろよ!! おい!!』

 

『……う、ぅん……』

 

その後、現実世界に戻った龍騎の変身者である青年―――城戸真司は意識が気絶している美穂を寝かせ、何度も彼女に呼びかけていた。その呼びかけに反応したのか、美穂の右手がピクリと反応してから彼の顔へとゆっくり伸びていき……彼の額に軽めのデコピンをかましてみせた。

 

『痛っ……!?』

 

『……また引っかかった♪』

 

目覚めた美穂がニヤッと笑うのを見て、真司は呆れた様子で立ち上がる。

 

『お前なぁ……心配した俺が馬鹿だったよ』

 

『心配してたの?』

 

『誰がするか……!』

 

『今言ったじゃない。好きなら好きって言えば良いのに』

 

『誰が……ッ!?』

 

誰がお前を好きになるかよ。そう言おうとした真司だったが、美穂がいきなり彼の両肩に手を触れ、顔を見つめて来た事でその言葉も途中で途切れる。

 

『な、何だよ……?』

 

『……もぉ、また靴紐解けてるじゃない。たく、しょうがないな』

 

仕方ないといった感じの言葉ではあるが、そんな美穂の表情は含みのない笑みが浮かんでいた。今度こそ真司が自分を助けに来てくれた。その事がとても嬉しく感じた彼女はその場にしゃがみ込み、真司が履いていた靴の解けていた方の靴紐を結び始める。

 

『ど、どうも……』

 

『……♪』

 

彼の靴紐を結ぶのはこれが2回目だった。手際良く靴紐を結んでくれた事に真司が小さい声で礼を述べ、美穂は明るく笑ってみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

それから2人は帰路につく事になり、真司は愛用しているスクーターを押し、その隣を美穂が歩く形でオフィス街を歩いていく。一見、2人は普通に歩いているように見えるが……この時、美穂は少しずつだが限界が近付いて来ていた。それを隠したかった美穂は真司を先に行かせ、2人は途中で別れる事になる。

 

『あ、それからさ。もうやめような、ライダー同士の戦いは』

 

スクーターに乗り込んだ真司はヘルメットを被りながら、美穂の方に振り返ってそう告げる。その言葉に美穂は少し間を空けてから、笑顔で真司に返事を返した。

 

『うん、考えとく』

 

それを聞いた真司は笑顔で手を振り、美穂も同じく手を軽く振ってみせる。そして真司がスクーターで去って行くのを見届けた後……美穂は近くの草木の中に倒れ込んだ。

 

『ッ……そろそろ……死ぬか……』

 

リュウガの攻撃で重傷を負っていた彼女にはもう、立っていられるほどの体力も残されていなかった。それでも真司には……あの心配性な真司には、自分が死ぬところは見せたくなかった。

 

『ごめんね……お姉ちゃん……』

 

もう、自分の願いは叶えられそうにない。だから美穂は、天国にいるであろう姉に謝罪した。姉を生き返らせてあげられそうにない事。そして……姉を生き返らせたいあまり、これまで多くの罪を重ねてしまった事を。

 

『真司……真司……』

 

次に脳裏に浮かんだのは真司の顔だった。何度も自分の邪魔をしてきた奴なのに、彼と接している内に美穂は彼の事が嫌いになれなくなっていた。それどころか、彼に対して淡い感情すらも抱くようになっていた。

 

『……靴の紐くらい、ちゃんと結べよな……』

 

今頃、真司は何も知らずに帰っている事だろう。美穂は最後まで真司の事を思い続けながら笑った後、その意識は静かに闇の中へと落ちていった。

 

 

 

 

 

 

それから時間が経過していく。

 

 

 

 

 

 

多くの人が通勤している中、彼女は草木の中に倒れたまま動かない。

 

 

 

 

 

 

周りの人達は誰も、そんな美穂に見向きもしない。

 

 

 

 

 

 

倒れている美穂の体に、1羽のカラスが乗りかかる。

 

 

 

 

 

 

足元に落ちていたファムのカードデッキの近くに、カラスの黒い羽根が落ちていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こうして、多くの人間を騙し続けてきた彼女は、想い人の偽物に騙された事で命を落とす事になった……そう、命を落としたはずだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――で、このミッドにやって来たって訳」

 

美穂の説明が終わると共に、一同のいる部屋は静かになった。誰も言葉を発しようとしない。隊長陣も、副隊長陣も、フォワードメンバー達も全員、手塚と美穂の口から語られた過去に何も言えずじまいだった。

 

「……俺達が」

 

そんな重い空気の中、手塚が口を開いた。

 

「俺達がこの世界に飛んで来た理由はわからないが……今思えば、これは俺達に対する罰なのかもしれない」

 

「罰……?」

 

「あぁ……戦わないという雄一の正義を背負うと決めたのに、俺はライダー同士の戦いを止める為に、自ら戦う道を選んでしまった。美穂は自分の願いの為に、多くの人間を騙し続け、その手でライダーを殺めた」

 

「ッ……」

 

「その時点で、俺達が死ぬという運命は決まり切っていたんだろう。死してなおこの力が残っているのも、その報いなのかもな……」

 

「……とにかく」

 

美穂は体育座りの体勢を崩し、両足を伸ばしながら笑ってみせる。

 

「これでわかったでしょ? アタシも海之も、自分のエゴの為に罪を重ねてきた酷い人間だって事がさ」

 

「美穂さん、それは……!!」

 

「それは何? 別に間違った事は言ってないでしょ? こっちの世界に来てからも、アタシは男共から金を盗んでた訳なんだし」

 

「ッ……」

 

笑いながら言い放つ美穂に、ティアナは反論したかった。しかし何も言えなかった。彼女の笑顔がどこか無理している物であるのはわかっているのに、自分では何も言えないティアナは悔しげに口を閉ざす。

 

「そういう事だからさ。アタシ達の処遇はそっちの好きにしてくれて良いよ。煮るなり焼くなりお好きに―――」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝手に話を進めないで下さい」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「!」」

 

「フェイトちゃん……?」

 

美穂の言葉に異議を唱える者がいた。先程から黙って話を聞いていたフェイトだ。

 

「美穂さん、あなたは本当にそれで良いんですか?」

 

「それで良いのかって……それ以外に何があるんだよ。スリに詐欺、おまけに殺人まで犯したんだよ? アタシが罰せられるべき人間なのはもう明白でしょ。裁かれる覚悟ならもうできてるよ」

 

「それならどうして!! ……どうしてあなたは、そうやって泣いているんですか」

 

「……え?」

 

それを聞いて手塚も、言われた美穂自身も初めて気が付いた。美穂の目から、ほんの僅かにだが涙の粒が流れ出ていた事に。

 

「あ、あれ……? おかしいな……何で、涙が……」

 

「……手塚さん。美穂さん。あなた達は自分で思っているほど、最低な人間ではないはずです。2人と出会って長い訳ではないけれど……私はハッキリそう言えます」

 

「何で……何で、そんな優しい事を私に言うんだよ!!」

 

自身の涙を指で拭おうとしたフェイトの手を、美穂は乱暴に払ってから声を荒げる。

 

「アタシは人の命を奪った、最低な人間なんだよ!? たくさんの人を騙して、たくさんの人からいっぱいお金を盗んできた!! アタシはどうしようもない犯罪者だから、優しくされる義理なんてないのに!! 何で―――」

 

「私も!!!」

 

フェイトが美穂以上に大きな声で怒鳴り、美穂の言葉を強制的に遮った。自分より大きな声で遮られるとは思っていなかったのか、美穂はビクッと怯えたような表情になる。

 

「……過去に罪を犯したという点では、私も同じだから」

 

「え……」

 

「……!?」

 

フェイトのその言葉に、美穂だけでなく手塚も目を見開いた。フェイトがバルディッシュを介してモニターを出現させると、そこには幼少時代のなのはが金髪の少女と激しい戦いを繰り広げている光景が映し出され、その映像にはスバル達は見覚えがあった。

 

「これって確か、前にシャーリーさんが見せていた……」

 

「このなのはさんと戦ってる女の子……もしかして、フェイト隊長!?」

 

「え!?」

 

「……やはり、そういう事だったか」

 

幼少時代のなのはと戦っている金髪の少女がフェイトだとわかり、これには美穂だけでなくスバル達も同じように驚愕する。一方で手塚は、前に映像を見た時から薄々だが勘付いてはいた為、あまり驚きはなかったようだ。

 

「かつて私は、使い魔のアルフと一緒に、ある目的の為にロストロギアを集めていました。一歩間違えれば海鳴市が消滅してしまうレベルの、あまりに危険なロストロギアを……それを集める為に、私は何度も海鳴市を危険に晒しました」

 

「そんな事が……」

 

「……過去に罪を犯したのはハラオウンだけではない」

 

ここで、シグナムも口を開いた。

 

「私達もまた、かつて多くの罪を重ねてきた……主はやてを救う為に、高町やハラオウンを始め、多くの人達を巻き込んでしまった」

 

「シグナム達も……?」

 

「アタシ達は今まで、手塚と霧島の事を散々疑ってきたけどさ……それでも、お前達2人の事を責められるような権利は、アタシ達にも存在しちゃいねぇ」

 

「そういう事や。私もシグナム達の主として、全ての罪を背負う覚悟を決めた。周りからどんなに非難される事になろうとも、私達はそれらも全部受け止め、その上で前に進んでいきたいと思うとる」

 

「……美穂さん」

 

フェイトは手塚と美穂の前でしゃがみ、2人の手を両手で優しく握る。

 

「私達は罪を犯してきた。それでも私達は立ち上がって、今も前に進む事ができているんです。1人では無理でも……支えてくれる仲間がいるから」

 

「仲間……」

 

「確かにあなた達の罪は、決して消えないかもしれない……でも、あなた達は一度死んだんですよね? なら、もう罰は充分受けてるでしょう!? これ以上、2人がどんな罰を受ける必要があるんですか!! どんな罪を背負っているとしても、それはあなた達が幸せになっちゃいけない理由にはならない!!」

 

「な、何でそこまで言うの……!? だってアタシは……!!」

 

「ずっと見てきたから」

 

美穂の頬に、フェイトが優しく触れる。

 

「占いで、エリオとキャロの未来を案じてくれた手塚さんの姿も……派遣任務で、皆と楽しそうに笑い合っている美穂さんの姿も……誰かの事を思って、誰かの為に運命を変えようとしてくれている。そんな2人の今の姿は、ここにいる私達が一番よく知っていますから」

 

なのは達も、シグナム達も、そしてスバル達も、全員がフェイトの言葉に笑顔で深く頷いている。そんな彼女達の優しさに触れたからか……フェイトに握られている美穂の手の上に、いくつもの涙の粒が零れ落ちる。

 

「……良いの……? アタシが、ここにいて……幸せになって……本当に良いの……?」

 

「あの時も言った言葉、何度だって言います……あなた達の運命は変えられる!! だからもう、無理して抱え込まないで下さい。辛い時は、私達が支えますから」

 

「……ッ!!」

 

犯罪組織に捕まっていた自分を助ける際、フェイトが言ってくれた言葉。それを思い出した美穂はフェイトに抱き着き、彼女の胸元で泣き始めた。

 

「本当は、怖かった……アタシの事を知って……皆に嫌われるんじゃないかって……凄く怖がっだんだ……ッ!!」

 

「美穂さんも、辛かったんですね……大丈夫。私達はあなた達を絶対に見捨てません。だから今は……安心して泣いて下さい。いくらでも受け止めますから」

 

「ッ……あり、が……ど……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」

 

拒絶されるんじゃないかと恐れていた。それでも六課の皆は受け入れてくれた。そんな嬉しさのあまり、美穂は我慢できずフェイトの胸の中で大声で泣き始めた。フェイトはそんな彼女を抱きしめ、まるで母親のように彼女の頭を優しく撫で続ける。そんな美穂の様子を見ながら、手塚は自身の掌を静かに見つめていた。

 

(今の俺達の姿を知っている……か)

 

ライダー同士の戦いに関わっていた時は、どれだけ頑張ってもライダーの運命を変えられなかった。自分の命と引き換えにでもしなければ、運命は変えられないと思っていた。そんな手塚の思いは……ここにいる彼女達が覆そうとしている。罪を背負った自分達の為に、彼女達が自分達を支えようとしてくれている。

 

(今までやってきた事は……決して、無駄ではなかったという事か)

 

その事が、嬉しく感じ取れたような気がする。右手を強く握り締めながら、手塚は小さく笑ってみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――もう大丈夫ですか?」

 

「……うん、もう大丈夫」

 

その後、しばらく泣き続けていた美穂はようやく泣き止み、目元の涙を自身の手で拭っていた。泣き過ぎたからか否か、彼女の目が少しだけ赤く充血している。

 

「こうして見ると、やっぱり美穂ちゃんも年相応の女の子やなぁ。見ていて可愛らしかったわ」

 

「んな!? も、もうそれは良いでしょ別に……!!」

 

「照れてるぅ~♪」

 

「照れてない!!」

 

はやてにからかわれた美穂が反抗し、その様子を見てなのは達が楽しそうに笑う。その一方で、手塚は変わらずソファに座ったまま、テーブルに置いていた自身のカードデッキを手に取って眺めており、それに気付いたフェイトが彼の隣に座り込む。

 

「……俺は雄一の信じた正義を背負って戦ってきた。それと同時に、自分のやってる事が全て無駄なんじゃないかと、そう思う事が何度もあった。ハラオウン……俺のしてきた事は、無駄な事だと思うか?」

 

「思いません」

 

フェイトはスッパリ言い切り、これには手塚も思わず面食らう。

 

「……即答なんだな」

 

「エリオとキャロが言ってましたよ。あのモノレールの事件の時、手塚さんのあの言葉があったから、自分達は頑張れたって。ティアナが無茶をしていた時も、手塚さんはそれを私達に伝えてくれた。それらが決して無駄な努力だなんて私は思いません」

 

「……敵わないものだな。たった今そう感じたよ」

 

「ふふ♪」

 

手塚の言葉にフェイトが微笑む。その微笑みを見た手塚も思わず笑ってしまいそうになったその時……

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

「「「「「!!」」」」」

 

よく知る金切り音が響き渡ってきた。全員が真剣な表情に変わり、手塚と美穂はそれぞれのカードデッキを持って部屋の窓ガラスの前に立つ。

 

「美穂、いけるか?」

 

「大丈夫。今はもう振り切れたから……!」

 

「……そうか」

 

手塚はフッと笑ってから、カードデッキを窓ガラスに突き出す。それに続いて美穂もカードデッキを突き出し、2人は出現したベルトを腰に装着して変身ポーズを取る。

 

「「変身!!」」

 

カードデッキをベルトに装填し、手塚はライア、美穂はファムの姿に変身。2人は窓ガラスに近付く前に、一度六課の仲間達の方へと振り返る。

 

「それじゃ……皆、行って来るね!」

 

「はい!」

 

「「「「「お気をつけて!!」」」」」

 

一同の返事を聞いてから、ライアとファムは窓ガラスを通じてミラーワールドに突入していく。その後、一同は2人が無事に帰って来る事を祈るのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ブルルルルル!!』

 

『『『『『グルァッ!!』』』』』

 

ミラーワールド、大きな橋の付近にある川原。次の獲物を求めていたゼブラスカル・アイアン、そして生き残りのガゼル軍団が動いており、そこにライアとファムが駆けつけた。

 

「あれ、あのシマウマのモンスターもう1体いたの!?」

 

「それにアイツ等、インペラーと契約していた連中の生き残りか……美穂、頼めるか?」

 

「任せて、集団相手は得意だから!」

 

≪ADVENT≫

 

『ピィィィィィィィィィッ!!』

 

『!? ブ、ブルァアッ!?』

 

『『『『『グガァァァァァァァァッ!?』』』』』

 

飛来したブランウイングが翼を羽ばたかせ、モンスター達を全員纏めて吹き飛ばし転倒させる。その隙にライアとファムはファイナルベントのカードをそれぞれの召喚機に装填する。

 

≪≪FINAL VENT≫≫

 

『『『『『グルァッ!?』』』』』

 

ブランウイングの起こす突風がガゼル軍団をファムの方へと吹き飛ばす中、ライアはどこからか飛んで来たエビルダイバーに飛び乗り、起き上がろうとしているゼブラスカル・アイアンに向かって突っ込んでいく。

 

「ふっ!!」

 

1体目。

 

「はっ!!」

 

2体目。

 

「やぁ!!」

 

3体目。

 

「はぁ!!」

 

4体目。

 

「でやぁっ!!」

 

そして5体目。飛んできたガゼル達はファムのウイングスラッシャーで順番に斬りつけられ、胴体を真っ二つにされファムの後方で次々と爆散する。

 

「はぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

『ブルァァァァァァァァァッ!?』

 

そしてライアも、エビルダイバーに乗り込んだまま猛スピードで突撃し、ゼブラスカル・アイアンに炸裂。全身をバネにして逃げようとしたゼブラスカル・アイアンだったが、回避は結局間に合わず、呆気なく吹き飛ばされ爆散してしまった。

 

「ふぅ、一丁上がり♪」

 

「だな」

 

合計6体分のモンスター、その魂であるエネルギー体が宙に浮遊。それらをブランウイングとエビルダイバーが摂取しようとした……が。

 

 

 

 

 

 

≪ADVENT≫

 

 

 

 

 

 

『『シャァァァァァァァッ!!』』

 

「え……あぁーっ!?」

 

「何……!?」

 

その直後、どこからか乱入してきたアビスラッシャーとアビスハンマーが、宙に浮遊していたエネルギー体を全て捕食してしまった。餌を全て横取りされた事でファムが叫ぶ中、ライアは周囲を見渡し、近くの橋の上からこちらを見下ろしてきているアビスの姿を発見した。

 

「わざわざ俺の為にご苦労」

 

「お前……!!」

 

「ちょっと!! 横取りするなんてズルいじゃんか!?」

 

「気を抜いていたお前等が悪い。とにかく、これで俺の用事は済んだ」

 

「待て」

 

立ち去ろうとしたアビスをライアが呼び止め、アビスが歩みを止める。

 

「ずっと気になっていた……俺達はあのインペラーの事を知らないのに、インペラーは出会った事がない俺達の事を詳しく知っていた。お前も俺達の事情をやけに詳しく知っている……それは何故だ?」

 

「……それは俺の口から言える事じゃない。何度も言わせるなよ、面倒臭い」

 

「ならば力ずくでも聞かせて貰う」

 

「!」

 

アビスが振り返ると、既にライアとファムは橋の上まで移動していた。ライアはエビルウィップを、ファムはブランバイザーを構えており、それを見たアビスは小さく溜め息をつく。

 

「悪いが、お前達の目的をいつまでも知らずにいる訳にはいかない」

 

「捕まえて吐かせてやる……アンタ達の目的を……!」

 

「……聞き分けの悪い連中だな」

 

『『グルァァァァァァァァッ!!』』

 

「「ッ!!」」

 

アビスが指を鳴らした瞬間、橋の下からアビスラッシャーとアビスハンマーが跳躍し、ライアとファムに向かって襲い掛かって来た。2人がその攻撃を避ける中、アビスは1枚のカードをアビスバイザーに装填する。

 

≪STRIKE VENT≫

 

「沈めてやるよ、2人纏めて……!!」

 

「……!!」

 

≪COPY VENT≫

 

「「はぁっ!!」」

 

ズドォォォォォォォォン!!

 

ライアもエビルバイザーにカードを装填し、アビスの召喚したアビスクローがコピーされ、ライアの右手にもアビスクローが装備される。そしてアビスとライアが同時にアビスクローを突き出し、発射した強力な水流弾がぶつかり合い水飛沫が周囲に広まっていく。

 

≪GUARD VENT≫

 

「!? あの女か……チッ!!」

 

「はぁ!!」

 

その直後、無数の白い羽根がアビスの周囲に広まり、それがファムの仕業だと気付いたアビスは仮面の下で小さく舌打ちする。そんな彼の左方向から、ウイングシールドを左手に構えたファムがブランバイザーで斬りかかり、それに気付くのが遅れたアビスはアビスバイザーで防ごうとするも間に合わず、アビスの胸部にブランバイザーの一撃が炸裂する。

 

「ッ……やってくれたな!!」

 

「な……うわぁ!?」

 

「ぐぅ!?」

 

アビスはその場で回転しながら、アビスクローから強力な水流を発射。それにより無数の白い羽根が纏めて水で押し流され、ライアとファムも大きく後退させられる。

 

「ふぅ……随分やる気満々のようだな。そこまでして人を守りたいとでも言うのか?」

 

「ッ……あぁそうだよ、アンタのやった事は許される事じゃない……だからアタシ達でお前を捕まえる!!」

 

「犯罪者のお前が、どの面を下げて言いやがる」

 

「がはっ!?」

 

ウイングシールドをアビスバイザーで弾き飛ばされ、アビスの膝蹴りがファムの腹部に炸裂。転倒したファムの胸部を踏みつけたアビスは、彼女の眼前にアビスクローを突きつける。

 

「今更どんな良い事をしたところで無駄な事だ。あの戦いに関わった時点で、俺達ライダーは罪を背負っている。ライダーである事その物が、俺達にとっての罪なんだよ」

 

「ッ……!!」

 

「ライダーの罪は消えやしない。永遠にな……まぁ、お前はそれ以前の問題だろうがな」

 

「……確かにその通りだよ」

 

ファムはアビスクローを両手で掴む。

 

「アタシはこれまで、数え切れないくらい罪を犯してきた……だからもう、アタシは誰からも受け入れては貰えないんだって……今までそう思ってた」

 

「何を……ッ!?」

 

ファムの掴んだ両手が、アビスクローの軌道を力ずくでズラしていく。これにはアビスも驚かされる。

 

「でも違ったんだ……どんな罪を背負ったとしても、人はやり直す事ができるんだって……こんなアタシでも、償う為に生きても良いんだって……その事を、六課の皆が教えてくれた!!」

 

「ぐっ!?」

 

アビスの腹部を蹴りつけ、その隙にファムが素早く立ち上がってブランバイザーを構え直す。

 

「自分が悪だと開き直って、悪事を働くお前とは違う!! アタシを信じてくれた人達の為に……その人達が守ろうとしている物を守る為に、アタシはこの力を使う!! そう決めたんだ!!!」

 

「貴様……!!」

 

「俺を忘れて貰っては困る」

 

「ッ!?」

 

別方向からライアがアビスクローの水流を放ち、アビスが怯まされる。その隙にライアとファムが並び立つ。

 

「美穂……それがお前の覚悟なんだな」

 

「うん、そうだよ……だから海之。アンタの力も貸して欲しい。守りたい物を守る為に」

 

「安心しろ。元からそのつもりだった」

 

ライアとファムはそれぞれの武器を構え、アビスと正面から対峙する。アビスは鬱陶しそうに鼻を鳴らし、アビスバイザーにカードを装填する。

 

≪SWORD VENT≫

 

「ふん、馴れ合いのつもりか……下らない茶番だな!!」

 

「「ッ……はぁっ!!」」

 

アビスバイザーから放たれた水のエネルギー弾を、ライアとファムは左右に回避。そこからライアとファムは同時に跳躍してアビスに飛び蹴りを放ち、アビスを後退させる。そこからファムがブランバイザーでアビスと激しく切り結ぶ中、ライアは離れた位置からアビスクローを構え、それに気付いたアビスはファムを押し退けてからアビスセイバーを投げ捨て、すぐに次のカードをアビスバイザーに装填する。

 

≪GUARD VENT≫

 

「はぁ!!」

 

「無駄だ」

 

ライアのアビスクローから水流弾が放たれるも、アビスはアビスハンマーの胸部を模した大型の盾―――“アビスアーマー”を召喚して装備し、水流弾を難なく防いでみせる……しかし、それによってアビスの意識はライアの方に向いてしまった。

 

「そこ!!」

 

「何……ぐぁっ!?」

 

その隙を突いて懐に入り込んだファムが、ブランバイザーでアビスを左方向から斬りつけた。反応が遅れたアビスは地面を転がされるも、すぐに体勢を立て直しファムを押し退ける。しかし先程の攻撃でアビスアーマーを手放してしまい……

 

「!! しま―――」

 

「はぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

「うぉわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

すぐまたライアが強力な水流弾を放ち、アビスを更に大きく弾き飛ばしてみせた。流石のアビスも仮面の下で表情を歪めるが、すぐ冷静になり何とか立ち上がる。

 

(ッ……なるほど。確かに、一筋縄ではいかないようだ。それなら……)

 

ライアとファムの連携は非常に厄介だ。それを素直に認めたアビスは次のカードを引き抜き、そのカードの絵柄を見たファムが驚愕した。

 

「!? そのカードは……!!」

 

「沈め、さっさと」

 

≪UNITE VENT≫

 

『『グルァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』』

 

「!? 何だ……!?」

 

カードがアビスバイザーに装填された瞬間、アビスラッシャーとアビスハンマーが今まで以上に大きな咆哮を上げ始めた。何事かとライアが驚く中、2体のモンスターは同時に近くの川原へと飛び込み潜水し……

 

 

 

 

 

 

『―――ギャオォォォォォォォォォォォォォンッ!!!』

 

 

 

 

 

 

「「ッ!?」」

 

その水中から、メガロドンを彷彿とさせる巨大な怪物―――“アビソドン”が吠えながら姿を現した。アビソドンの巨体を前に、ライアとファムは思わず圧倒される。

 

「モンスターを融合させた……!?」

 

「アンタも、そのカードを持ってたなんて……!!」

 

「何だ、“お前”はコイツの姿を見るのは初めてだったか? まぁ良い……やれ」

 

『ギャオォォォォォォォォォォッ!!』

 

アビスの指示と共に、アビソドンは左右の両目が突き出し、シュモクザメのような姿になる。その突き出した両目から強力な弾丸を連射し始めた。

 

「ッ……ぐぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

次々と降りかかる弾丸の雨が、ライアとファムに襲い掛かる。2人は回避が間に合わず、あっという間に爆風の中へと飲み込まれてしまうのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


フェイト「2人は私の事、化け物だと思いますか?」

手塚「六課の皆に会えて良かった。心からそう思っている」

美穂「皆にさ、伝えておきたい事があるんだ」

オーディン『インペラーの代わりなら、既に見つけてある……』


戦わなければ生き残れない!
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