リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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さて、今日はエグゼイドトリロジー最後の作品『ゲンムvsレーザー』の公開日!
今日も映画館まで見に行く予定です。楽しみですねぇ~。

ちなみに今回は美穂の“とある設定”が明かされますが、この設定はあくまで今作だけのオリジナルであって、公式設定ではないのでその点は要注意。

それではどうぞ。








そして今回はラストにて、活動報告にて募集していたオリジナルライダーの内の1人が遂に登場します。
誰が選ばれたのか、気になる方はご覧下さいませ。



第24話 本当の自分

「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」

 

アビソドンが放射する弾丸の雨。それにより発生する爆発で吹き飛ばされたライアとファムは橋の下に落下し、地面に叩きつけられるところをアビスが橋の上から見下ろす。

 

「俺の邪魔さえしなけりゃ、別に死なせるようなマネはせん。お前等はまだ、こっちの計画に必要だからな」

 

「何……!?」

 

「ッ……そう、言われて……アタシ達が、引き下がると思う……!?」

 

「……あぁそうかい。わかってはいたが」

 

『グギャオォン!!』

 

ドガガガガガガガ!!

 

「危ない!!」

 

「くっ!?」

 

アビスが指を鳴らし、それを合図にアビソドンが再び両目から弾丸を連射。ライアとファムは二手に分かれて弾丸を回避し、2人が走る後方で次々と爆発が起こる。

 

「ッ……ブランウイング、お願い!!」

 

『ピィィィィィィィィッ!!』

 

『ギャオッ!?』

 

「ほぉ……」

 

ファムの指示を受け、ブランウイングがアビソドン目掛けて特攻。飛んで来る弾丸を上手くかわし、アビソドンに激突する事で体勢を崩させた。しかし、それを見ていたアビスは動じない。

 

「やるじゃないか……だが」

 

『ギャオォォォォォォォォォン!!』

 

アビスがブランウイングを指差した途端、アビソドンは突き出していた両目を引っ込め、代わりに頭部から巨大かつ鋭利なアーミーナイフ状のノコギリを伸ばす。そして旋回して再び突撃してきたブランウイングの背中にノコギリを叩きつけ、怯んだブランウイングを尻尾で薙ぎ払うように吹き飛ばしてしまった。

 

「そんな!?」

 

『ギャオォォォォン!!』

 

「きゃあっ!?」

 

「美穂!!」

 

続けてアビソドンが振り下ろしてきたノコギリをファムはギリギリ回避するが、アビソドンは地面に叩きつけたノコギリをそのまま真横に振り回し、ファムを吹き飛ばしてしまう。助けに向かおうとするライアだったが、それを見越したアビスはアビスバイザーから水のエネルギー弾を放ち、ライアの足元に着弾させる。

 

「これでもまだ、俺の邪魔をするつもりか?」

 

「お前……ッ!?」

 

ライアは右手に装備したアビスクローをアビスに向ける……が、そんなライアの目の前にアビソドンが勢い良くノコギリを振り下ろし、ノコギリに刺さった岩盤ごとライアを吹き飛ばす。

 

「うあぁっ!?」

 

「……全く」

 

地面に落ちた岩盤がバラバラに砕ける中、アビスは呆れた様子でファイナルベントのカードを引き抜く。

 

「口で言ってもわからないのなら……死なない程度に痛めつけようか、お前等2人共」

 

「ッ……!!」

 

しかし、やられてばかりのライアではない。岩盤が崩れ行く際の土煙で視界が悪い中、エビルバイザーにカードが素早く装填される。

 

≪ADVENT≫

 

『キュルルルル……!!』

 

「ん……うぉっ!?」

 

『ギャオ!?』

 

別方向から飛来したエビルダイバーが、後方から突っ込んでアビスを転倒させた後、アビソドンに対しても体当たりを炸裂させた。アビソドンは体格が大きい故に攻撃がどれも大振りで、小柄なエビルダイバーには上手く攻撃を当てる事ができないのか、一方的に体当たりを喰らい続けている内に体勢を崩してしまい、アビスがいる橋の上へと落下していく。

 

「くっ!?」

 

危うくアビソドンに押し潰されそうになるアビスだったが、ギリギリかわしてペシャンコにされるのだけは回避してみせた。しかし起き上がった彼がすぐに橋の下に視線を移してみると、既に橋の下ではライアとファムの姿は消えてしまっている後だった。

 

(逃げたか……まぁ良い。釘を刺してる以上、奴等も下手に俺の存在はバラせまい……)

 

気付けばブランウイングとエビルダイバーも姿を消している。アビスは小さく舌打ちした後、背を向けてどこかへ立ち去って行く。その数秒後……近くの川からライアとファムが浮上し、2人は泳いで陸まで戻り始めた。

 

「ふぅ……美穂、大丈夫か」

 

「ん、何とかね……」

 

最初にライアが陸に上がり、ライアの手を借りてファムも何とか陸に上がる。アビソドンの攻撃で受けたダメージは少なくないが、それでも致命傷に至るほどではなく、2人は地面に倒れたまま疲れを取り始めた。

 

「ッ……あの男、目的が全く読めんな……奴は一体、この世界で何をしようとしてるんだ……?」

 

「アタシにもわからない……けど、どうせ碌でもない計画なのは間違いないと思う……」

 

「碌でもない計画、か……そういえば美穂、お前は奴の事を知ってるんだったな。教えてくれ、奴は何者だ」

 

「……アイツの名前は二宮鋭介、仮面ライダーアビス。何度も言うけど、本当に最低な奴だよ。元の世界でアタシはアイツに弱みを握られたんだ」

 

「弱みだと?」

 

「うん。アタシがお姉ちゃんの遺体を冷凍保存してるって話はしたよね? そのお姉ちゃんの遺体を冷凍保存してる施設まで行った時、アイツが後から尾けてたんだよ……アタシを浅倉と戦わせる為に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『我が社の遺体保存技術は完璧です。未来の科学が、きっとお姉さんを蘇らせてくれますよ』

 

かつてライダー同士の戦いに参加していた時の事だ。死んだ姉の遺体が保存されている施設に向かった美穂は、巨大な冷凍保存装置の中で永遠の眠りについている姉の顔を見ながら、寂しそうに呼びかける。

 

『お姉ちゃん……』

 

どんなに愛おしそうに語りかけても、姉が目覚める事はない。それでも美穂はただ静かに、姉に呼びかける事しかできない。

 

『必ず生き返らせてあげるからね……お姉ちゃん』

 

 

 

 

 

 

『なるほど、それがお前の弱みって奴か』

 

 

 

 

 

 

『うっ……』

 

『!? が、ぁ……!!』

 

声がした方に美穂が振り返った直後、どこからか現れたアビスが研究員の女性を手刀で気絶させ、姉の遺体を守るように立ち塞がった美穂の首を掴んで装置から引き離した。

 

『げほ、ごほ……お前、どうしてここに……!?』

 

『姉を生き返らせる為に戦う、か……とっくに死んじまってる人間の為に、わざわざご苦労な事だな』

 

『!? お姉ちゃんから離れろ!!』

 

『断る』

 

『うぁっ!?』

 

姉の顔を踏みにじるかのように装置を踏みつけるアビスに、美穂が焦った表情でアビスを引き離そうとする。しかし変身しておらず、ましてや男と女では力の差は歴然だった為か、アビスは一切動じる事なく腕を振るうだけで簡単に美穂を薙ぎ払ってみせた。

 

『安心しろ、お前を倒しに来た訳じゃないし、お前の姉の遺体をどうこうするつもりもない。他のライダー達を倒していくにはまず、お前から接触した方が早いと思ってな』

 

『ッ……お前、何が目的だ……!!』

 

『単純な話さ……浅倉と戦え』

 

『!?』

 

『今の段階では、浅倉の存在が一番脅威になる。調べたところ、お前は浅倉と因縁があるようだからな』

 

『……アンタに言われなくても、浅倉はアタシが倒す!! 余計な手出しはするな!!』

 

『まぁ聞けよ。お前が浅倉を倒そうとすれば、当然それを邪魔しようとする存在も出てくる……そう、城戸真司だ』

 

『ッ……真司が……!』

 

『アイツが邪魔しないように、お前と浅倉が戦ってる間は俺が奴を足止めしておいてやる。だからお前は、安心して浅倉を倒せば良い』

 

『……』

 

確かに自分は浅倉を倒したいと思っている。真司はきっとそれを止めようとするだろう。でも自分はここで立ち止まる訳にはいかない、そう思っているのは確かだった。だからこそ、美穂はアビスの目的が読めなかった。

 

『……アンタは何でここまでするんだ? アタシはアンタが信用できない』

 

『だろうな……だが、俺を信用しようがするまいが、お前は早く浅倉を倒すしかない。神崎士郎が言ったように、この3日間がタイムリミットだ。それを過ぎてしまえばもう、ライダーは願いを叶える事ができない……お前の姉が生き返る事もない』

 

『ッ……!!』

 

『お前もわかってるはずだ。お前に迷ってる時間はない。何が何でも、浅倉と戦うしかないって事をな……』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――タイムリミットだと?」

 

「うん。タイムリミットが過ぎたら願いを叶えられなくなるって、神崎士郎が」

 

(……どういう事だ?)

 

ファムの口から語られた内容に、ライアは更に思考を張り巡らせる。

 

(あの戦いには時間制限がある……ならば何故、神崎士郎はあの戦いに時間制限を設けたんだ? 時間制限を設けなければならない理由があるのか? それとも……)

 

しかし、ここでいつまでも考えている時間はない。何故なら今いる場所はミラーワールドだ。つまり……

 

「……ねぇ、早く戻った方が良いかも」

 

「……確かにな」

 

ライアとファムの全身が、少しずつだがシュワシュワ音を立てながら粒子化を始めていた。比較的傷の浅いライアが先に立ち上がり、ファムに手を貸して彼女を立ち上がらせる。

 

「戻ろう。六課の皆が待ってる」

 

「……うん!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「2人共、お疲れ様や」

 

その後、ミラーワールドから帰還した2人は六課の面々から迎えられ、戦いの傷を癒す為にロビー内のソファに座るか寝転ぶ事でゆっくり休んでいた。特にアビソドンの攻撃で受けた傷も決して少なくはない為、美穂はソファに寝転びながら、手塚は別のソファに座りながら、シャマルやフェイトによって傷の手当てをして貰っている真っ最中である。

 

「痛たたたたた!? シャ、シャマル、もうちょっと優しくしてよぉ……!」

 

「あらあら、これくらいの痛みは我慢しなくちゃ。手塚さんなんて全く動じてないわよ?」

 

「それは海之が鈍いだけだと思うんだけど……」

 

「聞こえているぞ、美穂」

 

「ほら、良いから動かないの。スバル、ちょっと美穂ちゃんを押さえていて」

 

「了解です!」

 

「え、ちょ、スバル待っ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

(……うるさい)

 

傷口に消毒液を塗られ苦痛の叫び声を上げる美穂だが、力自慢のスバルに押さえられているせいで全く逃げ出せそうにない。美穂の悲鳴がうるさいと思っている手塚が溜め息をついている中、フェイトはそんな彼の腕の傷口に消毒液を丁寧に塗っていく。

 

「手塚さん、痛くありませんか?」

 

「あぁ、大丈夫だ」

 

「良かった……手塚さんも美穂さんも、普段からこんなになるまで戦ってるんですね」

 

「……モンスターの中にも、たまに強いのがいるからな」

 

手塚と美穂はまだ、二宮ことアビスの存在については六課の面々に話せずにいた。相手はインペラーを容赦なく死に追いやるほどの冷徹な男だ。下手に話してしまえば、本当に無関係の民間人が犠牲になりかねない。

 

「こんな傷を負ってでも、戦い続けなければいけないなんて……よほど過酷な戦いなんですね。ライダーの戦いって」

 

「不気味に思えるか? 俺達ライダーが」

 

「い、いえ、手塚さん達の事を言った訳ではなくて! 気に障ってしまったならすみません!」

 

「構わない。こんな力を持っている以上、人から忌み嫌われても無理のない話だからな……ある意味でライダーというのは、化け物のような存在とも言えるかもしれん」

 

「……手塚さん」

 

「何だ、ハラオ……ッ!?」

 

手塚の額に、フェイトのデコピンが炸裂。結構強めにやったのか、流石の手塚もデコピンされた額を押さえてフェイトを軽く睨みつけるが、むしろフェイトの方が少し強めに手塚を睨みつけていた。

 

「何をする」

 

「さっきも言いましたよね? 無理して抱え込まないで下さいって。そうやって自分を化け物だの何だのと卑下するのもなしです」

 

「無茶を言ってくれるものだな」

 

「それくらい言わなきゃ、自分達だけで何でもかんでも背負い込もうとするでしょう? そうだよね皆」

 

「「「「「それは確かに」」」」」

 

「ちょ、全員で声を揃えて言っちゃう!?」

 

「息がピッタリだな、お前達」

 

フェイトの言葉になのはやはやて、シグナム達、更にはフォワードメンバー達までもが一斉に声を揃えて同じ返事を返し、ソファに寝転んでいた美穂が起き上がって突っ込み、手塚も息がピッタリな一同に対して引き攣ったような笑みを浮かべる。

 

「それぐらいで自分達を化け物だなんて思わないで下さい。それに……生まれだけで見れば、私だって普通の生まれ方をしていませんし」

 

「え?」

 

「……どういう事だ、ハラオウン」

 

「フェイトちゃん、良いの? 話しちゃって……」

 

「大丈夫」

 

フェイトが告げた言葉に手塚と美穂が疑問に思い、聞かれるだろうと想定していたフェイトはバルディッシュを介して再び映像を出現させる。なのはが心配そうに声をかけるが、フェイトは気にしていないのか、映像に幼少期のなのはとフェイトが戦っている場面を映し出した。

 

「私はある目的の為に、海鳴市を滅ぼしかねないレベルの危険なロストロギアを集めていた……ここまではさっきも話しましたよね」

 

「あぁ」

 

「私がそのロストロギアを集めていたのは、私の生みの親である母親にそう命じられたから……ですが、私と母親に血の繋がりはありません」

 

「え? 生みの親なのにどうして……」

 

「これを見れば、それがわかります」

 

続けてフェイトが映し出した映像。そこには幼少期のフェイトを思わせる金髪の少女が、大きな培養カプセルの中で眠っている姿があった。それを見たティアナが呟く。

 

「これって、幼い頃のフェイト隊長ですか……?」

 

「ううん、違う……この子の名前はアリシア・テスタロッサ。この子こそが、私の生みの親―――プレシア・テスタロッサの実の娘です」

 

「!? まさか……」

 

そこまで説明を受けた事で、手塚はフェイトの正体に勘付いた。

 

「そう。アリシア・テスタロッサの遺伝子情報を基に生み出されたクローン……それが私です」

 

「「「えっ!?」」」

 

「……そういう事か」

 

フェイトが明かした正体。それを聞いて美穂だけでなくスバルとティアナも驚き、手塚も3人ほどではないが驚愕の表情を露わにする。ただし、フェイトの正体を既に知っているエリオとキャロの2人は特に驚いた様子は見せていない。

 

「私はアリシアのようにはなれず、母から受け入れられる事は最後までありませんでした……2人は私の事、化け物だと思いますか?」

 

「な……そんな訳ないでしょ!? フェイトはアタシや海之の事を受け入れてくれた!! アタシ達よりずっと優しい人間じゃんか!! それなのにそんな事―――」

 

「それが私の気持ちです」

 

「え……?」

 

包帯が巻かれている手塚と美穂の手を、フェイトがそれぞれ優しく手に取る。

 

「たとえ人であったとしても、人としての心を失ってしまえば、その人は醜い怪物になってしまう……でもあなた達は違います。2人には誰かの為に戦える心がある。その優しい心がある限り、周りが何て言おうとも、あなた達は心優しい人間です。ここにいる私達全員がそう思っています」

 

「……心優しい人間、か」

 

フェイトから堂々とそんな事を言われ、美穂が若干照れ臭そうに顔を赤くする。その一方で手塚は、フェイトの言葉に小さく笑みを浮かべる。

 

「……ハラオウン。時折思うが、君も君でハッキリ物を言うんだな」

 

「うっ……や、やっぱり怒ってますか……?」

 

「逆だ。君だけじゃない……六課の皆に会えて良かった。心からそう思っている」

 

そんな手塚の表情は、普段見せる事が多い神妙な物ではなく、心からの純粋な笑みを浮かべていた。それを見た六課の面々も同じように笑顔を浮かべ、ここではやてが両手をパンを叩いて鳴らす。

 

「さて! 今日は色々あって大変やったけど、もう時間が時間やし、今日はそろそろ解散と行こか! 皆、明日に備えて充分に―――」

 

「あ、ごめんはやて。ちょっとだけ待って」

 

「休みを……うん?」

 

しかし、そこで美穂が待ったをかける。

 

「美穂ちゃん、どうかしたん?」

 

「あぁ、うん……皆にさ、伝えておきたい事があるんだ」

 

「伝えたい事……?」

 

「うん。さっきはモンスターのせいで言いそびれちゃったから、今の内に伝えておこうと思って……アタシの名前の事なんだけどさ」

 

「名前?」

 

「実を言うと……アタシの“霧島美穂”って名前。これ、本名じゃないんだ」

 

「「「「「え?」」」」」

 

美穂が告げた発言に、六課の一同は思わず間抜けっぽい声が出てしまった。

 

「……偽名だったのか?」

 

「うん。霧島美穂って名前は、詐欺師をやってた時に使ってた名前なんだ……ずっと黙っててごめん。今までなかなか言い出せなくて」

 

「ならば、何故偽名で名乗ろうと思ったのだ?」

 

「……初めてライダーになった時にさ」

 

シグナムに問いかけられ、美穂は若干罰が悪そうな表情ながらも話を続ける。

 

「本来の自分を出したままじゃ、どこかで覚悟がブレてしまうと思って……だからライダーとして戦う時も、詐欺師としてお金を集める時も、自分の名前はずっと隠し続けてきた。お姉ちゃんを生き返らせたい。ただそれだけを目指してきた」

 

詐欺師だった頃、真司からも言われた事があった。どれが本当のお前なんだと。そんな事を言われるくらい、自分はいろんな人にいろんな姿を見せて来た。本当の自分を知られたら、どこかで戦う覚悟が鈍ってしまう。それを恐れていたから。

 

「でも、それはもう終わりにする。皆はアタシの事を受け入れてくれた。だからアタシも、ちゃんと本当の自分として皆に受け入れて貰いたい……そう思ったんだ。これから先、罪を償っていく為にも……皆と一緒に、きちんと前を向いて歩いていく為にも」

 

それが、自分がゼロからやり直していく為のスタートになる。だから皆に知って欲しかった。

 

「だから伝えておくね。アタシの本当の名前を」

 

偽りの自分ではない、本当の自分を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白鳥夏希(しらとりなつき)……それが、アタシの本名だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――チッ」

 

オンボロのアパート。ミラーワールドから帰還した二宮は上着をソファに脱ぎ捨て、上半身に黒シャツのみを着た状態で左腕の傷を自分で手当てしていた。ファムのブランバイザーで斬りつけられた時の傷が、ほんの僅かにだが左腕に残っていたようだ。

 

『手痛くやられたようだな、二宮』

 

そんな時、金色の羽根が舞う中でオーディンが窓ガラスに映り込む。二宮は鋭い目付きでオーディンを睨む。

 

「……俺を笑いにでも来たのか? オーディン」

 

『少し意外ではあった。警戒心の強いお前が、そんな傷を負おうとは』

 

「これでも反省はしてるさ。奴等の連携を少し甘く見ていた」

 

『やはり、湯村を始末して人数を減らしたのはデメリットも大きかったか……しかし問題はない。インペラーの代わりなら、既に見つけてある……』

 

「ほぉ? 俺と奴等、それに浅倉以外にもライダーがいたのか」

 

『お前も出会った事のないライダーだ……が、お前との相性は最悪かもしれんな』

 

「俺と相性の良いライダーなんていたら、それこそ驚きだよ……んで? そいつはどんな奴だよ」

 

『なかなか強いぞ……だが、若過ぎるとも言えるな』

 

「何……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ミラーワールド、どこかの廃車置き場……

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

「……」

 

 

 

 

 

 

頭部に獣耳が付いた銀色の仮面。

 

 

 

 

 

 

両肩部分に尻尾のような毛皮が生えた胸部装甲。

 

 

 

 

 

 

1本の細長い刀剣が付いた左腕のガントレット。

 

 

 

 

 

 

狐の頭部を描いたカードデッキのエンブレム。

 

 

 

 

 

 

まだ見ぬ仮面ライダーが、無数に並ぶ廃車の中を無言で闊歩していた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


金髪の少女「パパとママ……どこにもいないの……!」

なのは「なら、一緒に探そうか」

???「逆巻け、ヴィンデルシャフト!!」

手塚「なんて無茶苦茶な……」

???『『グラァウッ!!』』

夏希「あれって、新しい仮面ライダー……!?」


戦わなければ生き残れない!
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