リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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なのはと龍騎が人気である事がよくわかりますねぇ……お気に入り登録して下さった皆様、ありがとうございます。

それでは4話目もどうぞ。

戦闘挿入歌はやっぱり『果てなき希望』で。



第4話 疑いの目

「……」

 

現在、手塚は言葉を失っていた。

 

何故かと言うと……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃ皆、配置について! いつもの始めるよー!」

 

「「「「はい、よろしくお願いします!!」」」」

 

荒廃した建物が無数に並ぶ巨大な“訓練場”で、白いバリアジャケットを纏ったなのはが空中に浮かび、4人の若い隊員達がそれぞれのデバイスを構えて戦闘行為を開始する光景を見ていたからだ。

 

「……ここは、訓練所なのか……?」

 

手塚は思わずそんな言葉を呟く事しかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから、表向きは次元漂流者として保護されたという扱いでありつつ、裏ではモンスター退治を担当する外部協力者として機動六課に滞在する事になった手塚。

 

機動六課の面々にも既に彼の紹介は終わっており、現在は特にモンスターの反応もない事から、こうして機動六課が有するフォワード分隊の訓練を見学する事になったのだが……

 

(……さっきまで、ここは普通の海だったはずだが)

 

その連れて来られた訓練場は、記憶が正しければ海の上のはずだった。しかし突然魔法によるエフェクトのような物が張り巡らされたかと思えば、気付けば手塚の目の前には荒廃ビルが立ち並んだ、広くて巨大なエリアが再現されており、手塚は再び驚かされる事になった。

 

「整備主任のシャーリーさんによる基礎設計、それからなのはさんの内容監修が合わさって完成した、特殊な陸専用シミュレーターです。今みたいな荒廃都市区画だけでなく、市街地エリアや森林エリアなど、様々な地形を忠実に再現する事ができますよ」

 

「……魔法とは凄まじい物なんだな」

 

一体、何をどうしたらこんな凄い物を開発できるのか。もし“彼”がこのシミュレーターを見たら、文字通り大声かつ馬鹿みたいに興奮するのだろうな。そんな事を思いながら、手塚は目の前で行われている訓練をビルの屋上から眺める。

 

(……それにしても)

 

手塚は訓練を受けているフォワード分隊の隊員達に目を向ける。

 

1人は青髪のショートヘアが特徴的な少女。両足に装着しているローラーブーツ型のデバイスで荒い足場を素早く駆け抜け、右腕に装着したガントレット型のデバイスで大型のドローンらしき物を破壊する。

 

1人はオレンジ髪のツインテールが特徴的な少女。両手に持つ拳銃型のデバイスで、ドローンらしき物を遠距離から撃ち抜いていく。

 

1人は赤髪が特徴的な少年。槍型のデバイスに電撃のようなエネルギーを纏わせ、ドローンらしき物を斬りつけては貫き、爆発音が響く。

 

1人はピンク髪が特徴的な一番背の低い少女。後方支援が主な役目なのか、魔法で他の3人の攻撃魔法を強化させる事で彼女達をサポートしている。そんな彼女のすぐ傍には、小さな白いドラゴンらしき生物が飛んでいる。

 

(ハラオウンから話は聞いていたが……まさか、あんな小さい子供まで魔導師として戦っているとはな)

 

聞いてみれば、なのはやフェイト、はやても子供の頃から魔導師として様々な事件に関わっているとか。ミッドチルダでの価値観は地球での価値観とはまた違っているのだろうが、自分が関わっていた戦いの事を思うと、手塚は少しばかり複雑な気分になる。

 

「む、敵に囲まれているな……そういえば、あの機械のような敵は何だ?」

 

「あれはガジェットドローンという自立型機械兵器ですね。アンチマギリンクフィールド、略してAMFという特殊なフィールドを周囲に張る事で、魔導師が繰り出す魔法の魔力結合を阻害して来る厄介な敵なのです」

 

「魔力結合の阻害……専門外だからよくわからないが、魔法を上手く使えなくさせるという事か?」

 

「その通りです! あ、でも対処法はもちろん存在しますよ? まず、敵が周囲にフィールドを張っているという事は、そのフィールドの中に入らなければ良い訳です。それから、あくまで魔力の結合を阻害されるだけなので、魔力による攻撃ではなく、魔力で周囲の物体を操るなどして押し潰すなんて対処法も存在します」

 

「一見反則に思える能力にも穴はあり、決して万能ではないか……しかし、あんな能力を一体どうやって再現してるんだ?」

 

「現在訓練中の皆さんが使用しているデバイスに、ちょっとした細工を施しています。そうする事で、AMFに入ってしまった時の状況を忠実に再現する事ができるんです」

 

「……目の前の光景が、地球人にとってオーバーテクノロジーである事は理解できた」

 

仮面ライダーに変身している自分が言うのも何だがな。そんな事を思った手塚は、ようやくある事に気付いた。

 

俺は今、一体誰と喋っているんだ?

 

手塚は自分と喋っている人物の姿を捉えるべく、周囲をキョロキョロと見渡し始める。

 

「手塚さん、ここですよ~!」

 

「!?」

 

すると手塚の目の前に、長い水色髪が特徴的な小さい少女がフワリと浮遊しながら姿を現した。

 

 

 

 

 

 

もう一度言おう、長い水色の髪が特徴的な“小さい”少女が。

 

 

 

 

 

 

「……ここには妖精もいるのか?」

 

「む、リインは妖精じゃないですよ~!」

 

「リイン……?」

 

「部隊長補佐のリインフォースⅡです! 妖精じゃありませんよ!」

 

(! 部隊長補佐、という事は八神の……)

 

全長が30cmほどしかない水色髪の少女―――“リインフォースⅡ(ツヴァイ)”はプンプン怒った顔を見せる。ちなみに彼女、手塚が機動六課の面々に自己紹介する際にもその場にいたのだが、彼女が小さいせいでこの時は手塚も全く気付いていなかったのは余談である。

 

(……もはや何でもありという事か)

 

手塚はフッと苦笑を零しながらリインに告げる。

 

「いや、すまない。君が本物の妖精みたいに可愛らしく見えてしまったもので、ついな」

 

「か、可愛いだなんて……リイン照れちゃいます~♡」

 

本物の妖精など見た事もないし、実際にいるとは思ってもいないが。そんな事も考える手塚だったが、言われた本人は何やら嬉しそうな表情で飛び回っているので、敢えてそれは口にしない事にした。

 

そんな時……

 

 

 

 

「手塚海之と言ったか?」

 

 

 

 

「!」

 

名前を呼ばれた手塚は後ろに振り返ると、ピンク髪のポニーテールが特徴的な長身の女性、赤髪のおさげが特徴的な低身長の少女の2人が手塚の前に姿を現した。

 

「! 確か、八神のところの……」

 

「ライトニング分隊副隊長、シグナム二等空尉」

 

「スターズ分隊副隊長、ヴィータ三等空尉だ」

 

シグナムは無表情のまま冷静に名乗るが、ヴィータは手塚に対して敵意の籠った目を向けながら名乗る。その敵意に気付いた手塚は、小さく鼻息を鳴らしてから口を開く。

 

「……どうやら、俺は警戒されているようだな」

 

「主はやてから既に、モンスターとやらの件について話は聞いている……だが」

 

「モンスター退治の為に戦ってるとか、ありきたり過ぎて逆に怪しいんだよ。お前、本当はまだ何か隠してる事があるんじゃねぇのか?」

 

「……!」

 

ヴィータの発言に、手塚は内心で「ほぉ」と感心していた。確かに手塚は今、何故自分が仮面ライダーの力を持っているのかを話していない。だが、手塚はその理由まで話そうとは思わなかった。

 

あのような戦いは、知らない方が良いのだから。

 

「……モンスターから人を守りたいと思っているのは事実だ。じゃなきゃハラオウンが襲われかけた時も助けるようなマネはしない」

 

「はん、どうだか。言っとくが、アタシはまだお前を信用してねぇからな。はやてが信用するって言ったから仕方なくここに滞在させてはいるけど、もし妙なマネしやがったら即刻捕まえて牢屋にぶち込んでやる」

 

「全く、随分と疑われてしまったな俺も……」

 

「ヴィ、ヴィータちゃん! 喧嘩は駄目ですよ~!」

 

「リインは黙ってろ。それから別に喧嘩じゃねぇし」

 

「とにかくだ。万が一貴様が敵で、主はやてやハラオウン達を騙していたとしても、その時はこのレヴァンテインの錆にしてやるだけの話……しかし私個人としては、お前が持っているという力……仮面ライダーとやらに少しばかり興味がある」

 

シグナムは自身のデバイスである長剣―――“レヴァンテイン”を静かに抜刀しながら告げる。

 

「貴様さえ良ければ、少し私達と模擬戦でもしないか? 戦う事で、貴様がどんな人物なのかも多少は見極められるだろうしな」

 

「物騒な事を考えるものだな。できる事なら、この力は無暗やたらに人に向けたくはないんだが……」

 

「安心しろ、私達は元々普通の人間ではない。少なくとも、そう簡単に負けるほど軟弱ではないつもりだ」

 

「何を言っても避けられそうにはない、か……あまり乗り気にはなれないが、仕方ない」

 

手塚はポケットからカードデッキを取り出し、シグナムとヴィータに見せつけるように構える。それを見たシグナムはレヴァンテインを握る力を強め、ヴィータも自身のデバイスである長槌―――“グラーフアイゼン”を両手で構えようとした……その時。

 

 

 

 

 

 

バシンバシンバシィン!!

 

 

 

 

 

 

「「「ッ!?」」」

 

「もう、何やってるんですか!!」

 

そんな3人の後頭部に、フェイトの手で丸められた書類の束が叩きつけられた。結構強めに叩いたのか、ヴィータは凄く痛そうに頭を押さえており、シグナムと手塚はヴィータほど表情には出さなかったが、叩いてきたフェイトに不服そうな目を向ける。

 

「……何をする、ハラオウン」

 

「勝手に喧嘩を吹っ掛けるような事はやめて下さい!! 手塚さんもですよ!! まだ完全に体調が回復した訳じゃないんですから、必要のない戦闘行為は禁止です!!」

 

「……こっちは喧嘩を売られた側なんだが」

 

しかし体調がまだ万全でない状態で応じようとしたのも事実なので、そこは反省するべきだろう。手塚は一応そういう理由で納得する事にし、シグナムとヴィータもフェイトに怒られては流石に模擬戦は無理だと判断したようで、自分達のデバイスを待機状態に戻す。

 

「ハラオウンに止められてしまったからな。模擬戦はまた今度にするとしよう」

 

「できれば勘弁して欲しいところだな。どうすれば信用して貰える?」

 

「ならば、行動で示すが良い。貴様を信用するに値する相手かどうか、貴様の行動を見て判断させて貰う」

 

「アタシ等は常にお前を監視してるからな、その事を忘れるんじゃねぇぞ!」

 

「もう、ヴィータったら!」

 

「……やれやれ、これから忙しい事になりそうだな」

 

ひとまず、その場は丸く(?)収まる事になり、手塚は模擬戦をしなくて済んだ事に内心で安堵していた。

 

(そうだ。この力は、意味もなく振るう訳にはいかない。“アイツ”の信じる正義の為にも……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「……ッ!?」」

 

そんな時だった。あの金切り音が大きく鳴り始め、手塚とフェイトは表情が一変し周囲を見渡し出す。まだモンスターとの遭遇もカードデッキへの接触もしていないシグナムとヴィータ、それからリインは、そんな2人の取っている行動に疑問を抱いた。

 

「? どうした、2人共」

 

「フェイトさん、どうしたんです?」

 

「手塚さん、この音は……!!」

 

「ッ……モンスターか……!! すまない、少し外させて貰う!!」

 

「な、おい!?」

 

モンスターの接近を察知し、手塚はカードデッキを今いる屋上の階段を下りて窓ガラスのある部屋に移動。そして窓ガラスにカードデッキを突き出し、ベルトが出現すると共に変身ポーズを取る。

 

「変身!」

 

カードデッキをベルトに挿し込み、手塚はライアの姿に変身。後を追ってきたシグナムやヴィータ達も、手塚がライアに変身する光景を目撃する。

 

「ッ……姿が変わった……!?」

 

「なるほど、アレが仮面ライダーか……興味深いな」

 

「か、かっこいいです~…!」

 

ヴィータ、シグナム、リインがそれぞれの反応を見せる中、フェイトは変身したライアに声をかける。

 

「手塚さん、気を付けて下さいね! もし危ないと思ったら、無理せずにすぐ撤退して下さい!」

 

「あぁ、わかっている」

 

ライアは返事を返してから窓ガラスに手を伸ばし、吸い込まれるようにミラーワールドへと突入。その時、フェイトの脳内になのはからの念話が届いた。

 

『フェイトちゃん! 今モンスターの反応があったみたいだけど、そっちは大丈夫!?』

 

『うん、手塚さんがちょうど今ミラーワールドに向かったよ! こっちは大丈夫だから、なのははスバル達の訓練に集中して!』

 

『了解!』

 

なのはとの念話を終えた後、シグナムはライアが突入した窓ガラスに手で触れる。

 

「まさか、本当に鏡の世界に入れるとはな……」

 

「なぁフェイト。アイツ、本当に信用できるのかよ? アイツがアタシ等を騙してる可能性だってあるんじゃないのか?」

 

「手塚さんは……」

 

フェイトは病院で初めて手塚と会話をした時の事を思い出す。

 

 

 

 

あの時に手塚が見せてきた目。フェイトは心当たりがあった。

 

 

 

 

何故ならあの目は、かつて自身もなのはに見せた事がある目だったから。

 

 

 

 

「……大丈夫。手塚さんは私達にとって、信用できる人だよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……さて」

 

現実世界とミラーワールドの狭間の空間。そこにやってきたライアは、目の前に停車している大型マシン―――“ライドシューター”に乗り込んでいた。ライアが座席に座ると共に、彼のベルトの両腰に付いているジョイントがしっかり固定され、上部の屋根がゆっくりと閉じる。それを確認したライアはハンドルを握り、ライドシューターを走らせてミラーワールドに突入していく。

 

(ハラオウンにも言われた通り、まだ俺の体は万全ではない。何事もなく終われば良いんだが……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてミラーワールド。

 

『『グルルル……』』

 

市街地、街路樹がいくつも並んでいる広間。そこでは獲物を求めて移動しているガゼルのような怪物―――“ギガゼール”と“メガゼール”の姿があった。2体は獲物となる人間を決めたのか、そちらに向かって移動するが……

 

キキィィィィィィィッ!!

 

『『グルッ!?』』

 

そこへ、ちょうど良いタイミングでライドシューターが突っ込んで来た。ギガゼールとメガゼールは突っ込んで来たライドシューターを上手くかわし、ライドシューターが大きくカーブしてから停車。上部の屋根が開き、ベルトのジョイントも固定が解除され、地面に降りたライアは左手のエビルバイザーにカードを装填する。

 

≪SWING VENT≫

 

「2体か……少し面倒だな」

 

『『グルルルルル……!!』』

 

ライアが召喚されたエビルウィップをキャッチし、ギガゼールはドリル状の刃が2つ付いた槍を、メガゼールは先端がノコギリ状の刃が2つに分かれた長い刀を装備。まずはギガゼールがライアに向かって槍を振り下ろし、ライアはそれを屈んでかわし、メガゼールが振り回してきた刀をエビルバイザーで防御し、メガゼールの腹部に蹴りを叩き込む。

 

『グルゥ!?』

 

『グルルルル……グルァ!!』

 

「ぐぅ……!!」

 

メガゼールを後退させた直後、背後から振り下ろされてきたギガゼールの槍がライアの背中に命中し、ライアはすぐに振り返り、ギガゼールの槍を転がって回避し、エビルウィップをギガゼールの顔面に向かって叩きつける。

 

(状況は2対1、万全じゃない俺では不利……だがやるしかない……!!)

 

何が何でもやるしかない。ライアは自分にそう言い聞かせながら、エビルウィップをメガゼールの刀に巻きつけ、無理やり奪い取ってから飛び蹴りを喰らわせる。そこへ再びギガゼールが迫る中、着地したライアはエビルウィップを一度地面に置き、次のカードを装填する。

 

≪ADVENT≫

 

『グルッ!?』

 

『キュルルルル……!!』

 

音声と共に高速で飛んできたエビルダイバーが、ライアに襲い掛かろうとしたギガゼールを弾き飛ばす。エビルダイバーを呼んだ事で2対2の状況に持ち込んだライアは、すぐにエビルウィップを拾い、エビルダイバーにギガゼールの対応を任せ、自身はメガゼールの方へと突撃していく。

 

『グルゥ……!!』

 

「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「アレは……!」

 

そんなライアとギガゼール達の戦いを、遠目で見ている者がいた。

 

 

 

 

 

 

胸の膨らみがある上半身の胸部装甲。

 

 

 

 

 

 

背中に装備した白いマント。

 

 

 

 

 

 

左腰に納められているレイピア型の武器。

 

 

 

 

 

 

そしてベルトに挿し込まれた、白鳥のエンブレムが刻まれた白いカードデッキ。

 

 

 

 

 

 

「嘘……私の他にもライダーが……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謎の白いライダーは、ライアの存在に驚きを隠せずにいた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


≪ADVENT≫

手塚「白鳥のモンスター……!?」

???「初めまして、スバル・ナカジマです!」

はやて「何やこの行列!?」

手塚「俺の占いは当たる」


戦わなければ生き残れない!
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