リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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調子の悪いパソコンで苦労しつつも執筆し、何とか47話を更新。

ちなみにアマゾンズ完結編ですが、結局は見に行きました。金欠を恐れて見送る事になるくらいなら、私は迷わずこの目で見に行ってやる……!!
そして見に行った感想ですが……なるほど、これが『鷹山サンダー』ですか……(戦慄

そんな呟きはさておき、本編をどうぞ。

戦闘BGM:クライマックス5



第47話 交差する想い

「あぁもう、コイツ等しつこい!!」

 

「全部相手にしてたらキリがありません!! 道を通るのに邪魔になる物だけ破壊しましょう!!」

 

道を阻むガジェット達を破壊しつつ、スカリエッティの研究所(ラボ)の最深部まで突き進もうとしていたファムとフェイト。2体のレイドラグーンガジェットをそれぞれの武器で破壊した2人は最深部の部屋に到達し、白衣のポケットに手を突っ込んだまま静かに待ち構えているスカリエッティの姿を視界に捉えた。

 

「やぁ、御機嫌よう。君達の到着を待ち侘びていたよ」

 

「ッ……スカリエッティ……!!」

 

不敵に笑うスカリエッティをフェイトは強く睨みつけ、バルディッシュを握る力が強まる。この時、ファムはスカリエッティのすぐ近くの壁に大きな穴が開いている事に気付いた。

 

「ん? 何で壁に穴が……」

 

「あぁ、これかね。つい先ほど、招かれざる客がやって来た物でね……そちらは今、トーレとセッテに任せているところさ。そういう訳で、君達の相手は私が引き受けるとしよう」

 

スカリエッティは懐からオルタナティブのカードデッキを取り出し、白衣をバサリと広げる。その腰には既にベルトが装着されており、それを見たフェイトとファムは彼が変身するより前にその場から駆け出した。

 

「させない!!」

 

「アンタの悪巧みもここまでだよ!!」

 

「ふむ、悪巧みねぇ……」

 

スカリエッティが指を鳴らすと、どこからか3体のガジェット達が飛び出し、その場で一斉に変形。それぞれレイドラグーンガジェット、ゼブラスカルガジェット、テラバイターガジェットの姿となり、スカリエッティに迫ろうとしたファムとフェイトを足止めし始める。

 

「私はただ、楽しい祭りを始めただけだよ? その祭りも、もうじき最高のクライマックスを迎えるんだ。君達も存分に楽しみたまえ」

 

「何が楽しい祭りだ……今も地上を混乱させている重犯罪者が!!」

 

「重犯罪者……それは人造魔導師や戦闘機人の事かい? それとも、私が量産しようとしているこのオルタナティブの事かい? それとも私が設計し、君の母君―――“プレシア・テスタロッサ”が完成に至らせた、プロジェクトF(・・・・・・・)の事を言っているのかな?」

 

「え……!?」

 

その言葉を聞いて、テラバイターガジェットと鍔迫り合いになっていたファムが驚愕の反応を見せる。それに対しレイドラグーンガジェットの槍をバルディッシュの刃で受け止めたフェイトは……

 

「全部だっ!!!」

 

『ブブッ!?』

 

レイドラグーンガジェットの槍を弾き上げ、一瞬でその胴体を切り裂きレイドラグーンガジェットを破壊。続けてゼブラスカルガジェットを相手取り、その様子を見ていたスカリエッティは両手を振りながら「やれやれ」といったポーズを取る。

 

「いつの世でも、革新的な人間は虐げられるものだねぇ」

 

「そんな傲慢で、人の命や運命を弄んでおいて!!」

 

「そうは言うがね。何も貴重な資源を無差別に破壊したり、必要もなく殺したりはしないさ。私はあくまで、尊い実験材料にしてあげてるだけだよ……価値のない、無駄な命をね」

 

「ふざけるなぁっ!!!」

 

あくまで人間を実験材料としか見ていないスカリエッティの態度に、神経を逆撫でさせられたフェイトが怒号を上げる。その会話を聞いていたファムも、テラバイターガジェットのブーメランを強引に弾き飛ばしてからテラバイターガジェットを蹴り飛ばし、フェイトと取っ組み合いになっているゼブラスカルガジェットの背中をウイングスラッシャーで斬りつける。

 

「……話はよくわかんないけどさ。アタシから見ても、アンタが相当ムカつく野郎だって事はわかったよ」

 

「ほぉ。ではどうするかね?」

 

「決まってるだろ……やる事は1つだ!!」

 

「ジェイル・スカリエッティ……あなたを逮捕する!!」

 

ファムとフェイトは同時に跳躍し、スカリエッティ目掛けてそれぞれの武器を振り下ろした……が、スカリエッティが再度指を鳴らした瞬間、彼の足元から赤い糸のような魔力エネルギーが無数に伸び、その全身に巻きつくように彼女達を拘束した。バインドによる縛りつけがバルディッシュの魔力刃をガラスのように粉砕し、ファムの手元からウイングスラッシャーが手離されてしまう。

 

「!? な、何だこれ!?」

 

「しまった、バインド……!?」

 

「ククク……こちらはまだ生身なんだ。せめて変身くらいはさせたまえ」

 

スカリエッティはあくまで笑みを崩さず、バインドで捕縛された2人に向けてカードデッキを突き出し、それを天井へと高く放り投げる。そして左足を1歩前に踏み出した後、落ちて来たカードデッキを左手でキャッチし、すかさずベルトに装填してみせた。

 

「変身……!」

 

複数の黒い鏡像が重なり、スカリエッティはオルタナティブ・ネオの姿に変身。カードデッキから引き抜いた1枚のカードをスラッシュバイザーに読み込ませ、スラッシュダガーを召喚する。

 

【SWORD VENT】

 

「いや全く、君の性格はまさに母親譲りだよ。フェイト・テスタロッサ」

 

「くっ……!!」

 

スラッシュダガーの刃先がフェイトの首元に向けられる。フェイトが強く睨みつけるも、オルタナティブ・ネオはそれでも余裕の態度を貫いている。

 

「君と私は親子のような物だ。そうは思わんかね?」

 

「何が親子だ……そんな物、こっちから願い下げだ!!」

 

「まぁ聞きたまえ。そこでこっそり抜け出そうとしている君もね」

 

『ギギギッ!!』

 

「うげ!?」

 

オルタナティブ・ネオがファムを指差した瞬間、テラバイターガジェットがブーメランを振り上げてファムの右手を攻撃し、ファムの右手に持たれていたカードが宙を舞って床に落ちる。そのカードは絵柄にウイングシールドが描かれていた。

 

「危ない危ない。厄介なカードを使われるところだった」

 

「くそ……!!」

 

ウイングシールドで発生する白い羽根を使い、オルタナティブ・ネオを攪乱しようと考えていたファムだが、それも失敗に終わってしまった。ファムが仮面の下で悔しげに歯軋りする中、オルタナティブ・ネオは話を続ける。

 

「君はよく知らないようだからねぇ。特別に教えてあげよう……彼女、フェイト・テスタロッサが誕生する切っ掛けとなった、プロジェクトFについて」

 

「何……!?」

 

「彼女の母親……プレシア・テスタロッサは、私から見ても優秀な魔導師だったよ。私が原案のクローニング技術を、彼女は見事に完成させてみせたのだからね。尤も、彼女からすれば、そこにいるフェイト・テスタロッサは失敗作だったようだが」

 

「……ッ!!」

 

フェイトの脳裏に、10年前の過去が浮かび上がる。かつて自身にロストロギアを集めさせようとした母。それが上手くいかない自分に、何度も鞭を打って制裁を下す母。それは彼女にとってトラウマのような出来事だった。

 

「蘇らせたかった実の娘、“アリシア・テスタロッサ”とは似ても似つかない粗悪品……故に、まともな名前すら碌に与えられず、プロジェクトの名前をそのまま与えられた。記憶転写クローン技術、プロジェクト(フェイト)の最初の一涙……それが彼女、フェイト・テスタロッサなのだよ」

 

「ッ……!?」

 

フェイトの壮絶な過去を改めて知る事になり、言葉を失ったファムもまたフェイトを見据える。フェイトもバインドに縛られて動けないまま、何も言えず表情を歪めていく。

 

「白鳥のお嬢さん。君もこれでわかっただろう? 彼女と私はある意味、親子のような関係である事が。それに私達はよく似ている事もね」

 

「どういう事だ……!!」

 

「実際そうだろう? 私は自分がこの手で生み出した生体兵器達を、彼女は自分が見つけ出し自分に反抗できない子供達を、自分の思うように造り上げ(・・・・)、自分の目的の為に使っている」

 

「!? 違う、そんな事はない!!」

 

「違うと言い切れるかい? 君も、あの子達が逆らわないように教育したんだろう? 私もそうだし、君の母親も同じだっただろう? 周りの人間は全て、目的の為の道具に過ぎない。その癖、君達は自分に向けられる愛情が薄れていく事を恐れている。君の母親がまさにそうだったんだ、君もいずれそうなるだろうさ。間違いを犯す事に怯え、薄い絆に縋りつく……そんな人生など、無意味だと思わんかね?」

 

「ッ……違う……そんな、事は……!!」

 

本当にそんな事はないのか。かつての母親を思い出してしまったフェイトは、彼が告げる言葉を力強く否定する事ができなかった。もしかしたら自分で気付けていないだけで、自分でも気付かぬ内に、スカリエッティと同じような思想を抱いてしまっているのではないかと。そんなネガティブな思想に至ってしまっていた。

 

しかし……

 

「……うぉりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

「「!?」」

 

『ギギ!? ガガガガガ……ッ!!』

 

突如、力ずくで全身のバインドを引きちぎったファムが拘束から抜け出すと同時に、引き抜いたブランバイザーでテラバイターガジェットの胴体を斬りつけ、その顔面を貫き破壊してみせた。フェイトとオルタナティブ・ネオが驚く中、ファムはブランバイザーを両手で構え直す。

 

「はぁ、はぁ……さっきから話を聞かせて貰ってるけどさぁ、ハッキリ言うよ。アタシはアンタの話す内容なんか、微塵も興味がないよ!!」

 

『ブルルッ!?』

 

両腕の刃で斬りかかって来たゼブラスカルガジェットの攻撃をかわし、落ちていたウイングスラッシャーを拾い上げたファムは即座に振り返り、ゼブラスカルガジェットの背中を力強く斬りつける。

 

「アンタが何を言おうと、フェイトはフェイトだ!! フェイトもこんな奴の言葉に惑わされるな!! 海之にも言われたんだろ!? あの子達の保護者であるアンタが、迷ってちゃいけないって!!」

 

「ッ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『あの2人の保護者になったのなら、保護者であるお前が迷ってはいけない。もっと自信を持ってあの2人の覚悟と向き合ってみろ』

 

 

 

 

 

 

『それでも心配だと言うなら、お前があの2人をしっかり導いていけ。それが保護者であるお前の務めだろう?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつて手塚から告げられた言葉。その言葉はフェイトだけでなく、2人がヴィヴィオの面倒を見ている様子を隠れて眺めていた夏希もしっかり覚えていた。

 

「アタシから見ても、エリオとキャロはとっても良い子達だってわかるよ。なのはとティアナが模擬戦の件で喧嘩した時だって、2人は心配そうにしてた……私が罪を犯した人間だと知っても、2人は私の事を受け入れてくれた……少なくともそこには、誰かに言われて決めてるような意志は微塵も感じられなかった!!」

 

『ブルァ、ガ……ッ!?』

 

ウイングスラッシャーの刃がゼブラスカルガジェットの胴体に突き刺さる。そのまま勢い良く壁に叩きつけられたゼブラスカルガジェットが大爆発を起こし、その爆風がファムの白いマントを華麗に靡かせる。

 

「あの子達が戦うと決めたのは、あの子達の意志なんだろう? だったらフェイト、アンタが迷ってる必要なんかないだろ!! アンタはあの子達の保護者だ!! アタシもあんまり偉そうな事は言えないけど……少なくとも、それだけは確信を持って言える!!」

 

「ッ……夏希さん……!!」

 

「……やれやれ」

 

オルタナティブ・ネオは呆れた様子で首を振った後、その手に構えたスラッシュダガーをファム目掛けて突き立てようとする。ファムはそれをウイングスラッシャーで防ぎ、スラッシュダガーを足元の床に叩きつける。

 

「ここまで馬鹿正直な人間は初めてみた気がするよ。愚かし過ぎて、逆に清々しい」

 

「ッ……そういうアンタはどうなんだ、スカリエッティ!! アンタが生み出した戦闘機人は!! あのルーテシアって子は!! 斎藤雄一は!!」

 

「何……?」

 

「アンタにとってはそいつ等も、所詮は自分が楽しむだけのただの道具だとでも言うのか!? 答えろ!!!」

 

「……」

 

互いの武器で弾き合い、ファムとオルタナティブ・ネオの距離が大きく離される。ファムが息を荒くしながら言い放つのに対し、オルタナティブ・ネオは無言のまま何も答えない。

 

その時……

 

 

 

 

 

 

ドゴォォォォォォォォォォォォンッ!!!

 

 

 

 

 

 

「「「ッ!?」」」

 

壁に開いている大きな穴とは違う場所の壁が、爆音と共に破壊された。何事かと3人が振り向くと、破壊された壁の穴から土煙が舞う中、そこに1人の影が映し出された。それは……

 

「ッ……ドク、ター……申し訳、あり……ま……」

 

「!? トーレ……!?」

 

手足の傷口からケーブルが剥き出しになり、頭から血を流しているトーレの姿だった。彼女はフラフラ歩いてオルタナティブ・ネオの下まで歩み寄ろうとしたが、途中で力尽きたのかその場で倒れてしまい、その背中を何者かが踏みつける。

 

「あぁ~……駄目だ、つまらん」

 

「!! 浅倉……!?」

 

トーレを踏みつけた人物―――王蛇は不満そうな口調で首を回し、その右手に掴んで引き摺っていた人物を目の前に投げ捨てる。それはトーレと同じく、全身ボロボロになっているセッテだった。

 

「!? セッテ、君まで……!!」

 

「駄目だ駄目だ……まだ足りないんだよ、こんなんじゃあ!!!」

 

「!? チィ……!!」

 

トーレとセッテを難なく倒してみせた王蛇は、それでもイライラが収まらなかったのか、声を荒げながらベノサーベルを振り上げ、オルタナティブ・ネオに襲い掛かった。オルタナティブ・ネオはそれをスラッシュダガーで防御するも、それを予期していた王蛇はすかさずオルタナティブ・ネオの腹部を蹴りつけ、隙ができたところに連続でベノサーベルを叩きつける。

 

「そうだ、これだぁ……楽しむならやっぱりライダー同士じゃないとなぁっ!!!」

 

「ぐ……が、ごはっ!?」

 

王蛇がオルタナティブ・ネオを滅多打ちにする一方で、ファムは今もフェイトを拘束している赤いバインドをウイングスラッシャーで切断し、彼女を自由にする。

 

「ッ……どうして、浅倉威がここに……!?」

 

「アタシにもわからない……けど、やる事はどうせ同じだよ……!!」

 

≪ADVENT≫

 

『ピィィィィィィィィィッ!!』

 

「ん、うぉ!?」

 

「くっ!?」

 

複数並んだ培養カプセルのガラスからブランウイングが飛び出し、体当たりで王蛇とオルタナティブ・ネオを纏めて突き飛ばす。それでも即座に体勢を立て直す2人の前に、ファムとフェイトが並び立つ。

 

「お前等ァ……!!」

 

「ッ……おやおや、我々が潰し合っているのを待たないつもりかい?」

 

「最初はそれも考えたよ。けど、放っといたら浅倉がお前をぶっ殺しそうだからさ。それだけは阻止しなきゃいけない」

 

「フフ、言ってくれるねぇ……!」

 

王蛇が仮面の下でファムとフェイトを睨みつけ、オルタナティブ・ネオは小さく笑う。ファムとフェイトは改めて武器を構え直す。

 

「アタシ達のやる事は変わらない……捕まえるべき相手が、1人増えただけの話だ……!!」

 

「ジェイル・スカリエッティ……浅倉威……あなた達2人共、私達がこの場で捕まえます……!!」

 

 

 

 

フェイト・T・ハラオウンと仮面ライダーファム。

 

 

 

 

オルタナティブ・ネオ。

 

 

 

 

仮面ライダー王蛇。

 

 

 

 

思わぬ形で、三つ巴の戦いが始まる事となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!」」

 

場所は変わり、市民が避難して無人となっている市街地。そこではスバルとノーヴェが互角の接近戦を繰り広げているところだった。スバルが両腕に装備したリボルバーナックル、ノーヴェが固有武装であるリボルバースパイクが互いに火花を散らし合うも、両腕に装備している分だけ、攻撃面ではスバルの方が勝っており、ノーヴェの方が少しずつだが押され始めている。

 

「ッ……くそ、コイツ……!!」

 

「ノーヴェ、助太刀するっス!!」

 

「!? くぅ……!!」

 

しかしノーヴェの方には、遠距離攻撃特化のウェンディもいる為、スバルが優勢かと言うとそうでもない。遠くからウェンディがライディングボードから複数の誘導弾を放ち、それに意識が向いたスバルの隙を突いてノーヴェが攻撃を仕掛ける。彼女達の方が連携が取れている以上、むしろスバルの方が不利な状況だった。

 

『スバル!! ティアナが準備に取り掛かってるわ、何とかして時間を稼げる!?』

 

「了解!!」

 

そして姉のギンガもまた、二等通信士の資格を持っている事からロングアーチの司令部に協力し、スバル達に指示を送っている。左腕の傷が原因で戦いに参加できない彼女も、自分が今できる事を必死にこなそうとしている。そんな彼女の指示を聞いたスバルは、突き出したリボルバーナックルに魔力を収束し、ノーヴェとウェンディの姿が重なったところに砲撃魔法を発動する。

 

「ディバイィィィィン……バスタァァァァァァァァァッ!!!」

 

「ぐ、あぁっ!?」

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

その威力はノーヴェとウェンディを吹き飛ばすほどだったが、まだ戦闘不能には至ってないのか吹き飛んだ先で体勢を立て直そうとしている。その前にスバルはウイングロードを展開し、すぐに彼女達の下へ迫って行く。

 

(ギン姉は私達がするべき事を指示してくれる……突破口はティアが見つけてくれる……私は、私が自分にできる事をこなしてみせる……!!)

 

脳裏に浮かび上がるのは、ナンバーズやサイコローグによってボロボロにされてしまった姉の姿。姉を助けようと思うあまり、我を忘れて暴走してしまった自分。そんな自分を庇い、ベノスネーカーの毒液を浴びてしまったファムの姿。それらはスバルにとって非常に大きな過ちだった。

 

(もう二度と、自分を見失ったりしない!! 夏希さん……私、やってみせます……!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「でやぁっ!!」

 

「ッ……!!」

 

市街地のとあるビル。その屋上ではルーテシアとガリューが、駆けつけたエリオとキャロの2人と対峙していた。エリオがストラーダによる槍術でガリューと激突する中、フリードリヒに乗ったキャロはルーテシアの説得を試みていた。

 

「ねぇ、教えて!! あなた達はどうしてこんな事をしているの!?」

 

「ッ……私は……!」

 

ルーテシアが紫色の魔力弾を複数放ち、キャロが防御魔法でそれを防ぐ。攻撃が上手く通らない事に、ルーテシアは少なからず苛立ちの感情を覚えていた。

 

「私は11番目のレリックを見つけないといけない……それが、ドクターの命令だから……!」

 

「そんな事の為に、こんな酷い事をしてるの!?」

 

「そんな事……?」

 

ルーテシアの眉がピクッと反応する。その直後、魔力を帯びた無数の召喚虫が次々とキャロの防御魔法を突き破ろうと突っ込んでいき、張られている障壁に少しずつ罅が生え始める。

 

「あなたにとってはそんな事でも……」

 

「くぅ!?」

 

「……私にとっては、とても大事な事だ!!」

 

ルーテシアは口調を荒げ、魔力弾を連続で撃ち放つ。それによりキャロを守っていた障壁が破壊されるが、直前でフリードリヒが退避した事で攻撃の回避には成功した。

 

「違う違う!! 私が言ったのは、あなたの目的の事じゃなくて!!」

 

「この戦いが終われば、ドクターが11番を探し出してくれる……そうすれば、お母さんが帰って来てくれる……私はもう1人じゃなくなる……!!」

 

「それは違うよ!!」

 

フリードリヒの放った火球が、飛来する魔力弾を相殺。その後方からガリューが襲い掛かって来たが、エリオが即座に割って入った事でその奇襲も失敗に終わる。そんな激しい攻防の中、キャロはルーテシアに向かって大声で叫んだ。

 

「違うんだよ……幸せになりたいのなら、自分がどんなに不幸で悲しいとしても、人を傷つけたり、不幸にするような事は絶対にしちゃ駄目だよ!! そんな事をやり続けていたら、あなたが欲しいと思っている物も、何も見つからなくなっちゃうよ!!」

 

キャロを乗せたフリードリヒの横にエリオが、ルーテシアの横にガリューが降り立つ。

 

「私はアルザスの召喚士……時空管理局機動六課のキャロ・ル・ルシエ!!」

 

「同じくエリオ・モンディアル、そしてフリードリヒ!!」

 

「キュオォォォォォォッ!!」

 

キャロとエリオが名乗りを上げ、それに続くかのようにフリードリヒも咆哮を上げる。それを見たルーテシアは少しだけ動揺し、1歩だけ後ろに後ずさる。

 

「話を聞かせて!! お母さんのレリック探しなら……私達が、機動六課の皆が手伝うから!! だから、あなたの名前を教えて!!」

 

「ッ……私、は……」

 

こんなに攻撃しているのに、キャロも、エリオも、自分の為に話を聞こうとしてくれている。その事でルーテシアの心が少しだけ揺らいだ。もしかしたら機動六課なら本当に、自分が叶えたいと思っている願いを叶えてくれるのではないか。そう思いかけたルーテシアは、無意識の内に自身の名前を名乗りそうになった。

 

「私は……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『大丈夫だよ、ルーテシアちゃん……君の大切な人は……俺が、助けるから……!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ッ!!」

 

そこで、ルーテシアはハッと我に返ると同時に、ギリリと歯軋りしながら両手を目の前にかざし、5つの小さな魔法陣を出現させる。すると彼女達の周囲のビルにも複数の魔法陣が出現し、その魔法陣の中央からは巨大な甲殻虫の召喚獣―――地雷王(じらいおう)が姿を現した。

 

「ガリュー、これは……!?」

 

「……駄目……私達にはもう、時間がない……!!」

 

エリオがガリューに呼びかけるも、ガリューは何も答えない。そんな中、ルーテシアは覚悟を決めたような目でエリオとキャロを強く睨みつける。

 

「11番は、あなた達より先にドクターが見つけてくれる……!! 早く11番を見つけないと……お兄ちゃんを安心させられない……!!」

 

「!? それって、どういう……!!」

 

「お兄ちゃんは今も苦しんでる……もうこれ以上、お兄ちゃんに辛い思いはさせたくない……だから!!」

 

「「……ッ!!」」

 

「私の……私達の邪魔をするなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

 

ルーテシアの叫ぶ声と共に、地雷王達が大きな咆哮を上げ、そして周囲の召喚虫達とガリューが再びエリオ達に襲い掛かる。エリオとキャロは彼女の叫び声を悲痛に思いながらも、向かって来る敵達を迎撃するべく戦闘を再開する事になった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はあぁっ!!」

 

「ぬぅん!!」

 

エリオ達がいる場所から更に高い、ミッドチルダの上空。そこではリインとユニゾンしたシグナム、アギトとユニゾンしたゼストが激しい戦いを繰り広げていた。シグナムの振るうレヴァンテインが炎の斬撃を放ち、ゼストの振るう槍型アームドデバイスが斬撃を相殺し、互いに1歩譲らぬ戦いとなっている中、一定の距離を離したところでシグナムがゼストに問いかける。

 

「ッ……どうしても、本部を破壊しに行かれるというのですか」

 

「古い友人に……レジアスに会いに行くだけだ」

 

「それは、復讐の為ですか……?」

 

「……言語で語れるものではない。道を開けて貰うぞ」

 

「言語にして頂かなければ……譲れる物も譲れません!!」

 

再度2人はぶつかり合う。激しく燃える炎の斬撃が繰り出され、目に見えない速度で切り結んでいく。

 

『グダグダ語るなんてなぁ……そんな事は、騎士のやる事じゃねぇんだよ!!』

 

『騎士だとか、そうでないとか……お話もしないで意地を張るから、こうやって戦う事になっちゃうんです!!』

 

『話したところで、意味なんてねぇから言ってんだよ!! 現に雄一兄ちゃんがそうだ!! 話したところでどうにもならねぇくらい……ルールーの為に、今でもずっと苦しんでんだよ!!』

 

「!? 手塚の友人が……!?」

 

アギトの言葉にシグナムが目を見開いた直後、激突したレヴァンテインと槍型アームドデバイスが激しい金属音を鳴らす。そこから鍔迫り合いになり、ゼストが口を開く。

 

「俺達は止まれない……レジアスの真意を知り、雄一とルーテシアをスカリエッティから救い出す……俺達の邪魔はしないで貰おう!!」

 

「!? く……ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 

ゼストの振り下ろした一撃は、レヴァンテインの鞘すらもへし折る勢いで繰り出され、シグナムを地上まで一瞬で叩きつけた。彼女が叩きつけられた地面から土煙が舞っている間に、ゼストはその場から移動し地上本部まで向かおうとするが……

 

「ッ……ぐ、ごほ……!!」

 

『旦那!!』

 

ゼストが口元を押さえて咳き込むと、その掌にはまた赤い血が付着していた。ゼストは自身の胸元を押さえながらも飛び続ける。

 

(もう時間がない……今の俺に、一体どこまでやれるか……!!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――ジェイルは少々やり過ぎだな』

 

地上本部、とある真っ暗な空間。そこには3つの培養カプセルが存在し、その中で人間の脳髄を思わせる物体が培養液に浸かっていた。この培養液に浸かっている脳みそ達こそ、この時空管理局の最上層部に位置する最高意志決定機関―――“最高評議会”の正体だった。

 

『レジアスとて、我々にとっては重要な駒の1つであるというのに』

 

『我等が求めた聖王のゆりかごも、奴は自分の玩具にしようとしている……止めねばならんな』

 

『だが、ジェイルは貴重な個体だ。消去するにはまだ惜しい』

 

『しかし、かの人造魔導師計画もゼストは失敗、ルーテシアも成功には至らなかったが、聖王の器は完全なる成功のようだ……そろそろ、よいのではないか?』

 

『我等が求むるは、優れた指導者によって統べられる世界。我等がその指導者を選び、その陰で我等が世界を導かねばならん。その為の生命操作技術、その為のゆりかご』

 

『旧暦の時代より、世界を見守る為に我が身を捨てて永らえたが……もうさほど長くは持たぬ』

 

『だが次元の海と管理局は、未だ我等が見守っていかねばならん』

 

彼等は元々、肉体を捨てて脳みその姿になる事で、旧暦の時代から生き永らえて来た者達だった。長い年月が彼等の正義を暴走させてしまったのか、現在その思想は独善的な物と成り果てており、あくまで自分達が管理局の支配者であり、指導者を裏で操りつつ世界を見守っていくスタンスを貫く事に拘り続けていた。

 

「失礼します。皆様、ポッドメンテナンスのお時間です」

 

『あぁ、お前か。会議中だ、手早く済ませてくれ』

 

「はい」

 

そこに、秘書と思われる青髪の女性局員が動く足場に乗って現れ、彼等がいる培養カプセルの前でキーボードを操作しメンテナンスを開始する。彼女がそうしている間も、最高評議会の会議は続いていく。

 

『ゼストが五体無事であればな。ジェイルの監視役として最適だったのだが……』

 

『あれは武人だ、我等には御せんよ。戦闘機人事件の追跡情報と、ルーテシアの安全を引き換えに、辛うじて鎖を付けていただけだ。奴がレジアスに辿り着いてしまえば、そこで終わりよ』

 

「……お悩み事のようですね」

 

キーボードを操作しながら、秘書の女性局員も会話に参加する。

 

『何、粗末な厄介事よ。お前が気に掛ける事でもない』

 

『レジアスや地上からは、何の連絡もないのか?』

 

「えぇ。未だにどなたからも……」

 

『そうか……しばらく慌ただしくなりそうだ。お前にも苦労をかけるな』

 

「いえ」

 

キーボードを操作していた女性局員の手が止まる。そして顔を上げた彼女―――マリア・ローゼンは、最高評議会に対し笑顔で告げた。

 

「私は望んで……ここにいるのですから」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズバァァァァァァァァンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『―――な』

 

一瞬だった。

 

マリアがどこからか小さな鏡を取り出したその瞬間、そこから飛び出して来たアビスが、その手に握られたアビスセイバーで培養カプセルを1つ破壊したのだ。破壊されたカプセルから脳みそがドチャリと落ちるのを見て、まだカプセルを破壊されていない2人が慌てた様子でアビスに向かって叫ぶ。

 

『な……何故、何故だァッ!?』

 

『き、貴様、一体何者だ!? 一体どうやってこの場に……!!』

 

「なるほどなぁ。最高評議会について話には聞いていたが……まさか本当に脳みそだけで生きてるとはな。道理で、この部屋にだけ監視カメラが設置されてない訳だ」

 

アビスセイバーに付着した培養液を振り払い、アビスは残る2つのカプセルを見据える。

 

「しっかし、よくもまぁこんな姿になろうって思えるよな。俺からすれば気持ち悪いったらありゃしない」

 

「あら、ある意味ではあなたの理想でもあるんじゃないかしら? 肉体を捨ててもなお、こうして生き永らえる事ができるのよ?」

 

「はん、馬鹿言え。何が悲しくてこんな脳みそだけの姿にならなきゃならん。こんな姿じゃ、敵に襲われた時に自分で自分の身を守れないだろうが……こんな風に」

 

『待っ―――』

 

続けて2つ目のカプセルが破壊される。2人目の脳みそもドシャッと床に落ち、残る最後の1人は激しく狼狽する。

 

『何故だ……何故こんな事を!! 貴様、我等を裏切るというのか!!』

 

「あら。私はただ、あなた方に休んで貰いたいと思っただけの事ですよ? ご老体がご無理をなされては、よくありませんもの」

 

そう言うと、マリアの姿が一瞬でドゥーエの姿に変化する。それを見た最高評議会はようやく気付いた。彼女がスカリエッティからの差し金である事に。

 

『き、貴様は、ジェイルの……!!』

 

「あなた方は、あの方に首輪を付けていたつもりのようだけれど、その認識がそもそもの間違い。あの方にあぁして頭脳を与えた時点で、あの方に力を与えた時点で、全てはこうなる宿命……過ぎた力は必ず、その身に破滅を呼ぶ物です」

 

『ば、馬鹿な……馬鹿なァッ!!!』

 

「そろそろお休みの時間よ♪」

 

「そういう訳だ。アンタ等に恨みはないが、ここで消えて貰うとしよう」

 

アビスはその手に握ったアビスセイバーの刃先をカプセルに向ける。未だ現実を直視できていない最高評議会は、まるで狂ったかのように声を荒げ始めた。

 

『認めん……認めんぞ、こんなの認められるかァ!! 我等が導いてきた世界なんだぞ!! 我等がいなくなれば、世界も、管理局も、何もかもおしまいだ!! それが一体どれほど罪深き事か、わかった上で言っているのかァッ!!!』

 

「うるさいジジイだな……」

 

『我等が全てを導く……我等こそが、この世界その物なんだッ!!! 我等の意志は決して、この世から消え去ってはなら―――』

 

「さっさと沈め、老害共」

 

アビスセイバーの一撃が振り下ろされる。その瞬間、最高評議会の意志はこの世から完全に消え去り、彼等はいとも呆気なく闇に葬り去られる事となった。

 

「……さて、これでゴミ掃除は完了だ。俺はこのまま地上本部の有力な幹部共を始末しに向かう。お前はレジアス・ゲイズを確実に始末しろ」

 

「はいはい、わかってるわよ。これで私達の、ドクターの悲願は無事に達成される……あぁ、その時が楽しみだわぁ……♪」

 

そう言いながら、恍惚な笑みを浮かべるドゥーエ。その一方で、アビスはドゥーエとは全く違う事を考えていた。

 

(過ぎた力は必ず、その身に破滅を呼ぶか……それはお前等のドクターだって同じ事だろうに)

 

そんなアビスは今、ドゥーエの背中を静かに見据える。

 

(悪いが、お前の思い通りになる事はない。この作戦が終われば、俺はお前を―――)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「邪魔だ、どけ!!」

 

『ブブ……ッ!?』

 

聖王のゆりかご内部。ガジェットに襲われていたディエチを保護したライアとなのはは今、ヴィヴィオがいる玉座の間を目指して移動中だった。ディエチを抱きかかえながらも器用にレイドラグーンガジェットをエビルウィップで破壊したライアは、なのはの砲撃魔法で破壊された扉の先へと進み、1つの大きな部屋に辿り着いた。

 

「ここにもたくさんの鏡が……」

 

「鏡は全部……ライダーが戦いやすくする為に、設置された物……! 雄一さんだけじゃない……あの女、クアットロも……ドクターが量産したカードデッキで、オルタナティブの力を手に入れたから……!」

 

「既に2人目のオルタナティブが誕生しているという事か……スカリエッティめ、面倒な事を」

 

「急ぎましょう、こうしている間にもヴィヴィオが苦しん……ッ!!」

 

部屋の先を見て、なのはの表情が一変する。それを見たライアとディエチも同じ方向を見据え、彼女の表情が一変した理由に気付いた。

 

「ッ……雄一……!!」

 

「ウゥゥゥゥゥゥゥ……!!」

 

部屋の一番先にある、玉座の間への入り口……その前に仁王立ちしていたのが、雄一の変身したブレードだった。彼の姿を見たライアは、彼が発する強大な殺気を直に感じ取る。

 

「……この先の部屋に、ヴィヴィオがいるんだな?」

 

「ッ……うん……でも、クアットロもオルタナティブに変身するから……気を付けて……!!」

 

「どっちが行っても、ライダーとの戦いは避けられんか……高町。ヴィヴィオの事を頼めるか?」

 

「え、でも……!?」

 

「できる事なら、俺も一緒にヴィヴィオを助けに行きたい。だが雄一がいる以上、アイツは俺か高町のどちらかが足止めしなければならない」

 

「手塚さん……」

 

「雄一を止めた後は、俺もすぐに救援に向かう……だから頼む」

 

仮面で素顔は見えないはずなのに。ライアの……手塚の目は、しっかりとなのはを見据えているように感じた。その事でなのはも覚悟を決め、ライアの言葉に強く頷いた。

 

「わかりました……一足先に、行って来ます!!」

 

「あぁ……!!」

 

『あらぁ~? そんな事を私達がさせると思ってるんですかぁ~?』

 

そんな時、ブレードの頭上に出現した映像にクアットロの素顔が映り込んだ。未だ余裕の表情でいるクアットロの笑う姿を見て、ライアとなのはだけでなく、ディエチも強く睨みつける。

 

「クアットロ……ッ!!」

 

『あらぁ~ディエチちゃん、まだ生きてたのね。玩具達に嬲り殺しにされたかと思ってたけど……まぁ良いわ。それなら今度こそ、そこのお邪魔虫達と一緒に消してあげる。という訳で雄一さ~ん♪ 殺っちゃって下さ~い♪』

 

「……了解……!!」

 

≪CHAKRAM VENT≫

 

映像が消え、クアットロの命令を受けたブレードが動き出す。ブレードが召喚したガルドチャクラムを掴み取ると同時に、ライアとなのはもすかさず動き出した。

 

「行け、高町!!」

 

「はい!! 手塚さんも、無事を祈ってます!!」

 

「デヤァッ!!」

 

この場をライアに任せ、先に玉座の間へ向かおうとするなのは。そうはさせまいとブレードが彼女に向かってガルドチャクラムを投げつけたが、ガルドチャクラムは彼女に命中する前に、ライアが振るったエビルウィップで叩き落とされる。

 

「アクセルシューター!!」

 

「グゥ……ッ!?」

 

ブレードの足元に小さな魔力弾が着弾し、舞い上がった煙がブレードの視界を遮る。その隙になのははブレードの横を通過して玉座の間へ向かって行き、その場にはブレード、そしてライアとディエチだけが残された。

 

「手塚、さん……」

 

「ここにいてくれ。アイツは……雄一は、俺が必ず助け出す」

 

「……うん……!」

 

ディエチをある程度離れた位置に下ろした後、立ち上がったライアはブレードのいる方へと振り返る。そして煙が晴れた先では、ブレードがホルスターから引き抜いたガルドバイザーを両手で構えようとしていた。

 

「侵入者ト裏切リ者……オ前達ハ、俺ガコノ手デ潰ス……!!」

 

「……雄一」

 

今のままでは、自身の言葉も恐らくブレードに届かない。そう判断したライアは、まず彼を無力化する為に戦う覚悟を決める。タイムベントを介して、雄一が手塚に向けて望んだ願い……それを頭に入れながら。

 

「お前の一番の望みは、確かに俺の心にも届いた。だから俺が今……お前の望みを叶えてやる」

 

エビルウィップを構えるライア。

 

ガルドバイザーを構えるブレード。

 

2人はゆっくり姿勢を低くして構え……その数秒後、2人同時に駆け出した。

 

「……はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「……オォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

 

エビルウィップの一撃が、ガルドバイザーを大きく弾き返す。その衝突で響き渡った轟音をゴング代わりに、ライアとブレードは戦い始めた。エビルウィップによる攻撃をかわし、ガルドバイザーによる斬撃をエビルバイザーで防ぎ、互いの突き出した足が互いの腹部を蹴りつけ、2人を大きく後退させる。

 

≪AX VENT≫

 

≪COPY VENT≫

 

召喚されたガルドアックスがブレードの右手に収まり、そのガルドアックスをコピーしたライアも右手にガルドアックスを掴み取る。同じ武器を構えた2人は同時に駆け出し、2人同時に勢い良く振り下ろす。

 

「ぐっ!?」

 

「ガァッ!?」

 

ガルドアックスの斬撃が、互いの胸部を斬りつける。その衝撃で2人は同時に倒れるも、すぐに起き上がって再び走り出し、ガルドアックスをぶつけ合い大きな金属音を響かせる。

 

「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「オォォォォォォォォォォォォォォォォォッ!!!」

 

ガキィィィィィィィィィィィィィィンッ!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

盾の騎士―――仮面ライダーライア。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

剣の騎士―――仮面ライダーブレード。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2人の騎士の戦いは、ここから更に激化していく―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


なのは「ヴィヴィオ、お願いやめて!!」

ヴィヴィオ「返せ……パパとママを返せぇっ!!!」

ノーヴェ「アタシ等は戦闘機人……戦う為の兵器なんだ!!」

ティアナ「人を守る為に戦う人達を、私達は知っている……!!」


戦わなければ生き残れない!
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