リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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お待たせしました、第50話の更新です。

いよいよ、一番書きたかった展開を書き上げる事ができました。詳しい事は敢えてここでは語りません。

それではどうぞ。

あ、活動報告でオリジナルモンスターの募集をしておりますので、もし良かったらそちらもご覧下さいませ。

























待たせたな諸君……ようやくこの曲を流せたぜ!!





戦闘挿入歌:Revolution(※ライアが“あのカード”を見せた瞬間、1番の歌詞をフルでお流し下さい)







第50話 疾風と烈火

「ハァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「くっ……!?」

 

「ッ……夏希さん!!」

 

ファム目掛けて繰り出された王蛇のベノクラッシュ。メタルゲラスに押されていたフェイトが叫ぶ中、ファムは急いで立ち上がろうとするが、回避は間に合わないと悟ったのか両腕をクロスして防御姿勢に入る。そこに王蛇のベノクラッシュが炸裂しようとしたその時……

 

 

 

 

 

 

【SHOOT VENT】

 

 

 

 

 

 

ドガガガガアァンッ!!!

 

「!? うぉあっ!!」

 

「な……うわぁ!?」

 

大量に放たれた小型ミサイルが、ベノクラッシュを決めようとしていた王蛇、そして防御姿勢に入っていたファムの足元に着弾し、爆風で2人を纏めて吹き飛ばしてしまった。ファムが何度も床を転がされる中、吹き飛んで壁に叩きつけられた王蛇はすぐに起き上がり、自分達にミサイルを放って来た人物を睨みつける。

 

「お前か、スカリエッティ……!!」

 

「全く、私と戦ってる最中だったんだろう? 私の事を忘れないでくれたまえ」

 

『グゴォォォォォォォォォォッ!!』

 

「……ハハハハハハハハ!!」

 

ミサイルを放った張本人―――オルタナティブ・ネオが左腕に装備したクラッシュボマーから、サイコローグが顔面の目から複数の小型ミサイルを同時に発射。王蛇の走る後方で次々と爆発が起こる中、王蛇は純粋に楽しそうな笑い声を上げながら走り続けており、その間にメタルゲラスを退けたフェイトがファムの傍まで駆け寄る。

 

「夏希さん、大丈夫!?」

 

「……ッ!? フェイト、危ない!!」

 

「え……きゃあっ!?」

 

そんな2人の周囲にも、クラッシュボマーのミサイルが次々と飛んで来た。自分達に当たりそうなミサイルだけ防御魔法で防ぎつつ、フェイトは傷付いているファムの手を引っ張り、壁に空いている大きな穴の中に退避する事でミサイルの爆撃から何とか退避する。そしてフェイトが覗き込んだ先では、王蛇とオルタナティブ・ネオが激しい戦いを繰り広げていた。

 

「もっとだぁ……もっと楽しもうぜぇっ!! スカリッティ!!!」

 

「クハハハハハハハ!! 良い……良いぞぉ浅倉!! もっともっと戦おうじゃないか!!!」

 

ミサイルによる爆炎が周囲に広がっていく状況下でもなお、目の前の敵を潰す事だけに意識を向けている王蛇とオルタナティブ・ネオは、お互いに武器を叩きつけ装甲から火花を散らし合う。戦いの快楽に魅入られ、楽しそうに笑いながら戦い続ける2人のそんな姿は、覗き見ていたフェイトの背筋をゾッとさせるほどだった。

 

「どうして……!? 自分が死ぬかもしれないのに……どうしてあんな楽しそうに……!!」

 

「これが、ライダーの戦いだよ……!! 自分のやりたいように……欲望のままにライダーは戦うんだ……私もかつてはそうだった……!!」

 

「夏希さん……」

 

「今、改めて思い知ったよ……アタシ、こんなとんでもない戦いに……自分から参加してたんだなって……!!」

 

命を奪い合うライダー同士の壮絶な戦い。そんな戦いに身を投じ、一度は復讐を成し遂げた夏希にとっても、王蛇とオルタナティブ・ネオが笑いながら戦っている光景は、目を逸らしたくなるような光景だった。それでも彼女は決して目を逸らそうとはしない……というより、目を逸らす訳にはいかなかった。

 

「ッ……だからこそ、アタシは……」

 

過酷な戦いに身を投じ、罪を犯した身であるからこそ……彼女には成し遂げなければならない事があった。

 

「フンッ!!」

 

「ぐぉ!?」

 

「!」

 

クラッシュボマーによるミサイルの爆風が、王蛇を再度吹き飛ばす。その際に王蛇の足が当たったのか、床に落ちていたブランバイザーがちょうどファムとフェイトのいる穴の近くまで転がっていき、それを見たファムは即座にブランバイザーを拾いに動き出した。

 

「夏希さん、何を……!?」

 

「フェイト……事情は後で話すから」

 

そう言って、ファムはカードデッキから引き抜いたカードをブランバイザーに装填する。そのカードの絵柄を見たフェイトは驚愕する。

 

(ファイナルベントのカード!? どうしてこのタイミングで……!?)

 

≪FINAL VENT≫

 

『ピィィィィィィィィィィッ!!』

 

「!? ぬぉっ!?」

 

「おあぁ!?」

 

驚くフェイトの疑問を他所に、ファイナルベントの過程で再度召喚されたブランウイングが王蛇とオルタナティブ・ネオの前に飛来し、大きく羽ばたいて発生させた突風で2人を吹き飛ばした。しかしそのまま必殺技であるミスティースラッシュに移行する事はなく、ブランウイングはすぐに培養カプセルを介してミラーワールドに帰還してしまう。

 

「……おい、何の真似だ」

 

「驚きだね……お得意の必殺技は使わないのかい?」

 

「……これ以上、アンタ達を好き放題に暴れさせる訳にはいかない」

 

必殺技を発動する事もなく、ただ戦いの邪魔をしてきた。その事に対し、王蛇とオルタナティブ・ネオは不満そうな口調で言い放つが、そんな2人の言葉にファムは動じなかった。

 

「浅倉……スカリエッティ……ハッキリ言わせて貰うよ。アンタ達はどうしようもないほどの犯罪者だ。今更アタシが何か言ったところで、どうせアンタ達は何も変わりはしない」

 

「……何を言っている?」

 

「急に何を言い出すかと思えば……浅倉から聞いているよ。かつてのライダー同士の戦いで、彼を殺したのは君らしいじゃないか? そんな君が、人の事を言える立場なのかな?」

 

「あぁそうだよ……アタシも自らの意志で罪を犯した、アンタ達と同じ犯罪者だ!! だからもう、こんなアタシを受け入れてくれる人なんていないって、最初はそう思っていた……だけど」

 

ファムは一度だけ、フェイトがいる方を振り返る。

 

「こんなアタシの事も、真っ直ぐ見てくれる人がいた……アタシの犯した罪を知って、その上で拒絶せずに受け止めてくれる人達がいた……!! 本気で守りたいと思える物を、この世界で見つける事ができた!!!」

 

犯罪組織に追われる中で、初めてフェイト達と出会った時の事。

 

ティアナのミスショットの一件を経て、なのは達の覚悟を知った時の事。

 

かつて罪を犯した自分を、機動六課の皆が受け入れてくれた時の事。

 

健吾の死を悟り、嘆き悲しむラグナの姿を見た時の事。

 

これまでの様々な出来事を振り返っていく中で、既に夏希の決意は不動の物となっていた。かつて復讐鬼と化していた頃の彼女は、もうそこにはいなかった。

 

「だからアタシは決めたんだ……皆が守りたいと思っている物を、一緒に守る為に戦うって!! 犯した罪を受け止めて……その上で、皆と一緒に前に進んでいくんだって!! それを脅かそうとしているお前達だけは、絶対に許す訳にはいかないんだ!!!」

 

「夏希さん……」

 

それが白鳥夏希―――仮面ライダーファムが心に抱いた、一番の願いだった。彼女の言葉を聞いたフェイトが笑顔を浮かべるのに対し、王蛇とオルタナティブ・ネオは訳がわからないといった口調で呟く。

 

「やれやれ。結局、我々はただの異端者扱いか……」

 

「下らん……訳のわからん話はたくさんだと言っただろぉ!!」

 

王蛇のベノサーベルが振り下ろされる。ファムはそれを逆手に持ったブランバイザーで受け止め、上手く受け流すように王蛇を退けた後、右手をカードデッキに持っていく。

 

「あぁ知ってるよ。どうせ聞き入れられる訳がないと思ってた……だからもう、アタシのやる事は決まっている」

 

ファムのカードデッキから、1枚のカードが引き抜かれる。

 

「アタシの目的は、復讐じゃない……」

 

「何……?」

 

「アタシの目的は……アンタ達を牢屋に送り込む事だっ!!!」

 

ファムが見せつけた1枚のカード。その絵柄を見た途端、オルタナティブ・ネオは眉を顰め、王蛇は驚愕の意志を示した。

 

「!? そのカードは……」

 

「ッ……お前……!!」

 

その直後、ミサイルの爆発で発生していた周囲の炎が突然揺らめき出した。灼熱の炎はファムを中心に激しく燃え盛り、王蛇とオルタナティブ・ネオを近付けさせない。

 

「!? アレは……!!」

 

そしてフェイトもまた、同じように驚愕していた。何故なら、ファムが引き抜いたそのカードは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【聖王の翼が大地より蘇りし時】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【赤と青に煌めく金色の翼が、全ての運命を覆さん】

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

カリムの予言にも出ていた、【赤に煌めく金色の翼】が描かれていたのだから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あらあら、結構頑張ってるわねぇ~」

 

聖王のゆりかご、コントロール室。クアットロが変身したオルタナティブは今もなお、2つのモニターを介して戦いの一部始終を楽しそうに鑑賞していた。片方のモニターには、聖王ヴィヴィオの攻撃を受け止め続けるなのはの姿が。もう片方のモニターには、凶暴化したブレードと激しい戦いを繰り広げるライアの姿が映っていた。

 

「それならぁ~……うん、まずは雄一さんの方から刺激を加えましょっか♪」

 

そう言って、オルタナティブは目の前のキーボードを操作し始める。彼女がそんな行動に出た後、ブレードの身に更なる異変が生じるのに数分もかからなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪SWING VENT≫

 

「ゼアァッ!!」

 

「ぐぁ!? く、しまった……!!」

 

玉座の間に通じる1つ前の部屋。ブレードが召喚して構えたガルドウィップの一撃でエビルバイザーを床に叩き落とされ、防御手段を失ってしまったライアはその手に持ったガルドアックスで何とか攻撃を捌き続けていた。ブレードが振り下ろすガルドウィップの攻撃をかわしながらライアが接近していくも、彼が接近して来る事を読んでいたブレードはガルドバイザーを引き抜き、ライアが振るうガルドアックスの刃を防御してみせた。

 

「雄一、目を覚ませ!! お前のやりたい事はこんな事じゃないはずだ!!」

 

「黙レェ……侵入者モ、裏切リ者モ……俺ガコノ手デ捻リ潰スゥッ!!!」

 

「ッ……やはり、何度呼びかけても駄目か……!!」

 

既にライアが何度か呼びかけているようだが、クアットロに操られているブレードは聞く耳を持たない。言葉での説得は不可能だと判断したライアはガルドバイザーを押し退け、ブレードを蹴りつけて距離を離す。その時、武器を構え直すブレードのすぐ横にモニターが出現した。

 

『は~い、雄一さ~ん♪』

 

「!? クアットロ……!!」

 

モニターに映り込むオルタナティブの姿。それを離れた位置から見ていたディエチが睨みつけるも、そんな彼女の事など眼中にもないのか、オルタナティブはブレードにとんでもない事を言い出した。

 

『雄一さんに、と~っても残念なお知らせがあります……なんと、ルーテシアお嬢様が機動六課の連中にやられてしまいました~!』

 

「!? ルーテシア、チャン……ガ……ッ!!」

 

「!? おい、一体何を……!!」

 

『これがその証拠で~す!』

 

「「!?」」

 

もう1つ出現したモニター。そこに映し出されていたのは、エリオとキャロが倒れているルーテシアを見下しながら踏みつけている(・・・・・・・・・・・・・)光景だった。それを見たブレードは激しく動揺し、ライアもまた違う理由で動揺する。

 

『あぁ酷い、なんて酷過ぎる光景でしょう! 世界の平和を守る管理局の魔導師が、とてもやって良いような事ではありません! 絶対に許してはならない事です!』

 

「なっ……馬鹿な!? あの2人がそんな事をするはずが……!!」

 

『だから雄一さん! 絶対にそんな悪党共(・・・)に屈してはなりませんよ! あなたが守りたがっている人達の為にも!』

 

「駄目だ雄一、聞くな!!」

 

「ッ……ルーテシア、チャン……」

 

もちろん、この見せられた映像はクアットロが用意したデタラメな物に過ぎない。しかしブレードの精神を揺さぶるには充分過ぎる効果があったようで、ブレードはガルドバイザーを握る力が更に強まっていく。

 

「……許サナイ」

 

「話を聞いてくれ、雄一!!」

 

「オ前達、絶対ニ……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……絶対ニ許サナイ、管理局メェッ!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雄一……ぐぅう!?」

 

ブレードが振るうガルドウィップの一撃が、更に重い物と化した。その一撃が顔面に命中した事でライアが怯まされる一方で、怒り狂ったブレードは更にガルドウィップでライアを捕縛し、そのまま壁や床に何度も何度も叩きつけ始めた。

 

「許サナイ……オ前達全員、俺ガ殺シテヤルゥッ!!!」

 

「が……ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「手塚さんっ!!」

 

壁に勢い良く叩きつけられ、減り込んだ壁から床へと落ちていくライア。怒り狂った影響でどんどん攻撃が激しい物になっていくブレードの姿は、ディエチにとってはとても見ていられない物だった。

 

「雄一さん、お願いだからもうやめて!! 雄一さぁん!!!」

 

「潰ス……潰ス潰ス潰ス潰ス潰シテヤルゥッ!!!」

 

≪ADVENT≫

 

『シャアッ!!』

 

『キシャアッ!!』

 

『グルアァァッ!!』

 

「ぐ……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

更にはブレードの召喚したガルドサンダー・ガルドミラージュ・ガルドストームの3体が高く飛びながら、真下にいるライア目掛けて次々とエネルギー弾を乱射。その爆発で更にライアがダメージを負わされ、ディエチも爆風で床を転がされる中、ブレードはガルドウィップを投げ捨ててから両手でガルドバイザーを握り締める。

 

「侵入者……マズハ、オ前カラ死ネェ……!!」

 

「ッ……やめ、て……雄一、さ……!!」

 

クアットロの策略で完全な狂戦士(バーサーカー)と化したブレードが、倒れているライアに迫って行く。そんな彼を涙ぐみながら必死に呼び止めようとするディエチだったが、そんな彼女の視界にある物が映る。

 

(!? アレは……!!)

 

それは先程、ブレードの攻撃で叩き落とされたエビルバイザーだった。その存在に気付いたディエチは傷付いた体で何とか這いずり、そう遠くない位置に落ちているエビルバイザーへと手を伸ばしていく。その一方でブレードは既に、ライアのすぐ傍まで迫り来ようとしていた。

 

「殺ス、殺ス……俺ノ邪魔ヲスル奴ハ皆、俺ガ殺シテヤル……!!」

 

「がは、ごほ……ッ……そんなにも……あの子の事が、大事なのか……雄一……!!」

 

両手に力を入れ、傷付いた無理やりにでも起こそうとするライア。そんな彼の首元に、ガルドバイザーの刃が向けられる中……ライアは仮面の下で小さく笑ってみせた。

 

「……あぁ、そうだった……お前は昔から、そういう奴だったな……」

 

「殺ス……殺シテヤル……!!」

 

「いつも他人を優先して、自分は損してばかり……昔からお前は、何も変わってなかった……昔も今も、ずっと優しい人間のままだったんだ」

 

「……消エロォッ!!!」

 

「手塚さん、これを!!!」

 

ブレードがガルドバイザーを振り上げた瞬間。エビルバイザーを何とか拾い上げたディエチが、力を振り絞ってエビルバイザーを投げ飛ばす。それを左手でキャッチしたライアは、振り下ろされて来たガルドバイザーをエビルバイザーで受け止める。

 

「ッ……マダ抵抗スルノカァ……!!」

 

「だからこそ……俺はお前の思いに気付けなかった……!! お前が今まで抱え込んでいた憎しみを……ずっと近くにいながら、それに気付きもしなかった俺は……お前の親友失格なのかもしれない……!!」

 

「デヤァッ!!」

 

「ぐっ!?」

 

「手塚さん!!」

 

ブレードがライアの腹部を蹴りつけ、倒れたところにガルドバイザーを振り下ろす。しかしライアはそれを横に転がる事で回避し、起き上がった彼は素早くブレードの背後に回り込み、羽交い締めにする事でその動きを上手く封じてみせた。

 

「それでもお前は……その心に憎しみを抱いてもなお、それに抗い続けた……!! 憎しみを自覚してからも、お前は優しい人間であり続けようとしていた……!!」

 

「ッ……離セ、離セェ!!」

 

「いつ狂ったっておかしくない……そんな状況の中で、お前は必死に戦い続けてきた!! いつの日か、俺がお前を止めにやって来る日が来るだろうと信じて!!」

 

「ハアァッ!!」

 

ライアの拘束が力ずくで振りほどかれ、ブレードが再度ガルドバイザーを振り下ろす。ライアはそれをエビルバイザーで受け止め、ブレードの右手首を掴み取る。

 

「俺はお前を、友として誇りに思っている……俺が信じたお前の正義は、決して間違いではなかった……!!」

 

「ウルサイ、黙レェッ!!!」

 

「がぁっ!?」

 

「手塚さん!!」

 

『あっはははははははは!! 無駄ですよぉ、無駄無駄♪ あなたの言葉はもう、雄一さんには届きませ~ん♪』

 

オルタナティブが映像越しに笑い転げる中、ブレードの左手がライアの顔面を殴りつけ、手が離れたライアをガルドバイザーで斬りつける。その場に膝を突いたライアの前で、ブレードがガルドバイザーを高く振り上げ、それを見たディエチが大声で叫んだ。

 

「終ワリダ……死ネェッ!!!」

 

「雄一……俺は……ッ!!」

 

「駄目!! 逃げて手塚さん!!!」

 

「ガァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ッ……!!」

 

「……?」

 

ライアの眼前で、ガルドバイザーの刀身がピタリと制止していた。制止したまま、ガルドバイザーがプルプル震えてそれ以上動こうとしていなかった。

 

「グ、ゥウ……手、塚ァ……ッ!!」

 

「!? 雄一、お前……!!」

 

「雄一さん、もしかして意識が……!?」

 

ここで初めて、ブレードの口から手塚の名前が出て来た。それにはライアやディエチだけでなく、モニターで眺めていたオルタナティブも驚愕していた。

 

『な、馬鹿な!? 雄一さん自身の意識は、こちらから完全にシャットダウンしてるはずなのに……!?』

 

「手、塚……ッ……!!」

 

オルタナティブが激しく動揺する中、ライアの眼前でガルドバイザーを寸止めしたブレードは、左手を少しずつライアの方へと伸ばしていく。

 

「手塚ァ……俺ヲ……止メテ、クレ、ェ……ッ!!」

 

「!! 雄一……!!」

 

「ウ、ゥ……グ……ガアァァァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「!? ぐぅっ!?」

 

意識の戻りかけたブレードだったが、彼の左手はライアの首を絞め上げ、そのまま横に大きく投げ飛ばしてしまう。床を転がされたライアは咳き込みながらも、ブレードの中に今もまだ雄一の意識が残っている事を確信する。

 

「雄一……そんな事になってもまだ、お前は抗っているんだな……!!」

 

「ヌ、ウゥッ……ウァァァァァァァァァァァッ!!」

 

「わかっている……それが、お前の望みだと言うのなら……!!」

 

雄叫びを上げ、ライアを睨みつけるブレード。そんな彼の中に、今も僅かに残っている雄一の思いを……ライアは確かに心で感じ取っていた。

 

「お前の望みは俺が叶える……お前の運命は、俺が変えてみせる!!!」

 

ライアの右手が、彼のカードデッキから1枚のカードを引き抜いた。ライアはそのカードを指で裏返し……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【青に煌めく金色の翼】を、ブレードにしっかりと見せつけた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!? 何だ、そのカードは……!?」

 

「……ハッハァ……!!」

 

同時刻。部屋全体で灼熱の炎が燃え盛る中、オルタナティブ・ネオはファムが引き抜いた見覚えのないカードに疑問を抱いていた。それに対し、そのカードの絵柄を見た事がある王蛇は、ファムがこれからやろうとしている事に歓喜の笑みを浮かべる。そしてフェイトは、ファムがそのカードを持っている事に驚きを隠せなかった。

 

(【赤と青に煌めく金色の翼】……どうして、夏希さんがそれを……!?)

 

そんなフェイトの思考を他所に、燃え上がる炎の中心にいたファムはそのカード―――“サバイブ・烈火”のカードを掲げながら、左手に逆手で持っていたブランバイザーを目の前にゆっくり突き出す。するとブランバイザーの柄部分の羽根が開き、ブランバイザーの形状が一瞬で別の物へと変化した。

 

「真司……お願い、アタシに力を貸して……!!」

 

かつての想い人である青年の事を思い浮かべながら、ファムは剣が納められた盾型の召喚機―――“羽召剣(うしょうけん)ブランバイザーツバイ”の上部の装填口にサバイブ・烈火のカードを少しずつ近付けて行き、カードを装填させていく。

 

≪SURVIVE≫

 

電子音が鳴り響く中、ファムはすかさずブランバイザーツバイから聖剣―――“ブランセイバー”を引き抜き、それを静かに下ろして優雅に構える。すると彼女の全身を炎が包み込んでいき……その中から、ファムの新たな姿が披露される。

 

 

 

 

 

 

形状が変化し、金色のラインが追加された仮面。

 

 

 

 

 

 

白鳥の翼を模した、胸部と両肩の装甲。

 

 

 

 

 

 

烈火を彷彿とさせる、ボディ各部の赤い紋様。

 

 

 

 

 

 

赤色に変化した、翼の形状をした背中のマント。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サバイブ・烈火の力を手にした彼女は、炎を司る閃光の騎士―――“仮面ライダーファムサバイブ”の姿へと強化変身を果たしてみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ッ……データにない姿……!?」

 

「クハハハハ……!!」

 

警戒するオルタナティブ・ネオと、あくまで笑い続ける王蛇。そんな2人に、ファムサバイブはその右手に構えたブランセイバーを突きつける。

 

「来なよ……2人纏めて、相手してやる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、聖王のゆりかごでも……

 

 

 

 

 

 

「グ、ウゥゥ……ッ!?」

 

「くっ……なんて、凄い風……!!」

 

そのカード―――“サバイブ・疾風”のカードを引き抜いたライアを中心に、彼等がいる部屋全体に強烈な風が吹き荒れ始めた。それでも対抗の意志がまだ消えていないブレードは、ガルドバイザーにカードを装填してみせる。

 

≪UNITE VENT≫

 

『ショオォォォォォォォォォォォォォッ!!!』

 

「!? 危ない!!」

 

ガルドサンダー達が融合し、鳳王ガルドブレイザーの姿へと変化。咆哮を上げたガルドブレイザーの火炎弾がライア目掛けて放たれるも、火炎弾はライアの周囲を吹き荒れる風に防がれ、それによってライアとブレードの周囲を炎が広がっていく。

 

「ふぅぅぅぅぅぅぅ……」

 

炎と風が拮抗し合う中、大きく息を吐いたライアは左腕をゆっくり上げていき、エビルバイザーを目の前に突き出すように構える。するとエビルバイザーの形状が一瞬で変化し、盾だったエビルバイザーがイトマキエイを模した大きな弓型の召喚機―――“飛召弓(ひしょうきゅう)エビルバイザーツバイ”となる。

 

(一度はお前に渡したカードだが……力を借りるぞ、秋山)

 

かつて自分が運命を変えようとした青年の事を思い浮かべながら、ライアはエビルバイザーツバイの装填口にサバイブ・疾風のカードを装填させていく。

 

≪SURVIVE≫

 

電子音が鳴り響く中、ライアはエビルバイザーツバイをゆっくり下へと降ろしていく。そんな彼の全身には3つの鏡像が重なっていき……彼の姿を別の物へと変化させた。

 

 

 

 

 

 

形状が変化し、金色が追加された仮面。

 

 

 

 

 

 

赤紫色から金色に変化した、後頭部の長い弁髪。

 

 

 

 

 

 

より強固な物となった、胸部と両肩の装甲。

 

 

 

 

 

 

両足に追加された、エイを模した金色の脛当て。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サバイブ・疾風の力を手にした彼は、風を司る弓の騎士―――“仮面ライダーライアサバイブ”としての姿を露わにしてみせた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「雄一……俺とお前が戦うのも、これが最後だ」

 

「何ィ……ッ!!」

 

『ショアァァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

ブレードがガルドバイザーを構え、その頭上でガルドブレイザーが吼え上がる。それでも、ライアサバイブは全く怯まなかった。

 

「俺は戦う……変えられなかった運命を、変える為に……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戦いの幕は、少しずつ下ろされ始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




リリカル龍騎StrikerS!


フェイト「浅倉とスカリエッティを、圧倒してる……!!」

夏希「これで終わりだ!!」

≪FINAL VENT≫

スカリエッティ「あぁ、私も欲しかったなぁ……その力……!!」


戦わなければ生き残れない!






浅倉「戦え……もっと戦えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」





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