リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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どうも。何とか次の話を書き上げました。

今回、第2回オリジナルライダー募集で告げていたゲストライダーの内、早速1人目が本格的に参戦します。

そして最近、今作の18禁小説でも書いてみようかと考え始めている自分がいます。
要望があれば書きますし、要望がなければ書きません……と言いたいところですが、早速リクエストが送られて来た為、たぶんいつか書くと思います(ぇ

それではどうぞ。

あ、オリジナルライダー募集はまだ続いていますので、参加してみたいと思った方は活動報告へどうぞ。











戦闘挿入歌:果てなき希望









エピソード・ファム 2

夏希が青年―――城戸真司の姿を偶然見かけてから数十分後……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「城戸も、この世界に……!?」

 

真司の目撃情報は、バイクの教習所に通っていた手塚にも伝わる事となった。この日の教習を終えて教習所の外に出た手塚は今、ティアナが繋げた映像通信を介して、夏希から連絡を受けているところだ。

 

「それで、城戸は今どこに?」

 

『わからない……たまたま見かけただけで、すぐ見失っちゃったから。だからさ、なのはやフェイト達にもこの事を伝えて、皆にも探すの手伝って欲しいんだ。次元漂流者がいるとなれば、管理局で働いてる皆も動かざるを得ないだろ?』

 

「……確かにな。俺の方から、ハラオウンと高町にも伝えておこう。奴の服装はわかるか?」

 

『アタシは後ろ姿を見ただけだけど、上に青いジャケットを着てたのは確かだよ。地球のお金はこのミッドじゃ使えないから、他の服を調達するのも簡単じゃないだろうし……まぁ、誰かの家に世話になっていたとしたら、また話は変わってくるけどさ』

 

「青いジャケット……わかった。見つかり次第、すぐに連絡する」

 

『よろしくね、海之』

 

映像通信が切れた後、手塚は教習所施設の壁に背中をつけ、小さく息を吐きながら空を見上げた。

 

「そうか……城戸、お前も来ていたんだな。この世界に……」

 

かつて共に戦ってきた人物も、自分達と同じようにこの世界にやって来ていた。その事実を知った事で、手塚は少なからず懐かしさを感じると同時に、どこか複雑な感情も抱いていく。

 

(この世界でも、お前は戦い続けるのか……? 終わりの見えない戦いを……)

 

元いた世界と違い、このミッドチルダでは戦いを終わらせる方法が見つかっていない。それでもあの男なら、人を守る為に、ライダーとして戦い続ける道を選ぶ事だろう。そうなれば彼はまた、どこかで傷付き、悩み、そして迷いを抱く事になるかもしれない。そう思ってしまうせいで、手塚は真司がミッドにやって来た事に対して、どうにも素直に嬉しく思う事ができずにいた。

 

「……ここで考えていても仕方のない事か」

 

とにかく今は、ミッドのどこかにいる真司と合流する事が先決だ。手塚はひとまず教習所からなのは達の住む家まで帰宅する事にしてから、移動中にコインを指で弾き、これから起こりうる運命を占えないかどうか試してみる事にした……しかし。

 

「……ッ!?」

 

彼は突然その場に立ち止まり、自身が弾いて受け止めたコインを見て大きく目を見開いた。動揺による物か、その瞳は大きく揺れ動いていた。

 

(馬鹿な、どういう事だ……!?)

 

 

 

 

 

 

「城戸の運命が……何も見えない(・・・・・・)だと……!?」

 

 

 

 

 

 

手塚は今まで、占おうと思えば様々な占いができていた。それなのに、この世界にいるであろう真司の事を占おうとした結果、今までなら見えていたはずの未来が何も見えず仕舞いだった。こういった事例は、過去にたった一度しか(・・・・・・・)体験した事がない。

 

(神崎優衣の時と同じだ……何故だ、何故見えないんだ……?)

 

何度コインを弾いたところで、結果は同じだった。何度占ったところで、何も見えない。手塚は珍しく動揺を隠せなかった。

 

「何故だ……オーディンが言っていた戦いの結末と、何か関係が……?」

 

残念ながら、彼がここでその答えに辿り着く事はできなかった。

 

 

 

 

 

 

彼がその答えに辿り着くには、まだもう少しだけ時間が必要になるだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻、とある路地では……

 

 

 

 

 

「ごはぁ!?」

 

1人のチンピラらしき青年が、何者かに殴られゴミ捨て場に薙ぎ倒されていた。殴られた青年が苦しそうに呻いているところに、帽子を後ろ向きに被った学生服の少年が呆れたような表情で近付いていく。

 

「だからさぁ、何度も言ってるよね? 大人しく僕に従ってくれたら、こんな力(・・・・)使って痛めつけたりはしないってさ」

 

「ぐっ……な、何なんだよお前……!? 俺が一体何したって言うんだ……!!」

 

「何度も言わせないでよ」

 

「ごぶ!?」

 

少年が右足を蹴り上げ、顎を蹴り上げられた青年がゴミ袋の山に倒れ伏す。そこで暴力をやめる事なく、少年は青年の頭を数回ほど踏みつけた後、しゃがみ込んでから彼の髪を掴み無理やり持ち上げる。

 

「これ以上ゴタゴタ言うんなら、もう1回半殺しにしてあげても良いんだよ? 手加減とか苦手だし、今度こそ間違えて殺しちゃうかもね」

 

「わ、わがっだ……従う、従うがら……もう、やめでぐ、れ……ッ」

 

「うん、それで良いんだよ。君は賢いね」

 

少年はニコニコと穏やかそうな笑みを浮かべてから、青年の髪を離してその場を立ち去ろうとする。しかし暴力を振るわれた青年からすれば、このまま少年の思い通りになる事など我慢できるはずもない。

 

(このガキ、ふざけやがって……ぶっ殺してやる……!!)

 

少年に見えないところで、ゆっくり立ち上がった青年は懐からこっそりナイフを取り出す。少年は青年がやろうとしている事にはまだ気付いていない。

 

「……舐めんじゃねぇぞクソガキがぁっ!!!」

 

青年はナイフを思いきり突き立て、少年の背中を刺そうと走り出す。そしてナイフの刃先が、少年の背中を貫こうとした次の瞬間……

 

 

 

 

 

 

「気付いてないと思った?」

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

『グゴォウッ!!』

 

「!? なっ―――」

 

建物の窓に映り込んだゴリラのようなモンスターが、少年を刺そうとした青年を捕まえ、一瞬でミラーワールドに引き摺り込んだ。青年の構えていたナイフが地面に落ち、その音を聞いて振り返った少年はゴミを見るかのような目で地面のナイフを見下ろす。

 

「馬鹿だなぁ。さっき僕が見せた力を見て、まだ歯向かおうとするんだ」

 

少年は落ちているナイフを拾い上げ、指先で器用にクルクル回す。そんな彼の表情には、物事が思い通りにいかない事に対する苛立ちが募っているようだった。

 

(マズいなぁ、思ってたより素直に従わない奴が多い……これだと、もうちょっと見せしめ(・・・・)が必要になりそうかな)

 

「あ、アキラさん!」

 

そんな時、ピアスを付けた金髪の青年―――エディが大急ぎで駆けつけて来た。エディから“アキラ”と呼ばれた帽子の少年もそれに気付き、クルクル回していたナイフを上手くキャッチしてからエディの方に振り返る。

 

「あ、エディじゃん。どう? 何とか見つかった?」

 

「は、はい! 例の写真の女ですが……何度か、この街で見かけた事がある奴がいて、そいつから情報を貰って来ました……!」

 

「! へぇ……ナイスだよエディ、でかした」

 

「あ、ありがとうございます!」

 

アキラは先程とは打って変わって上機嫌な笑みを浮かべ、彼から褒められたエディもまた、どこか恐縮と言った表情で精一杯笑ってみせる。しかしエディの見せた笑い方にはどこか、アキラに対する恐怖心のような物が僅かに滲み出ていたのだが、アキラがその事に気付いているかどうかは不明である。

 

「居場所は特定できたの?」

 

「す、少なくとも、この付近で暮らしている事は間違いないようです! 話を聞いた奴の内、何人かはこの女に恨みがある奴もいるみたいで……」

 

「ふ~ん、なるほど……OK、ちょっと他の皆も集めて来てよ。近い内に例の作戦(・・・・)を実行したいからさ」

 

「わ、わかりました! 今日中に声をかけときます!」

 

「うん、よろしくね~」

 

エディが焦っているかのように立ち去った後、アキラは写真に写っている人物を見てニヤリと笑みを浮かべ、写真をグシャリと握り締める。

 

「見た感じ、大して強くなさそうだし……今回は上手く行きそうかな」

 

アキラが握り締めた写真。そこに写っていたのは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かつて六課に保護される前の、スリを働いていた頃の夏希の姿だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――どう? 他の皆には声かけれた?」

 

「は、はい。ひとまず、スバルやギンガさん達にも連絡しておきました」

 

それから更に時間は経過した。夏希とティアナは一旦家に帰宅した後、夏希が夕飯の食材を順番に冷蔵庫に入れていっている間、ティアナは六課時代の仲間達に城戸真司についての情報を伝達。次元漂流者が他にもやって来ていると聞いたナカジマ姉妹も、すぐに捜索を開始する事にしたようだ。

 

「取り敢えず、今はスバル達から連絡が来るのを待ちましょう。このクラナガンで目撃したのなら、それほど遠くまでは移動していないはずです」

 

「……あ、うん。ありがとうティアナ」

 

若干ボーっとしていたのか、少し遅れて返事を返す夏希。真司の姿を目撃してからというもの、彼女はずっとこの調子であり、ティアナはここである事を聞いてみる事にした。

 

「夏希さん、ちょっと聞いてみても良いですか?」

 

「ん、何?」

 

「あぁいや、そんな大した事ではないんですけど……城戸真司って、どんな人なんだろうなと思って。六課の頃はあまり詳しくは聞きませんでしたから」

 

かつて手塚と夏希の過去を知った六課の面々だが、この時は手塚と夏希の過去に意識が向いていた為、城戸真司がどういう人物なのかについては「ライダー同士の戦いを止めようとしたけど、それが本当に正しい事なのかわからず迷っていた人物」という事以外あまり詳しく聞く事はなかった。そこでティアナは改めて、夏希の口から真司がどんな人物なのか聞いてみようと思ったらしい。

 

「……なんて事ない、普通の記者見習いだった奴だよ。一言で例えるとしたら……馬鹿だね」

 

「……へ? 馬鹿って……」

 

「うん、馬鹿だよ。文字通りの馬鹿」

 

真顔でスパッと言ってのける夏希。それにティアナは思わず呆気に取られてしまった。

 

「……と言っても、悪い意味でじゃないよ。強いて言うなら、不器用な意味の馬鹿ってところかな」

 

「不器用な意味で……ですか?」

 

「うん。海之も言ってたでしょ? 真司はライダー同士の戦いを止めようとしてたって。アタシが浅倉を倒そうとしていた時も、アイツはアタシ達の戦いを必死に止めようとしてた」

 

初めて真司と出会ったのは、自分が結婚詐欺を働いていた時だった。自分と同じ結婚詐欺師をターゲットに金目の物を狙っていた際、ついでに真司の財布もこっそり頂戴した事もあった(実際は小銭しか入っていなかったが)。その時の一件を切っ掛けに、夏希と真司はお互いにライダーである事を知った。

 

「最初はただ、真司の事は利用できる馬鹿としか思ってなかった。一度デートに誘って、油断してる間にアイツからカードデッキを盗もうとした事もあった……まぁ、これは結局バレて失敗したけどね」

 

最初はただ、真司の事は利用できる馬鹿としか認識していなかった。

 

浅倉を倒す為に、真司に共闘を持ちかけた事もあった。

 

真司からカードデッキを盗み、戦わずして彼を戦いから脱落させようと思った事もあった。

 

全ては自分の為……死んだ姉を生き返らせたいが為に取って来た行動だった。

 

しかし……

 

「なのに真司の奴……何度もアタシに騙されたってのに、その後も一緒に食事に付き合ってくれてさ。浅倉を倒す事ができたのは真司のおかげだって、アタシが勝手に勘違いしてたのもあるけど……その時からかな。真司の事を意識するようになったのは」

 

一緒にお好み焼き屋で食事を取った事。

 

その際、うっかり青のりの入った容器を飛ばしてしまい、他のお客さんに迷惑をかけてしまった事。

 

ちょっとしたトラブルではあったが……今思えば、そういった出来事もまた、今の夏希にとっては1つの小さな思い出になっていた。

 

真司と一緒だったからこそ、楽しかったと思える思い出だった。

 

もしこれが1人だったら、ここまで思い出になる事はなかった事だろう。

 

「どこまでも不器用な奴だったんだ。何度もアタシに騙された癖に、それでも懲りずにアタシの事を信じた。アタシの願いを知ってからも、まるでそれが自分の事であるかのように悩んでた。どこまでもお人好しな奴でさ……それが凄く嬉しいって思えたんだ」

 

自分でも気付かない内に、真司とは戦いたくないと思い始めていた。

 

このまま真司と一緒に、楽しい時間を過ごせていけたら良いのに。

 

その時から、自分も戦い続けるべきか悩むようになっていった。

 

……結局、最後は真司の偽物(・・・・・)に騙されて命を落とす結果となってしまったが。

 

「だからかな。街で真司の背中を見かけた時……嬉しいって思っちゃったんだ。また真司と会えるんだって……また真司と、楽しい時間を過ごせるかもしれないんだって」

 

過去の未練が残っているだけなのかもしれない。

 

それでも、自分の気持ちに嘘はつけなかった。

 

真司に対して抱いているこの淡い感情だけは、どうしても隠し通せそうになかった。

 

「まぁ、そういう訳だよ……って、あれ? ティアナ?」

 

気付いたら、目の前にあったはずのティアナの姿が消えていた。どこに行ったのか姿を探した夏希は、いつの間にかティアナがキッチンでブラックコーヒーを淹れている事に気付いた。

 

「ブラック飲んじゃってる!?」

 

「あ、すみません。話を聞いてる途中から段々、口の中が甘いと感じてしまったもので」

 

「え、あれ? もしかしてアタシ、途中から惚気に入っちゃってた?」

 

「聞いてもいない事まで勝手に話してましたよ。取り敢えず一言、ご馳走様です」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!? 忘れてお願い!! 今話した事は全部忘れて!!」

 

「嫌です」

 

「即答!?」

 

真司がどういう人物なのか聞いただけなのに、気付けば夏希の話は段々惚気話に変わっていき、その甘々っぷりは話を聞いていたティアナがブラックコーヒーを淹れて飲み始めるレベルだった。恥ずかしそうに顔を両手で隠す夏希の様子を見て、ティアナは「しばらくはこれで弱みを握ろうかなぁ」と思ってしまう始末である。

 

その時……

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

 

「「―――ッ!!」」

 

突如聞こえて来た、モンスターの接近を知らせる金切り音。夏希とティアナは一瞬で表情が切り替わり、夏希はすぐさまカードデッキを取り出しベランダの窓ガラスの前に立つ。

 

「夏希さん……!」

 

「うん、ちょっと行って来る……あ、さっきの話は忘れてよお願いだから!!」

 

「嫌です」

 

「また即答!? あぁもう……変身!!」

 

これからしばらくの間、ティアナに弱みを握られる事は確定したようだ。夏希は無意識の内に惚気話をやらかしてしまった事を内心で後悔しながらファムに変身するという、イマイチ締まらない空気の中ででモンスター退治に向かう羽目になるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

「―――!! モンスターか……」

 

帰宅中だった手塚も、モンスターの接近を金切り音で察知していた。彼も同じようにカードデッキを取り出し、近くの建物の窓ガラスにカードデッキを突き出してベルトを出現させる。

 

「変身!!」

 

ライアへの変身を完了させ、彼は周囲に人目がない事を確認してから窓ガラスに突入。ライドシューターに乗り込み、出現したモンスターの行方を探しに向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

 

 

 

 

「―――おっと、モンスターか」

 

そしてその金切り音は、帽子の少年―――アキラも同じように察知していた。彼は夏希の姿が写っている写真を懐にしまった後、代わりにゴリラの顔を模したエンブレムが刻まれた灰色のカードデッキを取り出す。

 

『グゴォォォォォ……』

 

「わかってるよ。ちゃんと餌は用意するから」

 

アキラはカードデッキを近くの窓ガラスに向け、出現したベルトを腰に装着する。そして拳の強く握り締められた右手を、下から振り上げるように前に突き出すポーズを取り……

 

「変身!」

 

カードデッキをベルトに装填。アキラの全身に鏡像が重なり、彼の姿を仮面ライダーの物へと変化させる。

 

上半身の頑強な装甲。

 

ゴリラの顔を模した頭部。

 

ゴリラのエンブレムが刻まれた下半身の前垂れ。

 

剛腕の力を有した密林の戦士―――“仮面ライダーアスター”は右手の親指と人差し指を擦る仕草を取った後、窓ガラスに触れるようにミラーワールドへと突入していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ミーン、ミーン、ミーン……!』

 

「いた、アイツか!」

 

ミラーワールド、街中のとある建物。狙いを定めた人間が近付いて来るのを待っているのか、セミ型の怪物―――“ソノラブーマ”は鳴きながら壁に張り付いてジッと待機していた。そこにライドシューターで駆けつけたファムは降りてすぐにブランバイザーを構え、大きく跳躍してソノラブーマの背中に斬りかかった。

 

「うぉりゃあ!!」

 

『ミミィッ!?』

 

背中を斬られたソノラブーマが地面に落下し、その近くに着地したファムはすぐにその場から駆け出しソノラブーマに追撃を仕掛ける。立ち上がったソノラブーマは両手の爪を振るい、ブランバイザーによる斬撃を上手く防御してファムを退けようとする。

 

「悪いけど、ちゃっちゃと倒させて貰うよ……っと!!」

 

『ミ、ミミッ……ミミミミミミミミミミミミミミミミ……!!』

 

「え……あ、れ、何だ……これ……眠気、が……!」

 

ブランバイザーを勢い良く突き立てられ、転倒したソノラブーマはすかさず強力な超音波を放射。催眠性のあるその超音波を間近で聞いてしまったファムは思わず眠気に襲われ、そこへ起き上がったソノラブーマが爪を振るい彼女の装甲を強く斬りつけた。

 

『ミミミッ!!』

 

「あだっ!? はっ危ない、うっかり寝ちゃうところだった……」

 

『ミミッ』

 

「あ、こら待て!?」

 

危うく眠ってしまいそうになったファムだが、ソノラブーマの攻撃を受けた事で何とか眠気を払う事に成功。しかしその隙にソノラブーマはどこかに飛び去ろうとしており、ファムは慌てて後を追いかけようとした……その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪ADVENT≫

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドォォォォォォォォォォンッ!!

 

『ミミミィッ!?』

 

「……へ?」

 

突然、どこからか飛んできた球状の爆弾がソノラブーマに命中し、撃墜されたソノラブーマが地面に落下していく。その光景を見たファムは、爆弾が飛んで来た方角へと視線を向ける。

 

「!? アレって……」

 

「よっと」

 

ファムが振り向いた先にある建物の屋根から、アスターが大きく跳躍して飛び降りて来た。ファムの隣に着地した彼はゆっくり立ち上がり、先程まで自分が立っていた建物の屋根に振り返る。

 

「追撃の方、よろしくね」

 

『グゴォッ!!』

 

『ミ、ミィ……ミミッ!?』

 

建物の屋根に立っているゴリラ型の怪物―――“スコングナックラー”はドラミングをした後、どこからか取り出した2つのココナッツ状の爆弾をソノラブーマ目掛けて投擲。その2つの爆弾は立ち上がろうとしていたソノラブーマに命中し、爆発を引き起こしてソノラブーマを再び転倒させる。その間にアスターはカードデッキから1枚のカードを引き抜き、そのカードを左手に持ち替えてから、ベルトの左腰に付いているカードホルダーのような形状の召喚機―――“剛召器(ごうしょうき)スコングバイザー”に差し込み装填を完了させる。

 

「逃げたりしないでよ? 探すの面倒だから」

 

≪STRIKE VENT≫

 

『ミミッ!?』

 

スコングナックラーの両腕を模したナックル―――“スコンググローブ”が飛来し、アスターの両腕に装着される。そのスコンググローブによるパンチがソノラブーマの顔面に炸裂し、怯んだところにアスターが連続でパンチを叩き込み建物の壁に叩きつける。

 

「凄い……」

 

アスターによってソノラブーマが一方的に追い詰められていく光景を前に、ファムはその場で呆然としたまま見ている事しかできなかった。そんな中、アスターは一度スコンググローブを放り捨て、1枚のカードを左腰のスコングバイザーに装填する。

 

≪FINAL VENT≫

 

『グゴォォォォォォォッ!!』

 

『ミ、ミ……ミィ!?』

 

電子音が鳴り響く中、建物の屋根から飛び降りたスコングナックラーがソノラブーマを殴りつけ、続けて繰り出したアッパーでソノラブーマを真上に高く打ち上げる。宙に高く打ち上げられたソノラブーマが落ちて来る中、再びスコンググローブを装備したアスターが真下で待機し……

 

「―――ハァッ!!!」

 

『ミッ……ミミィィィィィィィィッ!?』

 

アスターの突き出した両腕のスコンググローブがロケットパンチのように勢い良く発射され、飛んで行ったスコンググローブがソノラブーマに命中。大爆発を引き起こし、あっという間に倒され消滅してしまった。

 

「ほら、召し上がれ」

 

『グゴォォォォォォォ……!!』

 

その後、爆炎の中から出現したエネルギー体はスコングナックラーの方へと吸い寄せられ、そのままスコングナックラーが摂取。満足したスコングナックラーが立ち去って行く中、アスターは先程から近くで見ていたファムの方へと視線を向ける。

 

「さて……まさか、こんなところで会えるなんてね。探す手間が省けたよ」

 

「あ、えっと……アンタも、この世界に飛んで来たライダーなのか?」

 

「へぇ、君もそうなんだ。それじゃあ」

 

ファムはアスターに話しかけようとした……が、アスターはそんな彼女の反応を他所に、カードデッキから引き抜いた1枚のカードをスコングバイザーへと差し込む。

 

≪SHOOT VENT≫

 

「お姉さんには悪いんだけど……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここで死んでくれないかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――へ?」

 

ドカァァァァァァァァァンッ!!!

 

「ちょ……うわわわわわわわ!?」

 

アスターがそう言い切った直後。アスターが両肩に装備したショルダー砲―――“スコングランチャー”の砲身からココナッツ状の砲弾が発射され、ファム目掛けて飛来した。ファムが慌てて回避した後、飛んで行った砲弾は地面に着弾し大きな爆発を引き起こす。

 

「お前、いきなり何すん……うわたぁ!?」

 

いきなりの攻撃に怒るファムだったが、彼女の意志など知った事ではないアスターはスコングランチャーから連続で砲撃を放ち、彼女がいる周囲を次々と爆撃。彼女の逃げ道を確実に塞いでいく。

 

「逃がさないよ、お姉さん♪」

 

「くっ……きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

アスターは仮面の下で不敵な笑みを浮かべながら、スコングランチャーの砲撃を繰り返す。ファムの周囲がどんどん爆風に覆われていき、逃げ道を失ったファムはその爆風に巻き込まれてしまうのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continude……

 




今回は珍しく、占っても何も見えなかった手塚。
何故、この世界にいるであろう真司の運命を占えなかったのか?
その理由は……たぶん皆さんは勘付いていると思いますので、やはり今回も「何で真司の運命を占えなかったんだろう~(棒」みたいな感じですっとぼけといて下さい←

真司の人物像について語る夏希。気付いたら何か惚気話みたいな感じになっていました。取り敢えず真司と夏希は爆発すれば良いと作者は思っています。
ちなみに「リア充爆発しろ!」と思えるような展開は今後も増えていく予定だったり←

そして今回、ルーキさんが考案した【仮面ライダーアスター】が本格参戦。劇中では変身者の名前が【アキラ】となっていますが、まだ現時点で彼のフルネームは明かされておりません。
その為、フルネームが判明するまではこの表記で行かせて貰おうと思います。

え、「爆発オチなんてサイテー!」だって?
安心しろ、爆発オチは龍騎本編でも結構な頻度で起こってたから!←




そういえば書き忘れていましたが、戦闘挿入歌は『果てなき希望』と『Revolution』を使い分けて行く予定です。
『果てなき希望』は通常の野良モンスター戦などで流れやすく、『Revolution』が流れる時はほぼ確実にサバイブ形態が登場する……といった感じで。
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