リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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はい、すみません。更新がちょいと遅れました。

なけなしの貯金でPCを修理して貰い、無事に執筆を再開……したのは良いものの、今度は肝心の文章が思いつかず、無駄に時間がかかってしまいました。

そして何とか書き上げた結果、あんまり話の展開が進んでないという……あかん。

ちなみに、第2回オリジナルライダー募集は8月になると同時に締め切りました。募集に応じて下さった皆様、本当にありがとうございます!
ぶっちゃけ、予想してた以上に面白い設定を送ってくるものだから、今もどれを登場させるか悩みに悩んでおります。

それはさておき、ひとまず今回のお話もどうぞ。



エピソード・ファム 4

「また別のライダーがこの世界に……!?」

 

「うん、そゆ事」

 

手塚の助太刀もあり、仮面ライダーアスターとの戦闘から何とか逃げ切る事ができた夏希。ティアナに傷の手当てをされた彼女は数時間後に意識を取り戻し、自分がここまでの傷を負った原因であるアスターについて、ティアナに詳細を語る事にした。ちなみに「傷が治るまで安静に」とティアナに言われた為か、夏希はベッドに寝転がってティアナの剥いた林檎をシャクシャクと食している。

 

「襲って来た理由はわからない……けど、たぶんアイツはまた私達を狙って来ると思う。そこを何とかして海之と一緒に取り押さえるつもり」

 

「それなら、他の皆にもそのライダーの事は知らせましょうか?」

 

「ん~……その事なんだけどさ」

 

夏希はベッドから起き上がり、爪楊枝で刺した林檎に齧りつく。

 

「今は真司より先に、そのライダーを見つけた方が良いかな」

 

「え? どうしてですか?」

 

「あの手のライダーは、放っておくと何をしでかすかわからないからさ。被害を出してしまう前に、アタシ達で確実に捕まえなくちゃいけない」

 

インペラー。アビス。王蛇。オーディン。そしてスカリエッティが変身したオルタナティブ・ネオも含め、彼女がこのミッドチルダで出会ってきたライダーは、どいつもこいつも碌でもない奴が大半であり、むしろ手塚や雄一、健吾のような優しい性格のライダーの方が珍しいくらいである。アスターは間違いなく前者の部類に入ると見なした夏希は、余計な被害が出てしまわないよう、真司よりも先にアスターを探し出す方が先決だと判断していた。

 

「本当に良いんですか? その……真司さんの事は」

 

「真司ならきっと大丈夫だと思う。それにアイツの事だから、どうせそのライダーが何か悪い事してたら、自分から積極的に止めに行こうとするだろうし」

 

馬鹿みたいに良い奴な真司の事だ。もしアスターが人間を襲わせているところを目撃すれば、迷わずその悪行を止めようとするだろう。そんな光景が簡単に想像できてしまうくらい、夏希は真司に多大な信頼を寄せていた。それは話を聞いているだけのティアナにもわかるほどだった。

 

「……信頼してるんですね。真司さんの事」

 

「まぁね……っていうかティアナ? 何をそんなニヤニヤしてるのさ」

 

「いえ、別に? 夏希さんを弄るネタが1つ増えただなんて、これっぽっちも考えてませんよ?」

 

「今思いっきり言ってんじゃん!? ていうかさっきの話は忘れてって言ったよね!?」

 

「私だって言いましたよ。嫌ですって」

 

「えぇい、忘れろ!! 恥ずかしいから今すぐ忘れろ!!」

 

「ちょ、夏希さん暴れないで下さい!! 傷が悪化しますよ!?」

 

他の皆に……特にはやてに知られたら間違いなく今後も弄られる羽目になる。その可能性を危惧した夏希は、意地でも真司関連の記憶をティアナに忘れて貰おうと彼女に襲い掛かり、逃走したティアナと追いかけっこを開始する事となった。それから数分も経たない内に、傷の具合が悪化して余計に悶え苦しむ羽目になったのは当然の結果と言うべきだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『確か、そのゴリラのモンスターと契約したライダーの正体はまだ特定できてないんですよね?』

 

「そういう事になる」

 

翌日。この日もバイクの教習所に通っていた手塚は、なのはやフェイトから授かった携帯電話のような形状の通信端末を使い、執務官としての仕事に出向いているフェイトと連絡を取り合っていた。

 

「声や口調からして、健吾と同じ未成年の学生である可能性が高い。それらしい次元漂流者の情報が管理局にも流れて来てないか、調べて欲しいんだ」

 

『健吾君と同じ未成年……わかりました。情報が手に入り次第、すぐに連絡します。そういえば、夏希さんの方はもう大丈夫なんですか?』

 

「ランスターから聞いた話では、大した怪我ではないらしい。モンスターとの戦いに支障が出るほどのレベルではないそうだから、そこは安心して良い」

 

『そうですか。良かった……』

 

「……何にせよ、あのライダーが民間人に危害を加える可能性も捨て切れない。俺達で何とかして見つけ出さなければな……城戸もまだ、見つかってはいないんだろう?」

 

『……はい。色々調べて回ってはいますが、それらしい目撃情報もなくて』

 

「そうか……とにかく、城戸とそのライダーの件は頼んだぞ。こっちも色々調べて回るつもりだ」

 

『わかりました……あ、手塚さん』

 

「何だ?」

 

『その……気を付けて下さいね。ここ最近は犯罪が増えて、治安も悪化してきていますから』

 

「……そうだな」

 

フェイトが言うように、今のミッドチルダはJS事件を経てからというもの、少しずつ犯罪が増え始めた事で治安が悪化していく一方だった。そのせいでフェイト達もかなり仕事が忙しくなっており、思うように手塚達の手伝いができない状態にある。

 

「心配するな。今はサバイブの力もある。そう簡単には死なない」

 

『ですが……』

 

「ハラオウン達が……ヴィヴィオが悲しむような事には絶対にさせん。信じてくれ」

 

『……ずるいですよ、そんな言い方は』

 

手塚の向ける真っ直ぐな目を見て、フェイトは小さく苦笑いを浮かべた。かなりの心配性な彼女だが、手塚からそこまで言われてしまった以上、他に言葉を返す事もできなかった。

 

『本当に、気を付けて下さいね?』

 

「あぁ……とにかく、一旦切るぞ」

 

通信を切った手塚は休憩用の席に座り、自動販売機で買った缶コーヒーのプルタブを開いてコーヒーを喉奥へと流し込んでいく。そうしている間も、手塚の頭の中では真司の行方、アスターが襲いかかって来た理由など、様々な事柄について静かに思考を張り巡らせていく。

 

(あれから、何度占っても城戸の運命は何も見えなかった……何故なのか気になるが、今はあのライダーの対処を優先するべきか……)

 

「……お前は今、どこで何をしているんだ……城戸……」

 

コーヒーを飲んで一息つく手塚……そんな彼が座っていた席のテーブルに、近付いて来る人物がいた。その人物は手に持っていたヘルメットをゴトリとテーブルに置き、それに気付いた手塚はその人物を見て驚愕する。

 

「驚いたな。まさか2人揃って、同じ教習所に通っていたとは」

 

「ッ……二宮……!?」

 

手塚が驚愕の表情を浮かべる中、その人物―――二宮は手塚の隣の席へと座り、手に持っていた缶コーヒーのプルタブを開けて飲み始める。

 

「何故お前がここにいる……?」

 

「何故かだと? ここは教習所だぞ。ここに来てやる事なんてバイクの免許を取る事くらいだろうに」

 

「そういう意味では聞いていない。仕事を探すにしろ免許を取るにしろ、それをやるにはこの世界での戸籍情報が必要になる。管理局との接触を避けているお前が、どうやって戸籍情報を入手した」

 

「さぁ、何故だろうなぁ……そんな事はさておきだ」

 

敵意剥き出しな目付きで手塚に睨まれようが、まるで気にも留めていない二宮は缶コーヒーをテーブルに置き、懐から1枚の写真を取り出す。

 

「少しばかり、お前達の手も借りようと思ってな。本当ならあまり関わるつもりはなかったんだが、そういう訳にもいかなくなってきた」

 

「何……ッ!?」

 

二宮がテーブルに置いた写真……そこに写っていたのは、人込みの中を移動している青年―――城戸真司の姿。それを見た手塚が手に取って見入る中、二宮は再度缶コーヒーを口にしてから話を続ける。

 

「城戸真司……奴も今、このミッドチルダにやって来ているらしい」

 

「ッ……城戸……やはり来ているのか……!」

 

「へぇ……そんな事を言うって事は、お前達も既に知っていたか」

 

「……これを俺に見せて、何のつもりだ」

 

手塚は二宮に写真を放り、二宮もそれを手に取り懐にしまう。

 

「調べたところ、この街のあちこちで目撃情報があるらしい……だがそれだけだ。目撃してから尾行しても、何故か途中で必ず行方がわからなくなる。何故だと思う?」

 

「何が言いたい?」

 

「お前から見て、この状況をどう思う? お得意の占いでもやって確かめてみたらどうだ?」

 

「……それなら既にやってみせた。だが何も見えなかった」

 

「! 見えなかっただと……?」

 

「あぁ……何度占っても、何も見えなかった。こんな事は神崎優衣を占って以来だ」

 

「……なるほどな」

 

神崎優衣の名前を聞いた時、二宮の眉が一瞬だけピクリと反応した。手塚はそれを見逃さない。

 

「……二宮、お前は何か知っているのか?」

 

「さぁな。俺も詳しく知っている訳じゃない……だが、お前も心当たりはあるんじゃないのか? 占っても何も見えなかった理由が」

 

「心当たりだと……?」

 

「冷静に考えてみればわかるはずだ……お前が占った相手は人間か(・・・・・・・・・・・・)?」

 

「……何?」

 

二宮がさりげなく呟いた一言。それは手塚の表情を一変させ、後に彼が確信へと至る事になる物だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――くそぉっ!!!」

 

ガシャアンッ!!

 

場所は変わり、ある路地裏のゴミ捨て場。そこでは帽子を被った学生服の少年―――アキラが苛立った様子で、ゴミ捨て場のゴミ箱を乱暴に蹴り飛ばしている姿があった。周囲にゴミが散らばっていくのにアキラは目も暮れず、その後ろを彼の仲間と思われる不良達が怯えた様子で宥めに入る。

 

「お、落ち着いて下さいアキラさん!」

 

「そうですよ! 例の女なら、もうじき見つかるはずですから! それまでの辛抱ですって!」

 

「はぁ、はぁ……ッ……!!」

 

不良達が必死に落ち着かせようとするが、アキラはそれでも苛立ちを抑え切れずにいる。彼は振り向き様に不良達をギロリと睨みつけ、不良達は思わず「ひぃっ」と怯えた声を上げる。

 

「ねぇ」

 

「は、はい、何ですか?」

 

「君達はさぁ……僕の言う事、ちゃんと聞いてくれるよね? 裏切ったりなんかしないよね?」

 

「そ、それは……」

 

「し・な・い・よ・ね?」

 

「も、もちろんですよ!! 裏切ったりなんかしませんって!!」

 

「俺達だって、まだ死にたくありませんから!!」

 

「……そう」

 

アキラに凄い形相で迫られた不良達が恐怖で震える中、アキラはようやく落ち着きを取り戻したのか帽子を深く被り直し、近くの木箱に座り込む。

 

「念の為もう一度言っておくけどさ……僕はこの世界でも平和に暮らしたいんだよ。その為には他のライダーを1人残らず潰す必要がある。それはわかってるよね?」

 

「「「も、もちろんです!」」」

 

「そこで、僕は君達の力を見込んだんだ。君達なら僕の指示も順調にこなしてくれると信じてね……だからこそ、言う事を聞かない奴は邪魔なんだよ」

 

キィィィィィン……キィィィィィン……

 

『グゴォォォォォォ……』

 

「「「ッ……!!」」」

 

近くの窓ガラスに映り、不良達を睨みつけるスコングナックラー。それに気付いた不良達は恐怖に怯えて声を出す事もできない。

 

「信じて良いんだよね? 君達は僕を裏切ったりなんかしないって」

 

「「「は、はい!!」」」

 

アキラがにこやかな笑みを浮かべ、不良達は背筋を伸ばしながら大きな声で返事を返す。アキラはただ純粋に笑みを浮かべているだけだが、その笑みが不良達にとっては恐怖でしかなかった。

 

「アキラさん!」

 

その時、不良仲間のエディがアキラ達の下へ走って来た。

 

「あ、エディ。例の女は見つかった?」

 

「す、すみません、例の女はまだ見つかっていません……けど、それらしい情報は手に入れました……!」

 

「情報?」

 

「はい……その女と親しい仲の人間を、何人か見た事がある奴がいまして。そいつがたまたま、その写真を撮ってきたみたいです」

 

「ふぅん……?」

 

エディから受け取った写真を見たアキラは、先程の笑みとは違う不敵な笑みを浮かべる。

 

「そっかぁ……そこまで調べた後、たったそれだけで満足して僕の所に戻って来たんだ」

 

「あ……い、いや、その……」

 

「変身」

 

アキラはカードデッキを窓ガラスに向けた後、ベルトにカードデッキを装填してアスターに変身。振り返ったアスターがエディに迫り、エディは焦り始めた。

 

「ア、アキラさん、何を……ゴブッ!?」

 

アスターが裏拳をかまし、それを顔面に喰らったエディが地面に倒れる。そこへアスターが馬乗りになり、左手で彼の前髪を掴んでから右手で更に殴りつける。

 

「げふぁ!?」

 

「僕はさぁ。ここらの不良チームの中では君が一番有能そうだと思って、君に仕事を任せたんだよ? それなのにさぁ……ターゲットの女と親しい人間の情報を持ち帰るだけで、それだけで満足しちゃあ駄目じゃないか」

 

「ず、ずみば、ぜん……ッ!!」

 

「僕は君達に期待してるんだよ? その期待を裏切るのもやめて貰いたいところだよ……ねぇっ!!」

 

「おごぁ!?」

 

どうやら、収まったと思われた苛立ちは未だ収まってはいなかったらしい。アスターによって後頭部を地面に打ちつけられたエディは白目を剥いて気絶し、それを見たアスターはゆっくり立ち上がった後、一部始終を見て恐怖している他の不良達を見据える。

 

「でも、この情報を持って来てくれたのはナイスかな。せっかくだからこの娘(・・・)も例の作戦に利用させて貰おうかな」

 

「じ、じゃあ……」

 

「うん、この娘も探して来てよ。あの女を誘き寄せるのに使えるかもしれない……君達はちゃんと、僕の期待に応えてくれるかな?」

 

「「「わ、わかりました!」」」

 

アスターの指示を受け、不良達はすぐさま逃げ出すように散らばり始めた。アスターはカードデッキをベルトから引き抜き、アキラの姿に戻ってからもう一度写真に目を向ける。

 

「この娘には悪いけど、僕等の為に役立って貰うとしようか」

 

アキラが手に取った写真に写っていたのは、夏希と一緒に買い物を楽しんでいる少女……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラグナ・グランセニックの姿が、ハッキリと写り込んでしまっていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フンフンフ~ンフフ~ン~♪」

 

そのラグナ・グランセニックは今、買い出しを終えて帰宅しようとしているところだった。ルンルン気分で鼻歌を歌いながら、彼女は大好きな兄が待っている家まで帰ろうとしている。

 

しかし……

 

(……おい)

 

(あぁ、間違いない……あの女だ)

 

そんなラグナに、背後から複数の魔の手が迫り来ようとしていた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




実は全く同じ教習所に通っていた事が判明した手塚と二宮。二宮もいい加減、この広い街を移動するにはバイクが必要だと考えたようです。

次元漂流者である彼等は本来、この世界での戸籍を得る為には管理局に手続きをして貰う必要があります。しかし六課の面々と親しかった手塚と夏希はともかく、管理局に自身の存在を隠し通そうとしている二宮がどうやって戸籍を用意したのか?
それもいずれ判明させていく予定。

一方、本当なら自分より強いであろう不良達を恐怖させ、些細な理由で容赦なくボコってみせたアスター。
この傲慢な振る舞いは今に始まった事ではなく、既に何人かは同じようにボコられた事があります。その時の恐怖心もあって、彼等はアスターに逆らえずにいる訳です。

そんなアスターの魔の手が、今度は何も知らないラグナに伸びようとしており……さぁ、どうなる次回!?
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