今回も他作品の怪人達が大暴れです。
それではご覧下さいませ。
あ、ちなみに活動報告にて、諸事情からオリジナルライダー募集を再開させました。もし参加したい方がいれば活動報告までどうぞ。
「盗難事件が多発している?」
『その事で、手塚さんに伝えておきたい事があって』
ミッドチルダ国立博物館の事件から翌日。夕食の食材を買う為にスーパーまでやって来ていた手塚は、自転車のカゴに買い物袋を乗せて帰宅しようとしていた。その途中、フェイトから映像通信がかかって来た為、途中で自転車を止めてフェイトからの通信に応じる。
「本来なら、そういった事件は管理局の魔導師が担当する事になっているはずだ。それなのにこうして俺に連絡をしてきたという事は……ライダーか?」
『はい……ただ、今回はいつもと少し、状況が違うみたいなんです』
「? どういう事だ」
『まずは、これを見て下さい』
フェイトがそう言うと共に、手塚の目の前に1つの映像が映し出される。そこには博物館に泥棒として侵入したあの青年の姿、そこに突如現れた3体のカーバンクルの姿、そして青年がディエンドライバーを使って変身した仮面ライダーディエンドの姿が映し出され、手塚はそれらの映像を見て目を見開いた。
「これは……!?」
『昨夜、ティアナが遭遇した仮面ライダーと怪物の映像記録です。手塚さん達が変身しているライダーや、手塚さん達が戦っているモンスターとは明らかに違っているように感じたので……』
「……何者なんだ、この男は」
映像はまだ続いており、ディエンドが召喚したライオトルーパー達の姿、更にはディエンドライバーから強力な弾丸を乱射しカーバンクル達を撃破していくディエンドの姿も映し出される。そしてディエンドが透明化して姿を消したところで映像記録が終了した。
『やっぱり、手塚さんも知りませんでしたか……』
「……少なくとも、俺は元いた世界でこんな奴等と出会った事がない。俺の知るライダーは皆、カードデッキを使って変身するはずだからな。そうなると考えられるのは……」
『別の世界に存在する仮面ライダー……という事でしょうか?』
「並行世界なんて存在するくらいなんだ。俺達の知らない仮面ライダーが存在していたとしても、何らおかしくない。この妙な怪物達も恐らくそうだろう」
元々、自分や夏希が地球からミッドチルダにやって来たのだ。ディエンドやカーバンクルも恐らく、自分達と同じように別の世界からやって来たのだろうと、手塚は自分でも驚くくらい冷静に推理できていた。初めてミッドチルダにやって来た頃はしばらく驚きの感情が消えなかったのに、時間の経過は早いものだな……と手塚はしみじみと感じていた。
「ランスターが直接その男と遭遇したという事は、今頃彼女を通じて夏希にも伝わっている頃か。警戒を強めておいた方が良さそうだな……その男、一体何の為に博物館に現れたんだ?」
『ティアナの話だと、この男は盗み出そうとしていた展示品を“お宝”と呼んでいたそうです。ですが、その展示品は実は既に盗まれていたみたいで……』
「既に盗まれていた? その男が盗んだんじゃなく?」
もしそれが真実なら、この青年以外にも泥棒として博物館に侵入した人物がいるという事だ。カーバンクルの存在といい、この事件はそう簡単に解決できるレベルではなさそうだと手塚は判断する。
「何にせよ、まずはその男を見つけなければ始まらないか……」
『盗みに入っている時点で、私達がこの男を捕まえなければならないのは変わりありませんしね。もしこの男と遭遇する事があったら、手塚さんも気を付けて下さい。恐らく、只者ではないでしょうから』
「あぁ、気を付けよう……ところで、今日は帰れそうにないか?」
『……そうなんです』
手塚がそう聞いた途端、フェイトが急激に落ち込み出す。言い出した後に「しまった」と思う手塚だったが時既に遅く、彼女は低い声で淡々と喋り始めた。
『この男と妙な怪物達のせいで、執務部での仕事量が増加してしまいまして……帰れるとしても、日にちを過ぎてでの帰宅になりそうなんですよねぇ……この調子だと、まだしばらく帰りが遅くなる日が続きそうで……』
「……すまない、聞いた俺が悪かった」
『良いんですよぉ、手塚さんは何も悪くありませぇん……悪いのは全部……フフ、フフフフフフフフフ腐フフフフフフ……』
(……重症だなこれは)
ただでさえ連続失踪事件も解決できていないというのに、そこに謎の仮面ライダー、謎の怪物達まで現れたせいで執務部の仕事量も増加してしまい、フェイトの苦労は凄まじい物となっている。笑い方の時点で既に彼女がいくらか壊れかけていると判断した手塚は、彼女が帰って来た時に備えて暖かい手料理を作ってあげなければと、心の内で小さく決心していた。
「大変だろうが、体調だけは崩さないようにな。帰って来た時の為に、美味い料理を作っておいてやる」
『が、頑張りまぁ~す……』
通信が終わる最後まで、フェイトは元気を取り戻す事はなかった。これは体調面の管理だけでなく心のケアも必要かもしれない。何とかしてやれない物かと考えながら自転車を漕いでいる手塚が、ちょうど公園の近くを通りかかろうとした時だった。
「あ、手塚さん!」
「!」
そんな彼に声をかける人物がいた。長い青髪を靡かせながら、その女性局員―――ギンガ・ナカジマは笑顔で手塚の傍まで駆け寄って行く。
場所は変わり、某リゾートホテル……
「別世界の仮面ライダーだと?」
『そうだ』
プライベートプールのビーチチェアで寛いでいた二宮は、プールの水面に映っているオーディンが告げた言葉に眉を顰めていた。彼が手にしているのは、博物館に姿を現したというディエンドが写っている写真。
『どうやら奴は、このミッドチルダで何かを探しているらしい。そこでだ』
「また俺に調査しろってか……そういうのは俺じゃなく、手塚や霧島に頼む事はできないのか?」
『文句は受け付けん。そもそも、文句を言っている余裕などないぞ』
「何? どういう事だ」
『また新たなライダーが確認された』
面倒臭そうにしていた二宮の表情が、オーディンのその一言で切り替わる。
「……今度は一体誰だ」
『素性はまだわかっていない……だが、今回重要なのは素性ではない。そのライダーが所持している物だ。アレだけは何としてでも回収するか、破壊しなければならない』
「お前がそこまで言うとはな。どんなブツだ?」
『お前なら、何となく想像はつくはずだ。ここ数日、ミッドのあちこちで発生している怪物共の事を考えればな』
「! ……そういう事か」
そのヒントで事態の重要性を理解したのか、二宮は隣のテーブルに置いていたアビスのカードデッキを掴み取り、ビーチチェアから立ち上がる。
「ドゥーエには何て伝えれば良い?」
『彼女にはこのまま、例の
「ドゥーエの手は借りれそうにないか……全く、今まで以上に厄介なのが入り込んで来たな。面倒極まりない」
二宮は溜め息をついてから、懐から通信端末を取り出して起動し、何者かに通信を繋げ始めた。
「……あぁ、俺だ。ちょっとばかり頼まれてくれないか?
「じゃあ、手塚さん達も既に知っているんですね。例のライダーの事」
「あぁ。大まかにだが、ハラオウンから事情は聞いている」
一方、手塚は帰宅中に通りかかった公園でギンガと対面し、公園のベンチに座って彼女と話をしていた。昨夜の博物館での一件を含め、ギンガはミッドチルダのあちこちで発生している盗難事件について聞き込み捜査をしていたらしく、その道中でたまたま手塚を発見し、彼に声をかけてみる事にしたようだ。
「そっちでは何か、判明している情報はないか?」
「例の仮面ライダーについては、残念ながら何も……ただ、モンスターとは違う怪物についてなら、何件か目撃情報があります」
ギンガが右手を翳し、いくつかの画像が映し出される。そこにはフェイトにも見せて貰ったカーバンクルの画像を始め、全身が灰色の怪物、妖怪のような姿の怪物、ボディ各部に星座の意匠を持った怪物、胸部のプレートに番号が刻まれている怪物など、現時点で発見されているだけでも怪物の種類は様々だった。
「こんなにたくさんいるのか……!」
「それも厄介な事に……これらの怪物は全て、
「一般人にも目撃されている……つまりはそういう事だからな」
ミラーワールドのモンスターは一般人には見えない。しかし画像の怪物達は一般人にも見えている。通常のモンスターと違うという事は、この怪物達は
「現在、私の所属している108部隊でもこの怪物達を捜索中です。手塚さんも、もしこの怪物達と遭遇した時は気を付けて下さいね」
「あぁ、そうさせて貰う……ところでギンガ。最近、
ここで、手塚はとある話題に切り替えた。手塚の告げた“
「雄一さんにルーテシアちゃん、それに元ナンバーズの皆も、全員元気にやっていますよ。元ナンバーズで最年長のチンクと一緒に、雄一さんが皆を引っ張りながら頑張っています」
「そうか。変わらず元気でいてくれているなら何よりだ」
現在は元ナンバーズの面々やルーテシアと共に、専用の更生施設で更生カリキュラムを受けている雄一。彼の話題が出た途端に手塚が笑顔を浮かべている辺り、雄一達が上手くやれているかどうか、手塚も少なからず気になってはいたのだろう。そんな彼の心配性な一面を見て、ギンガも思わずクスリと笑みを浮かべた。
「雄一さん達の事、心配でしたか?」
「してないと言えば嘘になる……だが、余計な心配だったようだな。ギンガの話を聞いてわかった」
「それなら良かったです……あ、そうだ。もし手塚さんの都合さえ良ければ、また今度覗きに来てみますか?」
「そうだな。もし可能だったら、ぜひ覗いてみるとしよう。今の内に予定も確認しなければ」
雄一達の現在について話している内に、2人の表情も次第に明るくなっていく。何も事件が起きず、誰もが平穏に過ごせる平和な時間。そんな時間がいつまでも続いてくれたら、どれだけ幸せだろうか。そんな事を考えながらギンガと語り合う手塚だったが……そんな時間は、突如として終わりを告げる事になる。
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
「「―――ッ!?」」
突然聞こえて来た女性の悲鳴。それを聞いた手塚とギンガはすぐに表情が切り替わり、急いで悲鳴の聞こえて来た方角へと駆け出す。そして2人が向かおうとしている先から、最初に聞こえた女性だけでなく、多くの一般人の悲鳴が次々と聞こえ始める。
「ッ……手塚さん!!」
「!? アレは……!!」
2人が見据えた方角。その先で次々と発生する爆発音、逃げ惑う人々、そしてこの現状を作り出している元凶達の姿が確認された。
「グルァァァァァァッ!!」
「ガルルルル……!!」
「シュアァァァァ……!!」
「フフフ……」
蟹の特徴を持った、全身がステンドグラス状になっている怪物―――“クラブファンガイア”。
虎の特徴を持った、全身が灰色になっている怪物―――“タイガーオルフェノク”。
エイの特徴を持った、背中に小さな羽根を生やした怪物―――“スティングレイロード”。
白鳥の特徴を持った、ボディに星座の意匠を持つ怪物―――“キグナス・ゾディアーツ”。
4体の怪物は人々が逃げ惑う中、周囲の道路や公共物を破壊しながら1台の黒いリムジンを付け狙う。リムジンの陰には逃げ遅れた2人の人物が身を潜めていた。
「お嬢様、お逃げ下さい!! この場は私が……!!」
「無茶よスーマン!? あなたも一緒に逃げ―――」
「「「「「シャアァッ!!!」」」」」
「ぬおぉ!?」
「きゃあぁぁぁぁぁっ!?」
怪物達が口や手などから一斉にエネルギー弾を連射し、リムジンの周囲で小さな爆発が次々と発生する。その衝撃を受けた事で、怪物達を相手どろうとしていた執事らしき老齢の男性が怯み、金髪の縦ロールが特徴の少女がしゃがんで頭を抱え込む。怪物達が続けてリムジンを攻撃しようとしたその時……
「ブリッツキャリバー!!」
≪Tri Shield≫
「「「「!? グァッ!?」」」」
バリアジャケットを纏ったギンガが大急ぎで駆け付け、目の前に張った魔法陣を盾にする事でエネルギー弾を全て防ぎ切り、怪物達に跳ね返す。そこへ更にエビルウィップの一撃が飛来し、怪物達を纏めて押し退けた。
「時空管理局です!! 急いで避難して下さい!!」
「おぉ、助かります……!!」
「あ、ありがとうございます!!」
ギンガが防御魔法を張っている間、執事の男性と金髪の少女が一緒にその場から避難する。一方、エビルウィップを構えたライアは4体の怪物と正面から対峙する。
「お前達、何者だ? 何が目的で動いている」
「ガルルルルル……!!」
「シュアァッ!!」
「ッ……言葉は通じないか……!!」
ライアの問いかけにも一切聞く耳を持たず、4体の怪物は同時に襲い掛かって来た。ライアはタイガーオルフェノクの振るう爪をかわし、剣を構えて迫って来たスティングレイロードの腹部に蹴りを喰らわせる。
「フン!!」
「くっ……このぉ!!」
≪Knuckle Bunker≫
「グァッ!?」
ギンガの方にはキグナス・ゾディアーツが襲い掛かり、彼女目掛けて無数の羽根を放つ。ギンガはそれをかわすと同時に、左腕に装備したリボルバーナックルをキグナス・ゾディアーツの胸部に向かって叩きつけ、そこから撃ち込まれる衝撃でキグナス・ゾディアーツに大きなダメージを与えていく。
「シャアッ!!」
「!? 危ない!!」
「きゃっ!?」
そこにクラブファンガイアが口から大量の泡を噴きかけ、それに気付いたライアが素早くギンガを庇い泡攻撃を回避する。避けられた泡は近くのオブジェクトにかかり、オブジェクトはジュワジュワと音を立てながらドロドロになって溶け始めた。
「ッ……一瞬で溶けて……!?」
「あの攻撃は当たるとマズいな……うぁっ!?」
「グルァッ!!」
「手塚さ……あぐっ!?」
「ハァ!!」
タイガーオルフェノクの爪がライアの胸部に命中し、キグナス・ゾディアーツのキックがギンガの背中に炸裂。2人が同時に倒れ、そこに怪物達が一斉に襲い掛かろうとしたその時……
ズガガガガァンッ!!!
「「「「グワァッ!?」」」」
「「……!?」」
「なるほど、コイツ等の狙いはさっきの女の子か」
無数の銃弾が命中し、怪物達を転倒させた。起き上がったライアとギンガが振り返る先では、ディエンドライバーを構えた白い帽子の青年が立っていた。
「!? お前は……!!」
「ティアナが見つけた泥棒……!?」
「泥棒じゃない、海東大樹だ……とにかく、僕がお宝を探そうとすると、何故かコイツ等が行く先々に現れる。つまりコイツ等の周囲を探れば、いずれ最高の“お宝”を見つけられるという事だ」
≪KAMEN RIDE……≫
白い帽子の青年―――“海東大樹”はディエンドライバーにカードを装填し、銃身をスライドさせる。そしてディエンドライバーの銃口を真上に上げ……
「変身!」
≪DI・END!≫
数枚の青いプレートが射出され、海東の周囲を複数の影が動き回る。それらが海東の姿と重なり、青いプレートが全て頭部に刺さるように仮面を形成していき、仮面ライダーディエンドへの変身が完了された。
「お前……何が目的だ?」
「何度も言うように、お宝の為さ。僕の邪魔だけはしないでくれたまえ……はっ!!」
「「「「グワッ!?」」」」
ライアの問いかけに軽い態度で答えたディエンドは、迫り来ようとする怪物達を銃撃で怯ませる。その隙に彼は左腰のカードホルダーから2枚のカードを引き抜き、それを順番にディエンドライバーに装填していく。
「助っ人は貸してあげるから、この場はよろしく」
≪KAMEN RIDE……LAZER!≫
≪KAMEN RIDE……IDUN!≫
「「!?」」
電子音が鳴り響く中、ディエンドは銃身のスライドされたディエンドライバーから複数の影を射出。複数の影はしばらく周囲を動き回った後、2人の戦士の姿を形成してみせた。
鎧武者のような装甲を纏ったゲームの戦士―――“仮面ライダーレーザー・チャンバラバイクゲーマーレベル3”。
赤い林檎のような装甲を纏った果物の戦士―――“仮面ライダーイドゥン・リンゴアームズ”。
2人の戦士はディエンドにされた後、それぞれの武器を構えて怪物達と対峙する。
「ライダーを召喚した……!?」
「これが、ティアナの言っていた……」
「それじゃ2人共、行ってらっしゃい」
「ヘ~イ♪ ノリノリで行っちゃうぜぇ~!!」
「ハァァァァァッ!!」
レーザーはノリの軽い口調で両手の鎌状の武器―――“ガシャコンスパロー”を構え、イドゥンは左手に構えた林檎型の大楯―――“アップルリフレクター”から林檎の芯を模した長剣―――“ソードブリンガー”を引き抜き、同時にその場から駆け出した。レーザーとイドゥンが怪物達と対峙する中、ディエンドはすぐさまどこかに立ち去ろうとする。
「待て、どこに行くつもりだ……!!」
「言っただろう? 僕の邪魔だけはしないようにって。ほら、僕の相手をしてる暇はないんじゃないかい?」
「グルアァッ!!」
「!? くっ……!!」
ディエンドがライアの後ろを指差し、ライアが振り返った直後にクラブファンガイアが襲い掛かり、ライアはエビルバイザーで素早く防御。その隙にディエンドはどこかに立ち去ってしまい、タイガーオルフェノクの攻撃をかわしたギンガがライアの隣に並び立つ。
「手塚さん、さっきの泥棒は……!?」
「あの男、『
「ッ……わかりました、お気を付けて!!」
ライアの言いたい事を理解したのか、ギンガはすぐに離脱し、先程避難させた老齢の男性と金髪の少女を探しに向かい始めた。それを確認したライアが改めて目の前に立ち塞がったスティングレイロードと向かい合った時、リムジンの窓ガラスから飛び出して来たファムがスティングレイロードに飛び蹴りを炸裂させた。
「ギシャアッ!?」
「うわっとと……な、何だコイツ等、モンスターとは違う……!?」
「夏希、手を貸してくれ!! すぐにコイツ等を殲滅する!!」
「あ、海之……って何あのライダー達!? え、何、どういう事!?」
「説明は後だ!!」
状況がイマイチ把握できていないファムを引き連れ、ライアも怪物達と相対する。ライアとファム、レーザーとイドゥンがペアを組んで怪物達と乱戦を繰り広げる中……その様子を、破壊された瓦礫の物陰から密かに眺めているライダーがいた。
「ククク……面白くなってきた」
≪ADVENT≫
『―――ショアァァァァァァァァッ!!』
「「ッ!?」」
その時だった。リムジンの窓ガラスから飛び出して来た鷹のような怪物―――“ラプターウイング”が翼を広げ、複数の羽根を弾丸のように放ち始めた。地面に刺さった羽根が次々と爆発を起こし、ライダー達だけでなく怪物達も巻き込んでいく。
「「「「ガァアッ!?」」」」
「ッ……嘘だろ、こんな時にモンスターかよ!?」
「くそ、何て最悪な……!!」
『ショアァァァァァァァッ!!』
「なっ……ぐあぁ!?」
「きゃあっ!?」
「へ? どわぁ!?」
「くぅ!?」
「「「「グワァァァァァァッ!?」」」」
ラプターウイングが強力な突風を発生させ、ライアとファム、レーザーとイドゥンの4人が吹き飛ばされて無理やりミラーワールドまで飛ばされる。続いて残る怪物達もラプターウイングの突進を喰らい、纏めてミラーワールドに引き摺り込まれてしまった。
「えっと、確かこの先に逃げて行ったはず……!!」
一方、ギンガはライアの言葉通りに従い、先程避難させたばかりである老齢の男性と金髪の少女を捜索していた。何故その2人を探さなければならないのか理由はわかっていないものの、ライアが焦ったような口調で頼み込んで来た事から、只事でない事だけは彼女も理解しており、既に108部隊本部に救援も要請している。
「あ、いた! あそこに……ッ!?」
その瞬間、ギンガはライアの頼みを聞き入れて正解だった事を理解した。彼女が見つけたその2人は、ちょうど前方で1体の怪物に襲われそうになっていたからだ。
「スーマン、大丈夫!?」
「ぬぅ……お嬢様に、手出しはさせんぞ……ッ!!」
「フン……!!」
金髪の少女を守り通すべく、老齢の男性が怪物の前に立ち塞がる。そんな老齢の男性に対し、犀の特徴を持った頑丈な鎧の怪物―――“ライノイマジン”が迫り、右手に持っているフレイルを勢い良く振り下ろそうとした。
「させない!!」
「ヌォッ!?」
ギリギリのところでギンガが間に合い、リボルバーナックルでライノイマジンの顔面を殴りつける。殴られたライノイマジンが怯んで後退し、ギンガは2人の周囲にバリア型の防御魔法を張り巡らせる。
「あなたはさっきの……!!」
「おぉ、一度ならず二度も救って下さるとは……!!」
「ご安心下さい、救援もすぐに駆け付けますから!! あの怪物の相手は私が引き受けます!!」
「ヌゥゥゥゥ……フンッ!!」
リボルバーナックルで思いきり殴られたにも関わらず、ライノイマジンはすぐに体勢を立て直し、ギンガ目掛けて襲い掛かって来た。ライノイマジンが振り回すフレイルを回避したギンガは、振り上げた右足のブリッツキャリバーのローラーを高速回転させ、ライノイマジンの顔面に押し当てるように攻撃する。
「グゥゥゥゥゥゥゥッ!?」
「よし、効いてる……これなら!!」
しかし、そう簡単に倒せる相手ではなかった。
「グ、ヌ……ヌアァァァァァァッ!!」
「!? しまっ……がはぁ!?」
ライノイマジンは持ち前のパワーでブリッツキャリバーを無理やり押し退けた後、振り回したフレイルの一撃をギンガの腹部に炸裂させた。強烈な一撃を喰らったギンガは口から血を吐き、地面に叩きつけられてしまう。
「局員さん!!」
「ッ……コイツ、なんてパワーなの……!!」
「ヌゥンッ!!」
ライノイマジンがフレイルを振り下ろし、ギンガは両腕をクロスさせてそれを防御する。しかしライノイマジンの方が僅かにパワーが上なのか、少しずつギンガを後退させていく。
「させない……この人達を死なせるもんかぁ……!!」
それでもギンガは両足のブリッツキャリバーで踏ん張り、何とかライノイマジンを押し退けようとする。2人のパワー対決が拮抗状態になりかけていた……その時だった。
キィィィィィン……キィィィィィン……
『―――シャッ!!』
「!? グ、ヌォオッ!?」
「……え?」
突如、近くのカーブミラーから伸びて来た1本の白い糸が、ライノイマジンの首元に巻きつき、そのままライノイマジンをミラーワールドに引き摺り込んでしまった。戦闘中だったライノイマジンが突然いなくなり、ギンガは思わずポカンと呆けてしまった。
「い、今のは一体……?」
「―――グゥッ!?」
そのライノイマジンは今、ミラーワールド内の住宅街まで引き摺られていた。ライノイマジンの首元には未だ白い糸が巻きついており、そこへ更に複数の白い糸が巻きつき、ライノイマジンの手足を封じていく。
『シャアァァァァァァァァ……シャッ!!』
「ヌ、グワァ!?」
そのまま引っ張られたライノイマジンは、白い糸を吐いて来た赤い巨大蜘蛛の怪物―――“ディスパイダー・クリムゾン”に下半身を咥えられ、そのまま近くの建物に力強く叩きつけられた。そこからディスパイダー・クリムゾンは何度もライノイマジンを建物や地面に叩きつけ、ペッと吐き捨ててから再び白い糸を巻きつけ、勢い良く振り回してから地面に叩きつけた。
『シャアッ!!!』
「グワァァァァァァァァァァァッ!!?」
強烈な攻撃を何度も喰らい、ライノイマジンは呆気なく爆散してしまった。ライノイマジンの消滅を確認した後、ディスパイダー・クリムゾンは建物の壁に張り付き、そのままどこかに去って行ってしまった。
「ヒュ~♪ オーケーオーケー、よくやってくれたよディスパイダー」
その一部始終を、とある住宅の屋根に座りながら見ているライダーがいた。
蜘蛛の巣のような形状をした赤い胸部装甲。
蜘蛛の顔を模した両腕の小型射出装置。
左太ももに装備された蜘蛛型の召喚機。
そしてカードデッキに刻まれた蜘蛛のエンブレム。
その赤いライダーはディスパイダー・クリムゾンがライノイマジンを撃破する光景を見て、満足そうな様子でその場から立ち上がる。
「取り敢えずこれで、彼女達はピンチを切り抜けられたかな? じゃ、ひとまず俺も退散しよっかね」
そのライダーは右腕の射出装置から白い糸を射出し、糸の先端が大きな建物の壁に張り付く。その張り付かせた白い糸を使い、そのライダーは建物の合間を飛び回るかのようにどこかへ去って行くのだった……
To be continued……
今回登場した怪人は以下の通り。
『仮面ライダーアギト』からスティングレイロード(個体名はククルスの方)。
『仮面ライダー電王』よりライノイマジン。
『仮面ライダーキバ』よりクラブファンガイア。
『仮面ライダーディケイド』よりタイガーオルフェノク。
『仮面ライダーフォーゼ』よりキグナス・ゾディアーツ。
これら全て、龍騎に登場するライダー達と同じ生物をモチーフにしています(それぞれライア、ガイ、シザース、タイガ、ファム)。
続いてディエンドが召喚したライダー達。
『仮面ライダーエグゼイド』より仮面ライダーレーザー。
『仮面ライダー鎧武』より仮面ライダーイドゥン。
何故この2人を召喚したのか?
結構細かいネタが含まれているので、気になる人はぜひ探してみて下さい。
そしてラストシーンにて登場した謎の蜘蛛型仮面ライダー。
彼の詳細については、またいずれ。