リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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はい、8話目です。

今回の話を書いていて気付きました。自分、戦闘シーンを書いている時が一番筆が進んでいるという事実に←

まぁそれはさておき、今回もどうぞ。

今回は“彼”が再び参戦します。












戦闘BGM:果てなき希望








エピソード・ディエンド 8

≪ATTACK RIDE……BLUST!≫

 

「はぁっ!!」

 

「ぬ……ぐおぉぉぉぉっ!?」

 

アルファード家の屋敷、その中庭にて始まった戦い。まずはディエンドライバーの銃口から複数の銃弾が発射され、回避しようとしたベルグを追尾して次々と命中していく。怯んで地面を転がされたベルグはすぐに起き上がってラプトバイザーを構え直す。

 

「貴様は特に厄介な存在だ、確実に潰す……!!」

 

「どうかな? 君じゃ僕には勝てない」

 

「ほざけぇ!!」

 

≪SWORD VENT≫

 

ラプトバイザーにカードを装填し、ラプターウイングの羽根を模した長剣―――“ラプターソード”を2本も召喚したベルグ。二刀流でディエンドに斬りかかり、ディエンドは繰り出して来る斬撃をディエンドライバーで的確に防御しながら反撃の隙を窺う。

 

「グルアァッ!!」

 

「危なっ!? たく、また厄介そうなの呼び出したな……変身!!」

 

その一方で、離れた位置ではグリラスワームが振るう左腕の爪をかわした夏希が屋敷の窓ガラスにカードデッキをかざし、変身ポーズを取る余裕もないまま夏希はファムに変身。再び左腕の爪を振るって来たグリラスワームの攻撃をブランバイザーで応戦する。

 

「ギシャシャシャシャアッ!!」

 

「ッ……コイツ、今までの奴等と違う……!!」

 

しかし、グリラスワームの戦闘力は今までの怪人達とはレベルが違っていた。持ち前のパワーでファムのブランバイザーを力ずくで押し返し、左腕の爪で的確にファムの装甲を斬りつける。爪を回避してからブランバイザーで斬りかかろうにも、空いている右腕で斬撃を受け止められ、腹部に蹴りを浴びせられる。

 

「グルァッ!!」

 

「この……ぐあぁ!?」

 

更には両肩から伸ばした鉤状の触手でファムを捕縛し、そこに左腕の爪で強烈な一撃を喰らわせてしまう。倒れたファムの背中をグリラスワームが踏みつけ、そこに左腕の爪を振り下ろそうとしたが……

 

「「させない!!」」

 

「!? ガアァッ!?」

 

グリラスワームの左腕を銃弾が弾き上げ、腹部がガラ空きになったところをギンガがリボルバーナックルで力強く殴りつけた。殴られたグリラスワームが少しだけ後ずさりする中、ティアナはクロスミラージュを構えてグリラスワームと対峙し、ギンガは倒れているファムの手を掴んで起き上がらせる。

 

「夏希さん、微力ながら助太刀します……!!」

 

「ありがとう、助かる!!」

 

≪SURVIVE≫

 

起き上がったファムはサバイブ・烈火のカードを引き抜き、変形したブランバイザーツバイに装填。炎に全身を包まれてファムサバイブとなり、ギンガとティアナがグリラスワームを引き付けている間に次のカードを装填。ブランシューターを展開し、グリラスワームを狙い撃つ。

 

≪SHOOT VENT≫

 

「はぁ!!」

 

「シャアッ!!」

 

しかしブランシューターの狙撃に気付いたグリラスワームは矢を回避し、その場から一瞬で姿を消す。それによりギンガのリボルバーナックルによるパンチもかわされてしまった。

 

「な、消えた……うわ!?」

 

「!? どこに……きゃあっ!?」

 

「ギンガ、ティアナ……ぐうぅ!?」

 

直後、3人の周囲をグリラスワームが目に見えない速度で動き回り、ギンガ・ティアナ・ファムサバイブの順に強烈な攻撃を浴びせ始めた。あまりに速過ぎるグリラスワームの攻撃に対応できなかった3人が地面に倒れ、動きを止めたグリラスワームが再び姿を現す。

 

「シャアァァァァァ……!!」

 

「くっ……コイツ、速い……!!」

 

「クロスミラージュ、今の見えた……!?」

 

≪サーチ不能、奴の速さは光の速度にも達しています……!!≫

 

「はぁ!? 何だよそれ、反則過ぎるだろ!?」

 

「シャアッ!!」

 

「「「きゃあぁっ!?」」」

 

その後もグリラスワームは右手の拳を握り締める仕草を見せてから、再び素早く動き回り始めた。デバイスの機能でもグリラスワームの動きを探知できず、3人は一方的に攻撃され続けてしまう。

 

「な、なんという速さ……!?」

 

「そんな……いくら何でも強過ぎます……!!」

 

「ッ……奴の動きを封じる術はないのか……!!」

 

あまりに速過ぎるグリラスワームの動きに、物陰に隠れながら見ていたロザリーとスーマンは驚きを隠せず、手塚はこの状況を打破する方法が思いつかず焦りだけが募っていく。その間も、グリラスワームの攻撃を受け続けた3人は地面を転がされ、そこにグリラスワームが迫り来る。

 

「グルァァァァァァ……!!」

 

「ッ……くそ、一体どうすれば……!?」

 

「デバイスでもサーチできないんじゃ、どうしようも……!!」

 

「……ギシャアッ!!!」

 

倒れて動けないファムサバイブとティアナにトドメを刺すべく、グリラスワームは両肩の触手を伸ばし、その先端の鉤が2人を貫こうとした……その時。

 

 

 

 

ドスゥッ!!!

 

 

 

 

「ぐ、あぁ……ッ!!」

 

「「ッ!?」」

 

2本の触手が、2人を貫く事はなかった。2人の前に立ったギンガが両腕を広げ、それにより2本の触手が彼女の両肩を刺し貫いたからだ。

 

「ギンガ!?」

 

「ギンガさん!?」

 

「ッ……かかったわね……!!」

 

「!? ギシャア!?」

 

ファムサバイブとティアナが叫んだ直後、ギンガは自身の両肩を貫いている触手を即座に掴み、それと同時にグリラスワームの足元に魔法陣が出現。そこから何本ものチェーンバインドが伸びてグリラスワームの全身に巻きついていき、グリラスワームの動きを完璧に封じてみせた。

 

「甘く見ないで頂戴……私達魔導師だって、いつまでも弱いままでいる訳じゃない……!!」

 

「ギ、ギシャ……!?」

 

「動きが速過ぎて見えないのなら……攻撃して来たところを捕まえれば良い!!」

 

「ッ……夏希さん!!」

 

「OK!! うぉりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「ギシャアァァァァァァァァァッ!!?」

 

ギンガが触手を掴んでいる間に、グリラスワームの懐に入り込んだティアナがクロスミラージュを突きつけ、グリラスワームの腹部に零距離連射を開始。そこへ更にファムサバイブがブランセイバーで炎の斬撃を振るい、グリラスワームの触手を焼き斬ると同時にその胴体を勢い良く斬りつけ、その身を大きく吹き飛ばしていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふん!!」

 

「く……がはっ!?」

 

一方、ベルグは2本のラプターソードを振るい、ディエンドに猛攻を仕掛けていた。ディエンドライバーの銃撃をラプターソードの刀身で的確に防ぎ、至近距離まで迫ってベルグがディエンドの装甲を何度も斬りつける。

 

「ククク、愚かな……この私を、武器と能力に頼っているだけの雑魚とでも思ったかぁ!!」

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

ラプターソードを放り捨てたベルグは紫色のディエンドライバーを押し付け、ディエンドの胸部装甲を至近距離から撃ち続ける。大ダメージを受けたディエンドが屋敷の壁に背を付ける中、ベルグは紫色のディエンドライバーを構えている右腕から僅かに瘴気を噴き出しながら、その銃口を再びディエンドに向ける。

 

「死ねぇ!!」

 

「ッ……危ない……!!」

 

≪ATTACK RIDE……INVISIBLE!≫

 

「!? 何……!!」

 

その直前、ディエンドライバーにカードを装填したディエンドが一瞬で姿を消した事で、ベルグが放った銃撃は屋敷の壁を撃ち抜くだけで終わった。ベルグは姿の消えたディエンドを見つけようと周囲を見渡すが、どこにもディエンドの姿は見当たらない。

 

「ふん、また逃げたか……ぬぉう!?」

 

「シャアァァァァァッ!?」

 

その時、横方向から吹き飛ばされて来たグリラスワームがベルグの目の前に倒れ込んだ。グリラスワームが圧倒されている事に驚いたベルグは、グリラスワームを吹き飛ばしたファムサバイブ達の方へと視線を向ける。

 

「ギンガ、しっかり!!」

 

「ギンガさん、なんて無茶を……!!」

 

「大丈夫よ……これでも結構、タフな方だから……!!」

 

「ッ……なるほど、魔導師もタダではやられん訳か」

 

自分が傷つく事も厭わないギンガの強い覚悟を見て、流石のベルグも彼女達魔導師を侮れないと見たのか、ここで別の手札を使う事にした。彼はカードデッキから1枚のカードを引き抜いてから、その絵柄を一同に向かって見せつける。

 

「ならば、コイツを役立てるとしようか……!!」

 

「!? それは……!!」

 

ベルグが引き抜いたカード、それは手塚から奪い取ったエビルダイバーの契約カードだった。あからさま過ぎる手段を選んで来たベルグに対し、ファムサバイブ達は動きが止まる。

 

「それ以上、調子に乗って貰っては困るな。コイツを破り捨てられたくなければ、大人しくして貰おうか」

 

「ッ……なんて卑劣な……!!」

 

「ふん、何とでも言え。この世はいつだって、勝利こそが物を言う……!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なるほど、それは確かにその通りだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ズドドドドォンッ!!

 

「ぐわあぁっ!?」

 

その直後だった。どこからか飛んで来た数発の銃弾がベルグに向かって飛来し、その内の1発がエビルダイバーの契約カードを持っているベルグの右腕に被弾した。その拍子にベルグの右手から手放されたエビルダイバーの契約カードが宙に舞い、そこへ跳躍したディエンドがカードを素早くキャッチし、手塚達の傍に着地する。

 

「! お前……」

 

「手当てして貰った代金さ」

 

ディエンドは手塚にカードを投げ渡し、それをキャッチした手塚はすぐに自身のカードデッキを取り出す。すると無地のカードデッキに再びエンブレムが刻み込まれ、それを確認した手塚は屋敷の窓ガラスにカードデッキをかざしてベルトを出現させる。

 

「力が戻った……!!」

 

「ッ……貴様、私を嵌めたのか……!!」

 

「こうも簡単に引っかかるとは思わなかったけどね」

 

ディエンドが使用しているインビジブルの能力は、何も逃走用にだけ使われる訳ではない。姿を消す事ができるという事は、敵に気付かれない位置から不意打ちを仕掛ける事も可能だという事。ディエンドはそんなインビジブルの性質を利用し、逃げたフリをしてベルグに不意打ちを決めてみせたのだ。

 

「おのれぇ!!!」

 

「ッ……変身!!」

 

ベルグが振るって来たラプトバイザーをかわし、カードデッキを屋敷の窓ガラスに向けた手塚は素早く変身ポーズを取り、カードデッキをベルトに装填。あっという間にライアへの変身を完了させ、ベルグが振るって来たラプトバイザーをエビルバイザーで防御してから力強く蹴りつけた。

 

「ぐぉっ!?」

 

「ダーインと言ったか……大人しく捕まって貰うぞ……!!」

 

「チィ……小癪なぁ!!」

 

ベルグはすぐに体勢を立て直し、ラプトバイザーを振るいライアとディエンドに突撃していく。その一方、いくらかダメージを受けながらもグリラスワームは戦闘を再開し、左腕の爪でファムサバイブを何度も斬りつけ始める。

 

「ギシャシャシャシャッ!!」

 

「悪いけど、そう何度もやられるアタシ達じゃないよ……ティアナ!!」

 

「はい!!」

 

「ギシャッ!?」

 

ファムサバイブが爪を受け止めた瞬間、ティアナがチェーンバインドを発動した事でグリラスワームの手足が厳重に縛りつけられる。その隙にファムサバイブが再びブランセイバーで斬りかかろうとしたが……

 

「ッ……ギシャガァ!!!」

 

「な、嘘……きゃあっ!?」

 

「夏希さ……あぐぅ!?」

 

なんとグリラスワームは力ずくでチェーンバインドを引き千切り、斬りかかって来たファムサバイブを擦れ違い様に攻撃してみせた。そのままグリラスワームは右手でティアナを薙ぎ払ってから、両肩を負傷しているギンガから仕留めるべく爪にエネルギーを収束させていく。

 

「ギギギギギギギギ……!!」

 

(ッ……お願い、私の体……もうちょっとだけ持ち堪えて……!!)

 

「ギシャアァッ!!!」

 

「ギンガさん!!」

 

両肩の負傷で上手く動けないギンガは致命傷を覚悟し、リボルバーナックルで防御態勢に入る。ロザリーがギンガの名前を叫び、グリラスワームの爪がギンガの頭部目掛けて振り下ろそうとした……その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それ以上、女の子を傷つけるもんじゃないよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪BIND VENT≫

 

「!? ギ、ギシャ……!?」

 

中庭の噴水。その揺れる水面から伸びて来た蜘蛛の糸が、ギンガを仕留めようとしたグリラスワームの左腕に巻きついた。何事かと驚いたグリラスワームはそのまま引っ張られ、噴水の水面を介してミラーワールドに引き摺り込まれてしまった。

 

「……え?」

 

何が起きたのか。理解が追い付かなかったギンガが思わずポカンとさせられる中、ファムサバイブとティアナが彼女のすぐ傍まで駆け寄って来た。

 

「ギンガさん、大丈夫ですか!?」

 

「え、えぇ。私は大丈夫……だけ、ど……」

 

「あ、あれ? あの怪物は?」

 

「そ、それが……たった今、噴水の中に引き摺り込まれて……」

 

「……噴水に?」

 

ギンガが指差した噴水。そこに引き摺り込まれたという事は、ミラーワールドに入って行ったのか。どういう事なのかわからないファムサバイブは、とにかく噴水の水面からミラーワールドへ向かう事にした。

 

「ちょっと様子を見て来る!! ティアナ、ギンガの手当てをお願い!!」

 

「わ、わかりました!!」

 

ギンガの傷の手当てをティアナに任せ、ファムサバイブは噴水の水面からミラーワールドへ突入。彼女が辿り着いた先では……屋敷の壁から中庭の木々にかけて張られた巨大な蜘蛛の巣に、グリラスワームが捕らえられている光景が出来上がっていた。

 

「ギ、ギシャア……ッ!!」

 

「は? え、あれ……蜘蛛の巣?」

 

「あらら、見られちゃったか」

 

「!」

 

声のした方向に振り向き、ファムサバイブは驚愕した。何故ならそこには……蜘蛛の意匠を持った、赤いボディの仮面ライダーが立っていたのだから。

 

「!? お前は……!!」

 

「良いよねぇ、さっきの青髪のお姉さん。アレはなかなかのガッツだったよ」

 

赤い蜘蛛の戦士―――“仮面ライダーアイズ”はカードデッキから1枚のカードを引き抜いた後、左太股に装着されている蜘蛛型の召喚機―――“死召糸(ししょういと)ディスバイザー”からカードキャッチャーを引き伸ばす。そこにカードをセットしてからカードキャッチャーを手放す事で、カードを召喚機に装填させた。

 

「けど、これ以上は彼女もキツそうだし……俺がちょっとだけ手助けしましょっかね」

 

≪FINAL VENT≫

 

『ギシャア!!』

 

「ギ、ギギィッ!?」

 

「そこの白いお姉さん、危ないからちょっと伏せてな!」

 

「え……うわたたたた!?」

 

電子音が鳴り響いた直後、屋敷の屋根から飛び降りて来たディスパイダー・クリムゾンが糸を吐き、蜘蛛の巣に捕らえられているグリラスワームの全身をグルグル巻きにして拘束。そのままグリラスワームをあちこちの壁や地面に叩きつけ始め、危うく当たりそうになったファムサバイブが慌てて地面に伏せている間、ディスパイダー・クリムゾンがグルグル巻きになっているグリラスワームを宙に放り投げる。

 

「よっと」

 

『シャッ!!』

 

その後、ディスパイダー・クリムゾンがクロスさせた前足にアイズが飛び乗り、そこからバレーボルのレシーブのようにディスパイダー・クリムゾンがアイズを高く打ち上げる。打ち上げられたアイズは飛びながら後方に1回転した後、両足を大きく開いたままグリラスワームに迫り……

 

「―――どぉらあ!!!」

 

「ギッ……シャアァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

両足で挟み込むようなキック―――“ディスフィニッシュ”を炸裂させ、挟み込んだグリラスワームを粉々に粉砕してみせた。空中で大爆発が起きた後、爆炎の中から落ちて来たアイズが地面に着地し、その一部始終を見届けたファムサバイブは呆然としていた。

 

「ふぅ、一丁上がりっと♪」

 

「な、なぁ! アンタ一体、何者なんだ……?」

 

「ん、俺? 別に良いじゃん、何者でもさ」

 

「あ、ちょ!? それ答えになってないって!!」

 

ファムサバイブに何者かと問われても、アイズは適当にはぐらかしてから高く跳躍。屋敷の壁に右手を付けたままピタリと張り付いたアイズは、地上にいるファムサバイブの方へ首だけを振り向かせる。

 

「まぁ、たぶんまた会える日が来るだろうからさ。それまでさいならっと♪」

 

「いや待てよオイ!?」

 

ファムサバイブの突っ込みもスルーし、アイズは素早く壁を登っては屋敷の屋根に辿り着き、屋根の上を駆け抜けて行く形であっという間に立ち去って行ってしまった。その場にはファムサバイブだけが取り残され、ミラーワールドの環境音だけが虚しく鳴り響き続ける。

 

「何だろう、これ……健吾の時と同じような気が……デジャブ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪STEEL VENT≫

 

「はぁっ!!」

 

「「ぐぁあ!?」」

 

場所は戻り、現実世界。屋敷の中庭で戦闘を続けていたライアとディエンドは、ライアのエビルウィップを強奪したベルグによって強烈な攻撃を受けているところだった。エビルウィップの強烈な一撃が2人を薙ぎ倒し、ベルグは振るったエビルウィップで地面を叩きながら2人にジリジリと迫って行く。

 

「どうした? 2人がかりでもこの程度か?」

 

「ふん、言ってくれるね……!!」

 

「ッ……ならばこっちも、汚い手を使わせて貰おうか……!!」

 

立ち上がったライアはサバイブ・疾風のカードを引き抜き、それを合図に彼の周囲を風が吹き荒れ始める。ライアはエビルバイザーを変形させ、エビルバイザーツバイにサバイブ・疾風のカードを装填する。

 

≪SURVIVE≫

 

「ッ……させるか!!」

 

ベルグが紫色のディエンドライバーで狙い撃つも、放った銃弾は全て風のバリアで防がれる。そして風に守られながらもライアサバイブへの強化変身が完了し、ライアサバイブは1枚のカードを引き抜き、エビルバイザーツバイに装填する。

 

≪COPY VENT≫

 

「!? 何……!!」

 

「悪いが、それは俺の武器だ……!!」

 

ベルグの持っているエビルウィップがコピーされ、ライアサバイブの右手にもエビルウィップが収まった。それを見たベルグはライアサバイブ目掛けてエビルウィップを振るうも、ライアサバイブが振るったエビルウィップに弾き返され、そのままベルグの胸部装甲に命中した。

 

「な……ぐわぁ!?」

 

「おっと、彼だけじゃないよ」

 

≪ATTACK RIDE……ILLUSION!≫

 

続いて、ディエンドライバーにカードを読み込ませたディエンドは真上に銃口を向け、複数のエネルギー体を放射する。するとエネルギー体がベルグの周囲に散らばり、それらが全てディエンドの分身を生成した。

 

「ッ……分身か、小癪な真似を!!」

 

「「「「「さて、それはどうかな?」」」」」

 

ベルグは正面にいるディエンド目掛けてエビルウィップを叩きつけたが、その攻撃はいとも簡単にかわされ、複数のディエンド達が一斉に素早く動き始めた。流石のベルグも相手が大勢では目が追い付かないのか、次々と攻撃を仕掛けて来るディエンド達に対応できず、少しずつダメージを蓄積させられていく。

 

「く……なぁ!?」

 

しかもディエンドと同じようにイリュージョンを発動しようとした瞬間、ベルグが装填しようとしたカードを1発の銃弾に撃ち抜かれる。そこへディエンド達が容赦なく銃撃を浴びせ、一方的に撃たれ続けたベルグを大きく吹き飛ばしてみせた。

 

「「「「「はぁっ!!」」」」」

 

「が……ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!?」

 

吹き飛ばされたベルグが地面を転がり、ライアサバイブとディエンドが並び立つ。しかしここまで追い詰められてもなお、ベルグは未だ諦めていない様子であり、右手から僅かに瘴気を噴き出している。

 

「ふぅん、まだやる気かい?」

 

「おのれ……ならば!!」

 

こうなれば、ラプターウイングにも援護して貰う他ない。そう判断したベルグがラプトバイザーを構え直し、カードデッキからラプターウイングのカードを引き抜いた直後……

 

 

 

 

 

 

≪HOLD VENT≫

 

 

 

 

 

 

「!? なっ……ぐわぁ!?」

 

「!? 何……ぐぁ!?」

 

「くっ!?」

 

突如、ベルグの右手が何者かの攻撃を受け、ラプターウイングのカードがどこかに引き寄せられる。それと同時にベルグだけでなく、ライアサバイブとディエンドも謎の攻撃を受け、3人が怯んでいる隙に屋敷の物陰に隠れていた謎のライダーがラプターウイングのカードを掴み取っていた。

 

(ふぅん、これが奴の契約モンスター……また大層なのと契約してるわね)

 

その謎のライダーは変身を解除し、赤髪の女性使用人……に化けたドゥーエの姿に戻る。そして彼女は掴み取ったラプターウイングの契約カードを縦にビリビリと破き、破り捨てられたカードが彼女の足元に落ちてから塵となって消滅していく。

 

「取り敢えず、これで邪魔者は排除できそうね。あの泥棒さんには感謝しなくちゃ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!? な、何だ……が、あぁっ!?」

 

ドゥーエの暗躍により、契約カードを紛失したベルグ。全身から力が抜けた彼は、膝を突いた瞬間にボディ全体が灰色に変色する。ラプターウイングとの契約が切れた影響で、ブランク体にまで弱体化してしまったのだ。

 

「契約が切れた!? 一体何故……」

 

「ぐっ……くそ、まだだ……まだだぁっ!!!」

 

「「くっ!?」」

 

ブランク体になってもまだ、ベルグは紫色のディエンドライバーを乱射して抵抗を試みる。2人が怯んだ隙にベルグは次のカードを取り出し、それを紫色のディエンドライバーに装填しようとした。

 

「ふざけるな……!! 私はまだ満足していない……こんな所で、終わってたまるかぁ!!!」

 

「ッ……しぶとい男だね」

 

「もう諦めろ、お前の負けだ!!」

 

「黙れぇっ!! 私は手に入れてみせる……あの小娘が持っている『ノアの結晶』だけでも絶対にぃ!!!」

 

≪ATTACK RIDE……≫

 

しかし……そんな時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

バチ、バチバチバチ……!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

突如、異変が起こり始めたのは。

 

≪ATTACK RIDE……ATTACK RIDE……≫

 

「―――ん?」

 

≪ATTACK RIDE……ATTA・ATTA・ATTACK RIDE・DE・DE・DE・DE……≫

 

カードを装填された紫色のディエンドライバー。その銃身から紫色の電流が走り、鳴り響いている電子音にも謎のバグが発生し始めた。これには使用している張本人も驚いている。

 

「な、何だ?」

 

≪ATTA・ATTACK RI・RI・RI・RIDE……RIDE RIDE RIDE RIDE……!≫

 

「な、何だこれは!? 一体何が起き……ッ!?」

 

その時だった。

 

≪RIDE RIDE RIDE RIDE≫

 

≪RIDE RIDE RIDE RIDE≫

 

「ッ……な、あが……ぁ……!?」

 

突如、紫色のディエンドライバーを構えている右腕から禍々しい紫色の瘴気が噴出し、それがベルグの全身に少しずつ広がっていく。それと共に、ベルグもいきなり喉元を押さえて苦しそうに呻き声を上げ始めた。

 

「何だ……!?」

 

「!! これは、まさか……!!」

 

ライアサバイブも目の前の光景に困惑しているが、ディエンドは何か心当たりがある様子だった。2人がそれぞれ違う反応を見せる中、全身に瘴気が広まったベルグはボディが黒く染まっていき……

 

「ぁ、が……アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!??」

 

「「ッ!?」」

 

「な、何!?」

 

「アレは……!!」

 

(!? どういう事……!?)

 

次の瞬間、ベルグの全身から木の根のような植物が伸び出し、ベルグの全身に巻きつき始めたのだ。思わぬ事態の発生に一同が驚愕し、ドゥーエも思わず目を見開いている中で、頭部から胴体、更には腕や足などにも触手が巻きついたベルグはしばらく甲高い断末魔を上げ続けた後……突如として両腕をダランと下げ、その場に俯いたままピクリとも動かなくなる。

 

「な、な、な……!?」

 

「ダ、ダーイン……さん?」

 

柱の陰で見ていたスーマンが唖然とし、ロザリーが動かないベルグに対して恐る恐る呼びかける。そんな彼女の声に反応するかのように、全身に触手が巻きついたベルグ……否、ベルグだった物(・・・・・・・)はゆっくりと顔を上げ、頭部の触手と触手の開いた隙間から赤く鋭い左目をギョロリと覗かせた。

 

「ウゥゥゥゥゥゥ……」

 

「ひっ!?」

 

「な、何なのアレ……!?」

 

「ッ……海東、どういう事だ!? アレ(・・)は何が起きている!?」

 

「……恐らくだが、彼はまだ開発途中だったディエンドライバーを奪って使い続けた。それがどれだけ危険な物かも知らずに……その結果、銃本体の持つエネルギーが彼の肉体を蝕み、彼を化け物(・・・)へと変えたんだ!!」

 

「ウ、ウゥゥゥゥ、ゥ……ウウウウウウウウアァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!」

 

ベルグだった物……“ベルグ変異態”は人間の物とは思えない声で凄まじい雄叫びを上げ、周囲の地面やオブジェなどを大きく震撼させる。その衝撃は、その場にいたライアサバイブ達をも大きく圧倒するほどであり、ベルグ変異態は右手に構えた紫色のディエンドライバーを乱射し始めた。

 

「ウゥ、ウアアアアアァァァァァァァァァァッ!!!」

 

「!? 危ない、伏せろ!!」

 

「ひぃ!?」

 

「きゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

ベルグ変異態が乱射する銃弾は周囲の柱や地面、更には屋敷の壁や窓ガラスなども次々と破壊していき、ライアサバイブはスーマンとロザリーをその場に伏せさせて銃弾を回避する。ギンガとティアナも防御魔法を張って銃弾を防ぐ中、ディエンドは銃弾をかわしながらも自身のディエンドライバーにカードを装填する。

 

「マズい、お宝を破壊される訳にはいかない……!!」

 

≪ATTACK RIDE……BARRIER!≫

 

「はっ!!」

 

「ウ、ヴアァァァァァァァァァァァァァッ!!?」

 

ディエンドライバーから放射されたエネルギー体がバリアとなり、弾き飛ばされたベルグ変異態が屋敷の窓ガラスを介してミラーワールドへと押し込まれる。その後を追うようにディエンドも窓ガラスの前へと移動する。

 

「ここで暴れられると、お宝まで台無しになる!! ミラーワールドに移動するんだ!!」

 

「は!? ちょっとあなた、ミラーワールドに行けるの!?」

 

「僕を甘く見て貰っては困る……僕の行き先を決められるのは、僕1人だけだ……!!」

 

そう言って、ディエンドは窓ガラスに向けて左手を伸ばす。するとディエンドの体が窓ガラスに吸い込まれ、そのまま彼をミラーワールドに突入させた。

 

「嘘、入れたぁ!?」

 

「どうやらそのようだな……皆はここで待っていてくれ、奴は俺達で対処する!!」

 

何故ディエンドもミラーワールドに入れるのかという疑問はさておき、ベルグ変異態をこのまま放置する訳にはいかないのも事実。ライアサバイブも同じようにミラーワールドへ突入していった後……その様子を物陰から覗き見ていたドゥーエは冷や汗を掻きまくっていた。

 

「な、なんか凄い事になっちゃったわね……これ、後で鋭介に怒られないかしら……?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――ヴァアアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

「うえぇぇぇぇぇぇぇっ!? ちょ、何だコイツ気持ち悪っ!!」

 

場所は変わり、ミラーワールド内部。屋敷の窓ガラスから飛び出して来たベルグ変異態の姿を見たファムサバイブは物凄い勢いで後ずさりし、ベルグ変異態から大きく距離を取る。そして起き上がったベルグ変異態はファムサバイブの方に振り向き、紫色のディエンドライバーを彼女に向けようとしたが……

 

「「―――はぁっ!!!」」

 

「ヴァアゥ……!?」

 

同じくミラーワールドに突入して来たライアサバイブとディエンドが飛び蹴りを繰り出し、ベルグ変異態を地面に薙ぎ倒す。ベルグ変異態が倒れている隙に、2人はファムサバイブと合流する。

 

「ちょ、海之!! 何だよあの気持ち悪い奴は!?」

 

「ベルグだ。色々あって、今はあんな化け物に成り果ててしまった」

 

「いや説明がザックリ過ぎるし!? もっとわかりやすく説明を―――」

 

「そんな暇はないよ!!」

 

「アヴァアアアアアァァァァァァァァッ!!!」

 

起き上がったベルグ変異態が紫色のディエンドライバーを乱射し、3人はほぼ同時に屈んで銃撃を回避する。その一方で、ベルグ変異態はどこからか取り出した3枚のカードを紫色のディエンドライバーに装填し始めた。

 

「ウゥゥゥゥゥゥ……ヴァアアアアア!!」

 

≪KAIJIN RIDE……HELL BROS!≫

 

≪KAIJIN RIDE……GRAPHITE BUGSTAR!≫

 

≪KAIJIN RIDE……GOLD DRIVE!≫

 

「な、また召喚するのかよ!?」

 

ファムサバイブが嫌そうにそう告げた直後、紫色のディエンドライバーから複数のエネルギー体が放射され、それらが3体の戦士を形成させた。

 

歯車の装甲を持つ、白色と青緑色の機械戦士―――“ヘルブロス”。

 

緑色のボディを持つ、ゲーム世界の龍戦士―――“グラファイトバグスター”。

 

自動車のような意匠を持つ、金色の邪悪な戦士―――“ゴルドドライブ”。

 

「ヴァアウ!!」

 

「「「……フンッ!!」」」

 

3体の戦士達はディエンド達を睨みつけ、ベルグ変異態が駆け出すと共に3体の戦士達も動き出す。それに応じるようにディエンド・ライアサバイブ・ファムサバイブもそれぞれの武器を構えて迎え撃つ。

 

「別の世界の戦士達か、面白いね……!!」

 

「ッ……ここまで来た以上、やるしかない!!」

 

「あぁもう、何でこんな事になっちゃうんだよぉ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この戦いに、終幕の時が訪れようとしていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continued……

 




紫色のディエンドライバーに肉体を蝕まれ、遂に怪物化してしまったベルグ。そもそも白いマスクに白衣と、見るからに怪しい男が持っていた武器です。それを後先も考えずに悪用し続ければ、いずれこうなる可能性は目に見えていました。
そんな彼の悲劇は「『奪う側』から『奪われる側』に回った」という事。本来の変身者からデッキを奪い、ミッドのあちこちで金品を奪い、手塚からもエビルダイバーのカードを奪い、散々調子に乗り続けて来たベルグを待っていたのは、ドゥーエにカードを奪われた事を引き鉄に起きてしまった破滅でした。
皆、盗みなんかやってるといつか自分にも返って来るから絶対にやめようね!←

それはさておき、今回戦ったグリラスワームは今までの通常怪人とは違い、カブトやガタックを追い詰めたラスボス怪人。クロックアップも使える以上、そんな簡単に倒されるのも流石にどうかなぁ~……と思ったので、今回は夏希達に苦戦して貰いました。
それでも、両肩を負傷してまでグリラスワームに喰らいつき、ダメージを与える事に貢献したギンガ。かつてコオロギ怪人(サイコローグ)に手も足も出ず負けた彼女は、同じコオロギ怪人(グリラスワーム)に一矢報いる事ができました。

そんな彼女の窮地を救ったのが、ゲストライダーの仮面ライダーアイズ!
こちらは【蒼天さん】考案のオリジナルライダーになります。契約モンスターもディスパイダーを赤くしただけなので、脳内で非常にイメージしやすいですね。
ただ、話を作り上げていく関係上、実際に貰った設定とはいくつか変更点もあります。その1つが必殺技。貰った設定ではドロップキックで締める流れでしたが、ドロップキックは既にアビスがやっている為、こちらは仮面ライダーレンゲルのブリザードクラッシュみたいな挟み蹴りに変更してみました。他に似てる技だと、仮面ライダーローグのクラックアップフィニッシュみたいな感じですね。

さて終盤、ベルグ変異態が召喚したのは3体の怪人達。

『仮面ライダービルド』からヘルブロス。
『仮面ライダーエグゼイド』からグラファイトバグスター。
『仮面ライダードライブ』からゴルドドライブ。

この3体をチョイスした理由は、次回の後書きで説明予定。
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