リリカル龍騎ライダーズinミッドチルダ   作:ロンギヌス

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ジオウ第10話、オーズリスペクトが凄過ぎて満足のいく回でしたね。
そして次回は紘汰と戒斗が参戦!!
気分はもうテンションフルスロットルですよ!!














……はい、前置きはその辺にしておきましょう。

まずは現在、これとは別に投稿している『15RIDERS』の更新を優先している都合上、こちらの更新が止まってしまっている件について謝罪しましょう。申し訳ありません。

そのお詫びと言うべきか否か……ある特別編を書いてみました。

サブタイトルの時点で「あっ…(察し」な方もいると思います。
なので先に言っておきます。少しでもキャラ崩壊が嫌だという方は今すぐブラウザバックしましょう。
キャラ崩壊?上等だこの野郎!!……という方だけ下にお進み下さい。
























良いんですか?

良いんですね?

忠告はしましたからね?

後で文句を言われても私はスルーしますからね?















良いでしょう、それではどうぞ!!



超特別編 ミラ○○ワールド

ミッドチルダ、とある工場施設……

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――はぁ!!」

 

『ブブブッ!!』

 

『グルァ!!』

 

『ジュルルルルッ!!』

 

木箱の山が音を立てて崩れていく中、そこから飛び出して来た戦士―――仮面ライダーライアが地面を転がり、そこに複数のモンスターが襲い掛かっていた。すぐに立ち上がったライアは突進して来たレイドラグーンの足を引っかけて転倒させ、ギガゼールが振るって来た腕のカッターをかわし、ウィスクラーケンが振り下ろして来た槍をエビルバイザーで防御する。

 

『『シャアッ!!』』

 

「ぐぁっ!? くっ……コイツ等……!!」

 

そこにソロスパイダーとゼノバイターが飛びかかり、2体の振るった鉤爪がライアの背中を攻撃する。振り返ったライアは2体が続けて繰り出して回し蹴りを前転でかわし、体勢を立て直す。

 

(どういう事だ、何故こんなにもモンスターが……!!)

 

最初はいつも通り、モンスターの気配を察知してミラーワールドに突入した手塚海之こと仮面ライダーライア。しかし突入した先で彼を待っていたのは、まるでライアが来るのを待ち構えていたかのように一斉に襲い掛かって来たモンスターの数々。異なる種類のモンスターが大群で襲って来るような事例は今までに前例がない。

 

「ミラーワールドで、何かが起こっているという事なのか……ッ!!」

 

『グゲゲゲゲッ!!』

 

そこへ続けて襲い掛かって来るゲルニュートとシールドボーダー。ゲルニュートが投げつけて来た巨大手裏剣をエビルバイザーで弾き返すも、突っ込んで来たシールドボーダーが巨大な盾でライアを殴りつけ、施設の壁を突き破る勢いで吹き飛ばしてしまう。

 

『ブルァッ!!』

 

「ぐあぁぁぁぁぁぁっ!?」

 

崩れる瓦礫の中、施設の外に飛び出したライアは何とか立ち上がり、向かって来るモンスター達を迎え撃つ。破壊された壁からモンスター達がゾロゾロと出て来る中、ソロスパイダーとギガゼールを退かすように1体のモンスターが姿を現す。

 

『グハハハハハ!!』

 

「!?」

 

それは強固な甲羅と、両腕のハサミが特徴的な蟹型の怪物。

 

「コイツは……!!」

 

モンスター達を率いるリーダー格……それはボルキャンサーだった。かつてシザースの契約モンスターだったボルキャンサーは今、両腕のハサミをぶつけてカチカチ鳴らし、高笑いしながらライアに迫り来ていた。

 

『どうだ!! 我々の力を思い知ったか、仮面ライダーライア!!』

 

「モンスターが喋っている……!?」

 

人間の言葉を話すモンスターの存在に、ライアは驚きを隠せない。ボルキャンサーは右腕のハサミをライアに向けながら言い放つ。

 

『待っていたぞ、この時を!! これまで貴様等ライダーに倒されて来た我が同胞達の恨み……今この場で、貴様等ライダーを倒して晴らしてみせよう!! そして我々が人類を支配し、世界を我が物にするのだぁ!!』

 

「ッ……随分と古典的な野望だな……!!」

 

『行け、我が同胞達よぉ!!』

 

『『シャアァァァァァァァッ!!』』

 

「くっ!!」

 

≪SWING VENT≫

 

何故ボルキャンサーが喋れるのか。何故その野望が世界征服というオーソドックス過ぎる物なのか。それらの突っ込みはひとまず置いておく事にしたライアはエビルウィップを召喚し、ボルキャンサーの命令で迫って来るソロスパイダーとソノラブーマを薙ぎ払う。

 

「何故お前が喋れるのかは知らんが……これ以上、街の人間達を襲わせる訳にはいかないな……!!」

 

『フン……ならば今、ここで我々の野望の礎にしてくれるわぁ!!』

 

「ッ……うわぁっ!?」

 

ボルキャンサーが口からブクブクと泡を噴き出し、それをライア目掛けて大量に放出し始める。ライアはそれをエビルバイザーで防ぎ切ろうとするが、泡攻撃の勢いが強いのか、ライアを大きく吹き飛ばしてみせた。

 

「く、強い……!!」

 

『フハハハハ!! 口ほどにもない奴め……トドメを刺してくれる!!』

 

『ギギギギ……!!』

 

『グジュルルルル……!!』

 

意外と強かったボルキャンサーの泡攻撃で追い詰められるライア。そこにトドメを刺すべく、ゼノバイターとウィスクラーケンが襲い掛かろうとした……その時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっと待ったぁ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

≪SWORD VENT≫

 

『!? ギシャアッ!?』

 

『グジュルゥ!?』

 

どこからか聞こえて来た電子音。それと共にブワァッと白いマントを靡かせながら現れた戦士が、手にした武器でゼノバイターとウィスクラーケンを斬りつけた。

 

『な、何ィッ!?』

 

「! お前は……夏希!!」

 

駆けつけたのは白鳥夏希が変身した白鳥の戦士―――仮面ライダーファムだ。ファムは手にしたブランバイザーとウイングスラッシャーの二刀流で構え、ライアの隣に並び立つ。

 

「ライア、大丈夫!?」

 

「あぁ、俺は大丈夫だ……ん?」

 

今、俺の事をライアと呼んだか。ファムの台詞に少しだけ違和感を感じるライアだったが、取り敢えず彼女が差し伸べて来た手を取り、その場から立ち上がる。

 

『おのれ、仮面ライダーファム!! 貴様も我々の邪魔をしに来たか!!』

 

「あなたこそ、こんな大勢で1人を襲うなんて、恥ずかしくないのかしら?」

 

『ふん、我々は卑怯もラッキョウも大好物なのでな!! それに勝った方が正義なのだぁ!!』

 

モンスターはラッキョウも、というか人間の食べ物も食べられるのか。ライアの素朴な疑問を他所に、ファムは余裕な様子で「チッチッチ」と指を振る。

 

「でも残念だったわね。ライアを助けに来たのは、アタシだけじゃないわよ♪」

 

その時……

 

 

 

 

「「トォウ!!」」

 

 

 

 

『『グガァ!?』』

 

どこからか跳躍して来た2人の戦士が、ギガゼールとゲルニュートに飛び蹴りを炸裂させた。そして地面に着地するその2人を見たライアは驚愕する。

 

「雄一!? それに……健吾!?」

 

「大丈夫か、ライア!!」

 

「良かった、間に合ったようですね!!」

 

それは鳳凰の戦士―――仮面ライダーブレードと、狐の戦士―――仮面ライダーエクシスだった。既にカードデッキが破壊されたはずのブレードに、既に死亡しているはずのエクシス。何故この2人がここにいるのか、ライアにはわからなかった。

 

「何故だ、何故お前達がここにいる!? 雄一、お前のデッキは俺が破壊したはずだ!! それに健吾、お前は死んだはずじゃ……」

 

「? ライア、こんな時に何を言ってるんだ? 俺達の使命を忘れたのか?」

 

「そうですよライアさん! 悪い奴がいるのなら、僕達はいつでもどこでも駆けつける! 当然でしょう?」

 

いや当然も何も、まず俺の質問に答えて欲しいんだが。ライアが聞きたい質問に何も答えてくれないブレードとエクシスはモンスター達と向き合い、ボルキャンサーは怒り狂った様子で地団駄を踏む。

 

『仮面ライダーブレード、それに仮面ライダーエクシスだとぉ!? 貴様等まで邪魔をするかぁ!!』

 

 

 

 

「彼等だけじゃないさ!!」

 

「ハァッ!!」

 

 

 

 

『!? ブルアァァァァァァァァァッ!!?』

 

その直後。今度はまた別の戦士が2人、ボルキャンサー達の前に姿を現した。1人はシールドボーダーの盾をパンチで弾き飛ばし、そこにもう1人の戦士がキックを炸裂させ、他のモンスター達にぶつける。その2人の戦士は……ライアにとって一番予想外過ぎる存在だった。

 

「な……二宮、浅倉!?」

 

「すまないライア、遅くなった!」

 

「安心しろライア……俺達が付いている!」

 

「いや、全く安心できないんだが」

 

それは鮫の戦士―――仮面ライダーアビスと、コブラの戦士―――仮面ライダー王蛇だった。何故この2人がここにいるのか。そもそもお前達は悪人じゃなかったのか。何故か爽やかな雰囲気のアビスに、何故か綺麗なサムズアップまでして来る王蛇を前に、ライアは訳がわからなくなりつつも落ち着いて突っ込みを返す。

 

『か、仮面ライダーアビスに、仮面ライダー王蛇まで現れただとぉ!?』

 

 

 

 

「この私もいるぞぉ!!」

 

 

 

 

『何……ぐはぁ!?』

 

そして今度は黒いボディの戦士が、ボルキャンサーを蹴り飛ばしてみせた。その戦士を見て……ライアは完全に言葉を失った。

 

「オルタナティブ・ネオ!」

 

「来てくれたのか!」

 

「ハッハッハ!! もちろんさ、共に戦う仲間達よ!!」

 

黒い戦士―――オルタナティブ・ネオは駆け寄って来たブレードとアビスの肩をポンと叩きながら笑ってみせる。この声、この口調……もしかしなくてもスカリエッティである事はライアもすぐにわかった。

 

「……一応聞くが、何故お前までここにいる?」

 

「ふ、何を言っているんだいライア? 仮面ライダーなら、人間の自由と平和を脅かす悪い奴等をやっつけるのは当然じゃないか!」

 

それ以前にお前は仮面ライダーじゃない。そんなライアの突っ込みも無視され、ファム、ブレード、エクシス、アビス、王蛇、オルタナティブ・ネオの6人が並び立つ。

 

『くそぉ、何故だ!! 何故我々の邪魔をするのだぁ!!』

 

 

 

 

ファム「何故ですって? 決まっているでしょう」

 

ファムが白いマントを靡かせながらポーズを決め……

 

 

 

 

「よく聞け、怪人達よ!」

 

ブレードがガルドバイザーを地面に突き立てながらポーズを決め……

 

 

 

 

「僕達は!」

 

エクシスがファイティングポーズを決め……

 

 

 

 

「人間の自由と!」

 

アビスが右手首をスナップしたポーズを決め……

 

 

 

 

「平和を守る……!」

 

王蛇がその場でクルリと回転してポーズを決め……

 

 

 

 

「正義のヒーロー!!」

 

オルタナティブ・ネオが右腕を斜めに付き出すポーズを決め……そして6人は叫ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「―――仮面ライダーだ!!!」」」」」」

 

 

 

 

 

 

チュドォォォォォォォォォン!!

 

 

 

 

 

 

6人の決めポーズが揃い、後ろで大きな爆発が起こる。

 

「人間の自由と平和を脅かす怪人さん……アンタ達の好きにはさせないわよ!!」

 

ファムの決め台詞をシメに、かっこよく決まった6人のライダーの名乗り。ちなみに、その光景を間近で見せつけられる事となったライアは……

 

「……」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何 だ こ れ は 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……まず最初に思ったのがその一言だった。

 

夏希、何故お前はさっきからそんな女の子らしい口調になっているんだ。

 

雄一、何故戦いに対してそんなにもノリノリなんだ。

 

健吾、何故そこまで明るいテンションなんだ。

 

二宮と浅倉、お前達に至ってはもはや誰だ。

 

それからスカリエッティ、何度も言うがお前はライダーじゃないだろう。

 

突っ込みたくても突っ込み切れない。というか突っ込みどころ以外何も存在していないこの状況に、ライアはいよいよ頭を抱えたくなってきた。

 

『え、えぇい!! ならば全員我々が倒してやる!! かかれぇ!!』

 

ボルキャンサーの命令を合図に、モンスター達がその場から一斉に駆け出した。それに対し、ライアを除く5人のライダーも動き出す。

 

「皆……行くぞ!!」

 

「「「「「おうっ!!」」」」」

 

(……むしろ、俺の方が疲れているのだろうか)

 

王蛇の呼びかけを合図に、6人のライダーも駆け出した……未だに混乱しているライアを放置して。

 

「ふっ……えやぁ!!」

 

「はっ!! とぉっ!!」

 

「ほ、はっ……どりゃあ!!」

 

「ふっ……だぁ!!」

 

「フン、ハァアッ!!」

 

「ふっはっとぉ!!」

 

ファムは女性らしい華麗な動きで、ブレードは巧みな剣術で、エクシスは我武者羅な格闘スタイルで、アビスは1発1発の威力が重いパンチで、王蛇は喧嘩のような乱暴な攻撃で、オルタナティブ・ネオは徒手空拳スタイルで襲い来るモンスター達を片っ端から薙ぎ倒していく。

 

その光景を前に、棒立ちしたまま未だにこの光景が信じられずにいたライアはと言うと……数秒ほど考えた後、1つの結論に至った。

 

「……よし」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

も う 突 っ 込 む だ け 無 駄 だ 。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

早々に突っ込む事をやめたライアもまた、6人と同じようにモンスター達と戦い始める。6人のライダーを相手にしてしまった事で、モンスター達は徐々に追い詰められ始める。

 

「よし、皆決めるぞ!!」

 

「「「「「おう!!」」」」」

 

「……あぁ」

 

【≪≪≪≪≪≪FINAL VENT≫≫≫≫≫≫】

 

ノリに付いていけないライアの小さい返事はスルーされ、ライダー達は一斉にファイナルベントを発動。それと共にエクシス、アビス、王蛇の3人が跳躍し、ファムとブレードは静かに武器を構える。オルタナティブ・ネオがサイコローダーに乗り込む中、ライアもひとまず飛んで来たエビルダイバーに飛び乗る事にした。

 

「「「はぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」」

 

『『『『ガァァァァァァァァァッ!!?』』』』

 

エクシスのグラビティスマッシュ、アビスのアビスダイブ、王蛇のベノクラッシュが炸裂し、ギガゼール、ソロスパイダー、ゲルニュート、ソノラブーマが爆散する。

 

「「でやぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

『『グギャアァァァァァァッ!?』』

 

ファムのミスティースラッシュ、ブレードのバーニングスラッシュが決まり、レイドラグーン、ゼノバイターが爆散する。

 

「「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」

 

『ブルアァァァァァァッ!?』

 

『グジュアァァァァァァァァッ!?』

 

オルタナティブ・ネオのデッドエンド、ライアのハイドベノンが命中し、シールドボーダーとウィスクラーケンが爆散する。

 

これによりほとんどのモンスターが撃破され、残るはボルキャンサー1体のみとなった。

 

『お、おのれぇ……これでも喰らえぇ!!』

 

「「「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」」」」

 

ボルキャンサーの泡攻撃が炸裂し、爆発と共に7人のライダーが地面を転がされる。この強敵を前に、最初に立ち上がったアビスが叫ぶ。

 

「皆、諦めるな!! 力を合わせて奴を倒すぞ!!」

 

「ッ……そうね……私達ならできる……!!」

 

「その通りだ……俺達は……!!」

 

「人間の自由と……ッ!!」

 

「平和を守る……!!」

 

「仮面ライダーだ!!」

 

「ッ……行くぞ!!」

 

「「「「「「「とぉっ!!」」」」」」」

 

ライアの掛け声と共に、7人のライダーは一斉にその場から跳躍。空中で1回転した後、右足を突き出した状態でボルキャンサーに向かって飛来し……

 

「「「「「「「ライダー……キィィィィィィィィィック!!!」」」」」」」

 

『ば、馬鹿な……グワァァァァァァァァァァッ!!?』

 

7人の同時必殺技―――ライダーキックが泡攻撃を打ち破り、ボルキャンサーに炸裂。吹き飛ばされたボルキャンサーが地面を転がり、7人のライダーが地面に着地する。

 

『ま、まだだ……まだ終わらんぞ……いつか我々は、世界一……いや、宇宙一迷惑な存在として、蘇るのだアァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!』

 

そんな断末魔と共に、ボルキャンサーは大爆発を引き起こし跡形もなく消滅。爆炎が燃え盛る中、7人のライダーが互いに向き合う。

 

「やったわね、皆……!」

 

「あぁ。俺達ライダーが力を合わせれば……」

 

「不可能な事はない!」

 

「これからも力を合わせて……」

 

「人間の自由と平和を……」

 

「守り抜いて行こう!」

 

「……あぁ、そうだな」

 

ファム、アビス、ブレード、エクシス、王蛇、オルタナティブ・ネオ、そしてライアの順に、右手拳を正面に突き出していく。

 

見事、大団円で終わる事となったこの戦い……ライアは内心こう思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(夢なら醒めてくれ……)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな時だった。

 

 

 

 

 

 

ライアの視界が、眩い光に覆われていき―――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――さん、手塚さん!」

 

「……ッ」

 

呼びかけて来る声に反応し、手塚の意識が一気に浮上していく。

 

「あ、やっと起きた」

 

「……ハラオウン?」

 

手塚の視界に映ったのは、こちらを覗き込んでいるフェイトの心配そうな顔。よく見ると、自分の体には暖かい毛布がかけられていた。

 

「……俺は今まで、どうしていた……?」

 

「どうって……私が仕事から帰って来た時には、手塚さんがこうしてソファで眠っていましたよ。何故か物凄く魘されていましたけど」

 

「……そうか」

 

どうやら、あの光景は全て自分が見た夢だったらしい。道理でおかしな事だらけだった訳だと、手塚は納得した表情で再びソファに寝転がる。

 

「な、何か悪い夢でも見ましたか……?」

 

「……衝撃的な夢ではあったな。色々な意味で」

 

突っ込みどころが多過ぎて、できる事なら二度と見たくない夢だった。眠っていたはずなのに何故か酷く疲れた表情を浮かべながら、手塚は額から流れる汗を拭う。その時……

 

「手塚さん」

 

「……!」

 

頭が持ち上げられる感覚。何かと思った手塚は気付けば、ソファに座り込んだフェイトの膝の上に頭を乗せた状態になっていた。そう、膝枕だ。

 

「ハラオウン……?」

 

「きっと、モンスターとの戦いが続いてるせいで、疲れてるんだと思います。これで少しでも、手塚さんの疲れを取る事ができれば良いかなって……それとも、迷惑でしたか?」

 

「……いや、ありがたい」

 

膝の上に乗せた手塚の頭を、フェイトが優しく撫でながら告げる。手塚は後頭部から感じる柔らかな感触と、髪の毛に触れている彼女の暖かい手が心地良く感じた。

 

「感謝する。さっきよりは気持ち良く眠れそうだ」

 

「そうですか、良かった♪」

 

再び眠ろうとする手塚の頭を、フェイトは嬉しそうな表情で撫で続ける。それから少しの間だけ、手塚は今度こそ心地の良い眠りにつく事ができたのだった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちなみにその後……

 

 

 

 

 

 

「あれ、海之じゃん。どうかしたの?」

 

「……やっぱり、夏希は夏希だな」

 

「?」

 

夏希の口調を改めて確認し、手塚が安心した表情を浮かべたのは言うまでもない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

END……

 




何故私はこんな話を書いてしまったんだ…(今更

ちなみにライダー達のポーズは大体こんな感じ。

ファム:同じ白いライダーという事で、仮面ライダーエターナルがマントを靡かせたポーズ
ブレード:名前繋がりで、仮面ライダーブレイドがライトニングソニックを繰り出す時のポーズ
エクシス:マグニバイザーとツインブレイカーの形状が何となく似てると思い、仮面ライダークローズのファイティングポーズ
アビス:裏モチーフが鮫である事から、仮面ライダーファイズの手首スナップ
王蛇:シャンゼリオンのポーズ
オルタナティブ・ネオ:仮面ライダー1号の変身ポーズ

……うん、もう何も言ってくれるな←

ちなみに何故ボルキャンサーがボスキャラポジションなのかと言うと「喋ったら面白そうなモンスターってどれだろうなぁ~」と思いながら考えてみた結果、真っ先に思い浮かんだのがボルキャンサーだったからです(身も蓋もねぇ)
え、ボルキャンサーにリイマジシザースや宇宙一迷惑な存在が乗り移ってるって?
気のせいだ気のせい←

えぇもちろん、全部夢オチですとも。
特に二宮・浅倉・スカリエッティのキャラ崩壊シーンなんて、この話以外では絶対に書きませんからね!?
良いな、フリじゃないからな!?

はい、そういう訳でまた次回(ヤケクソ)

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