古代の戦士と9人の女神達   作:クウガに心奪われた男

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未確認生命体の毒により倒れた戦士クウガ事中野雄介
彼が亡き今未確認生命体の脅威に立ち向かえるのは・・・第15話始まります。


第15話 戦士

中野雄介が亡くなり1日が過ぎた翌日。

 

「そうですか、わかりました」

 

海未は携帯の通話を切りふぅと息を漏らす。

 

「海未ちゃんどう?」

 

「えぇやはりことりは部屋から出てこず返事もしてくれないそうです」

 

「じゃあ今日はお休みなんだね・・・」

 

「そうなりますね・・・花陽、凛の方は?」

 

「・・・凛ちゃんも同じだよ部屋から出てこないって」

 

「そうですか・・・」

 

雄介が亡くなり2人は一向に雄介から離れようとせず2人を連れて帰るのにかなりの時間が掛かった。

 

「他の皆はどうかな?」

 

花陽と一緒に廊下を歩き部室に向かう海未。

 

「どうでしょうか?」

 

部室にの前に着き扉を開ける。

 

「あら、海未、花陽おはよう」

 

「絵里おはようございます」

 

「おはよう皆」

 

部室にはことり、凛、穂乃果、意外の全員が来ていた。

 

「絵里達は大丈夫なのですか?」

 

「大丈夫・・・って言いたいけど正直きついわ」

 

「そうね私も」

 

絵里に続き真姫もそう言い

 

「そう・・・ですよね」

 

「ねぇ海未ちゃんことりちゃんと凛ちゃんは?」

 

「ことりと凛は今日はお休みです」

 

「・・・やっぱりあの2人はショックでかいやろなうちらもそうやけどあの2人は特に」

 

「・・・ずっと泣いてましたからね」

 

部室に沈黙が訪れ皆俯く。

 

「・・・嫌な事起きなきゃいいけど」

 

「どういう意味です?」

 

絵里の発言に疑問を抱く海未。

 

「ほら、ことりと凛あの子達言葉には出さないけど雄介の事好きでしょ?だから雄介を追いかけるって事になったら」

 

「・・・っ!縁起でもない事言わないでください!ことりと凛に限って」

 

「でもっ!その可能性だってあるわけでしょ!最悪の場合を考えたら」

 

「絵里!あなたは!」

 

「やめなさいあんた達!」

 

バンっ!と机を叩き2人の言い合いを止めるにこ。

 

「雄介が死んで考えが最悪の方に向かうのはわかるわでもことりと凛は自殺なんてしないし私達が絶対にさせない!」

 

「・・・にこ」

 

「そんな事したら雄介が悲しむでしょ?今まで私達の笑顔を守ってきてくれたのはあいつなのよ?だから雄介を悲しませる事はあの子達は絶対にしないはずよ」

 

「・・・ごめんなさい私が変な事言って」

 

「大丈夫よ、あっそうだわ今日の放課後あの子達の家に寄って行きましょ私達で元気付けてやりましょうよ」

 

「にこちゃん」

 

「真姫もいいわよね?」

 

にこの表情に気付き頷く真姫。

 

「・・・えぇ大丈夫よ(にこちゃんもすごくつらそうそれでも皆の為に無理に元気付けて)」

 

「さっもうすぐ授業だし私は先に教室に戻るわね」

 

そう言ってにこは部室を出て少し歩き

 

「・・・なんで死んじゃったのよ・・・バカ雄介!」

 

ドンっと壁を殴り唇を噛み締めていた。

 

 

海未達も教室に戻りHRが始まりまず最初に告げられたのは

 

「授業を始める前に皆さんに残念なお知らせがあります

中野雄介さんが・・・」

 

先生が雄介の事を話し初め教室がざわつきそれでも海未の頭の中には入って来なかった。

 

「(雄介・・・あなたは・・・)」

 

後の事は覚えてないそれでもちゃんと授業を受けチャイムが鳴り海未はお手洗いの為教室を出て少しして戻って来た頃。

 

「・・・」

 

海未の目に写っていたのは今まで雄介が使っていた机の上に花が添えられていた。

 

「こ、・・・れは?」

 

「あぁこれ?さっき皆で中野君の机の上に添えようって

皆で選んで持ってきたんだ」

 

クラスメイトの子が説明するが海未の頭の中は真っ白で

海未は無意識に雄介の机に近づき。

 

「・・・っ!」

 

その花を花瓶ごと持ち地面に叩きつける。

 

「ちょ!?園田さん!?」

 

「なにやってるの!?」

 

突然の海未の行動に皆が驚く。

 

「雄介は・・・雄介は死んでいません!私達を置いて雄介はぁ!!!」

 

 

 

ーーー

 

ーーーーーー

 

「・・・ここは?」

 

「目が覚めたのね海未」

 

海未が目を開けた先には絵里が居て海未は寝込んでいる状態だった。

 

「私は・・・」

 

「あなた教室で暴れてそのまま気を失ったのよ」

 

「そう、・・・だったのですね」

 

「一体どうしたって言うのよ?何かあったの?」

 

「・・・雄介の机の上に花が添えられていてそれでそれを見た瞬間頭が真っ白になって」

 

「・・・海未は今でも雄介の死を受け入れられない?」

 

「・・・当たり前じゃないですか!小さい頃から一緒にいてこれからも一緒に居るんだと思ったら突然死んだって私はとても受け入れられない」

 

「そうよね」

 

「雄介がクウガになりいつも心配してました、それはことりや穂乃果みんなだって同じ気持ちだったと思いますでも、心のどこかで安心してたんです雄介なら大丈夫だろうって」

 

「そう・・・よね私も心のどこかでは安心していたわ雄介なら」

 

「でも!その雄介が居なくなるなんてとても信じられません!」

 

「私も信じたくないわ・・・でもね海未、私達は雄介の死を乗り越えらなきゃいけないの・・・わかるでしょ?」

 

絵里の言葉に海未は何も言えないでいた。

 

「海未や私だけじゃないμ'sの皆も乗り越えなきゃじゃなきゃ一生私達は立ち直れない」

 

「・・・絵里、すみませんあなたの言うとおりです・・・ですが今の私は立ち直れそうにありません」

 

「海未!」

 

海未はベッドから立ちゆっくりとドアに近づき。

 

「私はあなたが思ってるほど強くないんですよ・・・私は絵里のように強くない・・・」

 

そう言い残し海未は保健室から出ていった。

 

「・・・何、言ってるのよ・・・私だって、私だって!強くも何ともないわよ!」

 

絵里は膝を着き両手を上げ床を叩くその強く握りしめた拳にパタパタと滴が落ちる。

 

「私だってこんなにも弱いのよ・・・でも、でも!誰かが立ち直らなきゃこのままずっと私達は前に進めないじゃない・・・そうでしょ?・・・雄介」

 

ーーー

 

ーーーーーー

 

ー関東医大病院ー

 

学校を終えた雪穂は穂乃果のお見舞いに来て穂乃果のいる病室にノックする。

 

「お姉ちゃんいる?」

 

「・・・うん」

 

「入るよー」

 

雪穂が中へ入ると穂乃果はガラス越しの窓から夕日を眺めていた。

 

「お姉ちゃん?大丈夫?具合どお?」

 

「ん、大丈夫だよ」

 

雪穂は部屋に飾られている花を取り替え穂乃果の様子を伺う。

 

「・・・ねぇお姉ちゃん、雄介君の、事・・・なんだけど」

 

「っ!」

 

雪穂の言葉にビクッと肩を震わす穂乃果。

 

「今日ね亜里沙に聞いたんだ梓がさ学校休んだからどうしたんだろうって思ってそしたらさ・・・亡くなったって聞いて・・・」

 

「・・・」

 

「雄介君、未確認生命体との戦いで・・・」

 

「やめて!」

 

突然の穂乃果の叫びに雪穂は押し黙る。

 

「お、お姉ちゃん?」

 

「雄介の事は聞きたくない」

 

「・・・ごめんお姉ちゃん」

 

雪穂はお見舞い用に持ってきた果物やアイスを冷蔵庫に入れ。

 

「・・・私、もう行くね?また来るから」

 

雪穂はそう言い部屋を出た。

 

穂乃果は枕に顔を埋めシーツを握り締める。

 

「うぐっ・・・ひっぐ・・・うぅ雄介ぇ」

 

穂乃果は噛み締めるように声を殺し涙する雄介の死を受け入れられない、でもその雄介はもうこの世にはいないその現実を突きつけられ穂乃果はただ涙を流すしかなかった。

 

ーーー

 

ーーーーー

 

ーことり宅ー

 

「・・・ん」

 

ことりは目を擦り上半身を起き上がせる。

 

「・・・もう、夕方なんだ」

 

今日、学校を休み1日中ことりはベッドの中で眠っていた。

 

「顔洗ってこよ」

 

ことりは自室を出て洗面所へ向かう。

 

ことりは自身の顔を見て目元を指で擦り。

 

「凄い目が腫れてる・・・そっか、昨日」

 

昨日の事を思い出す雄介がベッドの上で眠っていてもうその瞳が開かない事をことりは思いだし。

 

「うぐっ!う、うえぇぇぇぇ!!!」

 

ことりはそのまま吐いてしまう感情がぐちゃぐちゃになり雄介の死に思考が追い付かずことりは吐いた後地面に座り込み枯れ果てた目から涙が零れ出す。

 

「ゆーくん・・・本物に死んじゃったの?」

 

ことりはゆっくり立ち上がり水で顔を洗いリビングへと足を運ぶ。

 

ことりは、テレビをつけニュースを見る。

 

すると、内容は未確認生命体関連がやっていて。

 

『未確認生命体第14号の被害は拡大し被害者は50名ほど確認されています。』

 

ことりはテレビを消しリモコンをそのまま地面へと落とす。

 

「・・・私も、未確認生命体に殺されちゃうのかな?

でも死んだら私・・・ゆーくんに会えるかな?」

 

ことりは台所に向かい置かれている包丁を手に取る。

 

「それなら今死んでも同じだよね」

 

ことりは包丁を手首の所へと近づける。

 

「ゆーくん今から私もそっちに・・・」

 

ことりは包丁を手首に当てそのまま手首を切ろうとした瞬間。

 

「!?ことり!あんた何やってんのよ!?」

 

突然入って来たにこに手首を押さえつけられ。

 

「真姫!ことりからそれ取って!」

 

「う、うん!」

 

真姫は素早くことりから包丁を奪う。

 

「離して!私もゆーくんの所に!」

 

「ここであんたが死んだって雄介の所に行けるわけないでしょ!」

 

「いやっ!ゆーくんの所に行くの!」

 

「ことり!」

 

パァンとリビングにその音が鳴り響く。

 

「うっ・・・まき・・・ちゃん?」

 

「いい加減にしなさいよ・・・そんな事して雄介を悲しませたいの!?」

 

「っ!?」

 

「雄介は絶対にこんな事望んでない!雄介が今まで私達の一番大切な物を守ってきてくれた!それをあなたが一番よく知ってるでしょ!?そんな雄介の気持ちと覚悟をあなたは裏切るの!?ことり!」

 

ことりは床に座り込みにこもことりを離す。

 

「ごめんなさい・・・ごめんなさい・・・ごめんなさい」

 

「大丈夫よ・・・大丈夫だから」

 

にこはことりの背中を擦り落ち着くまで続けた。

 

ことりが落ち着きを取り戻しなぜ2人がここに来たのかを問う。

 

「今日、皆と話してあなた達の家に行こうって話しになったのよ

それで私と真姫でことりの家、希と花陽で凛の家に行くことになって」

 

「そしたらさっきの場面に出くわしたってわけ」

 

「・・・そうだったんだ」

 

「それにしても絵里の言うとおりになるなんてね」

 

「・・・どういう事?」

 

「今日、あなたと凛が学校休んで雄介の事で落ち込んでるって話しになって最悪の場合自殺するじゃないかって絵里がね」

 

「・・・ごめんなさい」

 

「もういいわよ、もうこんな事しないって約束してくれるなら」

 

「うん」

 

真姫は携帯を取りだしにこの顔を見て。

 

「にこちゃん私、希の方に連絡してみるわ凛の様子も気になるし」

 

「そうね、わかったわ」

 

真姫はそのまま希に連絡を取ることりと同様、凛も同じ過ちをしかねないそう思い真姫はいてもたってもいられなかった。

 

『もしもし真姫ちゃん?』

 

「希?凛の様子はどお?」

 

『何とか大丈夫や昨日と違って落ち着いてるし今、花陽ちゃんとお話してるよ』

 

「そう・・・良かったら凛に変わってもらえる?」

 

『うん、ちょっと待って・・・凛ちゃんー真姫ちゃんから』

 

『もしもし?真姫ちゃん?』

 

「凛、大丈夫?」

 

『大丈夫・・・とは言えないかな正直今もすごく苦しいよ』

 

「そう、・・・よね」

 

凛も昨日の事で落ち込んであまり話せる状態じゃないと思っていたが案外元気なようで真姫も安堵をつく。

 

『でもね凛、まだゆーすけの事諦めていないんだ』

 

「・・・どういう事?」

 

凛の発言に真姫は疑問を持つ。

 

『だって・・・ゆーすけは絶対に約束を破らないから』

 

「・・・凛」

 

昨日の椿の治療を受けても雄介は助からなかった。

 

昨日、椿が見せてくれた診断書に書かれている通り医者の娘でもある真姫が見ても十分に分かるほどに雄介の体はひどい状態であった。

 

普通死んだ人間は生き返らないそれでも凛は雄介が帰ってくる事を信じているそれを、真姫は現実をつきつけるのではなく。

 

「・・・そうね、雄介は絶対に帰ってくるわ」

 

真姫は初めて友達に嘘をついた。

 

『真姫ちゃん・・・ありがとう』

 

「うん・・・だから凛も早く学校に来なさいよ皆や私それに・・・雄介が待ってるんだから」

 

『うん・・・うん・・・ありがとう真姫ちゃん』

 

凛のすすり泣き声に真姫もつられ涙を流す。

 

「(ごめんね凛・・・今は、こんな事しか言えないのよ)」

 

真姫は凛との通話を終え涙を手で拭うが溢れでる涙は止まらない。

 

「よく頑張ったわね真姫」

 

「にこちゃん・・・にこちゃん!」

 

真姫はにこに抱きつきにこの肩で泣くそれをあやすようにゆっくりと頭を撫でるにこ。

 

「皆つらい・・・誰だって辛いのよ・・・ねぇことり、もう死のうなんて絶対にしないでお願いだからこれ以上皆を悲しませる事はしないで」

 

「にこちゃん」

 

自分の過ちでもっと皆を辛い目に合わせてたかもしれないことりは深く心の中で反省をしていた。

 

ーー

 

ーーーーー

 

ー深夜ー

 

ことりは家を出てある場所へと向かう。

 

「ゆーくん」

 

ことりは見上げる徒歩数分で着く雄介の家その玄関に立ちインターホンを鳴らす。

 

「・・・?いないのかな?」

 

中から返答はなくことりはドアノブに手を掛ける。

 

「?空いてる」

 

ガチャっとドアを開け中を覗く。

 

「梓ちゃーん?」

 

暗い廊下の中いるであろう梓に問いかけても返事はなく

ことりは玄関に立つ。

 

「お、お邪魔します」

 

薄暗い中ギ、ギ、と廊下を歩く音が響くことりはリビングを覗き確認してみるが梓の姿はない。

 

「上かな?」

 

ことりは階段を上り雄介の部屋の前に立つ。

 

「梓ちゃんいるの?」

 

ゆっくりとドアを開け中を覗く。

 

すると中は雄介のベッドの所で梓が座りながら寝ていた。

 

「梓ちゃん」

 

梓の所へと近づきことりはベッドを見るそこには雄介が眠っており梓は雄介の手を握りながら寝ていた。

 

「梓ちゃん起きて?風邪ひいちゃうよ」

 

ことりは梓を揺すり目を覚まさそうとする。

 

「ん?・・・誰?」

 

梓は目を覚まし手で目を擦り声を掛けられた人物を見る。

 

「ことり・・・ちゃん?」

 

「うん、ことりだよ」

 

「どうしてここに?」

 

「うん、ちょっとねゆーくんにね会いに来たの」

 

「そうなんだ」

 

ことりも梓と同じ所に手を握る。

 

「・・・冷たい・・・ね」

 

「うん、お兄ちゃんの手すごく冷たいよ前までは暖かったのに」

 

梓はポロポロと涙を流し雄介の手をぎゅっと強く握る。

 

「今まで私を繋いでくれたこの手がずっと冷たいの・・・なんで?なんで!?お兄ちゃんが死ななくちゃいけないの!?なんで!?お兄ちゃんは妹の私を残していなくなっちゃったの!?どうして!?お兄ちゃん!」

 

「梓ちゃん!」

 

ことりは梓を抱きしめる兄の死により梓の心は不安定だったそれをことりは強く抱きしめ。

 

「辛いよね?苦しいよね?私もだよ梓ちゃん私も苦しくてだから・・・一回死のうとした」

 

「えっ?」

 

ことりの発言に梓は驚く。

 

「ゆーくんの後を追いかけようとしたのでもね私の大切な友達に止められたの」

 

ことりは苦笑気味に言いその時の自分を深く反省していた。

 

「私がゆーくんの後を追いかける、って言った時そんな事をして悲しむのは他の皆やゆーくんだって言ってくれたの。

だから私は気付いたのなんてバカな事をしようとしたのかなって」

 

「でも、ことりちゃんの気持ちもわかるよ私だって今でも」

 

「でも、死ぬなんて考えちゃ駄目だよ私が言えた義理じゃないけど死んだら本当に大切な物を失っちゃう」

 

「大切な物?」

 

「ゆーくんが守ってきたもの・・・''笑顔''だよ」

 

ことりは梓からゆっくり離れ顔を見てにっこりと笑う。

 

「梓ちゃん今は辛いけど少しずつでいい一緒に乗り越えて行こ?私も頑張るから」

 

「うん、そうだね・・・ありがとうことりちゃん」

 

 

 

ーーーーー

 

ーーーーーーーー

 

 

 

未確認生命体対策本部は朝から会議が開かれ第14号の対策を練っていた。

 

未確認生命体対策本部の本部長である松倉本部長は手元にある資料を見て。

 

「以前作られた対未確認生命体用特殊ガス弾が14号に効果がなくなっていると報告があった」

 

「えぇ奴らにも撃たれる度抗体ができ効果も薄まっていくのだと思います」

 

榎田は一通り説明し松倉本部長は掛けていた眼鏡を外し

 

「その弾の強化は可能か?」

 

「現段階ではまだ・・・ですが出来るだけ急がせるつもりです」

 

「頼む・・・ここにきて第14号の被害は拡大している皆危険なのは重々承知だが頑張ってくれ!」

 

「「はい!!!」」

 

会議は終わり対策本部で次に14号がどこに現れるか一条達は対策を練っていた。

 

「にしても奴が暑い場所に現れるって言ってもこの広い場所じゃなぁ」

 

「そうっすねエアコンの室外機に関わらずここ最近の奴の行動は広がっていますからね」

 

杉田と桜井が話している間1人の警察官が口にする。

 

「そう言えばなんで4号は姿を現さないんでしょうか?」

 

その言葉に一条の肩は震える。

 

「まぁ確かになぁ」

 

「突然ですよね4号が来なくなったの」

 

「4号が来てくれれば未確認を倒してくれて被害が少なくなるかもしれないのに」

 

一条はその警察官の言葉に頭に血が昇る。

 

それではまるで4号が来ないせいで被害が大きくなっていると言っているように聞こえたからだ。

 

一条はその警察官に一言言おうとした瞬間。

 

「なに考えてんだお前!何でもかんでも4号が助けてくれると思ってんのか!?あいつだっていつも俺達人間の為に戦ってくれてるそれだけでも感謝だろ!

それにいつまでも4号だけに頼らず1人でも街の市民を守るそれが俺達警察官だろうが!」

 

杉田の怒号にたじろぐ警察官。

 

「す、すみません杉田さん・・・俺、無神経な事を・・・少し頭冷やしてきます」

 

そう言って警察官は会議室を後にし一条は杉田にお礼を言う。

 

「杉田さん、ありがとうございます。杉田さんが言わなければ私が彼に言おうとしてました」

 

「あ、あぁ別にいんだよ本物の事を言ったまでだしな。それに4号にだって色々あるんだろうしとりあえず俺達は俺達なりに頑張ろうぜ」

 

「はい!(中野、君を想ってくれる人は沢山いる・・・本物に凄い奴だよ君は・・・だがそんな君でも・・・もう」

 

 

ーーー

 

ーーーーーー

 

ー翌日ー

 

ことりは制服に着替え鞄を持ち玄関のドアを開ける。

 

「・・・よし!」

 

気合いを入れ学校に向かう途中登校中の海未の姿を見つけ側に駆け寄る。

 

「海未ちゃん!」

 

「!ことり!?もう大丈夫なのですか!?」

 

「うん、ごめんね心配かけて」

 

「いえ、ことりが来てくれたのならそれで・・・ですが昨日にこから話しを聞いてあなたは・・・」

 

「・・・うん、死のうとしたよ・・・ゆーくんの後を追いかけるつもりだった」

 

「ことり・・・」

 

「でも、にこちゃんや真姫ちゃんに説得されて私自身も気付いたのゆーくんの守りたかった物を私は手放そうとした事を」

 

「雄介が守りたかった物・・・笑顔ですね?」

 

「うん、だってゆーくんいっつも言ってたもん皆の笑顔が大好きだって」

 

「ことり・・・残酷な事をいいますがあなたは雄介がいなくなってそれでも笑顔でいられますか?」

 

「っそれは・・・」

 

「私だって雄介の死に混乱し昨日頭がおかしくなり倒れました。それに絵里に言われ雄介の死を乗り越えなければいけないそう言われたのですが、私は正直乗り越えられそうにありません」

 

「・・・私だってそうだよゆーくんがいなくなって今でもここがずっと苦しいよ」

 

ことりは自分の胸元をぎゅっと掴む。

 

「それでも私は決めたんだ・・・この辛さを乗り越えて必ずゆーくんが大好きだった笑顔を取り戻す今は無理だけど何年、何十年掛かったっていい私はそう決めたから」

 

「・・・ことりは強いのですね」

 

「ううん、強くなんてないよ皆に言われなきゃ気付けなかったもん」

 

「いえ、それだけの意思を持っただけでもあなたは立派です」

 

2人は会話をしている内に学校に着き門をくぐると。

 

「海未!ことり!」

 

2人の名前を呼び走って駆け寄る絵里と希。

 

「良かった2人共大丈夫やったんやね」

 

「ことり昨日にこから聞いたわよ!自殺なんて・・・何バカな事しようとしてるのよ!」

 

「ごめんなさい絵里ちゃん」

 

「まぁまぁえりちここじゃ何だし部室に行こ?っな」

 

希の発言により4人は部室に向かう。

 

「あっにこっち早かったんやね」

 

部室に入るとにこがもう来ていた。

 

「あら、おはよう皆・・・ことり、もう大丈夫なの?」

 

「うん、昨日はごめんねにこちゃん」

 

「いいのよ、ことり自身ももうわかってるみたいだしね」

 

「うん」

 

「・・・どうやらにこが話をつけてくれたみたいね、でもことりお願いだからもう死のうなんて考えないで」

 

「大丈夫だよ絶対にそんな事二度としないから」

 

「そう・・・ならあなたを信じるわよ」

 

海未が辺りを見渡しにこに訪ねる。

 

「にこ、真姫達はまだ・・・?」

 

「えぇまだ来てないみたいね?」

 

「そう言えば希、昨日あなたと花陽で凛の家に行ったのよね?凛は大丈夫だったの?」

 

「うん、すごく落ち込んでいたけど話せるくらいには元気があったよ」

 

「そう、なら大丈夫そうね」

 

絵里は、安堵し胸を撫で下ろす。

 

「にしてもおそいわねぇ1年生ズ」

 

「確かに・・・本当に凛に何かあったのでしょうか?」

 

そうこう思ってる内に部室のドアが開き1年生3人が入ってくる。

 

「おはようみんな」

 

「おはよう、遅かったじゃない」

 

「うん、ちょっとね・・・」

 

歯切れの悪い花陽に希は首を傾げ。

 

「何かあったん花陽ちゃん?」

 

「それが・・・」

 

「かよちん、ここからは凛が話すよ」

 

凛の真剣な眼差しに皆が唾を飲む。

 

「みんな、驚かないで聞いてほしい・・・ゆーすけが生き返るかもしれない」

 

「「「!!!???」」」

 

凛の爆弾発言に皆が驚き沈黙する。

 

「凛、なぜそのような冗談を?」

 

先に口を開いたのは海未そんな海未の言葉に凛は続ける。

 

「冗談なんかじゃない・・・本当だよ」

 

「でも・・・どうしてそんな事を?」

 

ことりも凛の言葉に信じられずだが凛が嘘をついてるようにも見えない。

 

「みんな、桜子先生がゆーすけ・・・クウガの事や昔の言葉の事を調べてるのは知ってるでしょ?」

 

「まぁ・・・そうやねぇ」

 

「それで今日、桜子先生の所に行って調べて貰ったんだゆーすけの石のこと」

 

「ゆーくんの石?・・・アマダムの事?」

 

「どうしてアマダムの事を調べたのですか?」

 

「ゆーすけが亡くなる直前まで最後まで抵抗していたアマダムそれに何かヒントがあるんじゃないかって真姫ちゃんが言ってね」

 

そう、提案したのは真姫その事に他のメンバーは驚いた。

 

「そう、今まで雄介の体を治してきたアマダムがなぜその毒には、耐えられなかったのかそれが疑問だったのよだから調べたの貰ったのアマダムの事」

 

「それで何かわかったのですか?」

 

「''戦士の瞼の下大いなる瞳現れても汝涙する事勿れ''」

 

真姫の突然の言葉に皆が首を傾げる。

 

「今言った言葉が桜子先生から得たアマダムに関する情報よ」

 

「どういう意味ですそれは?」

 

「さっき椿先生にもこの事を話して桜子先生はこう言ったわ例え戦士が倒れても涙するなって」

 

「涙するな・・・悲しむなって事?」

 

「そうね・・・そして椿先生が瞼の下大いなる瞳って意味これは瞳孔のさんだい、これは人が亡くなる時に確認する為に行うものそれを涙するなって事は・・・」

 

「まさか!?・・・まさか生き返るっていうの?・・・雄介が」

 

絵里の言葉に皆が驚き真姫は頭を縦にふる。

 

「正直信じられない事だけどね、1度死んだ人間はどうやったって生き返らないわ、だけど雄介の中にあるアマダムなら・・・」

 

「ゆーくんが生き返る?・・・」

 

「でも!確定じゃないわ!1つの可能性が出てきただけよ・・・あまりにも常識はずれだから大きな希望は持たない方がいい」

 

「それでも雄介は生き返る可能性はあるのよね?」

 

「にこちゃん?・・・そうよ、確率的には低いと思うけど」

 

「いいのよ、例え1%の確率でも掛けてみるしかないじゃない私達にはあいつが必要なのよ」

 

にこは部室に飾っている写真を手に取り。

 

「あいつが帰ってこなきゃ皆、こんなふうに笑えないじゃない」

 

写真を見るにこは涙を流しながら写真を抱きしめる。

 

「アイドルは皆を笑顔にする、でも今の私達にはその笑顔を届ける事は出来ないそうでしょ?」

 

にこの言葉に皆が沈黙する。そう、にこの言うとおり今の状態じゃあμ'sとしてステージには立てない笑顔を届ける事が出来ない今のままじゃ。

 

「・・・凛は信じるよゆーすけが凛達の所に帰って来てくれる事」

 

「凛ちゃん・・・」

 

「だってこのままお別れなんてやだもん!もっと、もっと!ゆーすけといたいよ!ゆーすけとずっと一緒にいたいよ!」

 

「そうね、この中にいる全員が凛と同じ気持ちよ」

 

うん、っと皆が頷く雄介が生き返る可能性それを信じ皆が祈る雄介の帰りを。

 

 

 

放課後になり、ことりは雄介の家に向かう。

 

雄介が生き返るかもしれないと梓に直接話したかったからだ。

 

「梓ちゃーんいる?」

 

家のインターホンを鳴らし梓が入ることを確かめる。

 

「・・・返事がない、居ないのかなぁ?」

 

ドアノブを捻ると鍵が開いていた。

 

「もしかして昨日と同じで梓ちゃん、ゆーくんの所に」

 

玄関に入り中を確かめる。

 

「梓ちゃんの靴がある」

 

梓の靴がある事を確認し。

 

「お邪魔するね」

 

ことりは中に入り雄介の部屋へと向かう。

 

「梓ちゃーん・・・やっぱりここにいた」

 

雄介の部屋のドアを開け中を確かめると昨日と同じく雄介に寄り添うように梓は寝ていた。

 

「梓ちゃん起きてもう夕方だよ?」

 

ことりは梓を揺すり梓を起こす。

 

「ん?・・・ことりちゃん」

 

「うん、ごめんねまた勝手にお邪魔しちゃって」

 

「ううん、いいよ」

 

梓は目を擦りゆっくりと立つ。

 

「今日もお兄ちゃんに会いに来たの?」

 

「うん、それと梓ちゃんとお話したかったの」

 

「私と?」

 

「うん、梓ちゃんにとって大事な話」

 

ことりは今日、真姫が話した事をすべて梓に告げた。

 

「うそ・・・でしょ?」

 

「本当だよ、でもこれは、あくまで可能性の話だから絶対じゃない、これを忘れないで欲しいの」

 

「う、うん・・・でも変だと思ってたの昨日あんなに冷たかったお兄ちゃんの手が今日はずっと暖かったの」

 

「えっ!?」

 

ことりは直ぐ様雄介の手を握る。

 

「・・・本当だ昨日と全然違う」

 

「気のせいかと思ってたけど、もしかして本当に?」

 

「ゆーくんが、生き返る?」

 

ことりと梓は雄介の部屋を後にしリビングに向かいことりに飲み物を、出す。

 

「ありがとう梓ちゃん」

 

「ううん、それにしても本当に・・・今でも信じられない」

 

「そうだよね・・・でも、ゆーくんのクウガの力なら可能性はある。

現に今も体温が温かくなってるし」

 

「うん、夢じゃないんだね?」

 

「現実だよ、ねぇ梓ちゃん、ゆーくんが帰ってきたら一緒に言お?おかえりなさいって」

 

「うん・・・うん!」

 

梓は感極まり涙を流すそんな梓をことりはゆっくり優しく抱きしめる。

 

時間が18時を指した頃、ことりは中野家を後にしようとするが。

 

「ごめん、梓ちゃん最後にゆーくんの顔見ていっていいかな?」

 

「うん、いいよ私は下で待ってるね」

 

「ありがとう!」

 

ことりは二階へと登り雄介の部屋に入る。

 

「ゆーくん」

 

ことりは雄介の横に立ち腰を下ろす。

 

「皆、待ってるよ・・・だから早く帰ってきてね」

 

雄介から当然返事はない、ことりは、雄介の顔を覗くように近づき。

 

「ゆーくんに伝えたい事たくさんあるから・・・でも、

1番伝えたい気持ち、それは・・・」

 

ことりは雄介の唇とことり自身の唇を重ねる。

 

「あなたの側で笑顔で伝いたいから、だから、ことり待ってるね」

 

ことりは今日1番の笑顔を雄介に向け伝えた。

 

 

 

ー翌日ー

 

ことり達は学校に登校し途中で海未と合流する。

 

「おはよー海未ちゃん」

 

「おはようございます。ことり」

 

2人は雑談しながら学校へと向かい。

 

「そう言えば昨日穂むらに寄り雪穂に会ったんですよ、そしたらもう少しで穂乃果退院ですって」

 

「そうなの!?じゃあまた皆、揃うねμ'sのみんなとゆーくんが」

 

「・・・えぇ!そうですね!」

 

海未はまだ、半信半疑だった雄介が生き返る事を。

でも、ことりの笑顔を見て賛同するしかなかった。

 

「(ことりは、信じているのですね・・・私はまだ・・・)」

 

その気持ちをうやむやにし学校にたどり着く。

 

ことり達は、授業を受け時が進み放課後へ。

 

 

「じゃあ昨日、雄介の家に行ったら体温が高くなっていたのね?」

 

昨日、ことりが雄介の家に行って昨日の事をありのままに話真姫は腕を組み考える。

 

「・・・雄介が生き返る可能性0じゃないって事ね」

 

「真姫ちゃんそれって?」

 

「えぇ普通死んだ人間の体温は戻らないわでも、ことりが雄介の手を触れて体温があったって事は・・・」

 

真姫の言葉を待たずとも皆予想がついた。

 

「・・・信じられませんね・・・でもこれで本当に雄介が生き返るなら」

 

「生き返るよ!」

 

「凛?」

 

「ゆーすけは、絶対に帰ってくる!凛は信じてるから!」

 

「・・・えぇ、そうですね!私も雄介が帰ってくる事楽しみになってきました!」

 

海未の言葉に絵里が微笑む。

 

「どうしたんえりち?」

 

「いえ、前の海未はすごく落ち込んでいたから、でもあんな嬉しそうな海未を見たらね」

 

「そうやね、心が温かくなるなぁ」

 

「えぇ」

 

雄介の話に皆、喜んでいる中、学校の外では大変な事が起きていた・・・。

 

そう、それは初めて未確認生命体が学校に来たときと同じあの絶望がまた彼女達に襲いかかろうとは誰も予想出来なかった。

 

ー学校、校門内ー

 

学校の授業が終わりこれから部活、それと帰宅する学生が多い中ひたすら走り回ってこの学校にたどり着き倒れる中年男性。

 

「な、なに!?」

 

突然な事に大勢の学生が驚くそんな中男性は顔を上げ苦し紛れに。

 

「た、たすけ・・・」

 

男性はそう言い倒れそのまま息を引き取った。

 

「え、どうしたの!?」

 

「大丈夫ですか!?」

 

「だ、誰か先生呼んできて!」

 

学生達は少しパニックになり慌てていた。

 

そんな中大きい帽子を被った男性が校門の前に立ち。

 

「ヅビザ、ボボビギジョグババ」

 

そう言って男は校門を潜り抜ける。

 

 

「なんかすごく大きい声が響くね?」

 

校庭が騒がしいほどことり達の耳にも届いていた。

 

「部活・・・にしては、おかしいですね」

 

疑問を、持っているとバンっとドアが荒々しく開く。

 

「みんな!ここから早く逃げるんだ!」

 

そこにいたのは集、息を切らしながら伝える。

 

「集君?何かあったの?」

 

「み、未確認生命体が学校に現れた!」

 

「「!!!???」」

 

「どうして、またこの学校に!?」

 

「考えるのは後だ!今は先生達が対処してるから俺達は早く避難しないと!」

 

「え、えぇわかったわ!皆!行きましょ!」

 

集に続くようにμ'sの皆も走って避難する。

 

「未確認はいまどこに?」

 

「さっきの情報じゃあグラウンドの場所だ部活をしていた大半の生徒が未確認に襲われた」

 

「そんな・・・また沢山の人が」

 

ことり達が学校を抜け外に出ると倒れている生徒や先生が沢山いた。

 

「そんな・・・皆、未確認に?」

 

「見るな!今は避難する事だけを考えろ!」

 

ことり達は再び走り出し校門の前までたどり着いた所に。

 

「ビガガバギジョリント」

 

怪人態となったギノガが校門の前をふさぐ。

 

「き、きゃあぁぁぁ!」

 

「くそがぁ!」

 

ことり達は振り向き逃げようとするがギノガはジャンプし逃げ場をふさぐ。

 

「・・・くそっ!お前が雄介を!」

 

集は殺された野球部員のであろうバットを拾い上げ構える。

 

「待って!集くん!」

 

「お前が雄介を殺した奴だな!?ぜってぇに許さねぇ!」

 

集は、ギノガにバットを振りかざし勢いよくギノガの頭に命中させる。

 

「ぐっ!」

 

「・・・威勢のいいリントだね・・・でも」

 

ギノガは集の腕を掴み力を入れる。

 

そして・・・

 

ボキボキボキ!っと嫌な音が鳴り響く。

 

「!?ぎぃやあぁぁぁぁぁ!!!」

 

集は腕を折られそのまま投げ飛ばされる。

 

「集くん!」

 

「いや、いやぁああ!」

 

集は気を失い返事をしない。

 

ギノガはμ's達を見て歩き出す。

 

「ヅビバ、ビリダヂボダンザジョ」

 

絶体絶命のその時!

 

ダァン!っと銃声が鳴り響く。

 

「くっ・・・バビ?」

 

ことり達が振り向いた先には一条達警察官が銃を構えていた。

 

「無事か!?」

 

「一条さん!」

 

一条達は、ことり達の前に立ちギノガに銃を構える。

 

「君達は後ろへ」

 

「ありがとうございます、一条さん」

 

「いや、君達が無事で良かった、後は我々に任せて君達は逃げるんだ」

 

一条はことりにサムズアップをし。

 

「大丈夫・・・中野の守ってきた物は必ず我々が守る」

 

「えっ?」

 

「さぁ君達は避難を!」

 

「・・・はい!」

 

一条はライフルを構え他の警察官達も構える。

 

「榎田が改良してくれた弾で今度こそ仕留めるぞ!」

 

「「はい!!」」

 

「・・・打て!!!」

 

杉田の合図で一斉に発射させる。

 

無数の弾がギノガに的中しあたかも効いたように見えたが・・・。

 

「ボンバロボ・・・ドブビザビババギジョ」

 

「っバケモノめ!」

 

ギノガは弾の雨の中走り2人の警察官の顔を掴み地面に叩きつける。

 

「がっ!」

 

「ぶっ!」

 

そのままゴキッと首を折り。

 

「ひぃいい!」

 

恐怖のあまり警察官達の攻撃の手が止まる。

 

「っ!止めるな!撃ち続けろ!」

 

杉田の言葉でまた一斉に弾を乱射するがギノガには効かない。

 

「そんな・・・あれだけ撃っても効かないの?」

 

ことり達から見ても警察官が劣勢だった。

 

ある者は、毒でやられ。

 

ある者は、 そのまま首の骨を折られ殺される。

 

「いや・・・いや、いやぁ!」

 

「ことり!これ以上見てはいけません!私達は避難を!」

 

ことりはわかっていた。

 

このまま逃げても後から殺される。

 

一条達警察官が殺され次はここにいるμ'sの皆。

 

そんな、恐怖にことりは願うしかなかった。

 

「たす、けて」

 

「ことり?」

 

「助けて!!ゆーくん!!!」

 

 

「ぐあっ!」

 

警察官が投げ飛ばされ一条達の前に転げ落ちる。

 

「くそっ!」

 

ギノガは近づき自身の手に口をつける。

 

この動作は毒の霧をまくしぐさ。

 

絶体絶命のその時!

 

「助けて!!ゆーくん!!!」

 

その言葉が一条の耳に入った。

 

それと同時にバイクの音が聞こえブゥン!っと音を鳴らしギノガの体に直撃するその瞬間を!

 

「ぐあっ!?」

 

一同騒然そして警察官の前に立つ白い戦士。

 

「ゴラゲ・・・ギビデダボバ!クウガ!」

 

ギノガの前に立ちはだかる戦士クウガ。

 

バイクから降りギノガの向けて構える。

 

「ふっ!」

 

クウガが真っ向から攻めギノガにパンチを喰らわす。

 

「ぶふっ!?」

 

怯んだ所をクウガは連続でパンチを繰り出しギノガにダメージを与える。

 

「あれは、4号なのか?」

 

「でも、色が違うし以前報告にあった2号じゃ?」

 

警察官達が白いクウガに疑問を持っていると一条は振り向き。

 

「あれは、白い4号です!色は違いますが間違いなく!」

 

そして、クウガはギノガの後ろに回りギノガの体をがっちり抑え。

 

「刑事さん!俺がこいつを抑えている内にみんなの避難を!」

 

一条達警察官に向けてクウガが叫ぶ。

 

「(中野!?)わかった!杉田さん!まだ学校にいる生徒達を避難させましょう!」

 

「!わかった!おい!今から学校の中に入り避難誘導させる全員続けぇ!」

 

「「はい!!」」

 

杉田の号令で警察官はすみやかに学校に入っていった。

 

「(頼んだぞ中野)!」

 

一条も杉田達に続き中に入る。

 

クウガは中に入っていった一条達を見て頷く。

 

「良し!これで」

 

「クウガ!」

 

クウガは油断しギノガのエルボーを喰らい怯んだ所を体を持ち上げられグラウンドの方に投げ飛ばされる。

 

「ゆーくん!」

 

「ことり!今は避難を!」

 

「っお願い海未ちゃん!ゆーくんを見ていたいの今は目を離したくない!」

 

「ことり・・・」

 

「ことりに賛成ね、今は雄介の近くまで行きましょ!」

 

「にこまで・・・もう、わかりましたよ」

 

全員が、頷きクウガの所まで走る。

 

「くっ・・・」

 

「ボンゾボゴ、ドゾレゾガギデガゲスジョクウガ!」

 

ギノガが走ってクウガに詰め寄る。

 

だが、クウガは咄嗟にギノガにキックを仕掛ける。

 

「おりぃやあ!」

 

「グッ!!!」

 

クウガは着地しギノガを見るがギノガは、立ち上がる。

 

「ボンバロボ、ビババギジョ」

 

「くっ!」

 

クウガは再びギノガにキックを炸裂させる。

 

「ぐぁぁぁ!!」

 

だが・・・。

 

「ズズ、ラザラザ」

 

「くそっ!やっぱり白じゃ駄目なのか!」

 

クウガは本来の力が出せず決定打に掛けていた。

 

焦るクウガに。

 

「ゆーくん!」

 

「えっ?」

 

声が聞こえた方にクウガは向くと。

 

「ゆーくん!」「(ことりちゃん)」

 

「ゆーすけ!」「(凛ちゃん)」

 

「雄介君!」「(かよちゃん)」

 

「雄介!」「(真姫ちゃん)」

 

「雄介!」「(海未ちゃん)」

 

「雄介!」「(絵里)」

 

「雄介君!」「(希)」

 

「雄介!」「(にこ)」

 

「「「がんばれぇーーー!!!」」」

 

「・・・あぁ!!」

 

クウガは、混める全集中を足にそして構え足に炎を宿す。

 

「バビ!?」

 

クウガは走りジャンプし1回転そして! !!

 

「うぉーりぃやあーーー!!!!」

 

「グギャアァ!?」

 

クウガのキックがギノガに直撃そして・・・。

 

「くっ・・・ジュスガバギクウガーーー!!」

 

ギノガのベルトに亀裂が到達しギノガは爆発し跡形もなく消える。

 

「ふぅ」

 

クウガは立ちμ'sの皆を見てこう答える。

 

「ごめん、お待たせみんな」

 

「・・・もう、大遅刻だよ、ゆーくんのバカ!」

 

皆が雄介に駆け寄り抱きしめる。

 

本当に戻ってきたと実感し皆の涙が頬に伝わる。

 

 

 

事件から数時間後、一条達警察官が事件の後処理をし雄介は、救急車に乗っている集の近くに寄る。

 

「ごめんな、集、俺が早く来ていればお前がこんな事にならなかったのに」

 

「へへっ何言ってんだよお前が守ってきた物、少しでも守れて良かったよ」

 

「・・・お前のお陰であの子達は無事だったよ、ありがとな」

 

「あぁ、」

 

「じゃあまた」

 

「あぁ、また」

 

そう言って集は、病院へと搬送された。

 

「ゆーくん」

 

「ことりちゃん?」

 

声を掛けられ振り向く雄介。

 

「ゆーくんの大切な人、連れてきたよ」

 

「ん?」

 

ことりの後ろからスッと出てきた人物。

 

「おにぃ・・・ちゃん?」

 

「・・・梓」

 

「おにぃ・・・お兄ちゃん!」

 

梓は雄介に抱きつき泣き出す。

 

そんな、梓を雄介はぎゅっと抱きしめる。

 

「ごめんな、心配かけて」

 

「本当だよ!お兄ちゃんのバカ!」

 

「あぁ本当にバカな兄貴だ俺」

 

梓が落ち着いた頃、ことりが駆け寄り。

 

「梓ちゃん!ゆーくんが帰ってきたら言いたい事あるよね?」

 

「うん!そうだね!」

 

「言いたい事?」

 

「ちょっと待ちなさいよ」

 

「凛達も、それ言いたいにゃ」

 

他の皆も、わかっているようで雄介は頭をこんがらせる。

 

「えっなになに?」

 

「「せーの!!」」

 

「「おかえりなさい!!バカ雄介!!」」

 

「・・・あぁ、ただいま皆」

 

 

 

ー第15話 戦士endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




随分遅く生りましたーf(^^;
とりあえず無事、雄介が復活した事で次の話も頑張ります。

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