古代の戦士と9人の女神達   作:クウガに心奪われた男

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''ゴ''との戦いで力の変革を見始めるクウガ。
一方、μ'sメンバー内である事件が...。


第18話 遊戯

「どうするの…これ?」

 

梓が映し出された画面に指を指す。

 

「いやーっどうするのって言われてもねぇ」

 

そこに映し出されてたのは。

 

『見ててくれ...俺の変身!』

 

雄介がクウガに変わる瞬間がバッチリと映し出された映像だった。

 

「まさかテレビに映ってるとは思ってなくて」

 

「思ってなくてじゃないよぉ!色んな人がお兄ちゃんの事クウガってわかって色々大変だったんだからぁ!」

 

そう、あの戦いの後。梓の周りは大変だった。

 

「お母さんとお父さんには説明しなきゃだし学校の友達も質問三昧だったし!」

 

もぉ!色々大変だったんだからぁ!っと梓は涙目で雄介に訴える。

 

「ごめんごめん、ちゃんと母さん達にも説明したしそれに俺も大変だったんだよ?学校にいけば質問三昧だったよ俺も」

 

雄介は頭を掻き。

 

「まぁでも梓には迷惑かけたなぁ...ごめん」

 

「...別にいいよ、もう過ぎた事だし」

 

「そっか、なら良かった」

 

そう言って雄介は梓の頭を撫でる。

 

「もう、そうやってすぐ子供扱いするんだから」

 

「何歳になっても梓は俺のかわいい妹だからな」

 

「...バカ///」

 

ーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

よく朝。雄介が学校に着きバイクから降りるとことりが校門の前に寄りかかっていた。

 

「ことりちゃん」

 

「ゆーくん、おはよ」

 

雄介とことりは一緒に教室に向かうがことりは顔を伏せており元気がなかった。

 

「えっと...ことりちゃんどうした?元気ないみたいだけど」

 

「ごめんね、何でもないから」

 

そう言ってことりは教室へと入って行った。

 

「どうしたんだろう?ことりちゃん」

 

雄介も続いて教室に入ると共にワッ!とクラスメイト達が雄介を囲む。

 

「中野!やっと来たか!」

 

「ねぇ変身してよ!変身!」

 

クラスメイト達にそそのかされるが。

 

「っ前にも言ったが見せ物じゃないんだから!ほら、散った散った」

 

雄介がそう言うと、えぇ〜ケチ〜など愚痴をきかされるが雄介

はそれを無視し自分の席に座る。

 

「ったく!何度言ったらわかるんだか!困ったもんだ」

 

「おはようございます。雄介」

 

「あっおはよう海未ちゃん」

 

「大変ですね毎日」

 

「まぁね〜まぁ結構慣れたかな、慣れたくないけど」

 

「そうですか...あの雄介、後で少しお時間いいですか?」

 

「えっ?いいけど...どうしたの?」

 

海未はことりの方をチラッと見て。

 

「ここでは少し話辛いので」

 

「?うん、わかった」

 

雄介が承諾すると同時に穂乃果が教室に入ってきた。

 

「おっはよー!」

 

「全く遅刻ですよ穂乃果」

 

海未の様子が気になるがそれと同時にチャイムがなり朝のHRが始まった。

 

 

1時間目を終え海未が雄介の肩を軽く触れ。

 

「雄介」

 

「あぁ」

 

雄介は海未と一緒に教室を出ていった。

 

その様子をことりが不安な表情で見ていた。

 

屋上。普段μ'sのメンバー達が練習で使われている場所。

 

そこに海未と雄介が入る。

 

「海未ちゃん話って?」

 

「...えぇあなたも気付いているでしょうがことりの事です」

 

「あぁ最近元気ないみたいだけど海未ちゃん知ってるの?」

 

「...多分あの時からでしょうね」

 

「あの時?」

 

「あなたがテレビに映って未確認生命体と対峙していたその後の事です」

 

「俺があの未確認と戦った後?」

 

「あなたは知らされていないでしょうがあの放送が流れていた時ことりは倒れたのです」

 

「なっ!?そんな事が!?」

 

「えぇあなたがあの未確認の前で倒れクウガから雄介の姿に戻った時それと同時にことりも気を失い倒れたそうです」

 

「俺があの未確認にやられた時か」

 

「すぐに理事長...ことりのお母様に連絡を頂き私と穂乃果が連絡を受けた病院に向かいました」

 

「どうだったんだ?ことりちゃんは」

 

「ショックが原因で気を失ったとの事なので大事には至らなかったのですが雄介...ことりが倒れたのはあなたの責任でもあるのですよ」

 

海未の言葉にたじろぐ雄介。

 

「第14号の時もあなたが倒れ今回も...雄介あなたが戦う以上傷つくのは仕方のない事ですがことりもその分傷ついているのです」

 

「そ、それは」

 

「もう少し自分を大事にしてください。だってことりはあなたの事が...」

 

「海未ちゃん!」

 

突然の声に雄介と海未が振り向く。

 

そこには怒り悲しい表情をしたことりが立っていた。

 

「ことり...なぜここに?」

 

「ゆーくんと海未ちゃんが教室を一緒に出ていったから気になってついてきたんだよ」

 

ことりは海未の方へと向かい。

 

「海未ちゃん...私の事を心配してくれるのは嬉しいけどゆーくんに負担をかけるような事は言わないで欲しいの」

 

「ですが」

 

「私は!私のせいでゆーくんに重荷を乗せたくないの!心配かけさせたくないの!ゆーくんの足を引っ張りたくないの!」

 

ことりの怒声に海未は目を開く。

 

「私の想いで...ゆーくんを惑わせたくないの」

 

ことりの悲しげな表情が物語っていた。

 

「ことりちゃん俺は!」

 

「ゆーくん私は大丈夫だから...だから心配しないで?」

 

「ことりちゃん…」

 

そう言いことりは屋上から出ていった。

 

「…あんな怒ったことり初めて見ました…余計なお世話だったのかもしれませんね」

 

「…いや、海未ちゃんは間違ってないよ」

 

雄介は自分の手を握りしめ。

 

「俺が…ことりちゃんを悲しませてしまってるから」

 

ーーーーーーーーーーーー

 

ー放課後ー

 

皆が部室に集まり練習の段取りを始める。ちゃんとことりも練習に参加していたが元気がなく浮かない表情だった。

 

「ことりちゃん…」

 

皆が着替え終わり屋上に向かって練習を始める。

 

「ワン!ツー!ワン!ツー!」

 

海未の掛け声で皆が躍りに集中する。ことりも普段通り練習に励んでいた。

 

 

「みんなーっ!お疲れさまー!」

 

今日の練習が終わり凛が花陽と真姫元へと行き。

 

「真姫ちゃーん!かよちーん!帰るにゃー」

 

「えぇ」

 

真姫が承諾するも。

 

「…凛ちゃんごめんね、私用事あるから今日は2人で帰ってて」

 

花陽は申し訳なさそうに断った。

 

「えっ?かよちん珍しいね」

 

「うん、ごめんね」

 

花陽はそう言い自分の荷物をまとめあげそそくさ部室から出ていった。

 

「じゃあ凛達も準備出来たらいくにゃ真姫ちゃん」

 

「わかったわ」

 

その後、凛達も支度が終わり下校する。

 

「今日も大変だったねぇ~」

 

「そうねぇ…大変と言えば雄介も大変よね?テレビで正体バレちゃったんだし」

 

「うん…ゆーすけも毎日クラスや他の人達から質問攻めで大変って言ってるにゃ」

 

「あまり大事にならなきゃいんだけど」

 

「そうだよね…ってあれ?」

 

「どうしたのよ?」

 

「あそこにいるのかよちんじゃない?」

 

凛が指を指した方角に花陽らしき人物がいた。

 

「確かに…でも隣にいるのって」

 

もう1人花陽と一緒に歩いている人物それは男の人で花陽と親しげに話しているように見えた。

 

「ねぇ真姫ちゃんあれって…」

 

「えぇ…まさか…まさか!」

 

 

 

「「「花陽に彼氏ぃ!?」」」

 

翌日、昼休み花陽に内緒で凛が絵里達を集めその事を話した。

 

「本当なの凛?」

 

「うん…間違いないよ…あんな楽しそうに一緒に歩いていたから。ねぇ真姫ちゃん?」

 

「そうね、間違いないわ」

 

「2人がそういうなら間違いないと思うけど花陽がねぇ」

 

「でも、いてもおかしくないんやない?花陽ちゃん可愛いし」

 

それまで黙っていたにこがバンッ!と机を叩き。

 

「おかしいに決まってるでしょ!?あの花陽が彼氏を作るなんて!」

 

「にこっち?」

 

「私達はアイドルなのよ!?それはあの子も十分理解してるはず!その花陽が…」

 

「まぁにこの言うこともわかりますが…」

 

「まぁでもいてもいいんじゃないかな?私達はスクールアイドルだから本当のアイドルって訳じゃないんだし」

 

穂乃果の発言ににこは穂乃果の肩をがしりと掴み。

 

「こぉんのあほのか!私達はスクールアイドルの中でも注目されてるのよ!?そんな中でμ's内で彼氏がいるってわかったらスキャンダルになって大事になり、ヘタすればラブライブにも出れなくなるのよ!?」

 

「えぇ!?そんな大変な事に!?」

 

「そうよ!今の所ここにいるあの‘‘2人‘‘がいつあのバカに手を出すかヒヤヒヤもんだったけど」

 

ビシッ!とことりと凛に指を指す。

 

「あの2人って」

 

「誰の事かにゃー?」

 

「とにかく!真実を知る為に今日の放課後。花陽の跡をつけるわよ!」

 

 

一方、雄介は屋上である2人とテレビ電話で話していた。

 

「という事なんだよぉ梓からは怒られるし友達は落ち込んでるしどうしよぉ」

 

『大丈夫ですよ!雄介さんなら!』

 

『きっと雄介さんが元気を分けてあげればお二人とも笑顔になりますよ!』

 

「う~ん、なのはちゃんとフェイトちゃんが言うなら俺頑張ってみるよ」

 

『はい!その意気ですよ!雄介さん!』

 

「ありがと2人とも…そう言えばもう1つ相談があるんだけど」

 

『はい?何ですか?』

 

「いやぁあのね他のクウガの姿に変わるとき何か掛け声とか欲しいなぁと思うんだよね何かないかな?」

 

『う~ん掛け声かぁ?』

 

悩んでいるとフェイトが何か思いついたように手をパンッ!と鳴らし。

 

『‘‘超変身‘‘!何てどうでしょうか?』

 

『あっ!それカッコいい!』

 

「超変身かぁ…うん!いいかも!フェイトちゃんそれ貰うね!」

 

『ありがとうございます』

 

「さっすがフェイトちゃん!なのはちゃんの未来の旦那さんはセンスあるねぇ」

 

『えっ!ちょっ!雄介さん!またそうやって///』

 

「あははっ真っ赤になったなのはちゃんは可愛いなぁ」

 

『雄介さん、なのはは可愛いのは当たり前ですけど私のなのはを取らないで下さいよ?』

 

「あははっ大丈夫だよフェイトちゃんの大切な嫁さんは取らないさ」

 

『もう!フェイトちゃんも雄介さんもバカ///』

 

そう話していると屋上の扉がバンッ!と勢いよく開けられ。

 

「ゆーすけ!いたにゃー!」

 

「げっ!凛ちゃん!ごめん、なのはちゃんフェイトちゃん後でかけ直すね」

 

雄介はテレビ電話を切りポケットに携帯を隠す。

 

「...ゆーすけ何隠したの?」

 

「えっ?何も...」

 

「いーや、隠してたにゃそれになのはちゃんとフェイトちゃんって聞こえたにゃ」

 

「何の事かなぁー?」

 

「とぼけても無駄にゃー!」

 

凛が飛び込み雄介とじゃれあっていると雄介の携帯が鳴り出す。

 

「うぉっとと」

 

「また、なのはちゃんとフェイトちゃんかにゃ?」

 

「いや、違う一条さんからだ」

 

雄介は通話ボタンを押し。

 

「はい、もしもし」

 

『中野か...少し君に報告しておきたいことがあってな』

 

「何か事件ですか?」

 

『あぁ、ここ最近妙な事件が多発していて。ある証言では事件が起きた場所に姿が見えないが謎の声が聞こえたと報告があったんだ』

 

「謎の声?」

 

『あぁ、次は何処どこの場所で殺害するとの声が聞こえたらしい』

 

「...殺人予告」

 

『姿が見えない上に謎の声それに巧妙な手口...間違いなく未確認生命体の仕業だろう』

 

「そうですね...姿がわからないってのもまた厄介ですね」

 

『あぁ...とにかくまた何か分かり次第君に連絡をする』

 

「わかりました、とりあえず待機してます」

 

『あぁ』

 

雄介は一条との通話を終え携帯をしまう。

 

「ゆーすけ、また未確認なの?」

 

「うん、とりあえず一条さんの連絡を待つよ」

 

凛は顔を伏せ表情が暗くなる。

 

「凛ちゃんどうした?」

 

「ゆーすけ、また怪我しちゃうの?」

 

「う〜ん、多分ね」

 

「嫌だよ!前もテレビで見たときもゆーすけあんなに傷だらけで凛あんなゆーすけ見るのもう嫌だよ」

 

雄介は凛の頭を撫で。

 

「ごめんな、いっつも心配かけて。でも俺クウガだから」

 

「えっ?」

 

「皆の事守りたいから俺にしか出来ない事をやりたいんだ」

 

「ゆーすけ」

 

「心配かけるけど俺の事信じて待っててくれるか?」

 

「...うん」

 

「ありがと」

 

雄介は再び凛の頭を撫でる。

 

「あっそーだ、ゆーすけ今日の練習の帰り集まれないか?って」

 

「ん?何かあるの?」

 

「うん、実はー。」

 

 

ー放課後 練習後ー

 

「お疲れさま!後は帰ってゆっくり休んでね」

 

練習が終わり皆が帰る準備を行う。

 

「かーよちん今日は一緒に帰れる?」

 

「う〜ん、ごめんね今日も用事があって」

 

「そっかーわかったにゃ」

 

凛はにこに目で合図をしにこは頷く。

 

「じゃあ、お先に失礼します」

 

花陽は皆にそう言い部室を後にした。

 

「...マジか」

 

「ねっ?凛の言った通りでしょ?」

 

「まさかあのかよちゃんがねぇ〜」

 

「とにかく追うわよ真相を掴んでやるわ」

 

 

 

花陽の帰り道を皆で尾行する。

 

「ねぇこれバレたらさすがに花陽も怒るんじゃ?」

 

「なに今更怖じ気づいてんのよ!」

 

「なっ!?別に怖じ気づいてなんかいないわよ!にこちゃんのバカ!」

 

「バカとはなによ!バカとは!」

 

「しっ!痴話喧嘩もほどほどにしないと花陽ちゃんにバレるよ?」

 

「「誰が痴話喧嘩よ!!」」

 

すると花陽は壁に寄りかかっていた男性に手を振り走っていく。

 

「ほ、本当に花陽が」

 

「ハラショー...」

 

花陽は少し談笑し男性と歩いて行く。

 

「あっ!追いかけるわよ!」

 

にこ達は花陽を追いかけ後を追う。

 

「スーパーに入って行ったわよ」

 

花陽達はスーパー入り雄介達もこっそり入る。

 

「夕食の買い出しかしら?」

 

「あっ海未ちゃん!このパンおいしそう!」

 

「穂乃果!そんな大声でバレちゃいますよ!」

 

「海未ちゃんも声大きいにゃ〜」

 

その後も花陽達の後を追いかけ。

 

「それにしても一緒に夕食の買い物なんて一緒に住んでるんやろか?」

 

「まさかっ...いや、でも」

 

「と、とりあえず後を追うわよ」

 

花陽達は買い出しを終え店から出る。

 

「ほんと仲いいわねぇ〜」

 

「まるで兄妹みたいな」

 

道を歩いてる中突然花陽達は歩みを止める。

 

「皆!隠れるわよ!」

 

ササッとにこ達は物影に隠れる。

 

「どうしたのでしょうか?」

 

花陽達は道にボーッと立っている人がいて様子が変だと話し掛ける。

 

「何か様子が変だぞ?」

 

すると話しかけた人が突然倒れ出す。

 

「っおい!」

 

すると花陽達の前に突然未確認生命体が姿を表す。

 

「きゃーっ!!!」

 

「まずい!」

 

花陽の悲鳴と共に雄介が駆け出す。

 

「ヅギボゲロボゼ...」

 

「おりぃやぁ!」

 

未確認が話始めたと同時に雄介が未確認にキックを入れようとするが。

 

「っ!」

 

それを避けられる。

 

「ゆ、雄介君!?」

 

「かよちゃん!大丈夫か!?」

 

「う、うん大丈夫だけどなんでここに?」

 

「話は後だ!その人と一緒に早く避難を!」

 

「う、うん!」

 

花陽はその男性と共に避難する。

 

「バンザゴラゲザ?」

 

雄介は腹部からアークルを出現させ。

 

「''変身''!」

 

雄介はその掛け声と共に赤いクウガへと変身を遂げる。

 

「クウガ!?」

 

「ふっ!」

 

クウガは攻撃を仕掛けるも未確認はクウガのパンチを躱し。

 

「ゴセパ、ギダバサ・グラセダ。メ・ガレメ・レザ」

 

カメレオンに酷似したその未確認は舌でクウガに攻撃を仕掛ける。

 

クウガはそれを避けジャンプしガレメにエルボーを喰らわす。

 

「グッ!」

 

ガレメはクウガの腹部にパンチを喰らわしクウガは後退る。

 

ガレメは再び舌を伸ばしクウガに仕掛けるも。

 

「超変身!」

 

クウガは青い姿に変わりそれを躱し。

 

ジャンプしたその場所に木の枝を折りドラゴンロッドへと変える。

 

「おりぃやぁ!」

 

振り下ろしたロッドがガレメの頭に直撃しクウガは着地したその瞬間ガレメが怯んでる隙にロッドをガレメの腹部に打ち込む。

 

「ゴホッ!」

 

「ふっ!」

 

ガレメが倒れクウガはロッドを持ち直しジャンプする。

 

「おりぃやぁー!」

 

止めとロッドをガレメ打ち込もうとするが。

 

「グッ...!」

 

クウガのロッドがガレメの体をすり抜け空振りする。

 

「何!?消えた?」

 

突然ガレメの姿が消えクウガは周囲を見渡す。

 

「くそっ!逃げたのか!」

 

クウガは構え周囲を見渡すが。

 

「...奴の気配が...ない」

 

クウガは雄介の姿へと戻る。

 

「奴の能力か...厄介だな」

 

「雄介君!」

 

花陽が雄介の元へと走ってくる。

 

「かよちゃん」

 

「た、助けに来てくれてありがとう」

 

「いいって、いいって当然の事をしたまでだし」

 

「う、うん...後さっきも聞いたんだけどなんでここに?それに...」

 

花陽がチラッと後ろを向き。

 

ササッと隠れる物影8人。

 

「なんで皆がここにいるのかなぁ?」

 

「あーっ...ははっ」

 

この後、皆はあらいざらい全てを話した。

 

「ふーん、じゃあ私に彼氏が出来たと思ってみんな私の後を付けてきたんだ?」

 

「えーっと、かよちんもしかして怒ってる?」

 

「凛ちゃん今は私が質問してるんだよ?」

 

「ご、ごめんなさいにゃ!」

 

「まぁまぁかよちゃん皆も反省してるんだし」

 

「雄介君も同伴だよね?」

 

「はい、まったくもってその通りでございます」

 

花陽の笑顔に顔が上がらない一同。

 

「ハァーっ花陽、後を付けて来たのは悪かったわ」

 

しびれを切らしたにこが花陽に謝り。

 

「でもあんたもあんたよμ'sのメンバーがこんな場面目撃されたらあんたもわかるでしょ?」

 

「にこちゃん、別に隠してるわけじゃないから言うけどこの人は私の彼氏じゃないよ?」

 

「じゃあ何なのよ?」

 

「私の親戚のお兄ちゃんです」

 

「「(うわぁありきたりなパターンきたー)」」

 

「は、初めまして花陽の親戚の小泉優作です花陽がいつもお世話になってます。」

 

ーーーーーーーー

花陽の事情を聞き安堵したμ's達が解散し自分たちの家に帰っている最中の三年生ズ。

 

「はーっ本当に一時はびっくりしたわね」

 

「東京の大学を受験して受かったら来年から花陽ちゃんの家に居候するって事だったなんてまぁうちらの早とちりやな」

 

「まぁ彼氏じゃなくって良かったわ」

 

にこと希が話している中、絵里だけが顔をふせていた。

 

「どうしたんえりち?元気ないみたいやけど?」

 

「...私達来年はどうなってるのかなーってね」

 

「えっ?」

 

「私達も来年の春卒業でしょ?その頃この街は平和になってるのかなーって」

 

「えりち...」

 

「雄介も警察の人達も頑張ってる、けど以前雄介が未確認生命体にあそこまで追い詰められてギリギリなんとかなったけど...もし最悪な事が起こったら雄介も私達も」

 

「やめなさい!」

 

「っ!?にこ」

 

「なに弱気になってんのよあんたらしくない雄介が負ける?確かに何度もあったじゃないあいつが負ける事なんて。でもあいつは諦めず何度も立ち上がり私達をこの街を守ってきたじゃない」

 

「にこ」

 

「確かに何が起きるかわからない...でもあいつが諦めない限り私達も絶対に諦めない、そうでしょ?」

 

「えぇそうね、ごめんなさい少し弱気になってたわ」

 

「不安になるよねえりちでも、にこっちの言う通り諦めたら来年も未来もないやん?だから頑張っていこうちらが雄介君や皆を支えんと」

 

「えぇありがとう希」

 

ーーーーーーーー

 

「はい、報告の通り奴は姿を消して犯行を行っていました」

 

「そうか...そういえば君の方はどうだ?体から放電のような物が流れている感じは?」

 

「ビリビリですか?まぁ悪い気はしないんですよ。それに以前戦った未確認にこの力は未完成と言ってたからこの力が完全に使えるようになればこれから強い未確認にも対抗出来ると思います」

 

「そうか、まぁあまり無理せず君は君なりのペースでいけばいい」

 

「はい、ありとうございます」

 

「じゃあまた何かわかり次第連絡する」

 

「わかりました。それじゃあ」

 

雄介は通話を終え携帯を置く。

 

「お兄ちゃん電話終わった?」

 

「うん、今終わったところ」

 

「じゃあ夕飯の支度するから手伝って?」

 

「ん、わかった」

 

梓が食材を切っているその隣にいき雄介がフライパンの準備をする。

 

鼻歌で歌いながら調理している梓を横目で見る雄介。

 

「なぁ梓」

 

「なに?」

 

「梓は中学卒業したらどの高校に受けるんだ?」

 

「もちろん音乃木坂だよ雪穂も亜里沙も一緒だよ」

 

「そっか…」

 

雄介は梓の顔を見て思う。

 

「(最近の未確認の動きは活発だ…それにどんどん強くなってきている。この騒動に巻き込まれて梓にもしもの事なんてあったら俺は…)」

 

「なぁ梓」

 

「ん?」

 

「海外に…母さん達の所に行くのはどうだ?」

 

「…えっ?」

 

梓が手を止め雄介の顔を見る。

 

「なに...それ?」

 

「ほら海外なら未確認はいないしそれに母さん達もいる。ここよりずっと安全だ」

 

「なんでお兄ちゃんそんな事言うの?」

 

「...お前が心配なんだよ」

 

だから...っと雄介は続け。

 

「あっちにいけば安全だし母さん達も喜ぶ」

 

梓は顔を伏せ雄介に近づく。

 

「お兄ちゃんは?」

 

「えっ?」

 

「お兄ちゃんはどうするの?」

 

「俺はここに残って奴らと戦わなきゃ」

 

「…なら、いやだ」

 

「梓?」

 

「私はここに残る」

 

「梓お前」

 

「勝手に決めないでよ!私の行く場所は私自身が決める…お兄ちゃんの言うことは聞かない!」

 

「俺はお前の安全を思って」

 

「安全?…私だけ海外に行って私だけ助かればお兄ちゃんはそれでいいの?後の事はどうでもいいの?」

 

「どうでもよくねぇよとりあえずお前だけでもって」

 

「嫌だよ!雪穂達とは離れたくないしここの家からも絶対に離れたくない!」

 

「梓お前そんな我が儘っ!」

 

「なによりお兄ちゃんから離れたくないの!」

 

「っ!?」

 

梓の意外な言葉に雄介の言葉が積もる。

 

「お兄ちゃんが心配なの、あんなにボロボロになってもいつも笑顔で大丈夫って…私がどれだけいつもお兄ちゃんの事思ってるかわかってないでしょ!?」

 

「…」

 

「お兄ちゃんが心配…お兄ちゃんの側にいたい…ねぇ私お兄ちゃんの側にいちゃ駄目なの?」

 

梓が雄介に近づき。

 

「お兄ちゃんの側にいたいよぉ私を側にいさせてよぉ」

 

梓は雄介に抱きつき涙を流す。

 

「あず…さ…」

 

泣き出した妹をそっと抱きしめる雄介。

 

「ごめん…ごめんな」

 

雄介は梓の頭を優しく撫でる…謝罪と感謝の気持ちを込めて。

 

ーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

今日は学校が休みで雄介は1人街に出る。

 

「昨日は梓を悲しませちゃったからなぁ何かお詫びに買っていくか」

 

雄介はそう言い商店街をウロウロしていると。

 

「あれ?あなたは」

 

っと雄介に声を掛け近寄る人物。

 

「えっ?あっあなたはかよちゃんのお兄さんの…優作さん!」

 

「はい、そうです昨日はありがとうございました。中野さんですよね?」

 

「はい、中野雄介です」

 

「今日は買い物ですか?」

 

「はい、そんな感じで優作さんも?」

 

「はい、ここに引っ越す時に必要な物を少し…あの中野さん良かったら一緒に回りませんか?僕ここに来るのは久しぶりで場所もよくわかっていなくて」

 

「えっ?はい全然いいですよ」

 

「ありがとうございます!」

 

そう言い雄介と優作は街を歩いていく。

 

 

「そうだったんですか妹さんと」

 

「えぇ少し言い合いになっちゃって…それでお詫びにって事で」

 

「いいお兄さんじゃないですか中野さん」

 

「いやぁ全然、優作さんの方が良いお兄さんしてるんじゃないですか?かよちゃんあんなににこにこして一緒に歩いていたから」

 

「花陽は昔から懐いてくれて今でも慕ってくれる本当にいい子なんですよ、でもあんなに恥ずかしがりやなのに今はスクールアイドルをやってるなんて聞いてびっくりしました」

 

「えぇ今では立派なアイドルですよ」

 

「それに中野さん、あなたがあの未確認生命体第4号なのが一番の驚きです」

 

「まぁ最近テレビにデカデカと映っちゃいましたからねぇ」

 

「この東京に未確認生命体が殺人を起こしていてずっと花陽や叔母さん達が心配でしたが身近にあなたがいてくれるのなら安心です」

 

優作は雄介の方を向き頭を下げ。

 

「中野さんこれからも花陽を守って下さい僕にとって花陽は妹のような存在なんです。だからどうか花陽を」

 

「優作さん…わかりました力の限り守ってみせます」

 

「ありがとうございます中野さん」

 

その後、雄介と優作は買い物を終え。

 

「中野さん今日はありがとうございました」

 

「いえいえ、お役に立ててなによりです」

 

「それじゃあ僕はこの辺で」

 

「はい、それじゃあ」

 

優作が少し歩いてふと何か思ったのか雄介の方を向き。

 

「中野さん」

 

「はい?」

 

「これからも花陽の事よろしくお願いします」

 

そう言いペコリと頭を下げ優作は歩いて行った。

 

「えぇもちろん」

 

 

 

 

ーーーーーーーー

 

ーーーーーーーーーーーーー

 

ー深夜0時ー

 

 

「はっ!はっ!はっ!」

 

雄介は息を切らしながら長い通路を走る。

 

…そして。

 

バンッ!と一枚の扉を荒々しく開けそこに飛び込んだ光景は。

 

「…」

 

昼間に会った時はあんなに元気だった優作が変わり果てたようにベッドに横たわっていた。

 

「優作…さん」

 

雄介は恐る恐る近づく。

 

花陽は椅子に座っており顔を伏せたまま動かず心配してきたμ'sメンバー達も押し黙っていた。

 

「さっき警察の人から聞いて発見された時にはもう…」

 

真姫がそう言い雄介は優作の近くに行く。そこには今回の犯行と同じ手口のように首の回りに締め付け死にいたらめた後が残っていた。

 

「…今回の未確認の仕業か」

 

雄介は花陽の所に近づき肩に触れようとした瞬間。

 

「なんで…お兄ちゃんが死ななきゃいけないの?」

 

「かよちゃん」

 

「なんで!?ねぇ!なんで!?」

 

花陽は雄介に飛びかかるように肩を掴み激しく揺らす。雄介は何も言わずされるがままだった。

 

「かよちん落ち着いて!」

 

凛の呼び掛けでピタリと花陽は動きを止めたが顔は伏せたままだった。

 

「…ねぇ雄介君…私、未確認生命体が憎いの…」

 

花陽はバッ!と顔を上げ雄介に訴えかけるように大声で。

 

「だから!未確認生命体を殺して!お兄ちゃんの仇をとって!」

 

花陽の目には怒りと悲しみがいれ混じったような瞳をしていた。

 

「かよ…ちん?」

 

ーーーーーーーー

 

「…」

 

雄介は病院にあるベンチに腰を掛け空を見上げていた。

 

「ゆーくん?」

 

「ことりちゃんか」

 

「大丈夫?…その…さっきの事」

 

「あぁ…さすがに驚いたよなぁまさかあのかよちゃんがあんな事言うなんて」

 

「そう…だね」

 

「でも、あんな顔をされて俺も黙っちゃいられねぇな」

 

雄介は自分の拳をギュッと握りしめ。

 

「あんな辛く悲しい顔をされたら」

 

「ゆーくん…あの」

 

「大丈夫、仇や憎しみなんかで戦うんじゃない…俺はあの子の笑顔を少しでも取り戻せるなら俺はこの拳を振るうよ」

 

「でも、それでも花陽ちゃんの笑顔を取り戻せなかったら?」

 

雄介はことりに近づき頭をそっと撫で。 

 

「取り戻せるさ…だってあの子にはμ'sの皆がいるじゃないか」

 

大丈夫っと雄介はサムズアップをする。

 

「μ'sの皆だけじゃないでしょ?」

 

ことりもサムズアップをし。

 

「ゆーくんもでしょ?」

 

「…あぁ、そうだね」

 

ーーーーーーーー

 

ー翌日ー

 

花陽を落ち着かせ皆が一緒に花陽を送りに行った頃。雄介は一条に会いに行っていた。

 

雄介が指定した場所に行くとすでに一条が到着していた。

 

「おはようございます一条さん、すいません呼んだ俺が後に来るなんて」

 

「いや、気にするな。所で話とは?」

 

「はい…今回の未確認の事で」

 

「…あぁ、君が以前報告した通り今回の未確認は姿を消し犯行を及んで。その被害者の数はもう20を超えている」

 

「もう、そんなに」

 

「以前、我々も交戦しそのまま姿を消し見失ったが奴に放った拳銃の弾が奴の体組織が付着していてそれを今、榎田さんの協力を得てなにか奴の弱点に繋がらないか調べている」

 

「…一条さん、今度奴と戦う時また銃を貸してもらっていいですか?」

 

「あぁ、構わないがなぜ?」

 

「奴がまたもし消える事があっても緑のクウガでなら」

 

「そうか、緑のクウガなら見えない敵でもとらえられる」

 

「はい」

 

「わかった、その時は頼むぞ中野」

 

「はい!」

 

 

 

その後、雄介は一条と別れ花陽の家へと向かう。

 

花陽の家に付きインターホンを鳴らす。

 

しばらくするとガチャッとドアが開くと。

 

「あの、どちら様でしょか?」

 

花陽のお母さんが出てきて。

 

「あっ初めまして俺、かよっ…花陽ちゃんの友達の中野雄介っていいます」

 

「あっあなたが中野君、初めまして花陽の母です」

 

「あの、花陽ちゃんいますか?」

 

「ごめんなさい、さっき何も言わず出掛けて行ったみたいで」

 

「そうだったんですか」

 

「昨日…あの子の親戚の子が未確認生命体に襲われて亡くなってからすごく落ち込んでいたんだけど」

 

「そう…ですね」

 

「同時にあの子のあんなに怒った顔は初めて見たわ」

 

「…お母さん、とりあえず俺、探してみます。それで見つかったら必ず連れて帰りますので少し待ってて下さい」

 

「えっ?でも」

 

「大丈夫です。すぐ見つけますから」

 

雄介はそう言いお辞儀をしバイクに乗り去って行った。

 

「…なんか、変わった子ね。ふふっ花陽も良い友達を持ったものだわ」

 

 

 

雄介は、昨日優作が運ばれた病院へと戻りその病室へと行く。

 

ガラッとドアを開けると。

 

「…やっぱり戻ってたんだね。かよちゃん」

 

「…雄介君」

 

振り向いた花陽の顔は涙の跡がくっきり残っており少しクマが出来ていた。

 

「戻ろうかよちゃん、お母さんが心配してる」

 

雄介がそう言いったが花陽は優作の方へと向き直り。

 

「未確認はどうしたの?」

 

「えっ?」

 

「未確認は倒したの?」

 

「いや…まだだ」

 

「じゃあこんな所にいないで早く未確認生命体をやっつけてよ!早くお兄ちゃんの仇をとってよ!じゃないと私ここから離れない!」

 

「…かよちゃん悪いが俺は優作さんの仇を取るために敵を倒すとかそんな理由では戦わない」

 

「…は?」

 

花陽は椅子から立ち雄介の方へと向かい。

 

「どういう事?」

 

「言った通りだかよちゃんの言うことは俺は聞けない」

 

「どうしてよ!?いつもみたいに未確認生命体を倒してくれればいいの!殺してくれればいいの!そうしたらお兄ちゃんは報われるから!」

 

「…はぁ」

 

雄介はため息をつき。

 

「ごめん、かよちゃん最初に謝っとくわ」

 

「えっ?」

 

その言葉の直後にパァン!っと病室に甲高い音が鳴り響いた。

 

「…っ!…ゆうすけ…くん?」

 

「少し頭を冷やせ…誰が望んで仇を討てって言った?少なくとも優作さんはそんな事絶対に望んでいない。それはかよちゃんの自己満足だ」

 

「でもっ!」

 

「でもじゃない!確かに大切な人が殺されて悲しく怒りが満ちてくるだろうが優作さんの気持ちも考えろ!あの人は今のかよちゃんを見て喜ぶか?違うだろ!今、君自信が優作さんを悲しませているんだ!」

 

「あっ…う」

 

「…俺、優作さんが亡くなる前に一緒に出かけてたんだよ。そして最後の別れ際彼はこう言ってた」

 

雄介は花陽の目を真っ直ぐ見て。

 

「これからも花陽の事よろしくお願いしますってな」

 

「っ…お兄ちゃんが?」

 

「あぁ…彼はいつも君の事を想い慕ってくれていたんだろう…大切な家族として大切な妹として!」

 

「っ、あ…おに、お兄ちゃん」

 

花陽の眼から涙が溢れ出す。大切な兄は最後まで自分の事を想ってくれていることに対して自分が言ってた事に花陽は…。

 

「ごめんなさい…ごめんなさい私」

 

「かよちゃん、優作さんの想いは俺がしっかり受け止める。かよちゃんの笑顔の為に俺は戦う」

 

「ゆうすけ…くん」

 

「だから今は帰ろう?心配してるよ君の大切な家族が」

 

「うん…うん!」

 

雄介は花陽の頭を撫で微笑む。

 

 

ーーーーー

 

花陽を乗せ家の玄関前にバイクを止める。

 

「雄介君、ありがとう」

 

「ん?いやいや、いいよお礼なんて」

 

「あの…雄介君」

 

花陽が言葉を発しようとした瞬間、雄介のバイクから通信が流れる。

 

『ーー地区で第18号による犯行が行われました各班は直ちに現場に急行しー。』

 

「…未確認か、悪いかよちゃん俺行くね」

 

「ま、待って!雄介君!」

 

「お?どうした?」

 

「…必ず帰って来てね?みんなと待ってるから」

 

花陽はそう言い雄介にサムズアップをする。

 

「あぁ…必ず!」

 

雄介もサムズアップをしバイクを走らせ現場に急行する。

 

「必ずだよ、雄介君」

 

 

犯行が行われた場所そこに一条が到着する。

 

「杉田さん!」

 

先に来ていた杉田が辺りをくまなく探っている。

 

「気をつけろ一条!奴はまだ近くにいる!奴の予告通りここで何人かの犠牲者が出ている!」

 

杉田の言葉に一条も拳銃を取り出す。

 

「それにしても桜井はまだか?」

 

「さっき榎田さんから連絡がありこちらに向かっていると」

 

「くっ…その榎田が作った特殊ガス弾が要なんだがな」

 

そう話していると突然一条達の前にガメレが姿を現す。

 

「まだこんなにも集まってくれるなんていい獲物達だ」

 

その姿に一条達は直ぐ様拳銃を向け。

 

「撃てぇ!」

 

杉田の言葉と共に拳銃の射撃音が鳴り響く。

 

「無駄だ」

 

杉田達が放った球はガメレには効かず足元に落ちていく。

 

「くっお前達の目的はなんだ!?なぜ人間を襲う!」

 

「なぁにただのゲームさ」

 

「だからそのゲームとは一体何なんだ!」

 

「だからゲームさ獲物を追い込み狩りをするそれが俺達のゲームだ」

 

「ふざけやがって…そんな理由で…そんな理由で!」

 

杉田の怒号と共に発泡を続けるが。

 

「ふふっゲームを続けよう」

 

それを嘲笑うかのようにガメレはまた姿を消した。

 

「くそっ!また消えやがった!」

 

それと同時に1台のパトカーが現場に到着し。

 

「一条さん!杉田さん!」

 

桜井がアタッシュケースを持ってきてパトカーから出る。

 

「これを!」

 

アタッシュケースを開きガス弾を3人同時に投げ煙が広がる…すると。

 

「なに?」

 

その煙の中からガメレの姿が確認できた。

 

「撃てぇ!」

 

ガメレに向け数十人の拳銃が発泡される。

 

「っリント共め全員生きては帰さんぞ」

 

ガメレはそう言いその場から遠ざかる。

 

「追え!追うんだ!」

 

杉田達は後を追うがガメレを見失ってしまう。

 

 

「くっリント共め!」

 

杉田達を撒いたガメレはまた姿が消えるまで姿を眩まそうとするが1台のバイクが目の前に止まる。

 

「くっなんだ?」

 

そのバイクから降りヘルメットを取る。そこに雄介が立ちはだかり。

 

「貴様は!?」

 

「ふっ!」

 

腹部からアークルを出現させ。

 

「‘‘変身‘‘!!」

 

その掛け声と共に赤いクウガへと変身を遂げた。

 

「クウガ!」

 

「うぉらぁ!!」

 

クウガはガメレに攻撃を仕掛ける。

 

「くっ!」

 

ガメレはクウガのパンチを避けクウガから距離を取りガメレは自分の舌を伸ばしクウガに攻撃しようとするがクウガはそれを避けガメレの舌を掴み自分の方向に引っ張る。

 

「!?」

 

「おりぃやぁ!」

 

グンッと引っ張られクウガのパンチがガメレの顔を直撃する。

 

「ぐあぁぁ!」

 

ガメレが怯んでいる所にクウガはガメレの腹部にパンチを喰らわしそして顔にもう一度パンチを喰らわす。

 

「があぁぁっ!」

 

ガメレは吹き飛び地面に転がる。

 

そしてクウガはキックの構えを取るが。

 

「くっ…」

 

ガメレは姿を消した。

 

「なに!?」

 

ガメレが消えたと同時に一条がやって来る。

 

「ガスの効果が切れたのか…中野!」

 

「一条さん!はい!」

 

一条は持っている拳銃をクウガに投げ渡す。

 

ガシッ!と拳銃を受け取りクウガは構えを取り。

 

「‘‘超変身‘‘!!」

 

青いクウガへと変わり助走をつけそのまま高く飛ぶ。

 

「っ!」

 

ビルの屋上までたどり着き。

 

「逃がすか!‘‘超変身‘‘!!」

 

今度は青いクウガから緑のクウガへと変わる。そして拳銃もペガサスボウガンへと変化しボウガンの尾を引っ張る。

 

「…」

 

クウガは周囲全体を集中し音と気配全ての五感を研ぎ澄ます。そして!

 

「はっ!はっ!はっ!」

 

走っているガメレを見つけ。

 

「そこか!」

 

クウガはボウガンを構えガメレに向ける。

 

「はっ!」

 

クウガがボウガンの矢を放ち。

 

ドスッ!とガメレに矢が直撃する。 

 

「があぁっ!!」

 

そしてガメレの体にヒビが入りベルトに到達した瞬間。

 

「ぐわあぁぁぁぁぁ!!!」

 

ガメレの雄叫びと共にドォーン!!と爆発が起きる。

 

「ふぅ…」

 

クウガは緑のクウガから赤いクウガに姿を戻す。そして…。

 

バリバリッ!と腕の辺りから放電が流れ出す。

 

 

ー翌日ー

 

今日は学校が休みでμ'sの練習場所は神田明神に集まる事になっていた。

 

一緒に神田明神の階段を歩く凛と真姫。花陽の家に寄り花陽とも一緒に誘おうとしたがすでに出掛けているらしい。

 

「かよちんいなかったね」

 

「しょうがないわよ。まだそっとしといてあげましょ?」

 

そう言い凛と真姫が階段を登り終わると。

 

「あっ凛ちゃん、真姫ちゃん、おはよう!」

 

そこにはストレッチをする花陽が立っていた。

 

「かよちん!?」

 

「あなた!大丈夫なの!?」

 

「うん!心配掛けてごめんね?後みんなにもいっぱい迷惑掛けて」

 

「そんな迷惑なんて」

 

「そうよ、大切な人を失ったんだから辛いのは当然でしょ?」

 

「うん、確かに辛いよ今でも…でも私には雄介君、そして凛ちゃんや真姫ちゃんそれにμ'sの皆が私の側に居てくれるから、私は笑顔でいられるの」

 

「かよちん」

 

「花陽…バカね私達も花陽や皆が居てくれるから笑顔でいられるのよ」

 

「真姫ちゃん」

 

「そうにゃ!皆が居てくれるから凛達は無敵にゃ!」

 

「凛ちゃん…うん、ありがとう二人とも」

 

花陽は嬉し涙を流し凛も真姫もつられ一緒に泣き一緒に抱きしめる。

 

「(お兄ちゃん花陽は幸せ者です。お兄ちゃんが居なくなってすごく寂しいけど、こうして笑いあい泣きあい共に心を通じあってくれる大切な人達が側にいてくれます。だからお兄ちゃん花陽は大丈夫です。花陽は大切な人達と笑顔でいられます。だからお兄ちゃん空の向こう側で見守って下さい花陽の事を)」

 

 

3人が抱きしめ合う所を後からやって来たμ'sメンバーに見られ恥ずかしがり希やにこにおちょくられながらも皆が笑い合っていた。

 

そこには満面な笑顔の花陽が皆と一緒に笑い合っていた。

 

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「…ちょっと、何なの…これ?」

 

古代文字を解読していた沢渡桜子が偶然解読を経た文章が彼女は直ぐ様席を立ち走って行ってしまった。

 

そこに書かれていた文章は。

 

『聖なる泉涸れ果てし時 凄まじき戦士雷の如く出で 太陽は闇に葬られん』

 

 

ー第18話 遊戯ーend 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




本ッッ当に遅くなりました!去年の目標は20話まで作ろうとしたんですがいつの間にか年が明けちゃいました。
ですが、今年もこの作品を頑張って書き続けるのでどうか今年もよろしくお願いいたします。

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