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この物語は中野雄介が未確認生命体グロンギの戦いから勝利しその戦いから7年後を描いた物語である。
ー廃墟とした街ー
ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!ダッ!
廃墟とした街から銃声が鳴り響く。
「撃てぇ!撃てぇーーー!!!」
イーッ!イーッ!
「だ、だめです!数が多すぎです!」
「怯むな!撃てぇ!」
「ですが隊長!」
イーッ!イーッ!
「ぐあぁぁぁ!!!」
「ぎゃあぁぁぁ!!!」
大きな断末魔そして悲鳴がその街に鳴り響いた。
「だめです隊長!このままだと全滅です!」
「っ………撤退する皆に連絡を!」
一人の隊員が皆に通信で一斉に連絡を取り生き残った隊員達は一斉に撤退をした。
ーーーーーー
「ハァ!ハァ!ハァ!」
撤退した隊員達を見て。
「生き残ったのは…これだけか」
「隊長、戻りましょう皆もう参ってます」
「あぁ…そうだな」
ー廃墟とした学校ー
隊員達は廃墟とした学校の中に入ると。
「田中さん!」
見張りをしていた女性が田中という男に近寄る。
「あぁ園田くん」
「お怪我は!?」
「私は大丈夫だ…だが」
田中は後にいる隊員達を見る。
「ほとんどの隊員がやられた」
「…田中さん今は休んでください。食事も用意してあります」
「ありがとう…君も少し休んだ方がいい」
「いえ、私は大丈夫です」
「君も昨日の夜からずっと見張りをしているだろう。後の者に交代させるから休みなさい」
「…はい、ありがとうございます」
園田は一礼をしその場を去る。
ーーーーーー
園田は歩きある場所へと向かう。その場所の部屋に着き立ち止まると。
ラララ♪ラララ♪
その部屋から歌声が聞こえる。園田はノックをし。
「入りますよ…ことり」
「あっ海未ちゃん。どうしたの?」
「食事の時間ですよ…子供達も連れて食堂に行きましょう」
「うん、わかった。みんな行こうか」
「うん!」
「行こう!ことりお姉ちゃん!」
子供達はことりの手を取り歩いて行く。
「ことり足元には気を付けて」
「大丈夫…子供達が付いてるから」
海未もことりを支え食堂へと向かう。
ー食堂ー
海未達は食堂に着き。
「花陽、希」
海未が二人の名前を呼ぶと。
「海未ちゃん。見張りの方はもう大丈夫なの?」
「えぇ交代してくれるそうで。食事の方は?」
「大丈夫。準備出来とるよ」
希達はテーブルに食事を並べる。
「ことり、こちらです」
海未は椅子を引きことりを座らせる。
「うん、ありがとう」
「子供達も席に着いて下さい」
海未の言葉で子供達も全員座り。
「海未ちゃん、穂乃果ちゃん達は?」
ことりが尋ねると。
「穂乃果達の食事は私が後で届けますよ」
「そっか、良かった」
「それじゃあ頂きましょう」
手を合わせ"いただきます"と号令し皆食事を行った。
海未はことりの隣に座り。
「ことり」
「いつもごめんね?海未ちゃん」
「何を言ってるのですか。さぁ」
海未はスプーンを取り。ことりは食事を取る。
ーーーーー
皆が食事を終え。
「花陽、私は穂乃果達に食事を運んできます。ことりと子供達をよろしくお願いします」
「うん、わかった」
海未はトレイを持ち食事を運んで行った。
ーーーーー
「穂乃果」
見張りをしていた穂乃果が声を掛けられ。
「海未ちゃん」
「食事ですよ。少し休憩して下さい」
「ありがとーっもうお腹ペコペコだよ」
海未からサンドイッチを受け取り頬張る穂乃果。
「どうですか?」
「ん?今の所は異常ないよ」
「そうですか。じゃあ私は他の人達にも配ってきますね」
海未がそう言うと穂乃果は海未を見て。
「穂乃果?」
「ねぇ海未ちゃん。こんな事いつまで続くのかな?」
「…」
「…雄介がいてくれたら」
「穂乃果!」
海未は怒声を上げ穂乃果はビクッと驚き。
「ご、ごめん」
「す、すみません私も大声を出して…ですが穂乃果。雄介の事はもう忘れましょう」
「…海未ちゃんはまだ雄介の事許せない?」
「…えぇ」
「けどっ」
「わかってます!ですが、ことりをあんな風にした雄介を私は許せません!」
「そっか…でも海未ちゃん。誰よりも雄介の帰りを待ってるのは、ことりちゃんだって事忘れないで?」
「…」
穂乃果は海未に背を向け。
「見張り続けるね。食事ありがと」
ーーーーー
海未が食事を配っていると。ドアの隙間から隊員達の声が聞こえた。
「隊長、今の現状は最悪としか言いようがありません」
「…」
「武器の弾も尽きそうですし。食料も…何より子供や怪我人を匿っているのは限界があります!」
「…わかってる。だが我々は市民を守る為に最後まで諦める訳にはいかない」
「…ですがっ!」
「こんな時、4号は諦めるか?我々を守ってきた4号は最後まで諦めなかったぞ」
「…その4号もショッカーにやられ今はもういない…せめて怪我人を置いて我々はここを離脱するしかっ!」
隊員がそう言いかけた時、田中はその隊員の胸ぐらを掴み。
「本気で言ってるのか…?」
「っ!?」
「怪我人を置いて我々だけ逃げ犠牲をさらに増やす。そう言ってるのかっ!!!」
「っ!」
「私は4号からここにいる人達を託された!必ず守ると約束した!だから私はここの人達を絶対に見捨てたりしない!」
田中はその隊員を投げ飛ばし。
「見捨てるようなそんな考えをしている奴はこの隊にはいらん。出ていけ」
「た、隊長」
「出ていけっ!」
その隊員は渋々その部屋から出ていった。
ーーーーー
その隊員…桂木は廊下を歩き。
「なぜ…なぜなんだ?俺はこの隊の為にっ!」
親指の爪を噛り。
「いざとなれば弱者は見捨てなければならない…そうじゃないのかよ隊長!」
桂木はそう言っているとことりがトイレから出てくるのが見えた。
「あの子は確か…4号の」
ことりは少し足がふらつき桂木はことりを支える。
「大丈夫ですか?」
「えっ?あっ隊員の方ですか?ありがとうございます」
ことりがお辞儀すると。
「(そうかこの子…この子も、もう弱者なんだ…見捨てるべきなんだ)」
桂木はことりの体をジッと見て。
「あ、あの?」
ゴクッとツバを飲み込み。
「っ!」
桂木はことりの手を引き強引に引っ張り。
「いっ!」
空いてる教室に入りことりを押し飛ばす。
「きゃっ!」
ことりは倒れ桂木はことりに跨り。
「あ、あの何を!?」
困惑することりに桂木はことりの服に手をかけ。ビリビリビリっと服を破りボタンも弾け飛び服がはだける。
「きゃっ!」
「いい体をしている…中野雄介はこんないい女を抱いていたのか…だが!君は弱者なんだ」
桂木はことりの胸に手をかけ下着を剥ぎ取る。
「いやぁ!助けてっ!」
「特に君のような子はっ!」
ことりも何をされるのかを察し助けを求める。
「助けてっ!ゆーくんっ!」
「っ!そうやってまだ中野雄介にすがっているのかっ!中野雄介はもういなんいんだよ!なのになぜ隊長はいない奴なんかの約束なんかにっ!」
「助けて!ゆーくんっ!ゆーくんっ!」
「そんなに叫んで…何も出来ない君はせめて僕の欲求を満たす道具にでもなれっ!」
桂木はスカートにも手を掛けようとした瞬間。
「やめろぉぉぉぉ!!!!!」
その怒声と共に桂木は誰かに突き飛ばされ横転する桂木。
「だ、誰だっ!?」
桂木が顔を上げた瞬間。顔を抑えられ背中に腕を回され拘束する。
「ぐあっ!くっ!」
「ことりを…私の大切な友達をこれ以上傷つけるなっ!」
「ぐぁっ!そ、園田…海未っ!」
海未は懐からナイフを取り出し桂木の足にナイフを刺す。
「ぐあぁぁぁぁ!!!」
「これで容易には動けないはず」
そして奥の方から足音が聞こえ。
「海未ちゃん!何かあったの!?」
巡回していた凛が桂木の叫び声が聞こえここに来たらしい。
「凛!ちょうど良かった。今すぐに田中さんを呼んで来て下さい!それとことりを早くこの部屋から出してあげて下さい」
「えっ!?あっ!ことりちゃん!?大丈夫!?」
凛はことりを抱え。
「怖いよ…助けて…ゆーくん」
震えることりを抱きしめ。
「もう大丈夫だよ。ことりちゃん」
凛は海未に頷きことりと一緒にこの教室を出た。
「な、なぜなんだ…なぜあんなような子をここに残す」
「…あなたは一体何を言ってるのですか?」
「あんな"目が見えない子をなぜ残すんだと聞いているんだっ!」
桂木が海未に怒声を上げ。
「この世界はもう弱者は生きていけないんだっ!そのような弱者は見捨てるべきなんだ!」
「…ことりの目が見えない事をいい事に強姦しようとしてた人が何を言ってるのですか?」
海未はナイフを今度は反対側の足に刺す。
「ぎぃやぁぁぁぁーーー!!!」
「あなたの方がよっぽど弱者ですよ…恥を知りなさい」
ーーーーー
「そう、そんな事があったのね」
先の事から1時間後、桂木は田中に連行され海未達μ'sはことりを除いて全員集まっていた。
「それでその人は?」
絵里が海未に聞き。
「田中さんが然るべき処置をして下さると」
「そう、何よりことりが無事で良かったわ。ありがとう海未」
「いえ…ところで、ことりの方は大丈夫でしたか?凛」
「うん、今は落ち着いて子供達と一緒に眠ってるよ」
「そうですか…良かった」
「でも、落ち着くまでずっと言ってたよ。ゆーくん助けてって」
「…」
「…ことりちゃんは今でもゆーすけが生きてるっておもっ」
「凛、雄介はもういないのです。その話はやめましょう」
「でもっ!」
「仮に生きてたとしても雄介はもう4年も姿を現さないのですよ。もうこの世には」
海未がそう言いかけた時、穂乃果が立ち。
「それでも私は、雄介が生きてると信じたい」
「穂乃果…忘れたのですか!?」
海未は穂乃果の胸ぐらを掴み。
「海未!?」
「やめなさい!」
絵里と真姫が海未を抑えるも。
「雄介は、雄介は!ことりの目の光を奪ったのですよ!?あの子の人生を奪ったのも過言じゃないのです!」
「っ!確かに戦闘に巻き込まれて、ことりちゃんの目が見えなくなったのは雄介にも責任があるかもしれない!だけど全て雄介のせいにするのは間違ってるよ!」
「ですがっ!」
「現にことりちゃんは今でもずっと雄介の事が大好きなんだよ!?そんな想いも許さないって言うの海未ちゃん!」
バッと海未は穂乃果を離し穂乃果は後ずさる。
「…それでも私はっ!」
海未はグッと拳を握り締める。
「…雄介が居てくれたらと…私も今でも思います。現に私達ではショッカーには刃が立たない。捕まれば殺されるか、改造人間にされショッカーの言いなりになるかのどちらかしかない」
「海未ちゃん、なら」
それでもっと海未は顔を上げ。
「それでも私は、ことりの笑顔を光を奪った雄介を許す事はできない…皆がどう思うと私の気持ちは変わらない」
海未はそう言いいドアの方へと向かう。
「…海未ちゃん」
「すみません。私は見張りを続けるので皆さんは休んでて下さい」
そう言って部屋から出ていった。
「…海未の怒りは正直止められないわね」
「穂乃果ちゃんでさえ説得しても聞かんし。たとえことりちゃん自身が説得してもダメかもしれんね」
「…海未ちゃん。変わったよね昔は柔らかい表情だったのに今はずっと険しい表情のまま」
花陽がそう言うと、にこが花陽の頭を撫で。
「仕方ないわよ。ここにいるみんな家族が殺され、いつ襲われるか分からないこの状況なんだもの。険しい表情になるのは仕方ないわ」
「…本当に雄介がいてくれたらな」
「穂乃果。それは」
「違うの、この状況っていうのもあるけど。海未ちゃんを今、説得出来るのは雄介しかいないってこと」
「それは…そうかも知れないわね」
「だからね私は信じるよ雄介が帰ってくること。だって私達と約束したからね必ず私達の元に帰ってくるって」
ーーーーー
海未が廊下を歩いていると、ことりと子供達が寝ている部屋から話し声が聞こえた。
「(ことり!?まさかさっきの事でまだっ!)」
海未がドアを開けようとすると。
「ねぇねぇことりお姉ちゃん。もっと聞かせて4号の話」
「うん!私も聞きたい!」
「えぇ〜ならもう少しだけ…じゃあこれは皆がここに来る前の話」
ーーーーー
ー7年前ー
未確認生命体グロンギを倒し平和が訪れ中野雄介、そしてμ'sのメンバーは平穏に暮らしていた。
ラブライブ決勝にも優勝しμ'sの名前が大きく広まり。大喝采の中、訪れる3年生達の卒業式。
「もう、絵里達は卒業かぁ…なんかあっという間だったなぁ」
「そうだね、ラブライブにも優勝出来たしなによりこの平和の世界が訪れた事が一番だよ」
ことりと雄介が屋上で二人で座り談笑していた。
「もう、俺達も3年生かぁ」
「うん、私達も来年には卒業式だよ」
「…ことりちゃんは卒業したらどうするの?」
「えっ!?私は…ゆーくんは?」
「俺は…これといった事が見つかんないんだよなぁ。大学に行くか働くか…う〜ん、どうしよう?」
「…でも卒業したら皆、離れ離れになっちゃうね。穂乃果ちゃんや海未ちゃんだってそれぞれ自分の道に行くんだろうし」
「うん、そうだよね」
「何よりゆーくんと離れ離れになるのはもっと寂しい」
「えっ?」
ことりはジッと雄介を見つめ。
「ねぇゆーくん…私ね」
ことりがゆっくり雄介に近づき手を重ねる。
「私、ゆーくんの事…」
ドォォン!!!!!
すると街の方から大きな爆発音が鳴る。
「なんだっ!?」
雄介とことりが立ち街の方へ見ると大きな煙が立ちさらにもう一回爆発音が鳴る。
「これは…」
すると雄介の携帯が鳴り出し確認すると一条からだった。
「一条さん!」
「中野!事件だっ!ショッカーが…ショッカーが軍勢を束ね街を人を襲い始めてる!」
「ショッカー!?まさか…っすぐに向かいます!」
雄介は通話を終え向かおうとするがことりの手が雄介を離さなかった。
「ことりちゃん?」
「…また行っちゃうの?」
「…」
「また戦うの?」
「…俺が行かなきゃ皆が」
「もう、ゆーくんは沢山戦ったじゃん…もうゆーくんが戦う理由なんてないのにっ!」
「ことりちゃん」
「せっかく平和が戻ったのになんで!?」
泣き出すことりを雄介そっと抱きしめる。
「大丈夫、必ず戻って来る」
「いやっ!」
ことりはぎゅっと強く雄介を抱きしめ。
「もういやだよ!ゆーくんが傷つくの…せっかくゆーくんが笑顔で私の元に戻って来たのに」
「…ことりちゃん大丈夫だよ。また絶対戻って来る。約束だ…それにことりちゃんも知ってるでしょ?」
ことりは顔を上げ雄介はサムズアップをする。
「大丈夫…俺クウガだから」
ニッと笑顔をことりに向け優しく腕を解き雄介は屋上から出ていった。
「…ゆーくん」
ーーーーー
雄介が現場に着くとそこはもう街の原型を留めていなかった。
「なんて事を」
そして奥の方からイーッ!イーッ!と姿を現すショッカー戦闘員。
「おまえらっ!」
そしてさらにまた奥からミミズに酷似した怪人が姿を現した。
「まだ生き残りがいたのか、奴もささっと捕えろ」
2人の戦闘員に命令し2人の戦闘員は雄介に向かってくる。
「っ!」
向かってくる戦闘員を雄介は一直線に向かい一人の戦闘員を一発で仕留めもう一人の戦闘員をパンチ一発で仕留めた。
「なに!?」
「お前ら捕えろとか言ったな?ここにいる人達をどうした!?」
「ふん!人間にしてはやるようだな。だがっ!」
さらに多くの戦闘員が雄介に向かってくる。
雄介は腹部をかざしアークルを出現させる。
「"変身"!」
その掛け声と共に雄介の体は赤いクウガへと変身を遂げた。
「なにっ!?」
クウガは多く戦闘員を一撃で倒しクウガはミミズの怪人へと向かう。
「お前!仮面ライダーだったのか!?」
「もう一度問うここにいる人達はどうした?」
「ここにいる人間達なら我々ショッカーが捕らえ改造人間の実験体になってもらう」
「…やる事は前から変わってねぇようだな」
ダンッ!とクウガはミミズ怪人に詰め寄りエルボーをミミズ怪人に喰らわす。
「がっ!?」
「やっと平和になったんだ…これ以上お前らのような奴らに好き勝手させるかよ!」
怯んでる隙にクウガはミミズ怪人を蹴り飛ばす。
「ぐあぁぁぁぁ!!!」
ミミズ怪人は吹き飛び壁にぶつかり倒れる。
「っそうか…お前が首領が言っていた仮面ライダー…"クウガ"かっ!」
ミミズ怪人が顔を上げた瞬間クウガはミミズ怪人の腹部にマイティキックを喰らわし吹き飛ぶ。
「ぎゃあああ!!!」
ミミズ怪人は横転し腹部を抑える。
「ぐふぅぅぅ!!!」
「お前らが何を企もうが勝手だがお前達は必ず俺がぶっ潰す!」
そして…中野雄介とショッカーの長い戦いは始まった。
ーーーーー
ショッカーとの戦いから3年が経ち被害は大きいものの何とか中野雄介と一条達警察官のおかげで街は保たれていた。
「何とかショッカーを退けているが中野君がいなかったらヤバかったな」
田中が銃の弾を込めながら雄介と話す。
「いえ、田中さん達がいなかったら俺も結構ヤバいですよ」
イーッ!イーッ!
「また来たか!」
「田中さん俺が何とか引きつけます。その間にここいる人達の非難を」
「だが中野君!」
「大丈夫です。それに前にも約束したでしょう。お互い何があってもここいにる人達は守り抜くって…お願いします田中さん!」
雄介はサムズアップをしクウガへと変身しショッカーに向かって行った。
ーーーーー
ーショッカー本部ー
『中々仮面ライダー1人に手こずっているようだな』
壁に貼り付いているショッカーの紋章が光だしショッカー怪人全員に通達していた。
「首領…その仮面ライダー…クウガは手強く送り出した怪人を次々と撃破され情けない事ですが正直我々の手では負えなくなってしまって」
幹部の一人であるイカデビルが首領に伝えた。
『まぁあのグロンギ族を滅ぼした事はある。お前達が手こずる訳だ』
「は、はい」
『だが、このままではいつまで経っても世界征服など辿り着けん。そのクウガを何とかしなくては』
「どうなさるおつもりで?」
『…奴を使う』
「!?まさか!ネオ生命!?」
『あぁ奴をぶつけるにはうってつけの相手だろう』
「ですがあれはまだ未完成のはず」
『だから研究者達に急がせろ奴がここに乗り込む前に息の根を止めるのだっ!』
ーーーーー
ー音ノ木坂学院 部室ー
「最近、ショッカーの被害がだいぶ減ってショッカーの進行もだんだん減っていってるよね?」
穂乃果がそう言い海未に問う。
「…確かに、ですが逆に不安ですね」
「どうして?雄介がどんどんやっつけるから敵わなくなって来なくなったとかじゃない?」
「…そんな事甘い相手だとは思いませんけどね」
「そう、だよね…早くまた平和になって欲しいよね?ほらっ絵里ちゃん達の卒業式ちゃんとやれなかったもんね?」
「何年前の話ですか?それを言うなら私達や真姫達だってちゃんと卒業式やれてないんですよ?」
「そうだよねぇ」
「ショッカーの大規模な破壊が行われ街もこの日本全体も壊滅状態です。雄介や一条さん達が何とか阻止してくれますが」
「…何か私達がラブライブ優勝してあんなに輝いてたのが嘘みたいだね?」
「…ラブライブ懐かしいですね」
海未は優勝した時のトロフィーを見る。
「そういえば今日、雄介帰ってくるよね?皆喜ぶぞぉ〜」
「一時的ですが、束の間の再会です。歓迎しましょう」
雄介は別の県のショッカーの退治を行い今日少し帰ってこれると連絡があった。
穂乃果と海未は廊下を歩き。窓を見ると雄介がバイクから降りてくるのが見てた。
「雄介、帰ってきた!」
「結構早いですね、ことり達にも伝えましょう」
雄介が学校に着きヘルメットを取る。
「久々だなぁ3ヶ月ぶりか?」
雄介はそう言いバイクから降り学校の中へと向かう。
「待っていたよ…中野雄介」
突然後ろから呼ばれ雄介は即座に振り向く。
「お前…何者だっ!」
雄介の目の前には軍服を着た老人が立っていた。
「私の名前は死神博士…またの名を」
そう言って死神博士はイカデビルに変身する。
「イカデビル!」
「ショッカーか!」
雄介は腹部に手をかざすが。
「まぁ待て私はお前と戦う為に来たんじゃない」
「なに?」
「お前にとっておきな相手がいるんだ。そいつと戦ってもらう」
「とっておきな相手?まさかお前達のボスか?」
「いいや違う。首領が作り出した最高の生命体だ」
「なんだと?」
イカデビルは死神博士の姿に戻り。
「ついて来い。でなければ後ろの人間達が死ぬぞ?」
雄介が後ろを見ると戦闘員が穂乃果達を拘束していた。
「みんな!」
「ごめん、雄介」
「っ、人質って訳か!」
「今はそうだ…だが我等が作り出した生命体と戦うならすぐに解放してやろう」
「…その生命体ってのにすごい自信があるんだな…わかった案内しろ」
雄介がそう言うと死神博士はニヤリと笑い。
「そいつらを離せ」
死神博士の指示で穂乃果達の拘束を解く。
「っ罠よ!ついて行っちゃダメ!」
真姫がそう言うが雄介は微笑み。
「大丈夫、必ず帰って来るよ」
雄介はそう言いい死神博士達の後について行った。
「ゆーくん!」
「ことり!」
追いかけて行きそうなことりを海未が抑える。
「海未ちゃん離して!」
「あなたがついて行って何が出来るのです!?雄介の戦いの邪魔になるだけです!」
「でも、でも!」
「信じましょう。雄介を」
ことりを宥め海未は見据える。
「頼みますよ雄介」
ーーーーー
木々を通り抜き死神博士に誘導されついてこられた場所は。
「ここは」
そこは崖。下を覗くと海が大波を立てていた。
「ここが戦いの場所か」
「いいや違う。ここがお前の墓場だ」
死神博士はそう言うと戦闘員が何かカプセルのような物を運んできた。
「何だあれは?」
「あれはネオ生命体。あれを作り出す為に何千の戦闘員そして何百人の改造人間を取り込み作り上げた最高の殺戮マシーン」
ゴポッと音がなり。
「ドラスだ」
そしてそのカプセルから出てきたスライム状の形からみるみる変わり。
怪人の姿へと変化した。
「ウ、ウオォォォォォォォオオ!!!!!」
大きな咆哮を放ちその音圧で周囲の床にヒビが入った。
「な、なんなんだこいつは!?」
「言ったろう…最高の殺戮マシーンだと…ドラス」
ドラスは死神博士の方を向き。
「奴がお前の獲物だ」
死神博士が雄介に指を差し。
「殺せ」
死神博士の命令と共にドラスは雄介に飛びかかる。
「っ"変身"!」
雄介すかさずクウガに変身しドラスの攻撃を防ぐが。
「がっ!?」
ドラスの一撃によりクウガは吹き飛ぶ。
「ぐあっがっ!」
クウガは横転するがすぐに体制を立て直す。
「っなんてパワーだ!」
ドラスの一撃がクウガの腕を麻痺させるレベルだった。
「(腕の感覚が!?たった一撃で!?)」
「どうだクウガ?ドラスのパワーは?」
「くっ」
「まだまだこんなものじゃない…行けドラス」
「ウオォォォォオオオオ!!!」
ドラスは再びクウガに向かい攻撃を仕掛ける。
「くっ!」
ーーーーー
「雄介、大丈夫かな?」
「きっと大丈夫ですよ。雄介ですもの」
穂乃果達が心配する中。
「穂乃果ちゃん!海未ちゃん!」
希が駆け足で穂乃果と海未の所に向かってきた。
「どうしたのですか?」
「ことりちゃん見なかった?真姫ちゃんやえりちに聞いてもわからないって」
「えっ?」
「希ちゃん!携帯は!?」
「ダメ、全然つながらん」
最悪の方向に頭がよぎる。
「まさか、ことりちゃん…雄介の所に」
穂乃果の言葉と同時に海未は駆け出す。
「海未ちゃん!」
「私が探しています!穂乃果達は待ってて下さい!」
「ちょっ!海未ちゃん」
全速力で海未は走り穂乃果は追いつけないほどだった。
「ことり!」
ーーーーー
「ぐあっ!」
ドラスの攻撃でクウガは倒れ死神博士は微笑む。
「よく耐えているな。さすがいくつもの怪人達を倒しただけはある」
クウガは立ち上がるが。
「だが」
ドラスがエネルギーボールのような物を溜めクウガに目掛け投げ飛ばす。
「うあぁぁぁぁーーー!!!」
クウガに直撃しクウガは横転し倒れる。
「くあっ…くっ…そっ!」
クウガは立ち上がろうとするがダメージが大きく膝を付く。
「くっ!」
「もう諦めて楽になったらどうだ?」
「なん…だと?」
死神博士は笑い。
「どうあがいたところでドラスには勝てん…いやそれ以前にお前達人間は我々ショッカーには勝てんのだ」
「どういう…意味だ?」
「お前も見てわかるだろう?日本は徐々にショッカーが掌握していっている。お前達がどんなに食い止めようと徐々にな」
「…」
「それにお前がいなくなればショッカーの勝利は確実なる。仮面ライダーがいなくなれば人間など無力だ」
ドラスはゆっくりとクウガに近づき。
「そんな勝てない戦争などやめて楽になれクウガ」
ドラスが腕を上げ。クウガに目掛け振り下ろす。
「死ね」
ガッ!とドラスの腕を掴むクウガ。
「なに!?」
「…人間は無力なんかじゃない」
クウガは腕に力を込めドラスの腕を握り締め。
「ギッ!ギッ!」
ドラスが苦しみだし。
「今でもお前達と戦い一人でも多くの人達を助ける為に戦ってる!誰も諦めず!」
クウガはさらに力を込める。
「だから俺も決して諦めない!」
そしてクウガはドラスの腹部にキックを喰らわす。
「ギィ!」
ドラスは吹き飛び横転する。
「っバカな!?ドラスが!」
「皆の笑顔を守る為…そして俺の帰りを待ってくれる大切な人達の為に!」
クウガは金の力を解放し赤い金のクウガへと変化する。
「負ける訳にはいかないんだよ!」
クウガはジャンプし。
「うおぉぉぉぉおおりぃやあぁぁぁぁ!!!!!」
ライジングマイティキックをドラスに打ち込む。
「うおぉぉぉぉおお!!!」
クウガのキックはドラスを押しているが。
「ギッ!ギィィィィィ!!!」
ドラスはまたパワーボールを作り出しクウガのキックを徐々に押し始める。
「なっ!?くっ!」
クウガも負けじとドラスと張り合う。
ーーーーー
「はぁ、はぁ、さっきのすごい音、この奥から聞こえた気がした」
ことりは雄介を追いかけ山を登り詰める。
「あっ」
頂上に辿り着いたことりは今まさにクウガとドラスがキックとパワーボールで張り合ってる状態だった。
「うおぉぉぉぉおおあぁぁぁぁ!!!」
「ギィィィィィ!!!」
どちらも緊迫の中、徐々にドラスが押し始め。
「ぐっ!」
「行け!ドラス!このまま押し切れ!」
死神博士の怒声と共にドラスのパワーボールは巨大化し。
「ま、まずいっ!」
クウガの言葉と共に二人の力が爆発し周囲の木々等が砕け散る。
「ゆーくん!きゃっ!」
ことりも爆発の爆風に巻き込まれ。飛ばされ木に頭を打ち気絶する。
「ぐあっ!」
クウガのキックが押し負け横転し金の力が解かれる。
「くっ…そっ!」
クウガが見上げた時。ドラスのパワーボールはさらに巨大化し。
「ギィィィィィ!!!」
クウガに目掛け放ち。
「う、うわぁぁぁぁぁぁあああーーー!!!」
パワーボールがクウガを飲み込みドォォン!!!っと爆発しクウガは崖から落ちていった。
ドボォォォン!とクウガは海に落ち、死神博士は確認する。
「…ふ、ふふふ、フハハハハハッやった!やったぞ!仮面ライダーに勝った!これで我等ショッカーの時代がやってくるのだっ!」
海は大きな波を立て、ただただ死神博士の笑い声が響いていた。
ーーーーー
「ことりー!ことりー!」
海未がことりを探して1時間以上が経つ。
「一体どこに?」
するとガザッガザッと茂みの音が聞こえ。
「っ!」
海未は警戒し辺りを見渡すと。
「海未ちゃん!」
そこには穂乃果と凛がいた。
「穂乃果!凛!」
「海未ちゃん、ことりちゃんは?」
凛が尋ねるが海未は顔を横に振り。
「いえ、まだです。大きな爆発音が聞こえたのでここらへんだと思いますが」
「ゆーすけもどうなっちゃんだろう?…無事だといいんだけど」
「確かに辺りが静かになってますね…警戒して進みましょう」
海未達が進み頂上まで来ると戦いの跡が残っていた。
「こんなに…でも、雄介もショッカーもいません」
穂乃果が辺りを見渡すと。いつもことりが身に着けてるリボンがあった。
穂乃果が近寄りリボンを拾い上げると。そこには茂みに覆われ倒れていることりを見つけた。
「こ、ことりちゃん!?」
穂乃果の言葉に海未と凛もすぐに駆け寄る。
「ことりちゃん!大丈夫!?ねぇことりちゃん!」
ことりを抱き上げるが反応なく。
「息はしてます!ですが」
ことりからは頭から血を流し、そして目からも血を流していた。
「ことりちゃん!」
穂乃果の呼び声にピクッと手が動き。
「うっ…つ」
ことりは意識を取り戻す。
「ことりちゃん!?ことりちゃん大丈夫!」
「ほ…のか、ちゃん?」
「良かった!どこか痛む所はない!?」
「…あ、頭が、」
そしてことりが目を開くも。
「…あれ?、みえない、なにも…ほのかちゃんどこ?」
「ことり、ちゃん?」
ことりは穂乃果の居場所を確認する為に左右に手を動かすのだがその手は空回りする。
「ことり…まさか、目が」
「嘘でしょ?ことりちゃん」
「その声、海未ちゃんと凛ちゃん?みんな…どこにいるの?怖い…怖いよ」
「ことりちゃん!」
穂乃果はことりを抱きしめる。
「穂乃果、ここから下山しましょう。学校に戻って椿さんに診てもらいましょう」
「…うん、わかった」
「ことりは私が担ぎます。穂乃果と凛は周りを警戒し一緒に来て下さい」
「ちょっと待ってよ。ゆーすけは?」
「…行きますよ、凛」
「…嘘でしょ…ゆーすけがやられたって言うの!?」
「凛!」
「…えっ?ゆーくんは一緒じゃないの?ねぇ海未ちゃん」
「…どこにも姿がなく。それにもう辺りは暗いです。とにかく今は降りましょう」
「…ごめん、海未ちゃん。私もうちょっと雄介を探すよ」
「何を言ってるのですか!?ショッカーがまだいるのかもしれないのですよ!?」
「それでも!雄介を放っておけないよ!」
「なら凛も!」
「っ勝手になさい!」
海未はそう言い山を降りていった。
ーーーーー
海未が学校に着いてから2時間が経過し、それでも穂乃果と凛は帰って来なかった。
海未は校門の前に立ち2人の帰りを待っている。
「穂乃果と凛、まだ帰ってきてないの?」
絵里が海未の近くに寄る。
「…えぇまだ」
「そう…ことりの容態は?」
「…椿さんが言うには頭の傷は少しの打撲で何ともないのですが目の方は」
「ダメ…なの?」
「…多分、雄介達との戦闘に巻き込まれ爆発により目の角膜、網膜、その他のあらゆる箇所が焼き切れたとの事です」
「じゃあ、ことりは」
「今、この状態で治療も出来るわけもなく…ことりは一生、目の光を取り戻す事はないと」
海未は拳を握り締める。
「…あの時、ことりを見失わなければ、こんな事には」
「…海未」
すると奥の方から誰かが歩いて来るのが見てた。
「…穂乃果、凛」
2人は暗い顔をし絵里達の前に立ち。
「…雄介、見つからなかった」
ぐっと拳を握り。
「ゆうすけが…いなかった…いなかったんだよぉ!」
穂乃果は絵里に抱きつき泣き出す。
「うぅ、うわぁぁぁぁぁっ!!!」
凛も海未に抱きつく。
「だ、大丈夫よ!雄介なら無事よ!」
穂乃果が頭を上げ。
「だって約束したじゃない、雄介は絶対に帰ってくるって…だから信じましょうよ」
絵里もうっすら涙を浮かべていた。
「う、うん」
絵里は穂乃果の頭を撫で続けた。
「(…雄介、あなたが帰って来なかったら私、あなたを恨みますよ)」
海未も涙を浮かべ凛を抱きしめる。
ーーーーー
ほどなくして全国中継で中野雄介がショッカーに敗れたとショッカー自ら宣伝した。
『覚悟するがいい人間共…希望を失ったお前達にはもう絶望しかあるまい』
死神博士は中継から人間達に発信し次の日からショッカーの軍勢が大量に押し寄せ日本はあっという間にショッカーに占領された。
何とか穂乃果達は生き延び音ノ木坂学院を拠点とし今に至る。
だが、失ったものは大きかった。友人、家族、皆ショッカーに全てを奪われ文字通り絶望しかなかった。
ーーーーー
「という事があったの」
ことりが一通り子供達に今までの事を話、子供達は頭を傾げ。
「じゃあ、そのお兄ちゃんは死んじゃったの?」
子供の質問にことりは顔を横に振る。
「大丈夫…ゆーくんは生きてる。生きて必ず私達の事を助けに来てくれる」
「ほんと!?」
「うん、だってゆーくんは絶対に約束を破らないから」
ことりはサムズアップをする。
「だから皆も頑張ろう。絶対に諦めないで信じよう」
ことりの話を海未はずっとドア越しから聞いていた。
「…ことり…あなたは」
そして、海未が立ち去ろうとした瞬間、警報ランプが鳴る。
「敵襲!?ショッカー!」
海未は即座にドアを開け。
「ことり!子供達と一緒に避難を!」
「海未ちゃん!」
「今、穂乃果達を連れてきます!直ちに避難の準備を!」
海未がそう言い出し駆け走る。
「(まずい!こちらの戦力はもう!)」
海未は銃火器を持ち携帯で穂乃果に連絡を取る。
『海未ちゃん!』
「穂乃果、ことり達を連れて避難を!それと凛と絵里をこちらに援護の要請を!」
『うん!わかった!』
海未が通話を切り外に出ると。田中達が応戦していた。
「田中さん!」
「園田君!」
ショッカー戦闘員が押し寄せ拳銃で対抗している中。
「待て!」
一人の指示により戦闘員が足を止め海未達も攻撃を止める。
そして戦闘員の奥からやって来たのは黒いスーツを着たフェイト・テスタロッサ・ハラオウンだった。
「この場はこの私ショッカー第3幹部テスタロッサが預かる」
戦闘員は敬礼をし道を開ける。
「…何者だ」
カチャッと銃を構える田中。
「聞いた通り私はショッカーの幹部テスタロッサ」
フェイトは銃を抜き田中の銃を弾き飛ばす。
「なっ!?はやっ!」
カシャンッと銃が落ちフェイトは銃を仕舞う。
「私は戦闘しに来たんじゃない…交渉しに来たんです」
「なにを世迷い言を!ショッカーと交渉など!」
「待って下さい田中さん!この方の名前聞き覚えが」
海未が考えてる中、凛と絵里も合流する。
「なに?一体どうしたの?」
状況が分からず絵里と凛も硬直していた。
「フェイト…あなたフェイトと申しましたね?」
「…えぇ」
「…中野雄介と知り合いじゃないですか?」
「…懐かしいですね…そうですよ雄介さんにはお世話になりました」
フェイトの言葉にそこにいる者が驚愕し。
「…命も助けてもらった事もある、大切な人も」
「だけどなぜ、そんなあなたがショッカーに?」
「…こちらにも事情があるんです。大人しく話を聞いて貰えますか?」
「…わかりました」
「海未!」
「分が悪いのはこちらです。ここで一気に攻めてこられたら私達は全滅です…いいですか田中さん?」
「…わかった」
海未の言葉にフェイトは体制を解き。
「なら手短に、人間の子供を提供して欲しい。それがこちらの要望です」
「なっ!?」
一同が驚き。
「なんの為に!?」
「それは答えられません。こちらの事情もありまして」
「そんな事出来るわけが!」
「なら死にますか?こちらは実力行使でも構いませんよ?」
「っ!」
「あなたが言ったように分が悪いのはそちらのはず…生き残る為にはそれしかないですよ?」
「そんな事…そんな事出来るわけないじゃない!」
絵里が銃を構えるとフェイトは即座に絵里の肩を銃で射抜く。
「あっ!」
「絵里ちゃん!」
絵里は銃を落とし膝を着く。
肩から出血し直ぐ様、凛が傷口を抑える。
「…次は外しませんよ」
カチャッと絵里に銃を向けるフェイト。
「待って下さい」
フェイトの前に海未が立ち。
「園田君!?」
「…わかりました。要望に応えます」
「海未ちゃん!?」
「自分が、何言ってるか分かってるの!?」
フェイトは銃を仕舞い。
「賢明な判断です」
田中はフェイトの前に立ち。
「待ってくれ!私じゃダメなのか!?子供達は見逃してはくれないのか!?」
「…ダメです。上からの指示です。これ以上邪魔立てするのであれば容赦しませんよ?」
フェイトは戦闘員に指示を出し。
「子供達を連れて行け。だが他の者は殺すな」
イーッ!イーッ!
戦闘員は直ぐに校舎の中へと入っていった。フェイトも後に続き海未とすれ違う中。
「…あなたはなぜ、こんな事を」
「私にも大切な人がいます。その人を守る為だったら私は何だってする…たとえこの手を真っ赤に染めようとも」
フェイトはそう答え中に入っていった。
中からは子供達の悲鳴や断末魔が聞こえ皆聞くに耐えなかった。
数分後。子供達を檻に入れショッカー達は去って行った。
「…」
「海未…あなた何をしたか分かってるの?」
「海未こたえなさっ」
「海未ちゃん!」
絵里の言葉が遮られるほどの怒声が聞こえた。
穂乃果が、海未を睨み走って来る。そして。
「全部聞いたよ…何で、何で子供達を見捨てるような事したのさっ!」
穂乃果は海未の胸ぐらを掴む。
「…私達が生き残る為です」
「ふざけないでよ!」
「なら穂乃果はどうしてましたか?あのままショッカーに殺され犬死にするだけですか?」
「っこのっ!」
穂乃果は頭に血が昇り海未を叩こうとするが海未は穂乃果の腕を取り背中に回し膝を蹴り抑える。
「くっ!」
「私にこうも簡単に抑えられてるあなたが子供達を守れましたか?」
「私は、刺し違えてでも子供達を守るって決めてた…ここの人達を守るって雄介と約束したんだっ!」
「雄介…雄介!雄介!雄介!あなた達には雄介しかいないんですか!?雄介はもういない!死んだんですよ彼は!」
「死んでない!」
「まだ子供みたいに駄々をこねてまだ雄介にしがみつきますかあなたは!」
「海未!」
「海未ちゃん!」
にこと真姫が海未を抑え希が穂乃果を支えた。
「あんた達こんな時に何やってるのよ!」
「少しは落ち着きなさい!」
希が海未を見て答える。
「海未ちゃん…何をどう思ったかわからんけど、うち達は誰かを見捨てでも生きたくない」
「希あなたもっ」
「後ろをみぃっ!」
希の怒声で海未は後ろを見ると。花陽に支えられ歩いて来た。ことりがいた。
「…海未ちゃん、どうして?」
「…ことり」
「…どうして、子供達を?」
「あなたを…あなた達を守る為です」
「そんなの…そんなのちっとも嬉しくないよ」
ことりは膝を着き涙を流す。
「…いま、あの子を泣かしてるのはショッカーでも誰でもない海未ちゃん自信や!」
「っ」
「海未ちゃんが今いる大切な人達を泣かしてるんや!」
田中は海未の前に立ち。
「待ってくれ!園田君一人を責めないでやってくれ」
「田中さん」
「君達を守る立場でありながら私達は何もできなかった…子供達を助ける事も…中野君の約束を守る事も」
田中は拳を握り締め。
「…すまない!」
田中は頭を深々と下げる。そして隊員達も。
「…」
一同は静まり返った。何も出来ない無力…希望を失った人類…彼女達はこの絶望の世界をただただ恨むしか出来なかった。
ーーーーー
ーとある古い民家ー
山奥で誰も見つからないような場所に古い民家が一軒建っていた。
そしてそこには誰かが住んでいるような形跡があった。
そこには一人の女性が洗濯物を畳み。
「…時間だ」
その女性は外に出て少し歩くと小さな畑があった。
「お疲れ様。もう少しでご飯だよ?」
女性は声を掛けるその先には畑を耕している男性が一人。
「おっ、もうそんな時間か」
男性は汗を拭い女性の元へと駆け寄る。
「ちょっと夢中になってたかな」
そう言い男性に女性はタオルを渡し。
「ありがとう」
男性はタオルで汗を拭き取る。
「あんまり無茶しないでね?」
「うん」
「じゃあ行こ?雄介」
「うん、三玖」
二人は手を繋いで歩いて行った。
ー番外編 絶望 前編endー
毎度遅れてますが。何とか番外編 前編を書き終わりました。中編はまた来年に投稿します。