古代の戦士と9人の女神達   作:クウガに心奪われた男

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さぁついにラブライブ予選の始まり!
だが1つの事件でμ'sと雄介の関係が・・・
第9話始まります。


第9話 約束

ついにどのスクールアイドルが目指すラブライブの予選が近づき練習に熱を燃やすμ's今日も放課後に皆が熱心に練習をしていた。

 

「凛!少し動きが早いです!皆に合わせて!」

 

「は、はいにゃ!」

 

「花陽少し動きが遅いですよもう少し早く!」

 

「は、はい!」

 

「穂乃果今の所良いですよ!今の所忘れずに!」

 

「わかった!」

 

「ラストー!」

 

海未の言葉と同時に皆ポーズを決める。

 

「はい!大丈夫ですもうほとんど完璧ですね」

 

「よぉーし!これならいけるね!」

 

「でも油断は禁物よ強豪校は沢山いるしそれにあの

AーRISEがいるんだから」

 

真姫が話したAーRISEとはスクールアイドルの中でもトップといっても過言ではないほどの実力者だった。

 

「そ、そうだよね」

 

「かと言ってここで弱気になっても仕方ないわ私達は私達のパフォーマンスで全力で挑むそうでしょ皆」

 

「そうね絵里の言うとおりだわラブライブを目指すんだもの負けてられないわ」

 

皆大会予選の事でピリピリしている中雄介は、イヤホンを着けて携帯の画面をすごく真剣に見ていた。

 

「雄介どうしたのでしょう?」

 

海未がそう言い雄介の様子を伺おうと近づき雄介の肩を叩いた。

 

「雄介何を調べているのですか?」

 

「へっ?う、海未ちゃん!?」

 

雄介は慌てて携帯をしまおうと焦りイヤホンの線が抜け。

 

『いやんっ///もうお兄ちゃんのえっち///』

 

「・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

少しの沈黙が流れ

 

「い、妹とヒミツな内緒ごと(ハート)のPV見てたんだ~いや~発売日が近くて本当たのしm」

 

「今すぐグラウンド50週全力で走ってきなさい話はそれから聞きます」

 

「い、いやそれはさすがに」

 

「今すぐ行く!」

 

「は、はーい!」

 

雄介は屋上を出て全力で駆け抜けて行った。

 

 

「全く何を考えているのですかあなたは!」

 

雄介が50週走り終え海未の説教が始まる。

 

「ご、ゲホっごめん凄く楽しみっゲホっだから」

 

「時と場合を考えなさい!全くあなたはいつもいつも」

 

雄介が正座させられお叱りを受ける。

 

「あ~これは長くなるよ~海未ちゃんあぁなったら止まんないからな~」

 

「穂乃果ちゃんもよく海未ちゃんに叱られるからね」

 

「もう、ことりちゃ~ん」

 

「ふふ、ごめんごめん」

 

と話ている内に夕日が落ち始め辺りが暗くなってきた。

 

「そろそろ時間ね海未今日はその辺にしてあげてもう帰る支度をしましょ」

 

「そうですねいいですか雄介くれぐれもこんなハレンチな物を見ていたら今度は倍で走らせますからね!」

 

「わ、わかったわかった以後気をつけます」

 

皆帰りの支度を済ませ学校を出る。

 

「じゃあ皆また明日学校で」

 

そう絵里が言い皆が歩き出した瞬間

 

「キャー!!」

 

突然悲鳴が聞こえ皆が立ち止まる。

 

「な、何いまの悲鳴?」

 

「近くから聞こえた皆俺ちょっと行ってくる!」

 

「あっゆーくん!」

 

雄介は悲鳴が聞こえた方に走って行った。

 

 

 

雄介が走っているとそこに女の人が倒れていた。

 

「っ大丈夫ですか!?」

 

女の人を抱え声を掛けるが応答がなくすでに亡くなっていた。

 

「ん?」

 

女の人の背中からヌルッとした感触があり雄介は自分の手を見ると手が血だらけになっていた。

 

「ひどい何かに引き裂かれたような傷だやっぱり未確認の」

 

雄介が考え込んでいると

 

「たすけてー!!!」

 

「っ!」

 

今度は学校の方から聞こえ

 

「まさかそっちに!?」

 

雄介は全力で走り向かいに行った。

 

 

ー数分前ー

 

雄介が悲鳴が聞こえた方に走っていきμ'sの皆が不安になっていた。

 

「まさか未確認じゃないよね?」

 

「とりあえず私達はここを動かず雄介を待ちましょう迂闊に動いたら危険ですから」

 

海未の言葉に賛同し雄介の帰りを待っていると

 

「ん?ねぇ皆あれなに?」

 

穂乃果が目を細めそこに指を指し皆がその方向を見ると

家の屋根の上に大きな影を見つけそして辺りがくらいからだろうかその影から目がひかって見えμ'sの皆を見ていた。

 

「ねぇあれって」

 

「人・・・よね」

 

「う、うん」

 

とその影が飛び一気にμ'sの前に降り立ち

 

「さぁてゲゲルの開始だ」

 

そこに降り立った未確認はそう言いライオンに酷似した未確認生命体メ・ガドラ・ダが現れた。

 

「ひっ!」

 

「未確認生命体!?」

 

ガドラは1人に狙いを定め一気に襲いかかる

 

「かよちん危ない!」

 

「きゃっ!」

 

凛は咄嗟に花陽を押し間一髪ガドラの攻撃を避けるがガドラの爪が花陽の腕にかすり血が流れる。

 

「い、いた」

 

「花陽!」

 

「花陽ちゃん!」

 

海未と穂乃果が花陽を抱え

 

「い、いやぁ」

 

「ほぅ運よく避けられたようだが次はどうかな?」

 

ガドラは爪をたて次の獲物を狙う

 

「(ど、どうしよう)」

 

「(足が動かない)」

 

皆が恐怖で足が動けなくなり逃げられないでいた。

 

「(くっ情けないです本当に何もできないなんて)」

 

海未がそう思っているとガドラは狙いを定め

 

「やはりお前だ!」

 

ガドラは花陽に爪を向け一気に突き刺そうとする。

 

「かよちん!」

 

「花陽ちゃん!」

 

花陽は目を瞑り死を覚悟していたが一向に自分に痛みが感じないそう思い恐る恐る目を開けると

 

「ごめん皆お待たせ」

 

そこにはガドラの手を抑えたクウガがおり花陽の胸のギリギリの所で手が止まっていた。

 

「・・・クウガか」

 

「ふっ!」

 

クウガが回し蹴りをするがガドラはそれを避ける。

 

「大丈夫?かよちゃん」

 

「う、うんありがとう雄介君」

 

花陽が立ちさっき傷つけられた手を抑える。

 

「ごめん、皆から離れるべきじゃなかった」

 

クウガはガドラを睨み身構える。

 

「相変わらず弱いリントを守ってるんだなぁクウガ」

 

「(言語?)お前、人の言葉を」

 

「そんな物すぐにわかるさそしてお前が昔とは違うクウガって事もなぁ!」

 

「っ!」

 

ガドラがクウガに飛びつき爪を立て攻撃するがクウガも咄嗟にガードをする。

 

「だが、今も昔も変わらねぇ!弱い者を守りそして結局自分が犠牲となり自ら封印した」

 

「なに!?」

 

「そんな者を守ってなんの得がある?こんな弱い奴らを守ってよぉ!」

 

「黙れ!」

 

クウガはガドラの腕を掴み背負い投げを繰り出した。

 

「うぉっ!?」

 

ガドラは地面に叩きつけられ

 

「きさまぁ」

 

立ち上がろうとした瞬間

 

「うおりぃやぁ!」

 

クウガのキックが炸裂するがガドラも両腕でガードする。

 

「っさすがだなぁ今も昔もこの強さは変わらねぇな」

 

「お前はいやお前達はなぜ人々を襲う!一体何が目的なんだ!」

 

ガドラはゆっくり立ち上がりにやっと笑ったように見えた。

 

「そんな事決まってるゲゲルを楽しむ為さ」

 

「ゲゲルを楽しむ?」

 

「まぁお前達の言葉で話せばゲームって事だな」

 

「なんだと!?」

 

「そうリントを殺しまくりそして昇格しそして最後には最高の舞台が待っているこんな楽しい事ないだろ?」

 

「てめぇ!」

 

「そしてリントを襲った時その恐怖で怯えた顔がまた

たまんねぇのよそこのメスのリント共もいい顔してたぜ」

 

ガドラがμ'sの皆の方に向き高笑いをしながら放った言葉にクウガは拳を握りしめ一気にガドラの顔に直撃させる。

 

「ぐぁ!?」

 

地面に転がり顔を抑える。

 

「てめぇらの目的は大体わかった・・・だったら!こんなふざけたゲームなんて俺がぶち壊してやる!」

 

「はっ!いい顔になってきたじゃねぇかクウガ!俺を殺したいと殺気が伝わってくるぜ!」

 

「あぁ殺してやるよ!」

 

クウガは一気にガドラに突っ込み攻撃を仕掛けるがガドラも対応し攻防が続いていく。

 

「ゆーくん・・・何か怖い」

 

クウガとガドラの戦いを見ながらことりが呟く。

 

「ことり?」

 

「何かいつものゆーくんじゃないみたい」

 

いつも皆に優しい雄介が今では別人に見えるほど変わっているとことりの目から見える。

 

「だぁ!」

 

「ぐっ!」

 

クウガのパンチを腹部に受け後ずさるガドラ。

 

「(何だ奴の拳は?依然のクウガとは比べ物にならないくらい重い)」

 

「だぁ!」

 

クウガの勢いは止まらずガドラに突っ込みガドラは咄嗟にガードするがクウガのパンチでガードが崩され顔面にパンチを喰らわせる。

 

「ぐぉっ!」

 

クウガの攻撃にガドラが倒れ口から血が流れる。

 

「(くそ!このままじゃ)」

 

ガドラは地面に拳を叩き込み割れた地面を抉りクウガの方に投げ飛ばす。

 

「っ!?」

 

クウガは投げられた地面の砂や石が顔の辺りに当たりそれを払うと

 

「なっ!?奴は」

 

目の前にいたガドラは姿を消していた。

 

「くそっ!目眩ましだったのか!」

 

クウガは辺りを見渡すがガドラの気配もなく完全に逃してしまった。

 

「ゆーくん!」

 

ことりがクウガに駆け寄り心配そうな顔でクウガを見つめる。

 

「ことりちゃんどうした?」

 

「えと、ゆーくん大丈夫?」

 

「俺は大丈夫だよそれにそんなに見つめられると照れるな~」

 

いつもの雄介にことりはホッとしていた

 

「(良かったさっきは怖かったけどいつものゆーくんだ)」

 

「それよりかよちゃんは!?腕の傷が」

 

クウガは花陽の方に行き腕を見る。

 

「私は大丈夫だよちょっとかすっただけだから」

 

そう言う花陽だが手からは血が流れ痛みを我慢しているかのように見える。

 

「かよちゃん・・・ごめん俺が側を離れたから」

 

クウガは雄介の姿に戻り持っていたハンカチで花陽の腕に巻く。

 

「ううん雄介君は謝る必要なんてないよそれに雄介君が来てくれなかったら今頃私は」

 

もし雄介がもう少し遅かったら今頃花陽は未確認に胸を貫かれ命を奪われていただろうと考えると花陽は身を震わせていた。

 

「かよちゃん」

 

「とりあえず花陽を病院に連れていくわ今のままじゃ傷がひどくなるだけよ」

 

「真姫ちゃん、頼む」

 

真姫は頷き携帯で使用人に連絡を取る。

 

「それにしても妙ですね未確認生命体がいきなり私達と同じ言葉を」

 

「そうね未確認が出身してからそう何ヵ月も経っていないのに」

 

「未確認生命体が私達に近づいている」

 

「穂乃果?」

 

「未確認が私達人間に近づいているって事だよそう考えるとなんだかちょっと」

 

「なんか怖いね」

 

「姿が変わる前は私達人間の姿と同じで人の言葉が使えるそして殺人を楽しんでいる確かにそう考えると不気味ね」

 

「にこっちの言うとおりやねそしてその殺人をゲームとして行動し次々と人を」

 

「そうならないためにも必ず俺が奴ら倒す!」

 

雄介が意気込みそれを見ていたことりが不安な表情でいた。

 

 

ー翌日ー

 

穂乃果、海未、ことりが朝登校しているとUTXという学校の前を通ると大きなモニターにAーRISEの3人が映っておりインタビューを受けていた。

 

『今年のラブライブの大会予選が近づいております私達は努力を積み上げ最高のパフォーマンスを皆さんに届けたいと思います』

 

AーRISEの1人がそう宣言しモニターを見ていた沢山の人達が歓声を上げていた。

 

「やっぱりAーRISEはすごい人気だね」

 

「もし予選が通過したとしてもその次は必ずAーRISEと当たります私達はこの方達に勝てるでしょうか?」

 

ことりと海未がそう言い目の前にある絶対的な壁に不安に雲っているが穂乃果はことりと海未の肩に手を置き自分に引き寄せる。

 

「大丈夫だよ!私達ならやれる!」

 

「穂乃果!?」

 

「穂乃果ちゃん!?」

 

「私達だって負けないくらいすごいライブが出来るよういっぱい練習してきたんだもんそれに私達にはμ'sの皆がいるだから大丈夫だよ必ず」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「穂乃果、そうですね頑張りましょう皆で!」

 

「うん!」

 

穂乃果達は自分達に自信をつけ改めてラブライブという大舞台に望むのであった。

 

穂乃果達が学校に着き自分達の教室に入ると

 

「あれ?ゆーくんもう来てたんだ」

 

ことりが雄介の席を見ると鞄がかけられてあったが雄介の姿は見当たらなかった。

 

「珍しいね雄介がこんなに早く来るなんて」

 

「でもどこいったんだろう?」

 

「どうせいつもの誰かの女の人を追いかけているのでしょう」

 

「海未ちゃん結構辛口だね」

 

 

 

「へっぶし」

 

「うわっきたねぇよバカ」

 

「わりぃわりぃ」

 

雄介が鼻をすすり集がティッシュを持ってくると

 

「雄介君誰かに噂されてるんじゃないの~」

 

「えっ!?そうすっかねやっぱモテる男は違うな~」

 

「いや、絶対に女の子のケツを追いかけ回してるって噂されてる」

 

「はぁ!?失礼な!俺が追いかけ回すのはμ'sの子達だけだっていってんだろ!」

 

「女の子に変わりないだろ」

 

雄介の発言に集が呆れる。

 

「はいはい2人ともここにケンカしにきたんじゃないんでしょ、ねっ雄介君」

 

「は、はい」

 

「雄介君が昨日戦った未確認が私達と同じ人の言葉をしゃべっていた」

 

「そうですね」

 

「つまり未確認生命体は私達に近づいているって事かしら?」

 

「もしそうだとしたらヤバくないですか?未確認生命体って普段は人間の姿でいるんでしょ?もし人間紛れていきなり襲われたらたまったもんじゃないですよ」

 

「長谷川君の言うとおりね人間社会に紛れそれでグロンギが行うゲゲルがより脅威になったら・・・」

 

「その前に止めますよ奴らの事」

 

「中野くん」

 

「昨日の未確認が言っていたゲゲルを行いそしてリントつまり人間を殺し楽しんでる

そんな奴らを俺は絶対に許さない!」

 

「雄介お前」

 

集は、こんな雄介を初めて見たと心に思ったこんな怒りに満ちた雄介を見るのは。

 

「中野くん未確認に対して怒りを向けるのはいいけど、あなた自身を見失わないようにね」

 

「えっ?は、はい先生」

 

雄介の返事を聞き桜子は時計を見る。

 

「さぁそろそろ授業が始まる時間よそろそろ教室に戻りなさい」

 

「「はい」」

 

雄介と集は自分たちの教室に戻って行った。

 

「本当に気をつけね中野くん」

 

 

ー放課後ー

 

μ'sが練習している中雄介は、ずっと携帯を見ていた。

 

「(やっぱ未確認の情報はないか)」

 

雄介は昨日の未確認が気になり一日中携帯に目を通していた。

 

「雄介さっきからずっと携帯見てるわね」

 

雄介の様子を見て絵里が心配をする。

 

「うん、雄介朝からずっとあんな感じだよ」

 

「昨日の未確認の事が気になるのでしょうね」

 

「ゆーくん」

 

皆が雄介を心配している中凛が雄介に近づいた。

 

「ゆーすけ!」

 

「うわっ凛ちゃん!?どうしたの?」

 

突然大きな声で呼ばれたので驚く雄介。

 

「どうしたの?じゃないにゃさっきからずっと携帯見て凛達の事全然見てくれないし」

 

「凛ちゃん」

 

「昨日事・・・気になるのわかるよでも凛達もラブライブ予選を通過するためにいっぱい練習して頑張ってきたんだから、だから」

 

「だから?」

 

「雄介には1番近くで凛達を見ていて欲しい

いままで頑張ってきた凛達を見守ってほしいにゃ」

 

「お、おおおう///」

 

凛の言葉に照れる雄介。

 

「うわーお大胆最近雄介に猛アタックしてるわね凛は」

 

「そうやね~」

 

チラッと希はことりの方を見るとソワソワしているような感じでいた。

 

「ほら~ことりちゃんうかうかしていると雄介君凛ちゃんにとられちゃうよ」

 

突然希に耳打ちをされビクッと驚くことり。

 

「の、希ちゃん!?べ、別に私はゆーくんの事は・・・」

 

「うふふっまぁ雄介君鈍感ぽいし焦ることはないと思うんやけど凛ちゃんは雄介君にゾッコンぽいからな~」

 

「うぅ~やっぱりそうなのかな~?」

 

「だからことりちゃんも頑張ってなことりちゃんも凛ちゃんみたいに大胆にいけばいいと思うんや」

 

「希ちゃん・・・そうだね!よーし!」

 

ことりは気合いを入れ雄介の元へと近づく

 

「ゆ、ゆーくん!」

 

「ん?どったのことりちゃん?」

 

「わ、私もゆーくんの事いつも見守ってるから、だからことりの事も見守ってね」

 

「えっ!?あっはい!」

 

「あーっ!ずるいにゃことりちゃん先に凛が言ったんだからね」

 

「べ、別に後先は関係ないよ凛ちゃん私は本当にゆーくんの事が大事だから」

 

「それなら凛もゆーすけの事とってもとーっても大事に思ってるにゃ!」

 

ことりと凛が雄介の事で言い争っている所を他のμ'sメンバーが見て

 

「あれは、修羅場というものでしょうか?」

 

「凛ちゃんとことりちゃんす、すごい気迫です」

 

「なんか面白い事になってきたわね~」

 

「ん?2人共なんで言い争っているんだろ?」

 

「穂乃果・・・あなたにはまだはやいようね」

 

「え~どういうこと絵里ちゃ~ん?」

 

「真姫ちゃんは混ざらなくていいの?」

 

「だ、誰が!イミワカンナイ!」

 

2人の言い争いが止まらず止めに入ろうとする雄介

 

「2人共どうしたんだ?ちょっと落ちついてって、うわ!」

 

雄介が2人の間に入ろうと立ち上がろうとした瞬間足が躓きことりと凛を押し倒すかのようにすっ転んだ

 

「いたたって、うわ!」

 

雄介は顔を上げるとことりと凛の胸をわしづかみし2人の顔を恐る恐る見ると2人は顔を赤くし

 

「ゆーくんの」

 

「ゆーすけの」

 

「「バカーーー!!!」

 

パァンっと2人から盛大なビンタをもらいました」

 

「あら~雄介君またやっちゃた~」

 

ー夜 中野家ー

 

「ただいま~」

 

「お帰りお兄ちゃんってまたやったの?」

 

帰って来た兄の顔を見て早々ため息をつく梓。

 

「今日はわざとじゃないんだよ~」

 

「はいはいご飯出来てるから早く上がってね」

 

「信じてないな」

 

雄介は自分の部屋へ行き荷物を置き携帯を見る。

 

「やっぱり一条さんからも連絡来てないし未確認の情報もない奴ら動いていないのか?」

 

雄介が未確認の情報がないか調べていると下から梓の声が聞こえた。

 

「お兄ちゃーん早く来ないとご飯冷めちゃうよー」

 

「あぁ今行く」

 

雄介は下へ行き夕食が並べられているテーブルへ行き椅子に座る。

 

「いただきます」

 

「はい、召し上がれ」

 

雄介は箸を取り料理をどんどん口の中へ運んだ。

 

「うん!今日もうまい!」

 

「ありがとそう言えばお兄ちゃんもうそろそろだよね

ラブライブの予選」

 

「ん?あぁそうだな」

 

「μ'sの皆さんどう?お兄ちゃんから見ていけそう?」

 

「うん、ダンスもほとんど完璧だしいけると思う」

 

「そっか~予選の日私も行くからね雪穂と亜里沙も行くって言ってたし」

 

「あいよ了解」

 

「あぁ~楽しみだな~」

 

「梓」

 

雄介は持っていた箸を置く。

 

「ん?何お兄ちゃん?」

 

「来るとき気をつけろよ?」

 

「えっ?あっうんもし何かあったらすぐお兄ちゃんに連絡するよ」

 

「絶対だぞ最近の未確認は俺達に近づいて人の言葉を話すようになったんだ、だからどこぞの知らない人に話しかけられても無視しろよ」

 

「えっ?未確認って言語話せるの?前に襲われた未確認は訳のわからない言葉をしゃべっていたけど」

 

「うん、それほど奴らは人間に近づいているんだ、だから本当に気をつけろよ」

 

「うん、わかった」

 

梓の返事を聞き雄介は置いた箸を持ちご飯を食べ始める。

 

 

ー翌日ー

 

雄介が学校に行こうとバイクに乗った直後通信が入る。

 

『中野雄介聞こえるか!』

 

「はい!未確認ですか!?」

 

『あぁ!今我々が現場にっ!』

 

一条から入った通信が雑音を起こし途中で切れてしまう。

 

「一条さん!?一条さん!くっ!」

 

雄介はバイクのエンジンをかけすぐさま走りだした。

 

「一体何が?まさか一条さん」

 

一条の身に何かおきたのかと思い雄介はバイクのスピードを上げる。

 

『ピーッこちら本部以前未確認生命体は逃走中各自応援に周り対応せよ場所はー』

 

突然警察の本部から通信が入り未確認が逃走している場所を指示していた。

 

「そこらに未確認が」

 

未確認のいる情報通り雄介はそこに向かった。

 

本部が指示していた場所に到着すると辺りにはすでにやられている警察官が多数いた。

 

「くそ!」

 

雄介はバイクから降り生存者がいるか確認する。

 

「大丈夫ですか!?」

 

倒れている警察官達に声を掛けても返答がなかった。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「無駄だ」

 

突然声が聞こえ雄介は顔を上げる。

 

「全員殺したよ確実にな」

 

「お前!」

 

雄介の前には以前戦ったガドラが姿を現した。

 

「ほぉー最初はリントのガキが来たのかと思えば違うなお前が今のクウガだな?」

 

「なぜ、わかった?」

 

「わかるんだよ何せ俺は鼻がいいからな」

 

「なるほどそういう事か!」

 

雄介は変身の構えを取る。

 

「さぁ始めようか!第2ラウンドだ」

 

「ふざけるな!変身!」

 

雄介は咆哮と共に左側のボタンを押しガドラに迫る。

 

「うおぉぉ!」

 

雄介はジャンプしガドラに拳を突き付けた瞬間クウガの姿に変わった。

 

「ふん!相変わらずいい拳だ!」

 

クウガの拳を受け止めガドラは笑う。

 

「っ何が可笑しい!?」

 

「嬉しいんだよ昔のクウガと違ってお前は殺意が籠っている」

 

「んだと!?」

 

ガドラはクウガの腕を引き寄せ腹部に蹴りを入れる。

 

「ぐふっ!」

 

「そして昔のクウガと違い格段に強いって事がなぁ!」

 

「ぐぁっ!」

 

ガドラはクウガの顔面をパンチしクウガは地面に転がる。

 

「これだけの強い拳があれば沢山の獲物をころせるだろぉなぁクウガ」

 

「てめぇと一緒にすんじゃねぇ!」

 

クウガは立ち上がりガドラにパンチを繰り出すが難なく避けられ後ろを取られる。

 

「おらっ!」

 

「ぐあぁっ」

 

ガドラの爪により背中に大きなダメージを受ける。

 

「ハァっハァ」

 

「どうした?もうおしまいか?」

 

「くっそぉ!」

 

クウガの背中の傷から血が流れ激痛を伴うがお構い無しにガドラに攻撃を繰り出す。

 

「いいねぇそれでいいもっと来いよクウガ!」

 

「うおぉぉ!」

 

ガドラはクウガの攻撃をガードしつつ隙を見つけた瞬間クウガの腕を払いのけガドラの爪がクウガを切り裂く。

 

「うあぁぁ!」

 

クウガは地面に倒れ傷つけられた体を腕で押さえる。

 

「ふぅまだだな」

 

「なに!」

 

「前に戦った時の方が強かった」

 

「なんだと!」

 

「何故だ?あの時のお前とは何かが違う」

 

ガドラは前の戦った時の事を思い出すそこにはクウガが必死で守っていたμ'sの姿を思い出す。

 

「そうかあのメスのリント共か」

 

「なにっ!」

 

「お前はあの時あのリント共を守ろうと必死で戦っていただから今とは違う強さがあるのか」

 

「違う!あの子達は関係ない!」

 

「その必死で否定している所が図星なんだよクウガ!」

 

ガドラはクウガに蹴りを入れクウガは地面に転がる。

 

「本来はゲゲルを楽しむ事だが気が変わったお前の底知れぬ強さが見たい」

 

「な、に?」

 

「今からあのリント共の首を持ってくればお前はどうなるのかな?」

 

ガドラの言葉にクウガは怒りと共に無意識にガドラを殴り飛ばしていた。

 

「なっなんだと?」

 

突然の攻撃で何が起こったかわからないガドラにクウガはゆっくり近づく。

 

「っ貴様ぁ!」

 

ガドラはジャンプしクウガに爪を突き付けるがクウガは瞬時に紫のクウガへと変わった。

 

「なっ!?硬い!」

 

ガドラの攻撃が効かず一端下がろうとしたがクウガに腕を捕まれる。

 

「くっ離せ!」

 

「・・・あの子達に」

 

「?」

 

「あの子達に指一本触れさせねぇ!」

 

クウガはガドラの爪を握り爪をへし折る。

 

「ぐあぁぁ!」

 

ガドラは無理矢理クウガから離れ爪が剥がれる。

 

「ハァっハァっこいついきなり強く」

 

クウガはガドラの剥がれた長い爪の一本からタイタンソードへと変わった。

 

「うおぉぉ!」

 

クウガはタイタンソードを振りかざすがガドラはそれをジャンプし避け壁に足を着けバネのように勢いよくクウガに突っ込んで行ったそしてクウガも対抗するかのように剣を構えそして

 

「うおぉぉ!」

 

「ああぁぁ!」

 

同時に攻撃をしクウガは剣を振り払いガドラはもう片方の長い爪で振り払うそして2人はすれ違うかのように攻撃をした後2人の動きが止まり少しの沈黙。

 

「ぐっ」

 

「がっ」

 

クウガの方からは引き裂かれた腕から血が吹き出しガドラは上半身斜めに斬られ血が吹き出す。

 

「ぐっいいぞぉこれでこそ戦いだ」

 

「くっ」

 

クウガは剣を構えるが傷つけられた腕では剣を握れなかった。

 

「(くそっ!片方の腕が!)」

 

ガドラも構えようとするがクウガに斬られた傷から血が止まらず瀕死の状態だ。

 

「(さすがに分が悪いな)」

 

「どうした?来ないのか!」

 

「ふっわりぃな今日は幕引きだ」

 

「なっ!?ふざけんな!自分から攻めといて負けそうになったら逃げんのかよ!」

 

「あぁそうさ!俺はまだ死にたくなんいんでね今日はここで終わらせてもらう」

 

「俺が逃がすと思うか!」

 

「ふっ貴様もガタガタのくせによく言うぜじゃあな!」

 

「なっ!?待て!」

 

ガドラは逃走しクウガは追いかけようとするが足に力が入らず膝を着いてしまう。

 

「くっそ」

 

クウガは悔しさのあまり地面を拳で叩きつける。

 

「今度は必ず!」

 

 

 

数時間が経ち雄介は病院で手当てをしてもらっていた。

一条が連れてきたらしい。

 

「ありがとうございました」

 

病院から出た雄介を確認し一条は椅子から立つ。

 

「大丈夫か?」

 

「はい何とか」

 

「そうか」

 

今朝一条が連絡が途切れたのは仲間がガドラにやられていた人達を救護し雄介の元へ来るのが遅れ来たときには傷だらけの雄介が座っていた状態だった。

 

「一条さんありがとうございました俺学校に戻ります」

 

「あ、あぁ送っていかなくて大丈夫か?」

 

「はい」

 

雄介は振り向きもせず病院の出口へと歩いて行った。

いつもと違う雄介に疑問を抱く一条。

 

「中野お前に一体何があったんだ?」

 

 

ー昼ー

 

今日雄介から連絡がなくことり達が心配して午後の休憩時間が終わった頃。

 

「あっ雄介だ!」

 

穂乃果が教室に入って来た傷だらけの雄介を見てことり達が歩み寄る。

 

「ゆーくん一体どうしてたの!?その怪我!」

 

「まさか未確認と戦っていたのですか?」

 

ことり達が呼び掛けても返答しない雄介に少し様子がおかしいと顔を見合せる。

 

「ちょっと雄介返事してよ!」

 

穂乃果が揺さぶり雄介はハッとなる。

 

「穂乃果ちゃん?一体どうしたの?」

 

雄介は今まで穂乃果達に気付いていなかったのかそんな言葉を口にした。

 

「ゆーくん大丈夫?」

 

「へっ?いや大丈夫だよ」

 

そう言い雄介は自分の机に鞄を置く。

 

「雄介その・・・怪我は大丈夫ですか?」

 

「うん・・・まぁね」

 

「朝から連絡もないので皆心配していたのですよ」

 

「そっか、ごめん」

 

「雄介?」

 

雄介の素っ気ない態度に疑問を持つ海未達。

 

「ゆーくんあの」

 

ことりが雄介に話掛けた瞬間学校のチャイムがなる。

 

「おーい皆席につけー授業を始めるぞー」

 

すぐに先生が教室に入って来てことりは話ないいまま自分達の席に着く。

 

 

ー放課後ー

 

あれからことり達は雄介と話せていなかった授業が終わるたび教室から出て行きどこかへ行ってしまうそうしている内に放課後になってしまった。

 

「皆明日は本番だから今日は最終チェックをし明日に備えるわいいわね?」

 

「「はい!」」

 

絵里の言葉と共に練習が開始される雄介はμ'sの練習を見ず携帯を見ていた。

 

「(あいつは一体どこに逃げた?次はどこに)」

 

雄介は1つでも未確認の情報がないか調べているそんな雄介を見かねて真姫が練習を抜け雄介の方に行く。

 

「ちょっと真姫!勝手に止めないで」

 

絵里の言葉を無視し真姫は雄介の前に立つ。

 

「ちょっと雄介!」

 

「?どうしたの」

 

「あなたさっきから何なの?ずっと携帯ばかり見て私達の練習を見なさいよ明日本番なのよ!?」

 

「悪い今それどころじゃないんだ練習なら皆でやっといてくれ」

 

「っふざけんじゃないわよ!」

 

真姫は雄介の言葉にカッとなったのか雄介から携帯を奪い取る。

 

「ちょっなにすんだ!」

 

「それどころじゃない?私達が今まで頑張ってきた事をそんな簡単にあんたは何とも思わないの!?」

 

「思わないわけないだろ!でも俺は一刻も早く未確認の情報が欲しいんだ奴を倒す為に」

 

「じゃあ今だけは私達を見てよ前に凛に言われた事忘れたの?」

 

「っ悪いが携帯返してくれ俺は奴を止めなくちゃならないこれ以上被害が多くならない為にも」

 

雄介は真姫の手を掴み携帯を取り上げようとするが

 

「いや!」

 

「っいい加減に!」

 

雄介は無理矢理携帯を奪い真姫を突き飛ばした。

 

「きゃっ!」

 

突き飛ばされた拍子に真姫は転び

 

「あっごめ」

 

「真姫!」

 

「真姫ちゃん!」

 

他のμ'sメンバーが真姫に近寄る。

 

「真姫ちゃん大丈夫?」

 

「え、えぇ」

 

花陽が真姫を支え立たせる

 

「雄介いくらなんでもやりすぎです一体どうしたというのですか?」

 

「何でもない」

 

「何でもないわけないでしょう!あなたは大切な友人を突き飛ばすような乱暴な人ではないはずです!」

 

「っしょうがねぇだろ!俺は早く未確認の情報が欲しいんだ!それを邪魔しないでくれよ!」

 

「っ雄介?」

 

「今回の未確認は何人も何人も人を殺しそしてまだどこかに潜んでいるだから早く奴を見つけ俺が倒さなきゃいけないんだよ!」

 

「雄介あなた」

 

「間近で人が死んでいるのがお前達に耐えられるか!?」

 

「それは」

 

「見るたび悔しくてだからこれ以上被害が増えない為にも俺が戦わなくちゃいけなんだよ!奴等を殺す為に!」

 

雄介の言葉にことりは疑問を抱き雄介に近づく。

 

「ゆーくん、1つ聞いていい?」

 

「・・・」

 

「ゆーくんは、一体何の為に戦っているの?」

 

「そんなの・・・奴等を殺す為に決まってるじゃないか」

 

「そっか変わったねゆーくん」

 

ことりの言葉を聞き雄介は屋上のドアへと歩いて行く。

 

「俺これから奴を見つける為探し回る後は頑張ってくれ」

 

そう言い残し雄介は屋上から出て行った。

 

「一体どうしたのって言うのよ雄介の奴」

 

「ゆーすけ何か怖かったよいつものゆーすけじゃないみたい」

 

「多分だけど雄介は限界だったんじゃないかしら」

 

「限界ってどういう意味やえりち」

 

「雄介は未確認と戦う度に沢山の人の死を見ていると思うのそれが辛くて悔しくてそれで雄介の何かが崩れたんだと思う」

 

「いつも明るい雄介君が」

 

「明るく振る舞っていても今回の犠牲者の数それに未確認が私達と同じ言語を話そして未確認のゲームその積み重ねが雄介を焦らせていると私は思う」

 

「いくらクウガの力を得て未確認と戦っているとはいえ雄介もまだ私達と同じ高校生確かに辛い・・・ですよね」

 

「やっぱりゆーくんを戦わせるのは間違っていたのかな?」

 

「ことり」

 

「だってゆーくん泣いていたから」

 

「えっ雄介泣いてた?」

 

「顔には見せてないけど心では泣いてるように見えるの私」

 

「凛は正直ゆーすけに戦って欲しくないだって今のままじゃまたゆーすけが辛くなるだけだよ」

 

「でも雄介が戦わなきゃもっと被害が増えるのよ!?今さら戦うはやめろっていってもあいつは聞かないわよ」

 

「にこの言うとおり雄介が戦わなかったら今以上の被害が増えるでも戦ったら雄介は多分壊れていく」

 

「どっちにしろ最悪は免れないって事やね」

 

「私達がゆーくんを支えるって決めたのに私達何の力にもなれてないのかな?」

 

「私達にできる事って本当なんだったんだろ?」

 

 

 

ー深夜ー

 

ことりが寝ようと自分のベッドに入ろうとした時携帯が鳴る。

 

「梓ちゃんからだ」

 

ことりは携帯に耳をかざす

 

「もしもしどうしたの?梓ちゃん」

 

『ことりちゃん!?お兄ちゃんが帰って来ないの』

 

「えっ!?ゆーくんが!?」

 

『さっきから携帯に掛けても繋がんないしねぇことりちゃん何か知ってる!?』

 

「ゆーくんまだ未確認を」

 

『えっ!?未確認!?』

 

「ゆーくん今日の放課後から未確認を探しに行くってどこか行ってしまったのだから多分まだ未確認を探しているのかも」

 

『こんな夜遅くまでどうしちゃったのよお兄ちゃん』

 

ことりの電話越しから梓のすすり泣き声が聞こえた。

 

「梓ちゃん・・・大丈夫だよゆーくんは必ず帰ってくるよ」

 

『えっ?』

 

「だって約束したもん必ず皆の所に帰ってくるってだから信じよゆーくんを」

 

『・・・うん、ありがとうことりちゃん』

 

そう言って梓との通話を終えた。

 

「梓ちゃんまで悲しませたら駄目だよゆーくん」

 

 

ー翌日ー

 

今日の朝も雄介から連絡がなく学校に着くことり。

 

「おはよーことりちゃん」

 

「おはようございますことり」

 

すると穂乃果と海未も一緒に学校に着いた。

 

「おはよう穂乃果ちゃん海未ちゃん」

 

「ことり雄介から何か連絡は?」

 

「ううん駄目電話にも出ないよ」

 

「そうですか」

 

「雄介何で本当に私達の事」

 

「そんな事はありませんよ今日のライブだって必ず来てくれます」

 

「海未ちゃん」

 

「雄介は普段はだらしなくても必ず約束を守る方ですから」

 

「うん、そうだね!」

 

「(ゆーくん穂乃果ちゃんも海未ちゃんもゆーくんの事を待ってるんだよだから早く帰ってきて)」

 

ことりの想いも届かぬまま夕日が昇りライブの時間へと近づいていった。

 

「結局雄介の奴来なかったわね」

 

「みんなー集まって」

 

絵里が皆を呼び集合させる。

 

「今日はラブライブ予選今日の投票次第で私達は次のステージへ行ける」

 

「そうだねここで勝っても負けても私達は悔いのないライブをしよう!」

 

「でもゆーすけがいなくてそれに昨日の事も」

 

「凛ちゃん」

 

雄介が来ておらず凛や他のメンバーも気持ちがついていけずそれでも穂乃果は皆に気合いを入れる。

 

「雄介は必ずくるよ!もし来てくれなくも私達の歌でおもいっきり歌って雄介を呼ぼうよ」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「雄介は今辛い所にいるなら私達のライブで雄介の笑顔を取り戻そう!」

 

「穂乃果ちゃん、うん!そうだね!」

 

穂乃果の言葉で皆気持ちをあらたに込め皆中央にピースの円陣を組む。

 

「いくよ1!」

 

「2!」

 

「3!」

 

「4!」

 

「5!」

 

「6!」

 

「7!」

 

「8!」

 

「9!」

 

「ミューズ!」

 

「「「ミュージックースタートー!」」」

 

 

屋上でステージを開いたはいいが今日はあいにくの雨だった。

 

「嘘」

 

「最悪ね」

 

だがステージの周りを見てみるとμ'sのライブを見ようと駆けつけてくれたお客さんが一杯だった。

 

「でもここに来てくれた皆の為にも全力でやろう!」

 

「穂乃果・・・そうですね!」

 

「さぁ行こう!」

 

穂乃果の掛け声と共に皆ステージへ走っていき皆整列をする。

 

「皆さん今日はこの雨の中集まっていただきありがとうございます!私達はここにいる皆そしてライブ中継で見ていてくれる皆さんの為にも私達は全力で歌います!

それでは聴いてください!」

 

「「No brand girls」」

 

μ'sのライブが始まりステージは歓声と共に熱気で包まれていた。

だがその奥で邪悪な笑みを浮かべている人物がμ'sを見ていた。

 

「それじゃみんなー私達と一緒に掛け声おねがいしまーす!」

 

ライブが最高潮に盛り上がりラストスパートに降りかかった瞬間

 

「グオォォォー!」

 

大きな雄叫びと共に突然μ'sのステージのど真ん中に勢いよく降り立つ謎の影と共に煙が広がる。

 

「きゃっ!」

 

「なに!?」

 

突然の出来事に会場が静まりかえる。

 

「久しいなメスのリントども」

 

そう言ってゆっくり煙が少しずつ薄くなった所μ'sの皆は驚愕する。

 

「み、未確認生命体」

 

いきなり未確認生命体が現れ会場はパニックに陥る。

 

「きゃー!」

 

「う、嘘だろ何で未確認が!?」

 

「に、逃げろー!」

 

会場の皆が慌てて逃げていく

 

「うるさいリント共が別にお前らが標的じゃねぇってのに」

 

ガドラは耳をほじくりμ'sの方を向く。

 

「標的はお前らだからな」

 

ガドラは皆の方に指を指しμ'sの皆はビクッと恐怖する

 

「わ、私達が標的?」

 

「そう、お前達が俺のゲゲルの標的だ」

 

ガドラは爪を鋭く伸ばし

 

「さぁ先に誰が殺されたい?」

 

「っ」

 

近づくガドラに恐怖し動けなくなるμ'sすると

 

「お姉ちゃん!」

 

突然の叫びに皆がそちらを向く。

 

「亜里沙!?」

 

今日のライブで応援しに来た亜里沙が今でも絵里を助けようと行こうとするが一緒に来ていた梓と雪穂に押さえられていた。

 

「お姉ちゃん早く逃げて!」

 

「亜里沙ダメ!」

 

「亜里沙!」

 

「ほぅ家族か」

 

ガドラは亜里沙達の方に向く。

 

「ま、待って!」

 

絵里がガドラの前に立ちふさがる。

 

「絵里!」

 

「絵里ちゃん!」

 

恐怖で足が震える絵里だが妹を守るため恐怖を乗り越え亜里沙達を庇うように立つ。

 

「何の真似だ?」

 

「あなたの目的は私達なんでしょ?だったらあの子達は関係ない」

 

「お姉ちゃん!」

 

「やるなら私だけにしてちょうだい」

 

「ほぅリントにしてはいい覚悟だ」

 

「えりちなにいってるんや!?」

 

「絵里ちゃん!」

 

「来ないで!」

 

皆が絵里の所へ向かおうとするがそれを止める。

 

「お願いこの子達を殺さないでやるなら私だけをやりなさい」

 

「・・・ならお望み通りにしてやる」

 

ガドラはそう言い爪を絵里に突きつける。

 

「っ」

 

絵里は目を瞑る。

 

「なんてな」

 

「えっ?」

 

そう言いガドラは飛び亜里沙達の方に向かった。

 

「きゃっ!」

 

ガドラは雪穂を捕らえ首筋に爪を突きつける。

 

「お前達は全員殺すさ一匹残らずな」

 

「ゆきほぉ!」

 

「邪魔だ」

 

穂乃果は咄嗟に雪穂に向かうがガドラに弾き飛ばされてしまう。

 

「あぅ!」

 

「お姉ちゃん!」

 

「穂乃果ちゃん!」

 

「穂乃果!」

 

すぐさまことりと海未が穂乃果の方に駆け寄る。

 

「今度はお前の家族かなら見ているといいこいつの首が俺の爪がゆっくり貫通し悶え苦しみ死ぬところを」

 

「や・・めて」

 

穂乃果は手を伸ばすがさっきの衝撃で体が動かなかった。

 

「お姉ちゃん・・・助けて」

 

ガドラはゆっくり雪穂の首筋に爪を当てゆっくり突き刺して行く。

 

「い、いやぁ!」

 

「ゆきほぉ!」

 

「さぁ泣き叫べそして絶望するといい!」

 

ガドラは汚い高笑いを掲げ雪穂の首筋に爪を突き刺して行く。

 

「いや、助けて・・・助けてゆーくん!!!」

 

ことりは泣きながら雄介に助けてと叫ぶすると

 

「ゴッ!?」

 

ガドラの背中に強い衝撃が走り地面に転がる。

 

「雪穂!」

 

解放された雪穂に穂乃果は痛みを耐えながら雪穂の方へと歩み寄る。

 

「大丈夫?」

 

「うん何とか」

 

雪穂の無事を確認し抱き締める穂乃果。

 

「くっようやく現れたかクウガ!」

 

ガドラは立ちか上がり後ろ向くするとそこには赤い姿をしたクウガが立っていた。

 

「ゆーくん!」

 

「ゆーすけ!」

 

クウガが来てくれたと安堵するμ'sの皆

 

「随分遅かったな俺を探すのに手間取ったか?」

 

「・・・あぁ」

 

「ふっ怒っているなクウガ?」

 

「・・・あぁ皆を傷つけたお前とそれを止められなかった俺自身にな!」

 

クウガは一直線にガドラに突っ込みガドラは対応できずクウガの腕がガドラの首を捕らえそのまま壁に押し付ける。

 

「ぐっ」

 

「言えなぜ貴様がここにいる?」

 

「い、言っただろこいつらの首を持ってくればお前は怒りに狂いもっと強くなるとだからここに来たんだよ」

 

「そうか、そんなくだらない事でこの子達を傷つけたのか!」

 

クウガはガドラを押さえたままもう片方の腕でガドラの腹を全力で殴った。

 

「ぐはあぁ!」

 

壁がめり込むほど強く殴りそのまま壁が壊れ崩壊する。

 

「あぁ!ステージが!」

 

そうμ'sの皆そしてこの学校にいる皆で作り上げたステージがクウガとガドラの戦闘で壊れていく。

 

「げほっげほっ」

 

ガドラは立ち上がり身構えるがクウガは立ったままだ。

 

「なんだ?そんな無防備で俺に勝てると思うなよ!」

 

ガドラはジャンプしクウガに爪を突きつけるがクウガはそれをかわしガドラに膝蹴りを食らわし怯んだ瞬間ガドラの腕を掴み顔をおもいっきり殴った。

 

「ぐわあぁ!」

 

ガドラは吹き飛び壁にぶつかりまたもステージが壊れていく。

 

「はぁ!はぁ!くそっ!」

 

ガドラは起き上がろうとした瞬間クウガはガドラの頭を掴み膝蹴りを食らわす。

 

「ぶっ!」

 

ガドラはあまりの激痛に顔を押さえる。

 

「どうした?来ないのか?」

 

クウガはゆっくり近づきガドラはクウガに恐怖を覚える。

 

「くっくっそー!」

 

ガドラはクウガに殴りかかるがそれを手で受け止めクウガは肘でガドラの顔を攻撃する。

 

「ぐぼぁ!」

 

攻撃された拍子に歯が抜けもうボロボロだった。

 

「ハァ!ハァ!ハァ!」

 

ガドラはクウガに恐怖し後ずさる。

 

「どうした?怖じ気づいたのか?」

 

「ハァ!ハァ!」

 

「そっちが来ないならこっちから行くぞ!」

 

「ひっ!」

 

クウガは容赦なくガドラを攻撃する。

 

「どうしちゃったの?ゆーすけ何か変だよ」

 

今までこんな戦いを見た事のない雄介に凛は少し怖がっていた。

 

「雄介怒りで我を忘れているんでしょうか?」

 

「ゆーくん」

 

クウガはボロボロのガドラを持ち上げる。

 

「ぐふっもう許してくれ」

 

「許してくれ?お前は何の罪のない人達を殺しそして俺の大切な人達も傷つけた!許すわけねぇだろ!」

 

クウガはガドラの爪を引き剥がし

 

「ぎゃあぁぁ!」

 

そのまま蹴り飛ばす。

 

「お前はお前だけは!」

 

クウガは紫の姿に変えさっき引き剥がした爪をタイタンソードに変える。

 

「ひっひぃ~!」

 

ガドラは逃げようとするがクウガはソードでガドラの両足を切り裂く。

 

「ぎゃあぁぁーーー!」

 

ガドラは両足を切られ這いつくばるかのように逃げようとするが今度は両腕を切り裂いた。

 

「ぎゃあぁぁ!」

 

「逃がすわけねぇだろ二度とな」

 

クウガの残酷なやり方にμ'sの皆は驚愕していた。

 

「やめて、やめてよ!ゆーくん!」

 

ことりは我慢出来ずクウガの元へと走っていった。

 

「ことり!ダメです!」

 

「ことりちゃん!」

 

海未達の静止も聞かず走りことりはガドラを庇うように立つ。

 

「・・・何の真似だ?」

 

「やめてよゆーくんこんなのゆーくんじゃないよ」

 

「俺じゃない?」

 

「そうだよ!こんなやり方ひどすぎるよ!」

 

「ひどい?・・・ことりちゃんこんな奴に情けをかけるつもりか?」

 

「そういう事じゃない!私はただ」

 

「人を殺す事を楽しむ奴等をなぜ庇う!?こいつらのせいで沢山の人が殺された!だからこんな奴等はこうなって当然だ!」

 

「っゆーくん」

 

「どけ!」

 

「きゃっ」

 

クウガはことりを押し退けクウガは刀をガドラに構え

 

「死ね」

 

そのままガドラの胸の心臓辺りに突き刺した。

 

「ぎゃあぁぁーーー!」

 

突き刺した所からヒビが走りベルトへと到達し爆発する。

 

「きゃあぁ!」

 

爆風でことりは顔を咄嗟に隠すが一瞬だけ見えたクウガの瞳が黒くなっている所を

 

「(あれはなに?)」

 

爆発が収まりクウガは立ったままだった辺りは壊れガドラを傷つけた際に飛び散った血が辺り一面に広がっていた。

 

「そんなステージが」

 

にこは今の現状が理解できずよろよろと歩む。

 

「私達のラブライブが」

 

にこはクウガを睨み一気に駆け寄っていく。

 

「あんた!どうしてくれんのよ!これじゃ、これじゃあもう」

 

「・・・うるせーよ」

 

「えっ?」

 

「命あっただけでも有り難く思えライブなんていくらでも出来んだろ」

 

「あんたそれ本気で言ってる?本気だったら許さないわよ!」

 

「にこちゃんダメ!」

 

殴りかかりそうなにこを真姫が止める。

 

「あんた!私達がこの日の為に頑張って来たこと知ってんでしょ!そんなあんたが何でそんな酷い事言い出すのよ!」

 

「知るかよ」

 

クウガは雄介の姿に戻り屋上の扉へと向かった。

 

「ちょっと待ちなさい雄介!」

 

「・・・なに?」

 

絵里が雄介を呼び止め

 

「今回の事あなたが来てくれなかったら私達は殺されていたわだから助けに来てくれてありがとう」

 

でもっと絵里は続け

 

「あなたがさっきことりを突き飛ばしそれににこに酷い事を言った!まずはそれを謝りなさい!」

 

「何で?」

 

「何でってあなたは」

 

「もしあの時ことりちゃんをどかさなかったら奴に攻撃されてたかもしれない」

 

「それは」

 

「にこの事は人の命を考えずライブを優先するかのような口振りだった」

 

「なっ!?」

 

「だから謝る必要あるか?」

 

雄介はそう言い再び出ていこうとするが

 

「ちょっと待ってよ雄介」

 

「今度はなに?」

 

雄介が振り向いた瞬間穂乃果は雄介の頬を叩いた。

 

「っ」

 

「雄介何で?何で何も気づかないの?」

 

「なに?」

 

「みんな雄介を心配して言ってる事だよ!」

 

「どういう」

 

「ことりちゃんは雄介がおかしかったから勇気を出して雄介を止めに行ったそれににこちゃんの事だってここまで作り上げた私達のライブをお客さんもそうだけど一番に雄介に見てもらいたくて頑張ってきたんだから!」

 

「穂乃果ちゃん」

 

「みんな雄介が来なくて心配してそれで来てくれたと思ったら皆を傷つけてる」

 

「そんな事」

 

「だったら周りを見なよ雄介が守りたかった笑顔がそこにはある?」

 

穂乃果の言うとおり皆悲しみの表情をしことりは泣いていた。

 

「そんな、俺は」

 

「雄介今日は助けに来てくれてありがとうでもあなたがこれ以上μ'sの皆を傷つけるならあなたはもう私達には近づかないで欲しい」

 

穂乃果の言葉に雄介はショックを受け周りが突然暗くなり膝をつく

 

「そんな俺は」

 

自分の過ちに気づき雄介は後悔するすると雨が次第に強くなり今の全員の心を表しているかのようだった。

 

 

ー第9話 約束endー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




やっと書き終わりました。もう2ヶ月か随分遅くなりましたが次も頑張ります!

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