狐の日記   作:姫戸三角

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小猫目線後半です。


12 白猫日記

△月Д日

 今日から十日間、部員で山篭りの修行です。二人もゲスト参加となっています。

 

 ・・・・・・お兄さんの成績、大丈夫なんでしょうか?

 

 おそらく、お兄さんと妹ちゃんであればライザーにはあっさり勝ててしまう気はしていますが、それでは駄目なので、私も強くならないと。

 

 別荘に着いたら荷物を降ろして、さっそく模擬戦をして現状を確認することになりました。

 部長たちは、二人の戦うときの姿を見て驚いていました。気持ちはすごくわかります。

 

 結果は、私も含めて祐斗先輩もイッセー先輩もお兄さんに負けてしまいました。

 祐斗先輩はスピードだけは何とか追えていましたが、魔剣を出してもあの槍に即座に破壊され、力で劣っていたので吹飛ばされて負けてしまいました。

 イッセー先輩は倍加する時間すら与えられず、数秒で負けました。

 私も似たような結果でした。ちょっと悔しいです。

 

 部長たちと妹ちゃんとの模擬戦も、わかってはいましたがすぐ終わるという結果になりました。

 姫島さんとは雷の撃ち合いをしていました。威力は同等でしたが、妹ちゃんは雷を曲げたり纏ったりと自在に操っていたので、次第に押され始めた姫島さんが負けてしまいました。

 部長は、そもそも空を駆ける妹ちゃんに攻撃が当たらず、雷を降らせて一方的な試合でした。

 

 部長たち・・・・・・妹ちゃんはさらに火まで吐くんですよ・・・・・・。

 

 思い出したら胃がキリキリと痛み出しました。

 本当にアーシア先輩が眷属になってくれていてよかったです。

 

 二人は毎晩、あの雨音さんにみっちり鍛えられているので、普段修行などしていなかった私たちでは、たとえ種族の差があったとしても負けてしまうのは当然の結果です。

 

 その後は、前衛チームと後衛チームに分かれて修行の時間でした。

 妹ちゃんも戦闘スタイルが前衛よりなので、こちらのチームです。正直助かりました。

 

 お兄さんが言うには、今更になって力をつけようとしてもたいして身につかないので、今出来ることで応用を考えるのが一番いいとのことでした。

 応用どころか魔力を扱えないイッセー先輩は魔力の扱い方と、アーシア先輩が居るので限界まで体力作りをして看護してもらう形になり、祐斗先輩は魔剣創造で何が出来るかを考えることになりました。こういうときに凄いのが妹ちゃんです。

 

「魔法とかあるんなら、いっぱい剣を出してその剣浮かせたり飛ばしたり出来ないの?」

 

 その一言で祐斗先輩は何か思うところがあったらしく、しばらく一人で試してみると言い残し森の奥へと向かっていきました。

 

 今日のところは私も体力作りです。明日から二人に頼んで仙術で試したいことがあるので付き合ってもらうことにしました。

 

 

 お風呂でイッセー先輩がひと騒動起していましたが、同じ頭が残念仲間なのに、お兄さんとどうしてここまで違うのでしょうか?

 

 

 今日から私は妹ちゃんの抱き枕になるそうです。拒否権などなかった。

 

 

 

△月℃日

 今日で山篭り七日目です。

 

 私たちは着実に強くなっています。

 お兄さんがムードメーカーになり、人を惹き付ける様な明るい笑顔でみんなを引っ張って行き、妹ちゃんの突拍子も無いアイディアを色々試したりと、ずいぶんと部長たちとも打ち解けました。

 

 部長は妹ちゃんのアドバイス通りに、滅びの力を束ねて飛ばすのではなく、液体のように流動させる練習をしています。確かに、防御にも使える上にアレが這って追いかけてくるとか考えただけでぞっとします。

 姫島さんは・・・・・・レールガンの練習をしています。威力はすごいのですが、それってどちらかというと科学というか・・・・・・それでいいのでしょうか? 悪魔的に。

 祐斗先輩は、本当に剣を浮かせていました。四本の剣を周囲に浮かせて腕に持つ1本を足して五本の剣を使っていました。お兄さん対策らしいです。何でも、一本壊されても浮いている剣を手に取り、その間に補充するとか。

 アーシア先輩は、二人に挑んではボロボロになる私たちを治し続けていたので、範囲回復が使えるようになりました。

 イッセー先輩は・・・・・・あの顔はまた何かエッチなこと考えています。

 あの二人は、未だに私たちでは相手にならないので、私たちの手伝いをしながら空いた時間を使って二人で模擬戦をしています。

 

 私はというと、何とか一人でも仙術を使うことが出来るようになりました。

 日記を書いている今でも、思い出すと思わず嬉しくて笑みが浮かびます。

 

 

 ええ・・・・・・案外受け入れると楽になるものですよね。陰の気って。

 

 

 もうですね、これしかなかったのですよ・・・・・・。そもそも雨音さんが居る以上、陽の気だけ探し出して取り込むとか最初から無理な話だったのです。

 それに、どの道一歩間違えると絶望しかありえない生活していましたし、それと比べると仙術の暴走なんて気にするほどでも無いです。ちゃんと陽の気も少しは合わせて取り込みますので、陰の気なんて温いものでしたよ・・・・・・。

 ただ私が、陰の気を取り込むと目の光が消えるので『目が怖い』とか『ワイルドなのもいいね!』とか言われるのに慣れればいいだけでした。

 

 嗚呼・・・・・・リアス部長たち。あんなグレてしまった残念な子を見るかのような目で私を見ないでください。あと、お兄さんも苦笑いしながら私を撫でるの止めてください。

 

 

 

△月☆日

 いよいよレーティングゲーム当日です。

 

 思い返すとあっという間でしたが、非常に楽しい日々でした。みんなそれぞれ強くなりましたし。

 ただし、イッセー先輩のあれは最低です。妹ちゃんにだけは使わないように拳で言い聞かせましたが、使ったらおそらく悪魔生詰むでしょうし、問題ないですよね?

 その妹ちゃんですが、さらにもう一歩妖怪へと踏み込みました。いったい何になろうとしているのでしょうか・・・・・・。

 

 お兄さんと妹ちゃんに連れられて、二人の家まで行きましたが、仙術を少し使えるようになった状態で久々会う雨音さんは・・・・・・規格外の存在なのがよくわかりました。

 

 

 今夜はがんばる。

 

 

 

△月←日

 昨晩のレーティングゲームは、私たちグレモリー眷属が勝つことが出来ました。

 

 フェニックスの眷属たちを何とか倒すことが出来たのですが、やはりあの二人は目立っていました。それぞれでも十分強かったですが、まるで元々二人で一つの生き物かのようで、二人で暴れ狂う雷を撒き散らしながら突き進む姿は、悪魔より悪魔っぽかったです。

 私たちは駆けつけることが出来ませんでしたが、ライザーが部長のもとへ向かっていました。

 アーシア先輩が言うには、イッセー先輩が時間を稼いでその間に部長が例の流動型滅びの力を使いライザーを絡め捕らえて、動けなくなった所にイッセー先輩の譲渡の力で滅びの力の出力をさらに上げて滅ぼし続けるというえぐい戦いだったそうです。

 

 しっかり活躍したイッセー先輩ですが、洋服破壊と名づけられた、文字通り服を破壊する女性の敵のような技を使ったのでどん引きです。

 

 

 しかし、私は二人のことが気がかりで仕方ありません。

 二人は人間であるにもかかわらず、非公式とはいえ活躍して注目を集めてしまいました。雨音さんが居るとはいえ、悪魔のいざこざに巻き込まれる可能性があります。

 私も・・・・・・微力ですが二人を守ることが出来るよう、今度正式に雨音さんに修行を頼んでみようと思います。

 

 

 この日記を書いていて思ったのですが、もしかして悪魔が二人にちょっかいを出したら雨音さんのせいで冥界が危ないのでは!?

 

 

 

△月♪日

 風の噂で、ライザーが部屋に引きこもったと聞きました。

 なんでも『黒い髪が』とかうわごとのように呟いているそうです。そう言えば、雨音さんからフェニックスの涙貰いましたね・・・・・・。

 

 まさかと思い雨音さんに聞いてみると、微笑むだけで何も答えてくれません。

 ですが、その微笑が全てを物語っていて、真実を知ると後悔しかしないと悟って聞くのをやめました。

 

 今度から、ライザーにはせめて『さん』くらいはつけてあげようと思います。

 

 

 

 

 




小猫覚醒
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