狐の日記   作:姫戸三角

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三巻って、あまり書くことが無いのがきついです・・・・・・。




14 狐日記

□月!日

 主たちの学校で、球技大会と言うものがあるらしい。しかし、学校には悪魔がいるので、最初から人間では勝負にすらならないと思うのだが?

 主たちは悪魔どもの部活に仮入部していたので、球技大会は理不尽なことにはならないだろう。

 

 

 

□月“日

 夕方に天照と須佐之男がこの家に来た。

 

 いつぞやに言っていた加護を、主たちに直接会って与えるためらしい。

 須佐之男はさっそく主と妹様、九重の三人と戦いだし、天照は母上様と料理の話をしていた。

 仮にも自分たちの国の神と呼ばれている者が来たと言うのに、この家族がおかしいのか? それともこの神どもがおかしいのか? 

 夜になり父上様が帰ってきたが、須佐之男と酒を飲みだした。もう何も言うまい。

 

 

 

□月‘日

 結局天照と須佐之男は一泊して帰っていった。

 家族全員に天照の太陽の加護を、主と妹様、そして九重は須佐之男の武の加護を貰ったようだ。

 何かの役には立つだろう。

 今度白音も須佐之男と戦わせるか。

 

 かつて黒い字伏に与えたように、私が主たちに加護を与えたらどうなるだろうか?

 

 

 

□月#日

 白音が、これから空いている日に鍛錬に参加したいと言ってきた。

 

 最近、仙術を少し使えるようになったようだが、力不足を実感してのことらしい。

 これを機に、試しに剣と槍、弓や鞭など様々な武器を試させてみたが、まったくと言うほど武器を扱う才能がなかった。なので、前々から思っていた結界を教え込むことにした。結界に関しては、私は八百年も目の前で見てきたので、私が知る限り最上級のものを教え込むことが出来るだろう。

 それに、仙術をあわせて使うと、面白いことになるかもしれない。

 

 ちなみに、主に術を扱う才能は微塵もなかった。なんとなくわかっていた。知力が足りないことを。

 妹様の方は、頭もよく才能もあったが『殴ってるほうが好き』とのことだ。段々とあの化生に似てきているのは気のせいだと思いたい。

 

 明日にでもあの籠手を調べてみることにする。

 

 

 

□月$日

 白音に聖剣を知っているかと聞かれた。

 

 この世界を調べていたときに、そう呼ばれる剣があることは知っていたが、特定の限られた種族にしか効果を発揮できないつまらぬ剣などに興味は持てなかったので、僅かしか調べていない。

 それに私は、聖剣などよりもっと恐ろしいものを知っている。私が唯一恐れたあれと比べたら、どのような武器も鉄屑と大差は無い。

 逆に、聖剣ごときの何処が気になるのかと聞き返すと、

 

「そうですよねー・・・・・・」

 

 と、返ってきた。模造品とはいえ、主の槍を身近で見ている白音から見ても、聖剣など気にする必要もない物だとわかったようだ。

 

 

 妹様の籠手だが、どうやら意思のようなものが発生しているのを確認した。受け答えが出来るほどはっきりしたものではなく、もっと漠然としたものだったが、妹様と相性がよかったようで、妹様の意思を察してそれに応えていたようだ。

 

 

 籠手がやり過ぎないようにと、私の大量の妖気をぶつけて言い聞かせておいた。

 今のところそのそぶりは無いが、主の槍にも警戒しておこう。

 

 

 

□月%日

 婢妖で探していた者を見つけた。さっそく黒炎を放ち捕獲するとする。

 

 京都に行ったときに撒いておいた種も順調に育ちつつある。このまま十分に実る日もそう遠くは無いだろう。

 

 やはり、私を恐れる恐怖は美味だ。

 

 

 球技大会で、籠手を使っていない妹様が人外めいた動きをしていたらしい。

 ・・・・・・手遅れだったのかもしれない。

 

 

□月&日

 母上様の護衛につけていた黒炎が、母上様の指示の下、爪で大根の皮むきをしていた。

 婢妖は器用に鍋をかき混ぜている。

 

 

 それを見てしまった今の気持ちをどう文章にすればいいのかわからない。

 

 

 

□月(日

 最近堕天使の気配が二つしているのは知っていたが、それに混ざって聖に属する物もいくつか町に入ってきているようだ。

 おそらく、白音が言っていた聖剣だろう。

 本当に竜の臭いは争いの種がよく釣れるようだ。

 

 一匹堕天使を捕まえてみるか。

 

 

 

□月)日

 主が槍で聖剣を破壊したらしい。

 

 私の尾の一部を素材にして作った槍だ。聖剣くらいは破壊できるだろうが、色々と目をつけられそうなため、白音に主たちが天照の庇護を受けていることを悪魔どもに伝えておくよう言っておいた。

 

 

 堕天使の一匹と接触した。私との力の差を察したようで、ずいぶんと大人しく名を答えた。コカビエルと言うらしい。

 

 何をしに来たのか問いただすと、天使と堕天使、悪魔の三竦みの戦いを再び始めるために、そのきっかけとして聖剣を盗み出し、学校にいる悪魔どもを滅ぼしに来たらしい。

 

 ――これはちょうどいい。

 

 人間が強くなるには、強大な敵と戦うのが一番だ。そして、この堕天使は主たちといい勝負になるはずだ。利用することにした。

 

 心に陰を宿す者の考えは手に取るようにわかる。この堕天使が何故戦いを再び起そうとしているのかも。

 

「もしも悪魔どもと戦うときに、槍を持った人間と籠手をつけた人間が居たら戦ってみるといい。お前の疑問に答えを与えてくれるだろう」

 

 と、言い残して帰った。

 

 

 

□月=日

 竜の臭いがする悪魔二匹が、人ごみのど真ん中で胸のことを叫んでいたのを見かけた。

 悪魔の白音はそのようなことは叫んでいないため、つまり竜がそのような生き物なのか? 竜種の多くが滅ぼされたのも仕方ないことだったようだ。

 

 

 

□月~日

 主たちが剣の話をしてきた。この国の神話で有名な草薙の剣は本当にあるのかと聞いてきたので、須佐之男が居るのだからあるのだろうと答えると納得してくれた。

 そんな中、白音が主たちに槍と籠手の名はなんと言うのか聞いてきた。

 私も名を付けていないことを思い出した。

 主たちも気になったようで、私に名を聞いてきた。

 

 この世界にあの槍は存在していない。ならば付ける名は一つしか無いだろう。

 

 ――――獣の槍。

 

 そして、籠手には槍の獣・・・・・・字伏と。

 

 

 




狐様、裏でやっぱり動いているようです。

そして、やっと槍と籠手に名前がつきました!
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