狐の日記   作:姫戸三角

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物凄い勢いでアクセス数とお気に入り登録数が伸びていました。
何事かと思ったら、ランキングに載ってしまっていたようです。

これからも、引き続き楽しんでいただけるよう感謝しながら頑張っていこうと思います。

狐様京都旅行後編です。


08 狐日記

△月+日

 火を吐く化生は多くいるが、その火の熱はまちまちだ。

 では、その差は何によって生まれるかというと、自然界にある火と同じく燃料にある。化生は妖力、悪魔どもは魔力と言っているそれが重要なのだ。

 普段吐く火に、練りこんだ力の量で熱量が決まり、力の質で色が変わる。上達すれば、ただ放射するだけでなく火球にしたりと、火の形状も変化させることが出来るのだ。

 

 私のように、圧倒的な力を持つのであればそこまで気にする必要は無いが、力弱き者であれば火の形状を変化させることにより戦術が増え、戦いを有利に運ぶことが出来る。

 なので、九重にはまず妖力の扱いの基本から教えていくことにした。

 

 まだまだ荒いが、筋はいい。何より、主たちと同じくやる気に溢れているというのがよい。妖力を上手く扱うことが出来れば、他の術も効率よく扱うことが出来るため、みっちり教え込もうと思う。

 

 九重が、上手く出来たときに私の尾を触らせてくれと言ってきた。毛並みが美しすぎると言うのも困りものだ。まさか童までも魅了するとは。

 

 

 今日は九尾のやつは起きなかった。

 

 

 

△月;日

 今日は尾の扱い方だ。

 九本もあると便利だと思われがちだが、使いこなすのが非常に難しい。

 ただ扱うだけなら、尾といえど体の一部であるため当然扱えるが、九本全てを別々に動かしながら精密なことを行おうとすると難しいのだ。

 これに関しては複数同時に思考するしかない。なので、まずは両方意識しながら人間が作ったラジオを聴きつつ料理を行うよう課した。人間のことを学びながら料理の腕も上がり、並列思考の訓練となる。まさに一石三鳥だ。

 

 次に重要なのが気配の察知だ。正直に言うと、視界に入る者だけに攻撃をするのであれば尾の三~四本も使えば十分なのだ。なので、気配を読み残りの尾で視界外の者を攻撃出来るようにならなければならない。これが九の尾を持つ私たちの長所となる。

 

 日中は妖力の扱いと気配察知の鍛錬をし、夜は料理を日課として過ごすよう言いつけておいた。

 

 

 九重は主より尾のブラッシングが上手かった。そして、今日も九尾のやつが起きない。

 

 

 

△月*日

 今日は九尾の狐が持つ力のことだ。

 尾はただそのまま攻撃するだけでなく、尾の一本一本に独自の能力を持たせることが出来る。私が出来ているのだから九重も出来るだろう。

 九重に見せて欲しいとせがまれたので、八本目の尾を見せておいた。

 私の八本目の尾の力は、夥しい数の刃で構成された鋼の尾にするものだ。他の尾はなにかと便利なため僕となる化生を作り出す尾が多いが、化生を作り出すのは今の九重では出来ないのでこの尾にした。

 他にも例として、昔使っていた酸、鉄、鉛などや、一応化生を生み出す尾などを挙げておいたが、九重自身に考えさせて選ばせることにした。

 他者に言われて決めるよりも、自分の能力となるのだから自分で決めるのが一番だろう。

 

 九重がどのような能力を選ぶか楽しみだ。

 

 最近、九重が私の尾を見る目が妹様に似てきている。嫌な予感しかしない。

 

 

 九尾のやつは、明日の夜までに起きなければ無理やり私の力をねじ込んで叩き起こす。

 

 

 

△月:日

 今日は九重に化生として大事なことを伝授しようと思っていた。人間の心に付け込み、効率よく扱えるようにする術だ。効果は絶大で、特に雄は付け込みやすい。私が大陸に居たころに、これだけで国をいくつか滅ぼしたほどだ。

 

 せっかく内容を考えていたのに、九尾のやつが朝から目を覚ました。ほんと間が悪いやつだ。心残りだが九重には昨日までの内容を継続し励むように伝え、九尾のやつに私の目的地に案内させた。

 

 高天原・・・・・・この国の神話の神が居る場所に。

 

 

 高天原の奥にある、鮮やかな朱に彩られ、白き壁がその朱を見事に惹きたてた神社に通された。

 中には既に天照大御神、月読命、須佐之男命の三柱が待ち構えていた。

 さすが一つの神話体系の主神とその兄弟なだけはあった。私よりも若い神だが、もしも三柱同時に戦うこととなれば、以前より衰えたとはいえ負けはしないが、太陽を司る神が居るためそれなりに傷を負うのは避けられないだろう。

 

 

 結果を言うと、あっけなくこちらの主たちの後ろ盾となるという要望を飲んでくれた。まあ当たり前だ。

 私は大陸出身だが、主たちはここの国で生まれ育った者だ。守護するのは義務と言ってよい。

 

 あちらが要求した代価も、この国存続の危機を迎えたときに力を貸すというものだった。

 国の存続の危機ともなれば、当然主と家族も危機にあると言うことだ。もとより私は力を振るうだろう。

 しかし、以前にこの国を沈め滅ぼそうとした私が、まさかこの国を守る立場になるなど思いもしなかった。そのときが来たら、再び恐怖をばら撒く化身として力を振るおう。攻めてきた愚かどもにだが。

 

 拒否されたときは、五本目の尾の僕の婢妖で片っ端から意識を操ろうと思っていたが、手間が省けて何よりだった。

 

 目的は達成したので主たちのところへ帰ろうと思っていたのだが、天照に呼び止められた。何の用かと思っていたら、宴を開くので泊まっていけとのことだった。・・・・・・そういえばこの国の神話の神は、宴が大好きだったな。

 

 宴も半ばに差し掛かり、酒に酔った須佐之男のやつが、

 

「いざ舞え、踊れ! 祭りである!」

 

 とか言いながら戦いを挑んできたが、一本目と二本目の尾の化生、シュムナとくらぎでボコボコにしておいた。祭りや宴は好きだが、私は暑苦しいのは嫌いだ。

 

 見るも無残な姿な癖に、須佐之男のやつが

 

「カッカッカッ。よいよい! 満足よ!」

 

 と、嬉しそうに言っているのを見て、神と呼ばれる連中も頭おかしいのかと思っていたら、天照と月読が『一緒にするな』と視線で訴えていた。神にもいろいろいるようだ。武神と呼ばれる連中には関わらないようにしよう。

 

 いい機会なので、前から疑問に思っていたことを天照に尋ねてみた。

 勝手に好きほうだいしている聖書の連中のことだ。

 

 天照が言うには、この国の人間は他国から様々なものを取り入れ、それらを自分の糧として成長してきた歴史がある。よほどのことがない限り、たとえ自分たちが忘れ去られ消えることになろうとも日々成長し続けるこの国の人間たちを見守るつもりだったらしい。

 だが、あいつらはやり過ぎたらしく、そろそろ堪忍袋の緒の限界だったようだ。最高神にあたる伊邪那岐と伊邪那美の二柱が、すでにいつでもやつらの本拠地に乗り込んで滅ぼせる準備はしていたらしい。今にも攻め込みそうな二柱を天照と月読がなだめている状況のようだ。

 

 しかし、そうなったときの戦に私を巻き込むつもりは無いらしい。この国を見守る神として他者の力を借りるのではなく、天照自ら先陣に立ち戦うそうだ。

 なかなかに道理を弁えている。悪魔と堕天使どもの根城を攻めるときは私も参戦するとしよう。

 

 今日はいい話も聞けて満足だ。明日こそ主たちの待つ町へと帰ることにする。

 

 

 

 




幼女の魔改造。
そして、実は狐様以外でもすでにやばかった三大勢力。

生き残ることが出来るか!?
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