されど人形は人となる   作:四条院 葵

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想像ではリコリオがスパイだと思っているのですが、どうなんでしょうね?

あと、意外にもミルメオンはガユスたちの邪魔はしますが、邪悪ではないのかもしれませんとか、20巻を読んで思ってしまいました。

‥‥‥…ミルメオンはコワイなぁっと思ってしまうあたり、私はまだまだ正常かもしれません。
ガユスとギギナにミルメオンはどうして酷いことを平気でしてしまうのか非常に疑問に思えて仕方のないストーリーで、新井先生はいつも通り酷いなと思ってしまいます。

では、スパイさんのお母さん評価をどうぞご覧ください。



短編 されどスパイは耐え忍ぶ

スパイさんの報告

 

「ギギナは地方にしてはいい咒式剣士ですね。あなたのとこの部隊長くらいは、すぐにでも務まるでしょう。ガユスは」

電子音声で品評していく。

「到達者になりたてだから、腕はたいしたことはありません。正直、あなたですら認めていたラルゴンキンや警戒している魔女パンハイマの方が上です」

 

「しかし‥‥…事務所の中心は間違いなくガユスですね」

 

「ほう?」

通信先でミルメオンが笑う。

 

「皆のお母さん役というか、正しく家庭料理からプロの味に近い所までこなせる頼れる母という感じで、滅茶苦茶ごはんが美味しいです。最初は驚きましたが、今ではギギナと付き合っているのかと思えるくらい距離が近く仲がいいです。というか、あれはじゃれ合い的な熟年夫婦の阿吽の呼吸っぽいです」

しみじみと日ごろのガユスとギギナを思い出す。

 

「家庭料理?」

「ええ、しかも悶絶するくらい美味しいです。ぶっちゃけ皇都の食堂より断然美味しいです。ごはん系だけでなくお菓子関連も素晴らしい技術を持っていてですね、事務所に今は余裕があるので数日に一度の割合くらいで記憶が彼方に行くくらい美味しいゼリーやらチョコレート菓子やらあっさりとした味わいのケーキを大量に作ってくれるんですよ!!そして、荷物持ちは基本的に旦那のギギナですね。」

訓練後で喉に通りやすい爽やか風味のゼリー、サクサクの焼きチョコ、どうしたらこんなに上品に作成できるのと疑問に思わずにいられないケーキ類の数々を思い出しながら私は戦闘職よりも確実に料理人に向いているといえると力説した。

 

「・・・旦那って、赤毛眼鏡は確か結婚している気がするのだが?」

しかし、料理人よりもギギナの旦那疑惑のほうが驚いたらしい。

 

「ええ、捻くれた性格とねじ曲がった性根をしていますが奇跡的にゲットをした素敵な女性が奥さんですね」

脳裏にあの女傑を思い出した。

 

「‥…。ギギナと恋愛感情込みの関係なのか?」

信じられないかのような声音でミルメオンは呟いた。

 

「どうなんでしょ?基本的に毎朝出勤は一緒にしていますし、殺し合い込みの遊びや仕事や訓練で汚れた時なんかはシャワーの後、髪を乾かすのが、ギギナは面倒らしくて。ガユスがしぶしぶ乾かしたりなんかしてますけど‥‥…ついでに事務所のご飯は大体皆の好きな味かげんにしてくれますが、ギギナ専用とかの毒入りごはんなんかも普通に用意してますからね」

 

「あのギギナが?」

「ええ、ガユスが飲み過ぎた時なんかも酒場に迎えにいくのはギギナだし、しかも酔っぱらって顔とか触りまくっても怒らないし、別行動を割り振っていなければ、大体3歩以内くらいの距離に常に陣取ってるし‥‥無言で連れたって出かけたり、お茶の準備も阿吽の呼吸的に全くの無言なのにスムーズだし‥…ガユスの奥さんは私生活での奥さんは私で、仕事の夫はギギナだから仕方ないとか意味不明な事言ってましたけれど‥‥…」

 

「一度赤毛眼鏡、いやガユスに会ってみたいな」

深々と言われたが、私は現実を告げる。

「それは、いいですけどギギナからあなたの話を聞いていてガユスは既にあなたの事を嫌ってますよ。間違いなく逃げようとするでしょうよ」

 

 

「お前、遠くに離れているからと言って調子に乗り過ぎるなよ」

絶対零度の声音に思わず背筋が凍る。

 

「も…申し訳ございません。…ピリカヤが目撃してしまったとか騒いでいたのですが、信ぴょう性がない事なのですけれど、一応」

 

「あの性格で信ぴょう性も何もないだろう」

 

「ガユスの奥さん、ジヴーニャ閣下がギギナを正座させて血反吐をはくまで何やらやらせたらしいです。意識を喪失させたのち、ギギナは閣下の姿を見るだけで顔をひきつらせ盛大に汗を流すという奇行をしてたという発言を聞きました」

 

「ジヴーニャ閣下って、どんだけ怖がられてるんだ、というかその信ぴょう性は?」

笑いながらも問いかける

「わかりません。ジヴーニャ閣下の姿を必死に視界から追い出して正常な状態を保っているらしいですから‥‥一応閣下も気にして事務所に差し入れは控えているらしいです」

ミルメオンもあの暗黒バージョンの閣下の顔を見れば人は修羅になれるって理解できるかもしれないなぁ…と思いながら現状を伝える。

 

「その閣下とかいうのは、強さはどのくらいだ?」

笑いながらも、なんだか勝手に咒式士だと勘違いしているらしい。

 

「いえ、咒式の使用はできない一般人ですよ?精神的な強さで言うのなら‥‥…というか、ギギナ評価では一般人とのエリダナ変人統合部門ではパンハイマ、ツザン、に続き表彰台に上るだろうと言ってました」

脳裏に拷問専門のパンハイマ、メスを持った内臓愛好家のツザンを思い浮かべながら

 

「‥‥…一般人で表彰台入り、そんな女とガユスとかいう赤毛眼鏡は結婚したのか。どこが素敵な女性なのか理解できないが、ある意味面白いな」

 

「そうですね…孤高を気取っているギギナが相棒と認めているくらいですからガユスはある意味精神的な部分でのギギナの心かもしれません」

戦いの際中の息の合ったコンビネーションを思い出しながら、そう言えばギギナが憎まれ口をたたくのはガユスくらいで後は特に平等というかあまり興味がないのか反応しないなぁ…と私は思い出した。

 

「後、気になるのが…入った当初、正確にはハオルの事件が終わる前と後とではギギナとガユスの二人の空気が変わったような気がします」

なんだか柔らかい雰囲気になったことを報告するが、途中から気絶していたので肝心なことが分からないという事は伝えた。

 

「その間の事は気になるが、取り敢えずは引き続きギギナとガユスのそばで引っ付いてろ」

 

「‥‥‥わかりました」

色々と言いたい事があるが、ご飯もおいしいし、どうせ要望をだしても通らないことが簡単に想像できるので私はグッと我慢をした。

 




という訳で、旦那ギギナとガユスお母さんでした。
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