『川神聖杯戦争』   作:勿忘草

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今回もバトル回です。
最近続いています。


『斬撃とバイクと爆発と衝撃波と本気の戦士』

俺達はバーサーカーに対して構えたり各々の場所に着く。

相手はそれなりにダメージを受けているみたいだがそれでも侮れない。

 

「アサシン、とりあえずは攻撃をくらわないようにな」

「阿呆が、(オレ)と貴様を同じにするな」

 

俺がアサシンに声をかける。

するといつもの声色でこちらに言ってくる。

どうやら精神的なコンディションもお互い問題が無い。

 

「いくぜ!!」

 

俺は先に駆け出す。

俺ができる限りひきつけてそこで王貴が衝撃波を叩き込む。

攻撃は爆破をさせて逸らしたり八極拳の技術がある。

手段が有る俺が盾役になったほうがやりやすいのだ。

 

「貴方が来るの……前と同じようにしてあげる」

 

バーサーカーが笑みを浮かべながら構える、俺を真っ直ぐに見ているがそれは愚策だ。

なんせここには四組の陣営がいる。

そしてそれら全てがお前を狙っている、俺一人にかまけててはいけないぞ。

 

「あーらよっと」

 

男……どう考えてもクラスはライダーだな。

ライダーがバーサーカーを撹乱する。

速度が乗った状態ならばさっきのように吹き飛ばされるだろう。

それが分かっているからかバーサーカーは当たらないように動く。

しかし注意力が散漫だな、ライダーの本当の目的はお前への攻撃じゃないぞ。

 

「自分から間合いに来てくれるとはな!!」

 

俺は踏み込んで一撃を放つ。

ライダーのサポートのおかげだ、やはり全員がバーサーカーを倒す事に集中している。

バーサーカーは後退して避けるが、その先に待機していたのは別の男……刀を持っているからセイバーだろう。

 

「背中ががら空きだぜ!!」

 

躊躇いも無く背中に刀を振り下ろす。

バーサーカーは飛んで避ける、しかしその判断も間違いだ。

飛び上がれば回避は出来ない、そしてここは俺の作った結界だ。

何の対策もやっていないわけが無いだろう。

 

「爆発しろ!!」

 

指を鳴らすと結界の上部が爆発する。

その爆発は跳躍していたバーサーカーに直撃した。

前回と同じだと思ったら痛い目にあうぞ。

 

「がっ……」

 

落下をしていくバーサーカー。

まだまだ攻撃は終わらない、そんな無防備な状態で防げるのか?

 

「吹き飛ぶが良い、塵芥」

 

アサシンが衝撃波を放つ。

バーサーカーは防ぐ事ができずに吹き飛ばされていく。

そして吹き飛ばされて結界に背中がつくと俺は指を鳴らす。

 

「ぐわああああ!!」

 

再び爆発する。

結界に体の一部が触れてしまっていたら俺の合図一つで爆発する。

当然無差別ではない。

 

「ここまで見事に嵌まると笑うなどではなく哀れに見えてくるな」

 

アサシンがその姿を見て神妙な顔で呟く。

流石に四人がかりだしな、一方的になるのも無理は無い。

それに準備万端でも有るがいつもに比べて体が軽いのだ。

 

「お前ら気抜くなよ? あのお姉さん、目が死んでない」

 

ライダーの声が聞こえる、大丈夫だ、それは分かっている。

相手がこちらを睨んでいるんだから。

 

「おおおお!!!!」

 

吼えてこちらへと走って来る、しかしその速度よりも俺が指を弾くほうが速い。

爆発が起こり再び吹き飛ばす。

 

「獣同然の振る舞いだな、這い蹲れ」

 

更にアサシンの衝撃波で地面にめり込んでいく。

そのまま地面に這い蹲るかと思ったがそう上手くはいかなかった。

相手は筋力を活かして跳ね上がって起き上がる。

 

「足元注意ってわけだ」

「川神流奥義『蛇屠り』!!」

 

だがその起き上がった瞬間、セイバーの刀とライダーのマスターの薙刀がバーサーカーの足を切り裂いていた。

 

「俺たちのことも気にかけとくべきじゃないのか?」

 

セイバーがそう言ってバーサーカーの方を見る。

腕と足がやられている今の状態ではいくら睨みつけても怖くない。

 

「この距離なら外さねえぜ、ボキャー!!」

 

更にセイバーのマスターから後頭部へゴルフクラブの一撃を喰らう。

頭がぐらぐらとしていることは間違いないだろう。

 

「グッ……」

 

何とかして立ち上がろうとする、しかしそれさえもこちらが許すことは無い。

もう既に追撃が始まっていた。

 

「トンファーキック!!」

 

マルギッテさんが一撃を叩き込み僅かに浮かせる、そして間髪いれずにアサシンの衝撃波がバーサーカーを襲う。

 

「飛んでいけ、哀れな女よ!!」

 

手を前に出し笑みを浮かべて放つ。

そのまま吹っ飛んでいくバーサーカー。

そこへ横っ面に殴りつけるライダーのバイク。

その顔にはやる時はやるといった真剣な顔だった。

 

「どんなもんよ!!」

 

バイクの直撃を食らったバーサーカーは吹っ飛んでいく。

その瞬間を狙ってキャップが走りこむ。

 

「もう一発だ!!」

 

後ろ回し蹴りが顔面に入って更に吹っ飛んでいき結界へと背中が当たる。

俺はその瞬間爆発をさせてバーサーカーを別の方向へと吹き飛ばす。

するとその軌道には丁度セイバーが待っていて、バーサーカーを斬る為に振りかぶっていた。

 

「貰ったぜ!!」

 

脇腹をセイバーが切り裂く、血が少し飛び散った。

バーサーカーは言葉を発する事も無く再び地面に落ちる。

バーサーカーはもはや成す術がない。

 

「あああああああ!!!!!」

 

しかしその考えを裏切るようにバーサーカーは叫びながら一気に距離をとる。

足が傷ついているはずなのに良くできるもんだ。

 

「許さない、ここまでやるなんて許せないわ……」

 

なんかお門違いな事を言っている、前回俺をあんなにぼろぼろにしたくせに自分がやられたら許さないって馬鹿らしい。

勝負事だから傷ついて当たり前だし、さっきまで意気揚々と『まとめて潰す』とか言ってた奴の台詞ではないだろう。

 

「……『本気』でいくわ、今度こそ貴方達全員を完膚なきまでに叩きのめしてあげる」

 

一瞬俺たちをその言葉に首をかしげる。

一体全体この女は何を言っているのだろうか?

確かバーサーカーとして狂ってはいない、本気を出す事は出来るはずだ。

ただ今まで手加減されていたという現実に全員の表情、もしくは目の色が変わる。

 

俺は怒りのこもった目で、アサシンは呆れたというような目でバーサーカーを見ていて、ライダーは静止を促す顔を、セイバーは苦笑いをそれぞれバーサーカーに向けていた。

 

そんな俺たちの感情や行動を知らずにバーサーカーは言葉を続ける。

 

「貴方達に勝てるならばマスターなんて安い代償よ

所詮マスターなんて私たちに気を渡すだけで戦闘では要らない存在じゃない

それなら沢山の気をくれるだけの頑丈な置物の方がよっぽどましだわ」

 

バーサーカーの発言に全員が怒りを感じる。

俺達はマスターがいてこそ存在できる存在。

マスターがいなければただの幽霊でしかない儚い存在だ。

 

「貴様のような自己中心的な塵芥がいるから問題なのだ、他人の事を考えろ」

 

その怒りからかアサシンが珍しく一番先に相手を非難する。

しかしその言葉に俺は苦笑いを浮かべていた。

 

「アサシン、お前が言えた事じゃないと思うぞ

まあ、マスターを蔑ろにする発言をした以上俺もこいつは許せんがな」

 

指を豪快に鳴らして俺はバーサーカーを睨みつける。

只でさえ強い奴というだけでマスターから気力を吸い上げているはずだ。

それなのに感謝もなく使い潰そうとするなんて下衆の極みではないか。

 

「良い女でも性根が腐ってんならいらん

今から全力で悪趣味な面に変えてやるから覚悟しな」

 

ライダーも首を鳴らして腕を組みバイクから降りている。

流石に女好きでもタイプじゃない奴がいるか。

 

「今の言動は悪いけど見過ごせないな、とりあえずは他のやつらにやられた後で首を落とさせてもらう」

 

セイバーも剣を構えて睨んでいる。

さっきまでの発言からは感じられないほど熱くなっているようだ、

 

「『鬼は降り立ってこの身に宿る、人から鬼へ、鬼から神へと私はなる

振るうは暴虐、成すべき事は破壊、今此処に誕生の産声を上げる

鬼神降誕(きしんこうたん)』!!』」

 

俺たちの怒りなど何処吹く風でバーサーカーは宝具を開放する。

開放した瞬間吹き出る気が体を包む。

どうやら機能が低下した分を気の強化で補うみたいだ。

 

「傷は治らないけれど強化をしたらこの程度問題じゃないわ

貴方たち全員襤褸(ぼろ)切れの様にしてあげる」

 

天を衝くでは済まず空を割るほどの気力に俺は背筋を冷たくする。

今まで感じた事のない気力に頭が警鐘を響かせている。

俺はこれはまずいと思い即座にマルギッテさんに声をかける。

 

「ちょっと……宝具使わせてもらっていいですか?」

 

俺の切羽詰ったその言葉にマルギッテさんは頷く。

ここまで来たらもはや出し惜しみなど言ってられない。

そんな事をやっていたら脱落してしまう。

 

俺は許可が出た事に喜びすぐに宝具の準備をする。

よく見てみるとあちらでもライダーやセイバーがマスターたちと相談していた。

 

手や足を振り、感覚を確かめてこちらに余裕の笑みを向けてくるバーサーカー。

これから本当の戦いが始まるのだった。




次回もまだ続きます。
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