『川神聖杯戦争』   作:勿忘草

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今回はサーヴァントの真名とマスターが誰かを明かします。
少々テンポが悪いですが次回から書き方を変えて読みやすい小説に仕上げて生きたいと思います。


『サーヴァントの名前 マスターの名前』

『サーヴァント』の問いかけに『マスター』たちは微笑んでその答えを返す。

かといってその笑みが全員清清しいものというわけではない。

あるいは歪に歪んだもの、あるいは怒りを含んだものもあるだろう。

 

『マスター』たちも息を吸い込み一拍置いて言い放っていた。

 

「そうだ、ウチがあんたのマスターってわけだ!!、名前は板垣天使、マスターか天って呼ばないと……痛い目に合わすぜ、マジで!!」

 

名前を名乗るピンク色のツインテールの女の子…板垣天使は最後に自分の呼び方を伝える。

そして間違った呼び方をしたらどうなるかを睨みながら『サーヴァント』に忠告していた。

 

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「そうだよ、私が君のマスター、名前は松永燕って言うんだ、宜しくね」

 

黒髪でショートの女性……松永燕は微笑みながら手を振って質問に応える。

目の前のサーヴァントを見てすでに謀略を考えているのだろう。

どのように活かせば勝てるか、自分がどのように立ち回るのが効率的か。

油断ならないマスターであった。

 

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「そうさ、あんたのマスターだよ、名前は板垣亜巳、呼びかたは好きに呼んで構わないよ」

 

紫髪の妖艶な女性……板垣亜巳は舌なめずりをするようにして『サーヴァント』を見る。

頑丈なのか強い男なのか調べる為なのか。

名前どおり蛇のような目でじっくり上から下まで見た後、微笑んでいた。

 

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「その通り、我がお前のマスターだ、我の名前は九鬼紋白である、戦いの間は宜しく頼むぞ、フハハハハ!!!!」

 

羽織袴の女の子……九鬼紋白は凛とした立ち姿で高らかに笑いながら告げる。

一騎当千と謳われる存在が放つ威圧感や殺気をものともしない胆力には舌を巻くだろう。

その姿は並々ならぬ器の広さを感じさせると同時に可愛らしいものであった。

 

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「あぁ、俺がお前のマスターだ!!、名前は風間翔一だ、宜しくな!!!」

 

バンダナの青年……風間翔一は元気な声で名乗る。

まるで先ほどの傲岸不遜など気にしていない。

それどころか面白い奴だといった感情が顔に映りこんでいる。

子供のような心の持ち主であった。

 

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「私の名前は川神一子、優しそうな人で助かったわ、宜しくね!!」

 

馬の尻尾のような髪形をした女の子……川神一子は微笑みながら言葉を言う。

見た目から受ける印象と心からの感想を告げて手を握る。

『サーヴァント』と仲を良くしようとする事は大事な事でもある。

優しい心の持ち主であった。

 

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「私の名前はマルギッテ・エーベルバッハ、主を睨むその態度はあとで粛清するとして……呼び方は『マスター』、もしくはさん付けにするようにしなさい」

 

軍服を着た赤い髪の毛の女性……マルギッテ・エーベルバッハは先ほどの態度に苦言を呈する、それは間違っていない。

主に対して余りにも敵意を向けるような睨みを効かしていたのだから。

氷のような冷たい視線を『サーヴァント』に向けていたのだった。

 

 

そして全てのマスターが名乗るとサーヴァントが顔を上げる。

砂煙で少々おぼろげに映っていたであろう輪郭が浮かび上がる。

目、鼻、口、耳。

時間が経つにつれより鮮明になってくる。

そして目の前に現れた顔を見て色々な反応を示す。

 

あるサーヴァントは宿敵であるが故の怒り。

あるサーヴァントは苦手であるが故の苦笑い。

あるサーヴァント達は関係ないにせよ楽しいと感じる喜び。

あるサーヴァント達は愛する者であるが故の戸惑い。

あるサーヴァントは知り合いであるが故の親近感。

 

「貴様が(オレ)を呼んだか、風間ぁ!!」

「まさか燕姉がマスターとか……帰って良い?」

「なんだか馬が合いそうなやつでよかった、宜しくな」

「可愛い女の子がマスターなんて、当たりね」

「そんな、なんだって亜巳が……クソったれがッ…!……気持ちワリぃ……」

「マルギッテさんを睨みつけるとか……危ない、危険が危ない」

「顔見知りのお嬢ちゃんならまだ分かりやすい、良かったぜ」

 

と一言呟いていた。

しかし次の瞬間全員の顔が引き締まる。

そして己の真名をマスターに伝え始めた。

 

(オレ)の名は霧夜王貴、アサシンのクラスだ。

 その矮小な脳に刻んでおけよ、風間」

 

傲岸不遜にアサシンのサーヴァント……霧夜王貴は言い放つ。

コレが風間翔一ではなく礼儀にうるさいものだったなら、しゃれにならない事態になっていただろう。

彼の言葉をマスターである風間翔一は笑いながら聞いていた。

 

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「俺の名前は黒月龍斗、アーチャーのクラスだ、こちらこそよろしく頼む」

 

苦笑いをしながらアーチャーのサーヴァント……黒月龍斗は伝える。

苦手意識を持った女性に対しての反応としては普通だ。

彼は速く単独行動がしたいと思うのだった。

 

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「オレの名前は立花虎之助、セイバーのクラスで今回来ている。

マスター、面白おかしくいこうじゃないか」

 

笑みを浮かべてセイバーのサーヴァント……立花虎之助が言う。

その笑みが出す雰囲気はマスターに対して友好的であり、取り入りやすさを出している。

しかし目の奥にはちらちらとどす黒い炎が見えていた。

 

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「私の名前は川神千李、クラスはバーサーカー、頼むわね、マスター」

 

胸を張りながら堂々と言うバーサーカーのサーヴァント……川神千李。

本来ならば宿るはずの『狂化』が彼女には宿らず、意思疎通を可能としている。

目には喜びが、顔には自信が満ちていた。

 

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「俺の名前は藤井戒…ランサーのクラスだ…宜しく頼む……」

 

戸惑いながらランサーのサーヴァント……藤井戒は質問に答える。

動揺を悟らせまいとするがうまくいかない。

目を逸らして深呼吸をして何とかしようと試みる。

その逸らした目の中には触媒のダイヤが放っていたような哀しい光があった。

 

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「俺の名前は澄漉香耶、キャスターのクラスで現界している。

宜しくお願いする、マスター」

 

戸惑いを隠したままキャスターのサーヴァント……澄漉香耶は恭しく頭を下げる。

隠れた顔には笑みを浮かべて、目には凶悪な光を宿していた。

どんな手でも使うといったと暗い思想や感情が体中からにじみ出ていた。

 

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「俺の名前は国吉灯、ライダーのクラスだ……まあ、ゆっくりのんびりやろうぜ、ワン子ちゃん」

 

両手を広げて満面の笑みを浮かべるライダーのサーヴァント……国吉灯。

慌てて動く必要は彼にとって何の意味もなさない。

願いをかなえたければ最後の一騎にさえなれば良いのだから。

それが彼の考えである、彼からはゆるやかな雰囲気がにじみ出ていた。

 

名乗りあって一段落付いた時にある黒い影がそこにはあった。

黒い影があるにせよどうやって全員の場所が分かったのか?

それは感知していたシステムから瞬時に割り出したのだ。

普段はだらけていてもやる時はやる、それが宇佐美巨人と言う男であった。

 

板垣天使の所には直江大和が。

松永燕の所には黛由紀江が。

板垣亜巳の所には島津岳人が。

九鬼紋白の所には宇佐美巨人が

風間翔一の所には師岡卓也が。

川神一子の所には源忠勝が。

マルギッテ・エーベルバッハの所にはクリスティアーネ・フリードリヒが。

 

あるひとつの事を聞くためだけにそこにいた。

 

板垣天使の場合。

 

「あぁん!?、何でお前がそこにいんだよ?」

 

いきなり後ろから現れた人影に驚く板垣天使。

直江大和だということを確認すると質問を始める。

 

「参加するかどうかを聞きにきたんだ」

 

その質問にすぐに答える。

すると天使が笑みを浮かべてその用件に対して即答してきた。

 

「うちは参加するぜ、好きに暴れられる、こんな楽しい事から降りるかってんだ!!」

 

それを聞くと直江大和は宇佐美巨人にその旨を伝える。

板垣天使の参戦がこれで決まった。

 

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松永燕の場合。

 

「あの、松永先輩……」

 

おずおずと話しかける……彼女の名前は黛由紀江である。

当然それに気づいた松永燕はその声に応える。

 

「わざわざどうしたの?、言っとくけどセールスはお断りだよん」

 

冗談めいた言葉を松永燕が投げかける。

しかし黛由紀江は真剣だった、その言葉に対して力の篭った声で一つの質問をしていた。

 

「いえ、そういう事ではなくこの度の戦いにおいて参加するかどうかを聞いているんです、先輩はどうするんですか?」

「そりゃ参加だよ、家名を高める機会なんだもん、逃す理由が無いよ」

 

その質問にいつもの謀略の笑みで答える松永燕。

しかしその目の奥に静かに燃える闘志が有るのを黛由紀江は感じ取っていた、

 

「そうですか、それではその確認でしたので、その……頑張ってください!!」

 

その真剣な目を見たらこれ以上交わす言葉は無い。

 

そう思った黛由紀江は一言残して去っていく。

彼女は帰り道の途中で宇佐美巨人に松永燕が参加するというのを伝えるのであった。

 

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板垣亜巳の場合。

 

「おっ、お姉さんじゃないですか」

 

板垣亜巳に声をかけたのは逞しい肉体をしたマッチョマン……島津岳人である。

彼の事を板垣亜巳は少し知っている、その姿を見た時少し微笑む。

 

「坊やじゃないか、もしかして私に壊されたいのかい?」

 

その言葉を放った瞬間、藤井戒が止めようとする。

しかし島津岳人はいつもと違って真剣な顔で一つの質問をしていた。

 

「今回の勝負にお姉さんは参加するのか?」

「楽しみじゃないか、技を振るうのも自由なんだ、使わなきゃ損ってもんさ」

 

その質問にサディスティックな笑みを浮かべて答える板垣亜巳。

楽しみで仕方ないのか、意気揚々と棒を回していた。

 

「成る程な、じゃあ参加の事伝えとかないといけないから帰らないと。

また会えたら良いっすね、お姉さん!!」

 

その姿を見て笑いながら島津岳人は去っていく。

宇佐美巨人に伝える事も忘れずにきちんとこなすのであった。

 

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九鬼紋白の場合。

 

「で……おじさんが直々に来ましたよっと」

 

中年でよれたスーツを来たヒゲの男……宇佐美巨人がそこにはいた。

 

「何故宇佐美先生が我の所に!?」

 

九鬼紋白は驚く。

同年代ではなくいきなり中年の人が来たらそれは驚く、普通の反応だ。

 

「だってバーサーカーなんだろ、今降りることもできるんだ、そういう奴には一番偉い人が来るもんだ」

 

パンパンとポケットをはたきながら言う。

そして普段とは全く違う真剣な顔で質問をするのだった。

 

「参加するのか?、別に無理強いはしない、バーサーカー引いて降りるなんざ普

 

通だ、扱いが難しいんだからな」

 

するとその質問に間髪をいれず九鬼紋白は言う。

 

「我は誓いました、戦うと!!、理解すると言ったのにせぬまま降りるなど有ってはいけない!!」

 

その凛とした立ち姿と気持ちの篭った声を聞いた宇佐美巨人は苦笑いを浮かべて一言言う。

 

「まあ、本人がそういうんなら参加だな、バーサーカーなんだから無茶するなよ、監督役が言うのもお門違いだけど」

 

そう言って背中に哀愁を漂わせて手を振りながら宇佐美巨人は去っていくのだった。

 

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風間翔一の場合。

 

見えた人影は見知った顔だった、片目を隠した蒼い髪の毛の少年……師岡卓也であった。

 

「やあ、キャップ」

 

師岡卓也が声をかける。

すると風間翔一が振り向き笑顔で手を振っている。

 

「おっ、モロじゃねえか、どうしたんだ?」

 

風間翔一は何か用が有るから来たのだと判断する。

その考えは当たり師岡卓也は一つの質問をする。

 

「キャップはこの戦いに参加するの?」

「当たり前だろ、この祭りに乗らないなんて男じゃねえぜ!!」

 

風間翔一は目に闘志の炎を燃やして二つ返事をする。

その姿を見て師岡卓也は微笑んでいた。

 

「それならこっちから監督役に参加の事を伝えておくよ、頑張ってね」

 

そう言って師岡卓也はその場所から去っていくのだった。

 

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川神一子の場合。

 

目の前に来た人影は川神一子にとって見知っていた顔だった。

 

「タッちゃんじゃない、どうしたの?」

「何、サーヴァントを呼んだからな、ちょっと聞きたい事があったんだよ」

 

タッちゃんと呼ばれた目の前の男……源忠勝に対しどうしたのかと理由を川神一子は問う。

しかしその理由に答える為の言葉にただ事じゃないと思わせる雰囲気がある。

それには川神一子も一瞬口を閉じて聞く体勢になるのであった。

 

「一子……参加するのか?」

 

真剣な面持ちで問いかける。

その視線を受け止めて川神一子は答えた。

 

「うん、参加する、せっかくの腕試しのチャンスだもの、ここで戦わないと勿体無いわ!!」

 

その答えを川神一子が言った瞬間、ほんの少し間が空く。

 

「出来れば参加ってのはやめて欲しかった、怪我して欲しくないからな」

 

間を埋めるように源忠勝は言葉を発する。

きっと真剣な本音なのだろう、薄っぺらい気持ちが見え隠れする事もない。

そんな純粋に思いやる優しい声で言い放つ。

 

「でも、お前が決めた事だ、これ以上はいわねえよ」

 

しかしそれも一瞬だ。

穏やかな笑みを川神一子に向けていつも通りの話し方になる。

 

「とりあえず無理せずに頑張れよ、贔屓は出来ないから言葉だけになっちまうがな」

「うん、負けないわ、頑張る!!」

 

微笑みながらの応援に川神一子は良い笑顔で返すのだった。

 

「お前も一子の事任せたぞ」

 

国吉灯の方へ振り向き一言、源忠勝は言う。

その源忠勝の言葉に親指を上げて応える国吉灯。

 

そういったやり取りを交わして源忠勝は去っていく。

当然その最中に宇佐美巨人に参加の旨を伝えていたのだった。

 

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マルギッテ・エーベルバッハの場合。

 

いきなり物陰から現れる人影に対して構えるマルギッテ。

しかし次の瞬間優しい笑みへと変わりトンファーを下ろしていた。

 

「一体どういった御用ですか、お嬢様?」

「ああ、マルさんが参加するかどうかを聞きに来たんだ」

 

どうやら親しい間柄だったようだ。

参加するか否かの質問に対して顔を引き締め毅然とした態度で答える。

 

「ええ、参加します、願いが叶うとも言われたものを必ずやお嬢様たちに捧げましょう」

 

その言葉にクリスティアーネは首を振って一言言う。

 

「そんなものは要らないんだ、マルさんが無事ならばそれで良い!!」

 

その言葉の後に澄漉香耶の方へと向いて通る声で一言を発すのだった。

 

「マルさんを頑張って守るんだぞ!!」

 

そう言ってクリスティアーネは去っていくのだった。

 

これによって全員が参加の意思を示す。

その瞬間、令呪に再び痛みがはしり強く光リ鮮やかな色となる。

 

そして電話で全員参加の事を知った宇佐美巨人は誰も見ていない所で両手を上げる。

それが『聖杯戦争』開戦の合図であった。




次回からは七人全員ではなく一話に出るのが三人とかと減っていきます。
書き方も名前表記ではなく『俺』や『○○さん』といった感じにしていきます。
何かご指摘などがありましたらメッセなどでお願いします
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