ロクでなし魔術講師と携帯獣使い   作:ゲームの住人

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 こんにちは、ゲームの住人です。
 今回は新キャラを投入します!


同郷者

 魔術競技祭まであと一週間を切った。

 あれからクラスメイト達は集まって練習に励んでいる。一組の先生……名前なんだっけ………バーボン先生だったかな?と一度揉め事になったらしいが、その際にグレン先生とバーボン先生がお互いのクラスが優勝する事に給料三ヶ月分を掛けたそうだ。それ以来、クラスメイト達はより一層練習に励むようになった。モチベーションも高い。

 

 おれが出場する競技『迷宮探索』は、ギミック満載の迷宮を探索する競技だという事しか明かされていないので、あまり大した対策はしていない。している事といえば、家でナゾトキゲームをしたり魔術の練習をするくらいで、対策になっているかは微妙なところだ。

 

 

 今は昼休み。ほとんどの生徒が集まる食堂はごった返している。昼食のサラダをつついていると、正面の席に座るフィーベルさんがスコーンにジャムを塗りながら話し掛けてきた。

 

「コルは競技祭の練習進んでる?」

 

 隣の席に座ってシロッテの枝を(はし)のように構え、メインの焼肉を狙ってくるグレン先生をフォークで牽制(けんせい)しながら答える。

 

「んー、ぼちぼち。フィーベルさんは?」

 

「私もまあまあね」

 

 焼肉を諦めてシロッテの枝を(かじ)っている先生を見て可哀想に思ったのか、ティンジェルさんが手を付けていない自分のおかずを小皿に移して先生の前に置いてあげた。先生がティンジェルさんを呆然と見つめて「……て……天使様………?」と呟いている。

 

 あの二人のやり取りホント面白いなーと思いながら食事を終え、席を立つ。三人に「お先に」と声を掛け、食器を食堂の返却スペースに持っていってから、校庭へ向かって歩き出す。いつもは他のメンバーが食べ終わるまで待っているのだが、今日はカッシュとセシルと競技祭に向けて昼休みに一緒に練習する約束をしているので急がせてもらった。

 

 それにしても、昼休みまで練習に費やすなんて、カッシュ達はなんて真面目なんだろう……。それだけ今回の競技祭に対する情熱が伝わってくる。

 他の事を考えながら歩いていたせいか、おれはすぐ側に人がいることに気付くのが遅れた。

 

     どんっ!ガシャッ!

 

「っ!」

 

「あいたっ!」

 

 避ける間もなくぶつかってしまう。相手が慌てたように声を掛けてきた。

 

「す、すまん!大丈夫か?」

 

「あ、ああ、大丈夫!おれこそよそ見しててごめん」

 

 おれが視線を上げた先には、同い年くらいの男子生徒が立っていた。

 短く刈り上げた金髪に、水色の瞳。身長はおれより少し低めだが、身体つきはがっしりとしていて、鍛えているのが(うかが)える。この学院の生徒達は学者気質の生徒が多く、ひょろひょろしている生徒や太り気味の生徒が多いのだが、こんなタイプの生徒も珍しい。この男子生徒は学者というよりも、軍人という言葉の方がしっくりきそうだ。

 その男子生徒はおれの返事を聞くと、安心したように笑った。それから、思い出したかのように足元に視線を落とす。その視線を何気なく追い、おれは凍り付いた。

 

(やばっ……!3DS…!)

 

 ぶつかった拍子に3DSを落としてしまったようだ。急いで拾おうとするが、それよりも早く少年の手が3DSを拾い上げる。

 

「ほら、これ君のだ……ろ………」

 

 少年の声が不自然に途切れた。顔を上げると、少年は眉をひそめて3DSを凝視している。

 

「ああ、うっかり落としちゃったみたいだ!拾ってくれてありがとう!それじゃあ!」

 

 急いで受け取り、ポケットにねじ込む。強引に会話を終わらせて少年に背を向け、早足でその場を立ち去ろうとした時、後ろからよく知っている、しかしここでは聞けるはずのない言葉が聞こえた。

 

「………3DS(・・・)……」

 

「……えっ?」

 

 思わず立ち止まり、振り返る。

 金髪の少年は、おれの顔を呆然と見つめている。やがて、その口から流暢な日本語(・・・)が流れ出した。

 

「…お前……転生者(・・・)、なのか?」

 

 転生者。その言葉の意味をおれは一つしか知らない。それに、この少年はたった今、完璧な日本語を話してみせた。

 

「……君もだろ(・・・・)?」

 

 日本語でそう返すと、少年がたじろいだ後、ゆっくりと頷く。

 

 おれ達のただならぬ雰囲気に、周りを騒ぎながら歩いていた生徒達がいつの間にか静かになっていた。おれと金髪の少年を中心にして人混みの中にはぽっかりと穴が空いていて、周りから小声で「何、喧嘩?」「先生呼んだ方がいいかな…?」などと聞こえてくる。

 

「……場所を変えて話そう」

 

 言語を戻してそう言うと、金髪の少年も辺りを軽く見回して「そうだな」と頷いた。

 カッシュ達には悪いが、今は練習どころではない。後で謝っとこうと思いながらおれと少年は逃げるようにその場を立ち去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 結論。やはり彼も転生者だった。

 おれ達は人気の無い場所に移動し、お互いの情報を交換した。

 前世で日本の高校生だったという彼は、色々あってこの世界に転生する事になったそうだ。前世の死因は流石に聞かなかったが、多分おれと似たようなものだろう。

 驚いた事に、彼も転生する時におじいさんに会ったそうだが、その時に3DSをプレゼントされたのだという。おじいさんに「3DSを持っている少年を見つけて一緒に遊べ」と言われたのだそうだ。

 

「……お互い大変だな……」

 

「全くだぜ……オレあんまゲームした事なかったのに……」

 

「えっ?3DS使ってないのか?」

 

「いや、最近ポケモン遊び始めた」

 

 それからしばらく身の上話をしていると、少年が昼休みが残りわずかになっている事に気づいた。

 

「わっ!もうこんな時間か!」

 

「ホントだ、戻らないと……!」

 

 二人で慌てて廊下を走り始める。走りながら少年が思い出したように言った。

 

「そうだ、名前まだ言ってなかったよな!オレはライアス!ライアス=エルモンドだ!」

 

 最初に聞かないといけない事を聞かなかったおれ失礼過ぎるな……。

 

「コル=ファルリルだ!よろしく、ライアス!」

 

「おう!よろしくな、コル!」

 

 こうしておれは、自分と同じ境遇(きょうぐう)の仲間を見つけ、友達になった。

 

 




 今回は少し短めでしたが、いかがでしたか?
今回の新キャラ、ライアス君のモデルは私が大好きな小説のキャラクターなんですが、果たして、分かる人いるかなー?

 あと、都合上3DSの機能の一部を変更させて頂く事に致しました。それに伴い、この作品の本文の一部も変更させて頂きます。申し訳無い……!
 詳しい事は以前投稿した『3DSの機能説明』に記載します。
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