新しく買ったゲームに熱中してました!すみません!
それにしても最近のゲームって自由度高すぎて何すれば良いのか分からなくなりません?
9話目です。
おれが痛恨の一撃を食らって瀕死になってから約三十分後、午後の授業が始まったが、今日もグレン先生は適当な授業を行い、生徒達は各自自習をしていた。おれは教科書を読み返してみるものの、やはり何度読み返しても魔術の仕組みについては分からなかった。早々に諦めて3DSを取り出し、いつもの様に机の下で起動する。意識をゲームへと切り替え、自分がするべき事を頭の中で整理する。午前中はポケモンをしたので、午後からはRPGの時間だ。
おれのアバターは、今から盗賊のアジトを潰しに行くところだ。これはサブクエストなので別に必ずクリアする必要は無いが、クエストを達成した時に貰えるボーナス経験値がかなり多いので、おれはサブクエストもなるべく受けるようにしている。
このクエストはまず盗賊のアジトを探すところから始まるのだが、アジトは昨日寝る前にあらかじめ探し出しておいたので、後は突撃するだけだ。
装備やアイテムの調整をして行く準備を整えていると、ティティスさんが先生に質問している声が聞こえてきた。どうやらティティスさんは、呪文の訳がよく分からなかったらしい。だが先生はティティスさんに説明するのが面倒だったのか、ルーン語の辞書を手渡し、辞書の引き方を解説し始めた。すると、それを見ていたフィーベルさんが立ち上がった。
「その男に何を聞いても無駄よ、リン」
「あ、システィ」
そのやり取りを聞き流しながら、おれは装備やアイテムの最終確認をする。
装備、良し。
アイテム、良し。
確認を終わらせ、現在の進行度をセーブする。
どうやらフィーベルさんが放ったセリフのどこかがグレン先生にとっては気に食わなかったらしい。いつもはフィーベルさんの言葉を適当に聞き流すのに、今日は何故か食い下がっている。
その反応に一瞬戸惑ったフィーベルさんだったが、自分の考えに自信を持っているようで、返答に迷いはない。
その様子をちらっと見てから、おれは盗賊のアジトに突入した。中に居た盗賊は五人。予想していたよりレベルが高めだが、この位なら問題は無い。おれは手早く敵の回復役と思われる奴を片付け、魔法使いに狙いを定めた。
その間にもグレン先生はフィーベルさんに次々と質問をぶつける。フィーベルさんは頑張って答えようとするが、なかなかいい答えを見つける事が出来ずにいるようだ。
おれは魔法使いに攻撃を集中して倒そうとするが、敵の一人が邪魔をしてきてなかなか上手くいかない。しかし攻撃を集中させ続けたおかげで、もう少しで魔法使いを倒せそうだ。
そうしている間にも、先生とフィーベルさんの舌戦は激しさを増す。どうやら、フィーベルさんが劣勢のようだ。グレン先生の言葉の端々に魔術に対する憎悪のようなモノが滲み出しているのを感じる。
おれのアバターが遂に魔法使いのHPをゼロにし、魔法使いが倒れる。残り三人 。
ぱぁん!と乾いた音が響く。
おれは戦闘中にも関わらず顔を上げてしまった。
フィーベルさんがグレン先生に歩み寄り、先生の頬にビンタしたのだ。
「いっ……てめっ!?」
先生が何かを言いかけて、突然黙り込んだ。
「違う……もの……魔術は……そんなんじゃ……ない…もの……」
フィーベルさんは、グレン先生を睨みつけながら、泣いていたのだ。
「どうして……ひどい事ばかり言うの……? ………大嫌い、貴方なんか」
そこまで言い終えたフィーベルさんは、逃げるように教室を出ていった。教室に重苦しい沈黙が満ちる。
「……今日は自習だ」
そう言い残し、グレン先生は教室を出て行った。
3DSに視線を戻すと、おれのアバターは盗賊達に惨殺されていた。
「…………どうも今日は調子が出ないな」
おれはそう呟き、3DSをしまった。
今回は長めになるとか以前書いときながらそこまで長くはなりませんでしたね……